蛮族に嫁いだ王女〜強面無口な夫の本心が副音声解説付きで聞こえてくる〜

美海

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大公殿下は恐ろしい

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 ――つまるところ、妹よりも醜かったからだ。

 バルトール王国第七王女レオカディアは、自身の結婚の理由をそう分析した。

「教養深く才媛の誉れ高いレオカディア殿下ならば、軋轢の深まるオルドグ大公家との関係を良き方に導いてくださるでしょう」
「うむ。バルトールの役に立て、我が自慢の娘よ」

 宰相の上申に頷く父国王に悪意は無いのだろう。数多くの女性を愛して子を儲けた気の多い男だが、代わりに誰かを特別嫌うことも無かった。本心から娘を惜しみつつ政略の駒として使おうとしているだけだ。
 宰相には、王妃腹のレオカディアを追い落として、自身の孫である妾腹の王子や王女を厚遇したい思惑はあるだろう。だが、それは人として当然抱く気持ちで、責めようとは思わない。
 どのみち、誰かが引き受けねばならない役目だ。

「かしこまりました。幼いクラウディアでさえ国のために嫁いだのですから、何を恐れることがありましょう。このレオカディア、陛下のお望み通り、必ずやバルトールとオルドグを繋ぐ架け橋の役割を果たしてみせましょう」

 ――たとえ、嫁ぐ先が言葉も文化も民族も異なる辺境の地、『悪魔オルドグ』と畏れられる異民族の元だとしても。
 レオカディアは心の中でそっと付け加えた。

 ☆

 バルトール王国の東には草原地帯が広がっている。どこの国にも属さない草原に住む遊牧騎馬民族は馬の馴致と騎馬技術に長けており、彼らの侵攻と略奪に怯える周辺の民は彼らのことを『悪魔オルドグ』と呼んだ。その一方でオルドグ人が育てる馬は良馬として知られ、垂涎の的となっている。
 今から百年ほど前のバルトール国王は、オルドグ人の部族間抗争に乗じて一部族の首長と密約を交わし、大公位と定住する土地を安堵した。良馬と勇猛なオルドグ人を自国の戦力として使うことを期待して、友好のために王家の姫を大公に嫁がせることを約したのだ。
 だが、名目だけは『バルトールの臣下』になったとはいえ、住む土地も民族も言語も文化も異なる民を『仲間』と思う方が難しい。バルトール人はオルドグ人を蛮族だと嘲り、迫害してきた。そのせいで悪化したオルドグ大公家との関係を改善する役割が次代の大公妃には期待されている。
 当代オルドグ大公イシュトヴァーンと年頃が合う王家の姫は、レオカディアと二人の異母妹たちだけだった。
 後ろ盾だけで言えば公爵家出身の王妃を母に持つレオカディアが『誰もなりたがらない大公妃』に選ばれる確率は一番低かったが、第八王女ナーディアが大国の王子に見初められたことをきっかけに姉妹の運命は激変した。末妹のクラウディアはまだ幼く、両家の鎹となる子を一刻も早く産まねばならないオルドグ大公妃には適さない。レオカディアは急遽大公妃の有力候補に浮上した。
 そして結局まだ十三歳だった末妹は、レオカディアよりも早く嫁に行った。レオカディアの結婚相手として本命視されていた男が、幼児しか愛せない特殊な嗜好を持っていたからだ。彼の嗜好からすれば十三歳でも上限ぎりぎりなのだろう。きつい顔立ちのレオカディアはただでさえ年上に見られることが多い。彼にとっては全く好みではなかったのだろうし、レオカディアだって変態との結婚は願い下げである。
 だからやっぱり、運命の分岐点となったのは『レオカディアよりも美しいナーディアが大国の王子に見初められたこと』――『レオカディアが妹よりも醜かったこと』だと思う。

「母さまに似ていれば、わたくしの運命は違っていたかしら」

 花嫁に用意された控室で、レオカディアは鏡に向かって呟いた。
 スカートが膨らんだ形の白いワンピースには鮮やかな暖色の花の刺繍が施されていて、髪を纏めるのも揃いの意匠の太い刺繍帯だ。髪には生花がふんだんに飾られて花畑のようになっている。
 勇猛な騎馬民族であるオルドグ人の伝統的な花嫁衣装は、思いのほか少女めいて可愛らしく――恐ろしいほどレオカディアには似合っていない。それがこの結婚の不幸な結末を仄めかしているように思われて、見ていられずに視線を落とした。
 薄い色の金髪に菫色の瞳、白い肌。体の色素が薄いのは、母である王妃譲りだ。だが、華奢で可愛らしかった彼女とは違って、レオカディアの背の伸びはなかなか止まらず、男並みの身長に育ってしまった。ひょろりと高いだけでは不恰好だからと体を鍛えたこともあって、たいていの男には遠巻きにされる。ダンスのために組んでも『パートナー』ではなく『主従』に見えるらしい。
 顔のつくりは不細工ではないと思うが、きりりと上がった眉も吊り目も男性的な整い方をしている。幼い頃から『利発そう』とは言われても『可愛らしい』と言われたことは無かった。
 母方の祖父は『殿下が男であれば非の打ち所がない国王になられただろうに』としばしば嘆いた。持て囃される容姿、身につけるべきとされる知識や教養が男女で異なる以上、『男として立派だ』とは『女としては望ましくない』という意味だろう。
 血筋目当て以外には嫁のもらい手が無い代わりに、たいていの男とは対等以上に渡り合える――レオカディアは自分のことをそう評価していた。

「なんだ、小さいな」

 ――自分よりも頭ひとつ分は優に背の高い大男に、顰めっ面で見下ろされるまでは。
 縦に大きいだけではなく骨太でがっちりとした彼の体格は、人種の違いを感じさせる。切れ長の目も日焼けではなさそうな浅黒い肌も生まれついてのものだろう。
 白いシャツの上に花を刺繍した黒いベスト、羽を飾ったフェルト帽の花婿衣装の彼は、訛りの無い発音のバルトール語で『イシュトヴァーン』と名乗った。彼がレオカディアの夫となるオルドグ大公なのか。

「はじめまして、レオカディア・フォン・バルトールと申します。この度は両家の友好のため――」
「御託は要らん。貴女はバルトール人の侍女や騎士は連れてきたか?」
「え? ええ、王女としての品位を保つために必要な人員は」
「全て帰せ」
「……おっしゃっている意味が分かりません」
「そうか。レオカディアという王女は聡明だと聞いていたが、随分と頭の回転が鈍いのだな。それともこちらのバルトール語に誤りがあるのか? もしそうなら謝ろう」
「いいえ、大公殿下は非常に正確なバルトール語を修めておいでです。言葉の意味はきちんと分かりますとも。分からないのは、わたくしの伴の者を帰そうとする意図の方です」
「知ってどうする。納得がいかなければ逆らうのか? これはバルトールの側から言い出した縁談ではないか」
「……分かりました、仰せの通りにいたします」
「賢明な判断に感謝する」

 レオカディアが従者たちを呼び寄せて手短に別れを済ませると、驚きと悲しみに顔を歪める彼らには構わず、大公はレオカディアの体を片腕で抱え上げた。そのまま器用に馬に乗る巧みな身のこなしと腰に巻きついた浅黒い腕の力強さに、つい『人を攫い慣れているのだろうか』と思ってしまった。

 婚礼の儀式はごく簡単なものだった。祖先を祀った廟に夫婦となる二人が揃って参り、終生家族であると誓いを立てる。オルドグ人にとって父祖への誓いが持つ意味は重く、破ることはできないのだと聞いたことがある。この誓いによって、イシュトヴァーンとレオカディアはどちらかが死ぬまで夫婦でいるしかなくなったわけだ。
 誓いの後に、レオカディアはオルドグ大公領の領主館として使われている砦へと連れ帰られた。
 バルトール風に調えられた一室が代々の大公妃の部屋らしい。新天地で新しい人間関係に揉まれる身にとって、私室では慣れ親しんだ様式で過ごせることはありがたかった。

「不束者ですが、末永くよろしくお願い申し上げます」

 配慮への感謝を込めてイシュトヴァーンに深々と頭を下げた。バルトールでは貴婦人は礼を尽くす時も膝折礼カーテシーをとるけれど、オルドグでは頭を下げるのだと聞いていた。だが、オルドグの文化について一応は調べてきたつもりでも、何か間違ってしまったのかもしれない。大公は眉間に深い皺を刻んで、レオカディアのことを見ていた。

「大公殿下? どうかなさいましたか?」
「いや。『末永くよろしく』する必要は無いだろう。我々は子さえ得ればいい。手短に済まそう」
「手短に? どうやって」
「寝台に手と膝をつけ」
「どういう意味、」
「分からないか? 獣のように四つん這いになれと言っている」
「は……」

 言葉の意味は分かる。大公が話しているのは、レオカディアの母語であるバルトール語だ、間違えるはずがない。でも、頭が理解を拒んでいた。

「犬の交尾を見たことは無いか? 馬でもいい。あれと同じように後ろから犯すから、尻を向けろ」

 彼が話しているのは、夫婦の初夜のことなのか。どうやら、これから間を置かずにレオカディアは獣のような格好で犯されるらしい。

「嫌なら言え」
「……いいえ、バルトールから縁談を持ちかけたのですから」
「分かっているなら、いい」

 分かっている。斜陽のバルトールに、オルドグ人の反乱に耐えるだけの国力は無い。大公の機嫌を損ねるわけにはいかないのだ。
 レオカディアはのろのろと寝台の上で四つん這いの姿勢をとった。背後に立った彼にスカートを捲られて、下着をぐいと引き下ろされる。剥き出しになった秘部に心許なさを感じて、レオカディアは太腿を擦り合わせた。

「貴女は男を受け入れた経験はあるのか?」
「そんなことっ、わたくしもバルトールも、大公殿下を愚弄するような真似はけっしていたしません!」
「そうか」
「ひうっ!?」

 いきなり膣に指をねじ込まれて、レオカディアは思わず声を上げた。おそらく人差し指か中指を入れただけだろうが、太すぎる。

「道理で狭い。これでは挿入はいらん」
「っ、申し訳ございません」
「慣らしていいな? 貴女も裂けて苦しむのは嫌だろう」
「裂けっ!? どうかお願いいたします、どうか慣らしてくださいませ!」

 低い声で淡々と『挿入できない』と言われると、大公妃としての役目を果たせないことを責められたように感じた。レオカディアの女陰は挿入までに特別の準備を必要とする不出来な代物だと詰られたようで、ひどく屈辱的だった。
 だが、現実的な裂傷の可能性を示唆されては、背に腹はかえられない。恥も外聞も捨てて、レオカディアはシーツに額を擦りつけながら『まだ挿入しないでください』と懇願した。
 妙な匂いのするとろりとした液体を膣内に塗り込まれるのも、秘部に口をつけてぬるりと濡れた舌を挿し入れられるのも、全然嬉しくなどなかった。それでも裂傷を負うよりはずっとマシだったから『ありがとうございます』と礼を述べ続けて――これも結果だけ見ればレオカディアが望んだ行為ということになるのだろうか。

「挿れるぞ」
「あ……っ、いぎぃっ、いっ!」

 膣口に押し当てられたものを、最初は杭か何かだと思った。だが、寝室にそんなものを持ち込む者がいるわけはない。熱くて太くて硬いそれのことを猛った男性器だと理解した時には、それは膣道をめりめりと拡げながら押し入り、レオカディアの体を軋ませていた。いくら入念に慣らしたところで、元から大きさに無理があるものを受け入れられるわけがない。

「……っ、きついな、少し緩めろ」
「もうしわけっ、ありません……っ、いま、やりますから、」

 強張った体の力の抜き方が分からない。荒い息を整えるために深呼吸をすると、体の奥深くに突き刺さったものの存在を意識して、いっそう力が入ってしまう。
 うなじに熱い呼気を感じた。『やる』と言ったのに上手くできなかったから、大公に呆れられてため息を吐かれたのだろうか。自分が情けなくてたまらなくて、目には悔し涙が滲んだ。

「もっと頑張りますから、上手くできるようになるまで待って、」
「もういい。黙れ」
「……っ」

 失望されて見放され、言い訳も封じられてしまった。皮肉なことに放心したせいで脱力したのだろう、抽送は徐々に滑らかになり、長大な凶器は身のうちを削るように動いて、さらに奥へとねじ込んでくる。つい退きかける腰は大きな手で掴んで持ち上げられ、最奥に熱いものを流し込まれた。

「明日もするから、体を休めておけ」

 萎えた陰茎を引き抜き、そう言い捨てて大公は出て行った。新婚初夜の妻を独り、寝室に残したままで。『子作りを手短に済ます』ためには妻への気遣いも事後の語らいも必要が無いからか。なるほど合理的だ。

「……はは、」

 これがわたくしの初夜で、これが処女喪失か。
 散々脅された破瓜の痛みは振り返ってみれば大したことはなかった。痛みというなら剣術の稽古中に誤って木剣で鳩尾を突かれた時の方がずっと痛かった。この程度の痛みで、たかが処女膜の有る無しで、自分がそれほど変わったとは思えない。

(きっと純潔に大した価値は無い。……ただ、わたくしが身につけたものにはもっと価値が無かった。それだけよ)

 オルドグ大公はバルトールとの盟約のために、バルトール王家の血を引く子を欲しているだけだ。用があるのはバルトール王女の若く健康な胎だけだ。体の他の部分も頭も心も、彼には関係無いし必要無い。
 この地に、この家に、レオカディアは骨を埋めるのだ。この先、子が産めなくなるまで何十年間も、愛しても愛されてもいない男に孕まされ産み続けるだけの人生を送れ、と――。

「う……っ」

 目から零れた涙がぽたりとシーツに落ちた。
『もしもわたくしがナーディアくらい美しければ、誰かがわたくしだけを選んで欲してくれたのだろうか』――どうしようもない泣き言が脳裏をよぎる。それは、今までの自身の努力もナーディアの美貌以外の部分をも軽んじる思考だとは分かっている。
 けれど、これほどまでに自身の『無価値』を思い知らされては、弱気になった自分を叱りつける材料が見つからなかった。

(泣くな。泣いたってどうにもならない。何もできずに泣くだけなら子どもにだってできるわ)

 自分に言い聞かせても涙を堪えることはできず、シーツには大きなしみができた。最悪だ、これを洗う使用人に泣いたことを知られたくない。乾くまで部屋に留まることにしようか。

「……気にしても、仕方がないかもしれないけれど」

 破瓜の血の汚れを見て、今更かと肩を落とした。主人夫妻の寝室での過ごし方を微に入り細に入り知りたがる使用人はいないだろう。逆にもしいるのならば隠したところで無意味だ。
 考え直したレオカディアは、シーツの痕をそのままにして、身なりを整えて部屋を出た。泣きすぎて目も喉も痛い、顔を洗いたかったし水も飲みたかった。
 水はどこに行けばもらえるだろう、出来れば泣き顔が人目につかないところがいいが――。

『ゲーザはいるか!』

 厨房か洗濯場かと見当をつけて廊下を進むと、レオカディアの耳は低音を捉えた。雷鳴のように重々しい響きは、大陸の東方で使われる言語とも似通ったオルドグ語に特有の特徴だ。
 オルドグ大公が『ゲーザ』という人物を探しているらしい。怒ったような声の調子にいったいゲーザは何をしたのかと気になって、レオカディアは得意ではないオルドグ語を聞き取るために耳を澄ました。聞こえてきたのは――。

『ああ、いた!』
『イシュト、どうしたんだ? お前、今日は初夜のはずじゃ――』
『聞いてくれ、ゲーザ! やばかった! 嫁が可愛すぎた!!!』

「……へっ?」

 聞こえてきたのは、強面で恐ろしい風貌の夫が重々しい響きの言語で、語彙力なくレオカディアを『可愛い』と絶賛する声だった。
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