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夏休みも終わり、2学期が始まった。
晃は彼女と別れた、らしい。
かなり泣かれたようで「好きでいてもいい?」と言われ、ダメとは言えなかったと言っていた。
「泣かれちゃうと強く言えなくて。中途半端にする方が傷つけるよね…」と少し落ち込んでいた。
そんな状況で『したい』なんて言えるか。
いや、嘘です、本当はしたいです。
めちゃくちゃしたいです。
したいのもやまやまだけど、あいつ優しいから泣いてる彼女が可哀想とか言ってよりを戻しかねない。
まず晃の気持ちを繋ぎ止めないと。
やりたいばかりじゃ嫌われるかもしれないから、ずっと我慢してる。
それだけって思われるのも嫌だ。
精神的にもチンコ的にもキツい状況。
いろいろ痛い。
朝食を食べていたら母さんが
「今月末連休があるでしょ?晃くんちと一緒に温泉行くから。予約取れたの!」と言われた。
「は?急すぎない?何も聞いてないよ、俺」
「今言ったじゃない」
「そうじゃなくて俺にもバイトとか都合あるだろ?」
「え?あんた行くの?人数に入ってないわよ」
「は?」
「あんたは留守番。バイトでもなんでも好きにしてなさいな。行くのはお父さんとお母さんと晃くんの家族」
「晃は?」
「行かないんじゃない?晃くんもバイトあるし。聞いてみたら?恵茉ちゃんは行くわよ」
これってチャンスでは?
家が近いし学校も同じだから登校も一緒。
早速晃に聞いてみた。
「温泉の話聞いてる?」
「昨日の夜聞いた、急だよね」
「…晃お前行くの?」
「行かないよ。人数に入れてないって言われた、酷くない?恵茉は連れていくって」
「俺も留守番って言われた」
「俺たち扱い酷くない?」と笑い出す。
「なあ」
「ん?」
「その日バイト入ってるか?」
「21時までだったかな?次の日は入ってない」
「俺も20時まで入ってる」
「うん?」
「泊まりに来いよ」
「え?あ…うん」
泊まりになんて何回も何十回も来てるのに、なんで誘う俺も、誘われてる晃も緊張してるんだ。
「…するの?」
「したい…です」
「なんで敬語?笑」
「朝からする話じゃねえな」
口にしてしまったからドキドキが止められなくなった。
晃は彼女と別れた、らしい。
かなり泣かれたようで「好きでいてもいい?」と言われ、ダメとは言えなかったと言っていた。
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そんな状況で『したい』なんて言えるか。
いや、嘘です、本当はしたいです。
めちゃくちゃしたいです。
したいのもやまやまだけど、あいつ優しいから泣いてる彼女が可哀想とか言ってよりを戻しかねない。
まず晃の気持ちを繋ぎ止めないと。
やりたいばかりじゃ嫌われるかもしれないから、ずっと我慢してる。
それだけって思われるのも嫌だ。
精神的にもチンコ的にもキツい状況。
いろいろ痛い。
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「は?急すぎない?何も聞いてないよ、俺」
「今言ったじゃない」
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「え?あんた行くの?人数に入ってないわよ」
「は?」
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「晃は?」
「行かないんじゃない?晃くんもバイトあるし。聞いてみたら?恵茉ちゃんは行くわよ」
これってチャンスでは?
家が近いし学校も同じだから登校も一緒。
早速晃に聞いてみた。
「温泉の話聞いてる?」
「昨日の夜聞いた、急だよね」
「…晃お前行くの?」
「行かないよ。人数に入れてないって言われた、酷くない?恵茉は連れていくって」
「俺も留守番って言われた」
「俺たち扱い酷くない?」と笑い出す。
「なあ」
「ん?」
「その日バイト入ってるか?」
「21時までだったかな?次の日は入ってない」
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「うん?」
「泊まりに来いよ」
「え?あ…うん」
泊まりになんて何回も何十回も来てるのに、なんで誘う俺も、誘われてる晃も緊張してるんだ。
「…するの?」
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「なんで敬語?笑」
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口にしてしまったからドキドキが止められなくなった。
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