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兄貴の企み
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願望は願望のままだし、彼女は出来ないし、つまらない高1の夏休みを迎えてしまった。
相変わらず暇さえあれば晃といるが、AVは控えている。猿も自重というものを知っていて、人間の片鱗が辛うじて仕事してくれている。
この日は晃が俺の家に遊びに来ていて、夕飯も食べていくことになっていた。
母さんも父さんも晃のことはよく知っているし、3人目の息子のような扱いなので、
「食べていくわよね」とそれが当然のように聞く前から準備を始めてた。
もうすぐ夕食という時間に兄貴が顔を出した。
「あれ?晃来てたの?久しぶりじゃない?」
「広夢くん、久しぶり!帰省?」
「広夢、ご飯食べてく?」母さんが聞く。
「うん、食べる。帰省じゃないな、サークルで1泊、正確には2泊か?まあ、旅行に行くんだけど、レンタカー借りるよりうちの車使った方が安上がりだから親父の車借りに来た」
「へー、兄貴サークルやってたっけ?」俺が聞くと、
「登山サークル、在学中に剱岳登頂したいから、今はいろんな山に登って経験積んでる」ああ、そんなこと言ってたな。
「意外!結構ガチなんだね」と晃がちょっとびっくりしてる。
「まあな、登山なんて俺のキャラじゃないもんな」と兄貴が笑う。
「そうだ、飯食ったらお前ら俺の部屋来いよ」
「なんだよ?」
「あとでな」
飯を食い終えて兄貴の部屋へ行くと、
「エアコンつけときゃよかったな、あちーわ」と窓を開け始める。夜とはいえ、まだ暑い。
「で、なによ?晃まで呼んで」
「お前ら、明日は空いてるか?つーか今から俺んち来い」
「はあ?」
「広夢くん、どういうこと?」
「兄貴、登山サークルで山行くんだろ?」
兄貴が何を言ってるのか全くわからない。
「明日は空いてるのか?」
兄貴、話聞いてる?
「俺は空いてるけど…歩夢は?」
「俺も空いてはいるけど、なんなんだよ」
「じゃあこれから俺んち行くから、晃はおばさんに俺んち行くって連絡しとけ」
「え?広夢くんちに泊まるってこと?」
「そういうことだな。別になんもいらないぞ、うちにあるものなら何使ってもいいし。下着とか歯ブラシはコンビニで買えばいいだろ。
あ、スマホの充電器だけ持ってこい、俺のと機種違うと使えないからな」
晃が何が何だかわからないまま、おばさんに連絡する。
すぐさま兄貴が代わり、おばさんと楽しそうに話をしたかと思うと
「晃、俺んち泊まるけど心配しないでね~」と電話を切った。
「いいってさ」
いまだになにがなんだかわかっていない俺らを尻目に兄貴は、
「じゃあ行くか」と父さんの車を借りて兄貴の部屋へ向かった。
相変わらず暇さえあれば晃といるが、AVは控えている。猿も自重というものを知っていて、人間の片鱗が辛うじて仕事してくれている。
この日は晃が俺の家に遊びに来ていて、夕飯も食べていくことになっていた。
母さんも父さんも晃のことはよく知っているし、3人目の息子のような扱いなので、
「食べていくわよね」とそれが当然のように聞く前から準備を始めてた。
もうすぐ夕食という時間に兄貴が顔を出した。
「あれ?晃来てたの?久しぶりじゃない?」
「広夢くん、久しぶり!帰省?」
「広夢、ご飯食べてく?」母さんが聞く。
「うん、食べる。帰省じゃないな、サークルで1泊、正確には2泊か?まあ、旅行に行くんだけど、レンタカー借りるよりうちの車使った方が安上がりだから親父の車借りに来た」
「へー、兄貴サークルやってたっけ?」俺が聞くと、
「登山サークル、在学中に剱岳登頂したいから、今はいろんな山に登って経験積んでる」ああ、そんなこと言ってたな。
「意外!結構ガチなんだね」と晃がちょっとびっくりしてる。
「まあな、登山なんて俺のキャラじゃないもんな」と兄貴が笑う。
「そうだ、飯食ったらお前ら俺の部屋来いよ」
「なんだよ?」
「あとでな」
飯を食い終えて兄貴の部屋へ行くと、
「エアコンつけときゃよかったな、あちーわ」と窓を開け始める。夜とはいえ、まだ暑い。
「で、なによ?晃まで呼んで」
「お前ら、明日は空いてるか?つーか今から俺んち来い」
「はあ?」
「広夢くん、どういうこと?」
「兄貴、登山サークルで山行くんだろ?」
兄貴が何を言ってるのか全くわからない。
「明日は空いてるのか?」
兄貴、話聞いてる?
「俺は空いてるけど…歩夢は?」
「俺も空いてはいるけど、なんなんだよ」
「じゃあこれから俺んち行くから、晃はおばさんに俺んち行くって連絡しとけ」
「え?広夢くんちに泊まるってこと?」
「そういうことだな。別になんもいらないぞ、うちにあるものなら何使ってもいいし。下着とか歯ブラシはコンビニで買えばいいだろ。
あ、スマホの充電器だけ持ってこい、俺のと機種違うと使えないからな」
晃が何が何だかわからないまま、おばさんに連絡する。
すぐさま兄貴が代わり、おばさんと楽しそうに話をしたかと思うと
「晃、俺んち泊まるけど心配しないでね~」と電話を切った。
「いいってさ」
いまだになにがなんだかわかっていない俺らを尻目に兄貴は、
「じゃあ行くか」と父さんの車を借りて兄貴の部屋へ向かった。
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