英雄の詩

銀河ミヤイ

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第二章「VS生徒会執行部編」

第25話「決着の時……」

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「これで終わりだ!!」


光輝は、そう言うと更にエクスカリバーに魔力を込め続けるがその技を怖がった優希は、ファイヤーボールで彼を牽制する。しかし、光輝の瞳は赤く変わりそのファイヤーボールは、無効化された。


「こんな極限状態でもその不思議な力が使えるのか???」

「そうらしいな、じゃあ、トドメと行くか!」


そう言うと光輝は、四つの光を放っているエクスカリバーをしっかり握りしめて振り上げた。


「喰らえ、エレメントブレイク!!」


エクスカリバーを振り下ろした瞬間、凄まじい魔法が四大元素となりそのまま優希を集中砲火した。ここで負ける訳にはいかない……優希のその強い想いが、空を駆け巡るを引き寄せた。突如変わる空の色にアリスは、恐怖すら覚えた。


「あれは……カオス!?」


全身身震いが止まらくなるが、空一面を覆ったカオスの粒子は、闘技場全体を包み込んでいる安全シールドを破り、優希に向かって飛来して彼の肉体を極限にまで高めた。その代償は、精神的支配……


「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


光輝は、まるで獣のように叫ぶと光輝に向けてアブソシールドを構えながらタックルしてきた。そのスピードについていけない光輝は、シールドブレスを見事に受けてしまうとその勢いで闘技場のフェンスに埋め込められてしまった。


「さぁ、決着をつけよう……師匠!」


もはや、別人の声が聞こえるが光輝はそれ以上に理性を失った優希を見ながら焦りを感じていた。


「優希まで……」


彼の強烈な一撃を避けて躱すと一旦距離を置いた。カオスのせいで安全シールドが破壊されている。ということは、光輝が全力で攻撃すれば同時に優希の身体も傷つけてしまうことになる……。その事実が、光輝に攻撃の意思を削る。


「クソ……」


光輝は、思わずそう呟くも優希のスピードはありえないくらいまで速くなっていてとても追いつける気がしなかったのだ。優希は、光輝に躊躇わずに斬り掛かる。徐々に彼の体は、傷が一つずつ増えていく……。


__このままじゃ……負ける!?


光輝はそう思った瞬間、黒い稲妻が周辺に無闇に発すると、アルティナフルーレを地面に落としてしまった。


「光輝!?」


 アリスは、心配して思わずフィールドへ飛び出すと黒い稲妻が、オーラとなり光輝の胸一点に集中すると金色の色をした鍔が炎の絵のような形をした漆黒の刀身をした剣が出現した。


「__敵は……殲滅する!!」


そう言うと光輝は、左手に漆黒の剣と右手にエクスカリバーを握っていた。彼の身体からは、聖なる気と邪気が混じり合いながら放っていた。


「その気は……魔剣!?」


その気に反応したのは、優希ではなく彼に憑依しているカオスだった。光輝は、急接近すると二本の剣を水平に回して優希を容赦なく攻撃し始めたが、アブソシールドによって防がれてしまうがその余波は凄まじいもので、アリスも立っているのが精一杯だった。


「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


光輝は、ひたすら剣を振り優希へダメージを与え続けた。光輝は、攻撃する度に何か自我を失うくらいに彼の精神は追い込まれていた。


「__待って!!」


アリスは、アルティナフルーレを手に取り光輝が放った漆黒の剣を思いっきり振り払った。


「邪魔をするな!」

「邪魔なのは貴方よ!」


アリスは、そう言うと優希の足元に氷魔法を発動させて身動きを封じた。光輝がアルティナフルーレを使って放った魔法は、アリスの得意魔法だったのだ。そして、アリスは光輝を抱きしめたが光輝は、それを振り払おうとする。


「__光輝、お落ち着いてよ!」


アリスは、しがみつきながら光輝に説得する。だが、今の光輝には全く届く気配がなかった。


「……じゃあ、これでどう???」


アリスは、自身も含めて光輝の下半身を動けなくするために氷魔法を発動させた。だが、光輝は赤い瞳の力で無効化させようとした。しかし、処理が間に合わなかった。アリスは、魔法式を少しづつ変えながら氷魔法を使用していた。それは、自身も傷つけていることになるが、アリスはその痛みに耐えた。


「光輝、貴方の痛みは私たちが良くわかってるから……私が……その痛みを分かち合うから……」


アリスは、魔法を解除しようとする光輝の首に手を回すと、自ら光輝の顔を近づけ始めた。


「……だから、お願い……目を……覚まして!!」


アリスは、そう優しく言うと光輝の唇にそっと自分の唇を重ねた。彼を傷つけないようにそっと優しく……。ただ、光輝の意識が元に戻ってほしいという事を思いながら……。
















__お願い、元に戻って……
























 次第に光輝の瞳は元の輝きを戻していくと同時に漆黒の剣は、消えた。横目でそれを確認したアリスは、光輝の唇からゆっくり離れた。


「__アリス……」


光輝は、少し頬を赤くしながらも自分が今どういう状況なのかやっと理解した。


「ごめん、俺……アリスに迷惑かk……」


光輝が謝罪を言おうとするとその言葉をかき消す勢いでアリスは、さっきより深く舌を絡めながらキスをし始めた。そして、息が続かなくなるまですると、ゆっくり離れた。


「謝らないで……光輝が苦しんでる時は、私が隣で支えるって言ったでしょ!」


アリスは、そう言うと優しい笑を光輝に見せた。すると、光輝はポケットから黄色い石を取り出すとアリスの手に乗せた。


「ごめん、魔法石こんなになっちゃって……」

「うんうん、良いの。これがあったから貴方が生きててくれれば……」


そう言うとアリスは、郡魔法を解除すると凍傷によって傷ついた足を気にし始める。それを見た光輝は、彼女に寄り添った。


回復範囲ヒーリングサークル


すると、光輝を中心として緑色の円が広がると自身の傷やアリスの傷までも完璧に治した。


「__見ててくれ……、今度こそ決着をつける!!」


光輝は、そう言うと立ち上がると、エクスカリバーをギュッと握り構えた。それを見た優希は、アリスの氷魔法を破壊すると、ターゲットを光輝に定めてから獣のように走り出した。最初は、アブソシールドを前に構えながら放つシールドタックルを放つと光輝は、横に避けてそれを躱すと優希の左手を思いっきり蹴り上げてアブソシールドを地面に落とさせた。


「何!?貴様のどこにその力が……」

「__そんなの護りたい人がいるからに決まってるだろ!!」


光輝は、そう叫びながら回し蹴りで優希とアブソシールドを離らかすとその間に仁王立ちした。


__頼む、俺にコイツを止める力を……



そう念じながら光輝は、エクスカリバーを握ると優希の方へ向けて走り始めた。


「く、来るな!」


そう言いながら光輝に足止めさせようとファイヤーボールやサンダーボールなどを次々と放つが全て赤い瞳の力で無効化された。


加速アクセル!!」


次の瞬間、光輝は既に優希の目の前まで移動していた。焦った優希は、無茶苦茶に剣を振るが全て躱した光輝は、エクスカリバーに雷魔法をかけながら抜刀術のようにして横腹に斬りこんだ。優希は、電流によって麻痺を起こして動けなくなると光輝は、そのままコネクトしながら次の技に移る。背中に向けて火炎魔法で強化されたトライアングルを放つとその流れでスクエアを決めた。これで三コネクト……スタミナも限界に近いがまだ諦めようとしない優希……元いいカオスに向けて光輝は、ジャンプして優希の目の前に移動しながら強烈な一撃を決めるとそのまま横にエクスカリバーを振りクロスカッターを決めた。


「ぐはっ……」


これは、初段の技だが一撃に力を込めるので威力は相当高い。光輝は、再び魔力をエクスカリバーに注ぎ込む。


「まさか、エレメントブレイクか?」


優希は、そう考えるとガードをしようとアブソシールドの方へ向かおうとするが光輝が目の前にいるのでどうしようも出来なかった。


「これで……終わりだ!!」


光輝は、そう言うと再び優希に向かって走り出して左脇腹を斬るとそこから回転をしながら背中、右脇腹、正面と水平に攻撃するとそれぞれの色をした衝撃波が綺麗な四角形を作っていた。


「バーチカル・エレメント・スクエア!!」


三つの技を融合させるとその衝撃波で出来た四角形の中でエレメントブレイクが発動して優希は、完全に弱まると残ったエレメントパワーを一撃に集中させた。


「優希の中から……出ていけ!!」


そう叫びながら光輝は、一刀両断をしてカオスを追い出したと同時にフラッと倒れそうになった優希を支えると地面に寝かすと先程、アリスにかけた回転範囲ヒーリングサークルを発動させた。


「でゅ……DUEL OVER!!乱入もあったが、光輝選手とアリス選手の活躍により殲滅完了!!この二人の功績を讃えてキングオブゲートの推薦者とする!!と学園長が仰っていました!!」


場内アナウンスに続いて大歓声が第一闘技場を包み込むと今度こそ、スタミナ+マナ切れになった光輝は、ゆっくり倒れると意識を失った。

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