23時に明かりを消して

秋臣

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止められない

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軽いキスなんかじゃ止まらない。
あの夜のあの興奮が蘇る。
それ以上に目の前の晃に欲情してる自分に驚く。
そしてそんな俺を受け入れてる晃にも。
俺が舌を入れれば晃も応える。
舌が絡み合って体の力が抜けていく。
ヤバい、なにこれ。
キスってこんなに気持ちいいの?めちゃくちゃしたい、やめたくない、気持ちいいしか出てこない。
息継ぎすることも忘れて夢中でキスしていると、呼吸のできない苦しさに晃が一瞬唇を離し息をする。
「は…んん…」
その漏れた声に俺の中に僅かに残っていたらしい理性が完全に吹き飛んだ。
「晃…」と抱き寄せると首筋にもキスする。
急に首筋に唇が触れ晃の体がビクッと震える。もう晃がどんな反応しても俺に刺さる。
晃は女ではないが胸にも触りたい、触っていいのか?
いいや、触っちゃえ!
Tシャツの上から触るとさっきより更にビクン!と反応する。
これって直に触っていいってことか?嫌がってないよな?
Tシャツの下から手を入れる。胸まで辿り着くと突起に指が触れた。無意識にそれを摘む。
「あっ…ちょっと待っ…あ…」
いちいち反応がかわいすぎないか?
晃、お前ヤバすぎる。
もどかしくて晃のTシャツを脱がす。
目の前に現れた晃の体がたまらなくて、今触れていた乳首を口に含む。
「歩夢…あっ…」
俺が支えていないと崩れ落ちそうな晃をベッドへ押し倒す。
「歩夢…」
晃が俺の首にしがみつく。
マジでヤバいんだけど。
晃は男だぞ、俺何してんだ。
いや無理だ、男とかそんなのどうでもいい。
ヤバい、晃がヤバい。
俺の語彙力は理性と共にどこかへ消えたようだ。
こんな俺に甘えてくる晃見たことない、めっちゃかわいくねえか?
乳首を触られ感じてる晃にくらくらしてると、晃の手が俺のものを服の上から握る。
あ、今ヤバいって!触られただけでイけそうなくらいガッチガチだ。
晃は構わず直接触れてきた。
ヤバいって‼︎
マジでイっちゃうから!
「ちょっと待って、晃…俺ヤバいから…」
もうチンコが瀕死。
「イきそう?」晃がトロンとした顔で聞く。
だからその顔がヤバいんだよ。
「ヤバい…離せ…」
「あの時みたいに一緒にいこうよ」
思考回路がチンコと直結された俺は晃の下着を脱がせ、自分も脱ぐと、あの夜と同じようにお互いのものを一緒に握ってくちゅくちゅと擦り合わせる。
「歩夢…俺…もう無理…」
「くそっ!俺も限界」
俺の手は俺と晃の白い液体まみれになった。


それからというと俺たちは夏休みをいいことに、幾度となく気持ちいいことに明け暮れた。何度しても気持ち良過ぎて、これ以上の快感なんて存在するわけがないと思うくらいだ。
しかし、俺たちはそれ以上はしていない。
理性が云々ではなく、俺たちは童貞な上、男同士ということも相まって先に進めない。というかケツを使うという以外、やり方がわからない。
何より今更だが、どちらがどちら側になるか問題だ。
これまでの流れだと俺が挿れる方だと思うのだが、晃が
「待って!俺挿れられる側?」と拒否する。
猿の性欲待ったなしなのに、寸止め喰らってる。
何度か大真面目に2人で話し合ったが、どっちも
「ケツに挿れられるとか恐怖でしかない」と変なところで意見が一致し進展なしだ。
どうすりゃいいんだ、この持て余した欲求をどうすりゃいいんだよ。
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