23時に明かりを消して

秋臣

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泊まり

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「1泊だしご飯とか大丈夫よね?お金はここに置いておくから。何かあったら広夢に連絡しなさいね、旅行に行くことは伝えてあるから」心配するならなんで人数に入れないんだよ。
「わかった、大丈夫だよ」
「晃くん、泊まりに来るんだろ?」
父さんが聞く。
「そう」
「夜中までゲームしてるんじゃないぞ、ほどほどにな」
俺の心配というより、これは晃の心配だな、多分。父さんも晃かわいがってるからなあ。
でもだったらなんで置いていくんだよ、やっぱりおかしくね?
「わかったから!大丈夫だってば!」
「はいはい、じゃあ行ってくるわね」

やっと行った。
俺は昼過ぎから夜までバイトだ。
晃もバイトだから、終わったらうちに来ることになってる。
心臓が超バクバクしてる。もつかな?俺。

21時半過ぎ、インターホンが鳴る。
「開いてんぞ」と出ると
「こんばんは~」と小声で晃が家に入ってきた。
「なんで小声?」
「あ、そうか。おじさんとおばさんいないんだよね、忘れてた」
「飯は?食べた?」
「少し食べたけど、ちょっと物足りない感じ」
「コンビニ行くか」
「うん」

人がいないだけでテレビの音がやたら大きく聞こえる。
リビングでバラエティ番組を観ている。
実は全然頭に入ってこない、上の空。
ゲラゲラ笑ってる晃の顔をジッと見ながら、こいつはいつでも呑気だなあとつくづく思ったりした。
「なに?」
視線に気づいた晃がこっちを向く。
「ん~、いつになったら俺の方向くのかなと思って見てた」
「テレビ見なよ笑」
「お前の方がいい」
晃を抱き寄せる。
「嫌か?」
「嫌なら来ないよ」
俺は晃の手を引き俺の部屋へ行った。
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