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近づきすぎて見えなくなる解
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貝殻を砕いて作った白粉を肌に乗せ、よく叩いて馴染ませる。
鏡の中の若い女は、険しく見えるほど真剣な表情でクレアを見つめ返してきた。
『薄化粧と自然に見える化粧は違うわ』
フレッドのあまりの鈍感ぶりに怒ったレディ・ルゼは、十五歳のクレアに化粧を教えてくれた。体に害の無い化粧品の選び方から、瞳を際立たせる色粉の付け方に至るまで。
『クレアがいきなり白粉の匂いをさせるようになったら、護国卿もすぐに気づいて警戒するでしょう。まずは髪と肌の手入れからね。アロエの化粧水と蜂蜜とオリーブ油で作った保湿剤を分けてあげる』
『ルゼ姉様、いいの?』
『もちろんよ。可愛い妹分の頼みだもの』
『手は貸すから彼を落としてみせて』という激励を受けて、クレアが心を奮い立たせたことは言うまでもない。
それ以来、肌と髪の手入れを怠ったことはない。規則正しい生活と入念な手入れによって作り上げられた肌は、つるりと滑らかで真珠のような輝きを帯びている。
クレアは白粉で整えた肌の上に、眉墨と色粉を乗せていった。目を縁取るように色粉を色の薄いものから順につけ、細い筆で目の際に線を引く。
血色よく見える程度に頬紅を薄く刷き、口紅は――普段よりも紅く、艶のあるものを選んだ。
「どうかしら。おかしなところがあったら直して」
自ら納得が行くまで顔面を彩ったクレアは、傍らに控えた侍女を振り返った。
生来の大きくまるい目と下がり気味の眉は、クレアを実年齢よりも幼く見せてしまう。化粧を施して印象は変わったかと尋ねると、侍女はおそるおそる口を開いた。
「華やかでお美しいです、クラウディア様。でも、口紅は淡い色にしなくてよろしいのですか?」
「似合っていないなら正直に言って」
「正直に申しますと、よくお似合いですし、私も常々クラウディア様に試していただきたいと思っていた色なのですが……護国卿の好みではないかと」
「そうでしょうね」
クレアのことをいつまでも『幼い少女』にしておきたがる夫は、淡い色の化粧や可憐なドレスを好む。
『護国卿夫人』として夜会に出席する以上、顔には化粧をしっかり施していると知っているはずなのに、淡い色の化粧なら『女』を感じないとでも言うのだろうか。
それなら、彼の逃げ道を塞いでしまおう。
「髪は結い上げて。ドレスもフレッドに伝えたものから変えて」
「ですが、クラウディア様の誕生会ですよ? 主役夫妻の服装がちぐはぐなのはまずいかと」
「そう思って、同系色で襟が無い形のドレスも用意しておいたの」
「それでしたら、髪は巻いてから後ろで編み込んで、すっきりとまとめつつ華やかさを足しましょう! クラウディア様の綺麗なうなじを見せない手はありません!」
「分かってくれて嬉しいわ。大人っぽく、というか年齢相応に見える姿にしてくれる?」
目の前の妻は『女』でしかないのだということが、分厚いうろこに覆われた彼の目にもはっきりと分かるように。
☆
これはどうしたものだろうか。
フレッドはクレアの隣に半歩下がって立ち、ぼんやりと妻の横顔に視線をやっていた。
「私を祝うために来てくださって嬉しいわ。どうかこの会の中で皆さんにも楽しい時間が、良き出会いが、待ち受けていますように」
誕生会の主役として堂々と挨拶を述べる彼女は、ピンと背筋を伸ばしていた。その拍子に深緑色のドレスの襟ぐりから覗くうなじは眩しいほど白い。
宴の前に広間へと続く控えの間で顔を合わせたクレアは、フレッドが買い与えた若草色のドレスを身につけていなかった。
高く詰まった襟の若草色のドレスは、レースや輝石によって華やかに飾られてはいたが、露出は極限まで抑えられていた。それが、鎖骨どころか胸や背中まで晒したドレスに変わるなんて、予想外もいいところだ。
(文句を、つけられればよかったんだけどな)
『肌を見せすぎて下品だから着るな』とか『君にはその服は似合わないよ』とか言えたらよかった。
だが、深緑色のドレスはクレアによく似合っていて、それを着た彼女は美しかったのだ。濃い色の生地は彼女の白い肌を引き立て、襟ぐりと袖口に添えられた繊細なレースと真珠の首飾りが上品さを加えている。これを見せられて『見苦しい』と明らかな嘘をつける気はしなかった。
「最後に、今日は私が夫と出会った日でもあります。あれから五年が経ちますが、互いの愛情は変わりません。この誕生会の場を設けてくれた夫に心から感謝するわ。ありがとう、フレッド」
「……ああ。愛しい君のためなら、このくらいなんてことないよ」
物思いに気を取られていたフレッドがかろうじて返すと、クレアは輝くような笑みを浮かべて『嬉しい』と頬を染めた。その途端に鋭い視線が幾つも突き刺さるのを感じる。客の中にいるクレアの信奉者たちの嫉妬の視線だ。
これは『ハウトシュミット夫妻は仲睦まじく、バルトールとスヘンデルの関係は良好だ』と見せかけるための演技にすぎない。
だが、『演技』だと知らない彼らにとって彼らの『女神』が他の男に愛を捧げることは面白くないのだろう。
(ああ、そうか)
その時、不意にすとんと腑に落ちた。
クレアはもうとっくに、男たちに愛を奪い合われるような、彼らに『女神』と讃えられるような――魅力的な『女』なのだ、と。
「フレッド? どうかした?」
「何でもないよ。僕が馬鹿だっただけ」
「え?」
「いいんだ。クレア、踊ろうか」
「ええ」
右手を差し出すと、クレアはそっと手を乗せてきた。
広間の中央に進み出て、互いの手を組んで身体を近づける。楽団の奏でる曲の調べに合わせて、脚は滑らかにステップを踏んだ。
スヘンデルに来たばかりのクレアは下を気にして俯いた挙句よく相手の足を踏んでいたのに、今の彼女は危うさの気配も無く笑顔を保ったまま軽やかに踊っている。
当然のことだ。五年もあれば人は変わる。少女が女になるには十分すぎる時間だ。
当然のことなのに、その間の彼女の努力を誰よりも近くで見てきたくせに、彼女の成長は見えていなかった。……きっと、見たくなかったから。
これが他の『子ども』であれば、心置きなく成長を尊ぶことができたのに。クレアも『守るべき子ども』の一人だったはずなのに。
「……十八歳おめでとう、クレア。大きくなったね」
万感の思いを込めて言葉を贈ると、クレアはぱっと顔を上げてフレッドを見つめ返してくる。
「ありがとう。……ねえ、私、もう大人なのよ?」
彼女の口調は『誇らしげ』というには頼りなかった。
潤んだ瞳に広間の灯りが反射してきらきらと輝いている。星屑を集めたような目で、彼女はフレッドを一心に見つめて言い募った。
「全部じゃないけど、あなたの出した宿題はだいたいできるようになったのよ。もうお酒も飲めるしっ……好きな人と結ばれて、子どもを産むこともできるの」
「分かってる。さっきまで分かってなかったけど、分かった。君は大人だ」
「じゃあっ!」
「少し考える時間をくれ。悪いようにはしないから」
「……本当に? 信じていいの?」
「ああ。僕の名にかけて誓うよ」
――君は幸せにならねばならない子だ。
そう言うと、クレアはほっとしたように肩の力を抜いて、身体をフレッドにすり寄せてきた。
それを見るとやはり思う。――ああ、彼女はなんて可哀想な子なんだろう、と。
身勝手な男に見初められたせいで故国から引き離され、頼る者も無いまま努力を強いられ、『好きな人の妻』にも『その子の母』にもなれないまま、他人の都合で人生を浪費されるなんて。
(僕の勝手な都合のためだけに一生を縛られるなんて、あまりにも可哀想だ。クレアが年頃になるまでには解放しようと思ってた。それならまだ間に合う、そこからならまだ可哀想な女の子の人生に取り返しがつくからって。……『年頃』になっちゃったなあ)
だから、彼女の成長には気づきたくなかったのだ。
フレッドは『大人になったクレア』を手放さねばならない。それはずっと前から決めていたことなのに、今のフレッドはクレアを離しがたいと思ってしまうから。
(大切に思うなら、クレアの幸せを願えるはずだ。それで彼女が幸せになるなら、喜んで彼女を解放するはずだ。なのに僕は、こんなにも身勝手で汚い。そんな人間は彼女の害にしかならないのに)
鏡の中の若い女は、険しく見えるほど真剣な表情でクレアを見つめ返してきた。
『薄化粧と自然に見える化粧は違うわ』
フレッドのあまりの鈍感ぶりに怒ったレディ・ルゼは、十五歳のクレアに化粧を教えてくれた。体に害の無い化粧品の選び方から、瞳を際立たせる色粉の付け方に至るまで。
『クレアがいきなり白粉の匂いをさせるようになったら、護国卿もすぐに気づいて警戒するでしょう。まずは髪と肌の手入れからね。アロエの化粧水と蜂蜜とオリーブ油で作った保湿剤を分けてあげる』
『ルゼ姉様、いいの?』
『もちろんよ。可愛い妹分の頼みだもの』
『手は貸すから彼を落としてみせて』という激励を受けて、クレアが心を奮い立たせたことは言うまでもない。
それ以来、肌と髪の手入れを怠ったことはない。規則正しい生活と入念な手入れによって作り上げられた肌は、つるりと滑らかで真珠のような輝きを帯びている。
クレアは白粉で整えた肌の上に、眉墨と色粉を乗せていった。目を縁取るように色粉を色の薄いものから順につけ、細い筆で目の際に線を引く。
血色よく見える程度に頬紅を薄く刷き、口紅は――普段よりも紅く、艶のあるものを選んだ。
「どうかしら。おかしなところがあったら直して」
自ら納得が行くまで顔面を彩ったクレアは、傍らに控えた侍女を振り返った。
生来の大きくまるい目と下がり気味の眉は、クレアを実年齢よりも幼く見せてしまう。化粧を施して印象は変わったかと尋ねると、侍女はおそるおそる口を開いた。
「華やかでお美しいです、クラウディア様。でも、口紅は淡い色にしなくてよろしいのですか?」
「似合っていないなら正直に言って」
「正直に申しますと、よくお似合いですし、私も常々クラウディア様に試していただきたいと思っていた色なのですが……護国卿の好みではないかと」
「そうでしょうね」
クレアのことをいつまでも『幼い少女』にしておきたがる夫は、淡い色の化粧や可憐なドレスを好む。
『護国卿夫人』として夜会に出席する以上、顔には化粧をしっかり施していると知っているはずなのに、淡い色の化粧なら『女』を感じないとでも言うのだろうか。
それなら、彼の逃げ道を塞いでしまおう。
「髪は結い上げて。ドレスもフレッドに伝えたものから変えて」
「ですが、クラウディア様の誕生会ですよ? 主役夫妻の服装がちぐはぐなのはまずいかと」
「そう思って、同系色で襟が無い形のドレスも用意しておいたの」
「それでしたら、髪は巻いてから後ろで編み込んで、すっきりとまとめつつ華やかさを足しましょう! クラウディア様の綺麗なうなじを見せない手はありません!」
「分かってくれて嬉しいわ。大人っぽく、というか年齢相応に見える姿にしてくれる?」
目の前の妻は『女』でしかないのだということが、分厚いうろこに覆われた彼の目にもはっきりと分かるように。
☆
これはどうしたものだろうか。
フレッドはクレアの隣に半歩下がって立ち、ぼんやりと妻の横顔に視線をやっていた。
「私を祝うために来てくださって嬉しいわ。どうかこの会の中で皆さんにも楽しい時間が、良き出会いが、待ち受けていますように」
誕生会の主役として堂々と挨拶を述べる彼女は、ピンと背筋を伸ばしていた。その拍子に深緑色のドレスの襟ぐりから覗くうなじは眩しいほど白い。
宴の前に広間へと続く控えの間で顔を合わせたクレアは、フレッドが買い与えた若草色のドレスを身につけていなかった。
高く詰まった襟の若草色のドレスは、レースや輝石によって華やかに飾られてはいたが、露出は極限まで抑えられていた。それが、鎖骨どころか胸や背中まで晒したドレスに変わるなんて、予想外もいいところだ。
(文句を、つけられればよかったんだけどな)
『肌を見せすぎて下品だから着るな』とか『君にはその服は似合わないよ』とか言えたらよかった。
だが、深緑色のドレスはクレアによく似合っていて、それを着た彼女は美しかったのだ。濃い色の生地は彼女の白い肌を引き立て、襟ぐりと袖口に添えられた繊細なレースと真珠の首飾りが上品さを加えている。これを見せられて『見苦しい』と明らかな嘘をつける気はしなかった。
「最後に、今日は私が夫と出会った日でもあります。あれから五年が経ちますが、互いの愛情は変わりません。この誕生会の場を設けてくれた夫に心から感謝するわ。ありがとう、フレッド」
「……ああ。愛しい君のためなら、このくらいなんてことないよ」
物思いに気を取られていたフレッドがかろうじて返すと、クレアは輝くような笑みを浮かべて『嬉しい』と頬を染めた。その途端に鋭い視線が幾つも突き刺さるのを感じる。客の中にいるクレアの信奉者たちの嫉妬の視線だ。
これは『ハウトシュミット夫妻は仲睦まじく、バルトールとスヘンデルの関係は良好だ』と見せかけるための演技にすぎない。
だが、『演技』だと知らない彼らにとって彼らの『女神』が他の男に愛を捧げることは面白くないのだろう。
(ああ、そうか)
その時、不意にすとんと腑に落ちた。
クレアはもうとっくに、男たちに愛を奪い合われるような、彼らに『女神』と讃えられるような――魅力的な『女』なのだ、と。
「フレッド? どうかした?」
「何でもないよ。僕が馬鹿だっただけ」
「え?」
「いいんだ。クレア、踊ろうか」
「ええ」
右手を差し出すと、クレアはそっと手を乗せてきた。
広間の中央に進み出て、互いの手を組んで身体を近づける。楽団の奏でる曲の調べに合わせて、脚は滑らかにステップを踏んだ。
スヘンデルに来たばかりのクレアは下を気にして俯いた挙句よく相手の足を踏んでいたのに、今の彼女は危うさの気配も無く笑顔を保ったまま軽やかに踊っている。
当然のことだ。五年もあれば人は変わる。少女が女になるには十分すぎる時間だ。
当然のことなのに、その間の彼女の努力を誰よりも近くで見てきたくせに、彼女の成長は見えていなかった。……きっと、見たくなかったから。
これが他の『子ども』であれば、心置きなく成長を尊ぶことができたのに。クレアも『守るべき子ども』の一人だったはずなのに。
「……十八歳おめでとう、クレア。大きくなったね」
万感の思いを込めて言葉を贈ると、クレアはぱっと顔を上げてフレッドを見つめ返してくる。
「ありがとう。……ねえ、私、もう大人なのよ?」
彼女の口調は『誇らしげ』というには頼りなかった。
潤んだ瞳に広間の灯りが反射してきらきらと輝いている。星屑を集めたような目で、彼女はフレッドを一心に見つめて言い募った。
「全部じゃないけど、あなたの出した宿題はだいたいできるようになったのよ。もうお酒も飲めるしっ……好きな人と結ばれて、子どもを産むこともできるの」
「分かってる。さっきまで分かってなかったけど、分かった。君は大人だ」
「じゃあっ!」
「少し考える時間をくれ。悪いようにはしないから」
「……本当に? 信じていいの?」
「ああ。僕の名にかけて誓うよ」
――君は幸せにならねばならない子だ。
そう言うと、クレアはほっとしたように肩の力を抜いて、身体をフレッドにすり寄せてきた。
それを見るとやはり思う。――ああ、彼女はなんて可哀想な子なんだろう、と。
身勝手な男に見初められたせいで故国から引き離され、頼る者も無いまま努力を強いられ、『好きな人の妻』にも『その子の母』にもなれないまま、他人の都合で人生を浪費されるなんて。
(僕の勝手な都合のためだけに一生を縛られるなんて、あまりにも可哀想だ。クレアが年頃になるまでには解放しようと思ってた。それならまだ間に合う、そこからならまだ可哀想な女の子の人生に取り返しがつくからって。……『年頃』になっちゃったなあ)
だから、彼女の成長には気づきたくなかったのだ。
フレッドは『大人になったクレア』を手放さねばならない。それはずっと前から決めていたことなのに、今のフレッドはクレアを離しがたいと思ってしまうから。
(大切に思うなら、クレアの幸せを願えるはずだ。それで彼女が幸せになるなら、喜んで彼女を解放するはずだ。なのに僕は、こんなにも身勝手で汚い。そんな人間は彼女の害にしかならないのに)
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