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傷痕
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夏休みに入り、湊くんは合宿免許のためしばらく留守だ。
でも朝昼夜のLINEは必ず来る。
寝る前には電話も来る。
毎日早く帰りたいとばかり言ってる。
でも運転は楽しいようで嬉しそうに話をしてくれる。
俺は湊くんがいないのでバイトを目一杯入れた。
できるだけ稼いでおきたい。
合宿から戻ると湊くんはすぐに試験を受けに行き、一発で免許を取得した。
こういう行動力がいつも素早くてすごい。俺はモタモタしがちだから見習わないと。
免許を取ったものの一向に車に乗せてくれない。
愛莉さんを隣に乗せて練習してるらしいのだが、
「大切な人を乗せるために完璧にしたい」と言って俺はまだ乗せてもらえない。
愛莉さんは
「失礼な話よね、事故って私が道連れで死んでもいいと思ってんのよ!」とお怒りだ。
そう言いながら毎回付き合ってくれてるらしい。
愛莉さんによると
「安全運転だし、全然怖くないよ」とのこと。自分の中で納得してないだけみたい。
「もうかっこ悪いところ見せたくない」って言ってた。
よほどあの姿が恥ずかしかったらしい。
俺は無精髭の湊くん、結構かっこよくて好きなんだけどな。くさいのは嫌だけど。
推薦の校内選考は9月末くらいに決まるそう。1学期までの成績と出席日数や生活態度、その他諸々で決まるがここまで来たらもう決定を待つしか出来ないので、一般入試の線も考えつつも湊くんは俺とできる限り一緒に過ごすと宣言した。
祭り、花火大会、映画、買い物、海、プール、俺の家に泊まり…本当に一緒に過ごした夏だった。
ここまで互いに一緒にいたがるのには理由がある。
俺が傷つけた湊くんとの三日間、それがしこりになっている。どこか前と違う。
二人とも離れることが怖くなってる。一瞬でも離れたらもう二度と一緒にはいられないのではないか、そう思ってしまってる。
湊くんは露骨にそれが怖いと口にするが、俺は大丈夫だよと言いながら、自分のしたことの重さを日々痛感してる。
そう簡単に消えるものではない、湊くんの傷を癒すのは言葉より行動だ。
湊くんを安心させたい。
守られる側じゃなくて守れる人になると決めたんだ。
湊くんがくれる大きすぎるくらいの愛情に少しでも追いつきたい、それ以上になりたいんだ。
でも朝昼夜のLINEは必ず来る。
寝る前には電話も来る。
毎日早く帰りたいとばかり言ってる。
でも運転は楽しいようで嬉しそうに話をしてくれる。
俺は湊くんがいないのでバイトを目一杯入れた。
できるだけ稼いでおきたい。
合宿から戻ると湊くんはすぐに試験を受けに行き、一発で免許を取得した。
こういう行動力がいつも素早くてすごい。俺はモタモタしがちだから見習わないと。
免許を取ったものの一向に車に乗せてくれない。
愛莉さんを隣に乗せて練習してるらしいのだが、
「大切な人を乗せるために完璧にしたい」と言って俺はまだ乗せてもらえない。
愛莉さんは
「失礼な話よね、事故って私が道連れで死んでもいいと思ってんのよ!」とお怒りだ。
そう言いながら毎回付き合ってくれてるらしい。
愛莉さんによると
「安全運転だし、全然怖くないよ」とのこと。自分の中で納得してないだけみたい。
「もうかっこ悪いところ見せたくない」って言ってた。
よほどあの姿が恥ずかしかったらしい。
俺は無精髭の湊くん、結構かっこよくて好きなんだけどな。くさいのは嫌だけど。
推薦の校内選考は9月末くらいに決まるそう。1学期までの成績と出席日数や生活態度、その他諸々で決まるがここまで来たらもう決定を待つしか出来ないので、一般入試の線も考えつつも湊くんは俺とできる限り一緒に過ごすと宣言した。
祭り、花火大会、映画、買い物、海、プール、俺の家に泊まり…本当に一緒に過ごした夏だった。
ここまで互いに一緒にいたがるのには理由がある。
俺が傷つけた湊くんとの三日間、それがしこりになっている。どこか前と違う。
二人とも離れることが怖くなってる。一瞬でも離れたらもう二度と一緒にはいられないのではないか、そう思ってしまってる。
湊くんは露骨にそれが怖いと口にするが、俺は大丈夫だよと言いながら、自分のしたことの重さを日々痛感してる。
そう簡単に消えるものではない、湊くんの傷を癒すのは言葉より行動だ。
湊くんを安心させたい。
守られる側じゃなくて守れる人になると決めたんだ。
湊くんがくれる大きすぎるくらいの愛情に少しでも追いつきたい、それ以上になりたいんだ。
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