25 / 107
王子様
しおりを挟む
翌朝起きると俺の腕の中に悠馬がいた。
静かに寝息を立てている。
朝から幸せすぎる、これがずっと続けばいいのに。
ずっと眺めてられる、愛おしさでいっぱいになる。
好きが止まらない、好きしか出てこない。
どれくらい時間が経ったのだろう、俺は悠馬の頭を撫でながらずっと寝顔を見ていた。
ようやく、ん?んん?と言いながら悠馬が起きた。
まだ半分も開いてない今にも閉じそうな瞼をなんとかこじ開け、視界に俺を捉えると
「…おはよう」と言って何故か頭を俺の胸にぐりぐりさせる。
ふっ
「なにしてんだ?」
「ん……」スースー言ってる、また寝た。
なんだ、このかわいい生き物は。
頬をつついて
「ほら、起きろ。飯食いに行くぞ」
「眠い」
「もう9時回ってるんだぞ、起きろ」
「いや」
「寝起き悪いな、お前w」
「王子様は王子様のキスで目覚めるんだって」
そういうと薄目でチラッとこっちを見た。
叫びたい、無限にかわいいと叫びたい。
頬にチュッとし、
「お目覚めですか?」と聞くと
指で✕を作り起きない。
こいつ…
「寝すぎの王子様が全然起きないので、早起きの王子様は痺れを切らしてディープキスをして起こしました」
「え?」
俺は悠馬に宣言通りディープキスをした。
悠馬は無理矢理唇を離すとゲラゲラ笑う。
「そんなの反則じゃん!」
「お前が起きないからだろ?」
ふふっ
悠馬笑ってる。
歯を磨いて、顔洗って、食ってみたいって言ってた喫茶店のモーニング行こうぜ。
もう終わってるかもしれないけど。
モーニングは終わっていて悠馬はしょげていた。だって起きるの遅すぎだろ。
それでもちゃんと昼食に近い朝食を食べて家に戻る。帰りながら今日は何しようか?と考える。二日目はノープランだった。
なにも決めずにプラプラ出かけるのもいいんじゃないかとなり、出掛けることにする。
ここで俺はあることに気づいた。
「なあ、悠馬。今日何時に帰るんだ?」
「ん?帰らないよ?」
「え?」
「だって二泊って言ってたから、二泊してくるって言ってあるよ」
「今日も泊まってくれるのか?」
「帰った方がいい?もしかして今日は別の女の子連れ込むの?」
「怒るぞ」
俺はちょっとだけムッとして先に歩く。
悠馬が
「ごめん~怒らないで~」
と追ってくるのがかわいくて知らん振りしてると、足音が速くなり、いきなり背中に飛び乗ってきた。
「うわっ!」
「おんぶしろ、王子様だぞ」
背中から命令する。
「家まで走れ!」
悠馬をおんぶしたまま走る。
重いけど嬉しい、こんなことできるのが嬉しくて楽しい。
「無茶言うな!」
30mくらいでギブアップした。
「死ぬわ」ゼーゼーする。
「家まであとちょっとなのに、筋肉は飾りですか?」と煽る。このやろう。
「じゃあ王子様交代な、次は俺をおんぶしろ」
と悠馬の背中に飛び乗る。
「うっわ!待って待って無理!無理だってば!重い!」
その場で潰れた。
二人で笑い転げる。
なにしてんだ、俺たち。
静かに寝息を立てている。
朝から幸せすぎる、これがずっと続けばいいのに。
ずっと眺めてられる、愛おしさでいっぱいになる。
好きが止まらない、好きしか出てこない。
どれくらい時間が経ったのだろう、俺は悠馬の頭を撫でながらずっと寝顔を見ていた。
ようやく、ん?んん?と言いながら悠馬が起きた。
まだ半分も開いてない今にも閉じそうな瞼をなんとかこじ開け、視界に俺を捉えると
「…おはよう」と言って何故か頭を俺の胸にぐりぐりさせる。
ふっ
「なにしてんだ?」
「ん……」スースー言ってる、また寝た。
なんだ、このかわいい生き物は。
頬をつついて
「ほら、起きろ。飯食いに行くぞ」
「眠い」
「もう9時回ってるんだぞ、起きろ」
「いや」
「寝起き悪いな、お前w」
「王子様は王子様のキスで目覚めるんだって」
そういうと薄目でチラッとこっちを見た。
叫びたい、無限にかわいいと叫びたい。
頬にチュッとし、
「お目覚めですか?」と聞くと
指で✕を作り起きない。
こいつ…
「寝すぎの王子様が全然起きないので、早起きの王子様は痺れを切らしてディープキスをして起こしました」
「え?」
俺は悠馬に宣言通りディープキスをした。
悠馬は無理矢理唇を離すとゲラゲラ笑う。
「そんなの反則じゃん!」
「お前が起きないからだろ?」
ふふっ
悠馬笑ってる。
歯を磨いて、顔洗って、食ってみたいって言ってた喫茶店のモーニング行こうぜ。
もう終わってるかもしれないけど。
モーニングは終わっていて悠馬はしょげていた。だって起きるの遅すぎだろ。
それでもちゃんと昼食に近い朝食を食べて家に戻る。帰りながら今日は何しようか?と考える。二日目はノープランだった。
なにも決めずにプラプラ出かけるのもいいんじゃないかとなり、出掛けることにする。
ここで俺はあることに気づいた。
「なあ、悠馬。今日何時に帰るんだ?」
「ん?帰らないよ?」
「え?」
「だって二泊って言ってたから、二泊してくるって言ってあるよ」
「今日も泊まってくれるのか?」
「帰った方がいい?もしかして今日は別の女の子連れ込むの?」
「怒るぞ」
俺はちょっとだけムッとして先に歩く。
悠馬が
「ごめん~怒らないで~」
と追ってくるのがかわいくて知らん振りしてると、足音が速くなり、いきなり背中に飛び乗ってきた。
「うわっ!」
「おんぶしろ、王子様だぞ」
背中から命令する。
「家まで走れ!」
悠馬をおんぶしたまま走る。
重いけど嬉しい、こんなことできるのが嬉しくて楽しい。
「無茶言うな!」
30mくらいでギブアップした。
「死ぬわ」ゼーゼーする。
「家まであとちょっとなのに、筋肉は飾りですか?」と煽る。このやろう。
「じゃあ王子様交代な、次は俺をおんぶしろ」
と悠馬の背中に飛び乗る。
「うっわ!待って待って無理!無理だってば!重い!」
その場で潰れた。
二人で笑い転げる。
なにしてんだ、俺たち。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!?
※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。
いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。
しかしまだ問題が残っていた。
その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。
果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか?
また、恋の行方は如何に。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる