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第二章「VS生徒会執行部編」
第21話「再戦の時!!」
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狼男の件から既に時が経ち、生徒会執行部との決着をつける日が来た。光輝は、すっかり立ち直り会長との決戦まで使い魔達とコミュニケーションをとっていた。
「みんな、今日は中山会長を倒す!」
庭で使い魔を全員召喚させると光輝は、そう呟いた。中山会長との決戦に昔からの愛剣エクスカリバーを使えないのは残念な気もするが、光輝はそんなこと言ってられない。この事がバレれば晴香や光輝に関わる全ての人に迷惑をかけることになる。光輝は、どうしてもそれを避けたかったのだ。
「本気で戦えないのが残念です、会長……」
ため息混じりにそう言うと光輝は、気持ちを切り替えるために頬を両手でパンと叩くと家を出て行った。
第一闘技場……ここでの激闘の跡はすっかり消えていたが、光輝は未だにあの日のことを鮮明に覚えていた。Sランクの執行部を相手に奮闘した記憶が脳裏を横切るも光輝は、控え室へと向かった。
「怖気づいたの?」
表情を曇らせながら光輝は、控え室へ向かうとそこには、アリスが既に控え室の中にある椅子に座っていた。
「そう見えるか?」
アリスの質問に光輝は、少し笑を見せながら彼女の隣へ座った。
「__いよいよね……」
アリスは、光輝の顔を伺いながらそう呟いた。光輝同様にアリスも緊張していたのだ。それを横目で見ていた光輝は、アリスの肩をギュッと自分の方へ寄せた。
「光輝?」
「何も心配するな……必ず勝って、お前の所に帰るから……」
光輝はそう言うとアリスの髪の毛に触れた。絶対防壁である中山会長に勝てる保証があるのかは分からないが、アリスの前で負けるのだけは絶対に嫌である。そう思うと光輝は、自然と力が入る。
「両者武器破壊という形で引き分けに終わったこの間の決闘ですが、とうとう本日決着をつける時が来たようです!!」
場内アナウンスが響き渡ると観客の歓声が地響きのように控え室まで聞こて来ると光輝は、触れていたアリスから手を離すとゆっくりと立ち上がった。
「__待って!」
フィールドへ出ようとした途端、アリスは光輝の手を握って彼の歩みを止めた。光輝は、チラッとアリスの方を向いて彼女の様子を見た。アリスは、俯いたまま何も言わずに光輝の手を離さない様に力強く握っていた。
「アリス、そろそろ離してくれないと……」
「それは分かってる……でも、それを使うってことは、光輝の魔力消費が激しくなるんだよ?付け焼刃の戦闘で、例えヴィンチ副会長に勝てても中山会長には……」
アリスは、知っていたのだ……。武装は、凄まじい魔力を消費することから決闘などでは、あまり使われないという事が……
「アリス……」
いくら光輝が大丈夫だと言ってもアリスは、心配する……それほど彼のことを心の底から愛しているアリスだからそこまで心配してくれると感じ取った光輝は、掴まれてる手を握り返して勢いよく振り向くとそのままアリスの唇に自分の唇を重ねた。お互いに少し頬を赤くしながらも続けると光輝は、ゆっくりとアリスから離れた。
「__心配しすぎだぞ、ダメだったらダメでいいじゃないか?俺は、アリスの彼氏として恥じない戦いが出来ればそれで十分だよ。」
そう言うとアリスは、胸に手を当てながら納得した様な様子を光輝に見せた。
「激しい戦闘をしても肉体ダメージが少なかったヴィンチ選手!準備万端と言わんばかりにフィールド中央で準備体操を始めた~!!」
場内アナウンスを聞いてヴィンチが入場してきたのを確認した光輝は、自分もフィールドへ出ようとして再び一歩踏み出した。
「光輝!!」
アリスの言葉で光輝は、再び歩みを止めてアリスの方を振り向いた。まだ心配してるのかと不安になる光輝だが、どうやら今のアリスにそのような様子は一切なかった。
「行ってらっしゃい、光輝!」
「__あぁ、行ってくる。」
まるで、新婚ホヤホヤの夫婦が旦那の出る所を見送る妻の様なやり取りを終えると光輝は、ゆっくりをフィールドへ向けて歩み出した。
光輝は、ゲートを潜りフィールドに姿を見せると既にヴィンチは、直してもらったブレイクソードを構えてスタンバイしていた。向こうは、いつでも殺り合えると思っている様な態度だ。
「さて、入場してきた影野選手ですが……何と、武器を何も持っていません!!どういうことでしょうか?」
場内アナウンスが光輝の姿を見てそう言うと観客から罵声が浴びせられたが今の光輝には、そんなの関係なかった。
「おいおい、まさか武器なしで俺に勝てるとでも?」
「__武器なら……」
光輝は、そう言うと自分の胸に親指突き立ててヴィンチを睨みつけた。
「……ここにありますよ!」
「面白ぇ……じゃあ、その武器……見せてもらおうかァァァ!!」
ヴィンチは、そう叫びながら光輝の方へ近づきブレイクソードを大きく振り下ろして再決闘が始まった!!!
「みんな、今日は中山会長を倒す!」
庭で使い魔を全員召喚させると光輝は、そう呟いた。中山会長との決戦に昔からの愛剣エクスカリバーを使えないのは残念な気もするが、光輝はそんなこと言ってられない。この事がバレれば晴香や光輝に関わる全ての人に迷惑をかけることになる。光輝は、どうしてもそれを避けたかったのだ。
「本気で戦えないのが残念です、会長……」
ため息混じりにそう言うと光輝は、気持ちを切り替えるために頬を両手でパンと叩くと家を出て行った。
第一闘技場……ここでの激闘の跡はすっかり消えていたが、光輝は未だにあの日のことを鮮明に覚えていた。Sランクの執行部を相手に奮闘した記憶が脳裏を横切るも光輝は、控え室へと向かった。
「怖気づいたの?」
表情を曇らせながら光輝は、控え室へ向かうとそこには、アリスが既に控え室の中にある椅子に座っていた。
「そう見えるか?」
アリスの質問に光輝は、少し笑を見せながら彼女の隣へ座った。
「__いよいよね……」
アリスは、光輝の顔を伺いながらそう呟いた。光輝同様にアリスも緊張していたのだ。それを横目で見ていた光輝は、アリスの肩をギュッと自分の方へ寄せた。
「光輝?」
「何も心配するな……必ず勝って、お前の所に帰るから……」
光輝はそう言うとアリスの髪の毛に触れた。絶対防壁である中山会長に勝てる保証があるのかは分からないが、アリスの前で負けるのだけは絶対に嫌である。そう思うと光輝は、自然と力が入る。
「両者武器破壊という形で引き分けに終わったこの間の決闘ですが、とうとう本日決着をつける時が来たようです!!」
場内アナウンスが響き渡ると観客の歓声が地響きのように控え室まで聞こて来ると光輝は、触れていたアリスから手を離すとゆっくりと立ち上がった。
「__待って!」
フィールドへ出ようとした途端、アリスは光輝の手を握って彼の歩みを止めた。光輝は、チラッとアリスの方を向いて彼女の様子を見た。アリスは、俯いたまま何も言わずに光輝の手を離さない様に力強く握っていた。
「アリス、そろそろ離してくれないと……」
「それは分かってる……でも、それを使うってことは、光輝の魔力消費が激しくなるんだよ?付け焼刃の戦闘で、例えヴィンチ副会長に勝てても中山会長には……」
アリスは、知っていたのだ……。武装は、凄まじい魔力を消費することから決闘などでは、あまり使われないという事が……
「アリス……」
いくら光輝が大丈夫だと言ってもアリスは、心配する……それほど彼のことを心の底から愛しているアリスだからそこまで心配してくれると感じ取った光輝は、掴まれてる手を握り返して勢いよく振り向くとそのままアリスの唇に自分の唇を重ねた。お互いに少し頬を赤くしながらも続けると光輝は、ゆっくりとアリスから離れた。
「__心配しすぎだぞ、ダメだったらダメでいいじゃないか?俺は、アリスの彼氏として恥じない戦いが出来ればそれで十分だよ。」
そう言うとアリスは、胸に手を当てながら納得した様な様子を光輝に見せた。
「激しい戦闘をしても肉体ダメージが少なかったヴィンチ選手!準備万端と言わんばかりにフィールド中央で準備体操を始めた~!!」
場内アナウンスを聞いてヴィンチが入場してきたのを確認した光輝は、自分もフィールドへ出ようとして再び一歩踏み出した。
「光輝!!」
アリスの言葉で光輝は、再び歩みを止めてアリスの方を振り向いた。まだ心配してるのかと不安になる光輝だが、どうやら今のアリスにそのような様子は一切なかった。
「行ってらっしゃい、光輝!」
「__あぁ、行ってくる。」
まるで、新婚ホヤホヤの夫婦が旦那の出る所を見送る妻の様なやり取りを終えると光輝は、ゆっくりをフィールドへ向けて歩み出した。
光輝は、ゲートを潜りフィールドに姿を見せると既にヴィンチは、直してもらったブレイクソードを構えてスタンバイしていた。向こうは、いつでも殺り合えると思っている様な態度だ。
「さて、入場してきた影野選手ですが……何と、武器を何も持っていません!!どういうことでしょうか?」
場内アナウンスが光輝の姿を見てそう言うと観客から罵声が浴びせられたが今の光輝には、そんなの関係なかった。
「おいおい、まさか武器なしで俺に勝てるとでも?」
「__武器なら……」
光輝は、そう言うと自分の胸に親指突き立ててヴィンチを睨みつけた。
「……ここにありますよ!」
「面白ぇ……じゃあ、その武器……見せてもらおうかァァァ!!」
ヴィンチは、そう叫びながら光輝の方へ近づきブレイクソードを大きく振り下ろして再決闘が始まった!!!
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