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怖かった誕生日
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少し前の11月の俺の誕生日、湊くんがなにもしないはずがなかった。合格したら誕生日も兼ねて寿司屋に行こうと約束していたから、なにもいらないよと言っても聞いてくれなかった。
学校の帰り、俺の家まで送ってくれる。
家の前で湊くんはしばらく黙った。
そして
「なにも言うことない?」と聞いた。
「ないよ?」と答えると、
涙をポロッとこぼし、
「怖かった」と言った。
そう言われて俺は気づいた。
俺が湊くんの誕生日になにをしたのかを。
きっと湊くんは誕生日にまたなにか言われるのではないかと思っていたのだろう。
でも湊くんは
「俺は悠馬と離れる気はないから。悠馬は覚悟を決めて」
そう言うと、いつもの優しい笑顔で
「誕生日おめでとう」と抱きしめてくれた。
そして軽く唇を合わせると、
「これ受け取ってもらえる?」
そう言って包みを渡された。
「なに?」
「プレゼント」
「いいの?ありがとう!開けてもいい?」
「ダメ」
「え?」
「部屋で開けて」
「…うん」
湊くんは帰って行った。
学校の帰り、俺の家まで送ってくれる。
家の前で湊くんはしばらく黙った。
そして
「なにも言うことない?」と聞いた。
「ないよ?」と答えると、
涙をポロッとこぼし、
「怖かった」と言った。
そう言われて俺は気づいた。
俺が湊くんの誕生日になにをしたのかを。
きっと湊くんは誕生日にまたなにか言われるのではないかと思っていたのだろう。
でも湊くんは
「俺は悠馬と離れる気はないから。悠馬は覚悟を決めて」
そう言うと、いつもの優しい笑顔で
「誕生日おめでとう」と抱きしめてくれた。
そして軽く唇を合わせると、
「これ受け取ってもらえる?」
そう言って包みを渡された。
「なに?」
「プレゼント」
「いいの?ありがとう!開けてもいい?」
「ダメ」
「え?」
「部屋で開けて」
「…うん」
湊くんは帰って行った。
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