いきたがり

のるかそるか

八雲は古川さんを店の近くのカフェに呼び出した。
「どうしたの？こんな所に呼び出すなんて」
「忙しいのに申し訳ない、古川さんにお話というか相談があります」
「相談？お金の？」
「半分当たりで半分ハズレです」
「なになに？」興味津々の古川さんに、コーヒーを飲んで一息ついてから、意を決して話出す。
「古川さん、私と事務所を開きませんか？」
「へ？」
「税理・会計事務所です」
「俺と八雲さんで？」
「実はもう一人誘いたい人がいます。まだ声かけていませんし断られるかもしれませんが…」
「待って！俺分かったかも！当てていい？」
古川さんはノリがいい。八雲は笑って
「どうぞ」というと
「伊央くんでしょ！」と自信満々に言う。
「当たりです。どうですか？興味ありませんか？」
「今のところを辞めるリスクと新しい事務所を開拓するリスクか…」と考え込む。
やっぱり無茶だったか…と八雲が思っていると、
「なんてね！実は俺も八雲さんがFP始めた頃からうっすら考えてたんだよね。出来るんじゃないかって。おまけに伊央くん公認会計士取りたいって言うから、言い方悪いけど抱き込めたら強いよなあ」
「ついでに言ってしまうと、私も取ろうと思ってます、会計士」
「ええっ！めちゃくちゃ強くないですか？
ちなみに資格取得計画は？」
「最速で来年受験します」
「伊央くんは今年いけそう？」
「いけると思います。論文が少し弱いのでそこは強化します」
「取得後は？」
「古川さん、話が飛びすぎたので戻しましょう。単刀直入に聞きます、この話乗りませんか？」
「乗った！」
俺はテーブルの下でよしっ！と拳を握った。