霧晴れる時、君は

溺愛

それが昨年の秋ごろのこと。
俺と湊くんはあれから半年ほど付き合い、それぞれ２年と３年に進級した。
今もまだ付き合っている。
付き合ってる…というより一緒にいることが多い仲のいい人？常に一緒にいるというか、いたがる…湊くんが。
これなら友達でいいんじゃないのかなと思うんだけど、それは違うらしい。
『彼氏』という称号は大事なんだって。
湊くんはあの時からずっと俺が言ったことを守ってくれていた、一部を除き。

・かわいいと言わない・女扱いしない
女の子扱いはしないが、かわいい、これは正直何度も言われてる。
「無理だって！女扱いじゃなくて悠馬そのものがかわいい、存在がかわいいんだから仕方なくない？」と何度も俺を怒らせてはそう言い訳をするが、だんだんそれは許せてきた。普段は懸命に我慢してるのがわかるから。
今は人前では言わないを条件にしてる。

・揶揄われたり冷やかされたりするのは嫌だ
これは完璧に守ってる。まるでセ◯ムだ。
ちょっとでも俺が学校内で
「あいつだろ？男と付き合ってんのw」と笑われたり、
「ホモ」と揶揄われたりしようものなら、言った本人を見つけ出し（大体女子のリーク）、
「俺と悠馬が付き合っててお前に何か迷惑かけているのか？言ってみろ」と、ど正論でねじ伏せ、相手に
「二度と言いません」と念書まで書かせた。これにより学校で揶揄われるようなことは無くなった

付き合い始めてわかったのは湊くんは凄く優しい人だということ。
それから自分で言うのもなんだが俺を溺愛してる。
朝一緒に駅から登校し、帰りは駅まで一緒に帰る。たった10分ほどの距離なのに、これは絶対だった。
休み時間はどんなに短くても必ず会いに来る。
少しでも一緒にいたいからだそう。
おはようのLINE、お昼のLINE、おやすみのLINEも湊くんは欠かさない。
もちろんその間も絶え間なくLINEはくる。
休みの日は俺の都合を最優先し、バイトなどが入ってなければ僅かな時間でも会いたいと会いにきた。
出かける時も俺の希望を聞き、特に行きたいところがなければ綿密に調べ上げたデートプランを提案してくれる。