霧晴れる時、君は

おまけ ２

こりゃまた盛大に…

あのタキシードの撮影をした日から数日後、個展に出す写真の撮影でスタジオに湊を呼び出した。
大学入学までの間は比較的時間が自由になるからと、撮影をよく受けてくれてる。
今日の撮影は水を使うので、服も濡れるし、まだ気温もそこまで高くないから、できるだけ短時間で終わらせてやりたい。
湊は勘が良く、俺が思う撮影場面がリンクできて、いちいち注文しなくても感覚でわかるから仕事がやりやすい。
今までモデルやってたわけでもないらしいし、天性のものだろうな。
湊のおかげでいい写真撮れてるし、ありがたいことに受賞できた作品もある。

そう思って撮影を始めたんだけど、おいおい、お前…なんだそりゃ？
キスマだらけじゃねえか。
ヘアメイクが
「浅野さん…どうします？消した方がいいですよね？」と頭抱えてる。
悠馬くんだな…あんなかわいい顔してやるじゃん。
おもしれえ。
「いや、そのまま行く」
「え？いいんですか？」
「あのままの方が色気あるだろ？」
「まあ、確かにいろいろ想像しちゃいますね」
「だろ？」

くるぶしあたりまで水の中に入り、全身はずぶ濡れ。文句一つ言わずにそこに立つ。
濡れたシャツが肌に張り付き、それだけでも湊のいい体がくっきり浮かび上がり匂い立つほどの色気があるが、うっすら透けるキスマがそれを増幅させる。
アシが
「ヤバ…」とつい口にするくらいだ。
確かにやべえな。これでまだ18歳だろ？
とんでもない逸材見つけちゃったかな。