1 / 1
千早目鈴と吏部綺語
しおりを挟む
私は雀蜂族の女だった
生まれてから訓練をして鍛えていた、私たち一族は役に立たなくてはいけない。
もちろん私たち一族には怠け者もいるが、ああはなるなと常々言われてきた
私は幸せだった
「おはよう、母さん父さん」
「ああ、おはよう」
「そろそろ仕事の時間ね」
親も無愛想ではあったが愛してくれていた
この生活が好きだった
だが…
親は殺された
鬼蜻蜓族に襲われた
私より強かった両親でも鬼蜻蜓の速さにはついていけていなかった
私は逃げた
逃げろと言われたから?生きたかったから?わからない
私は街に逃げ込んだ、私は暗殺者になった
私たち一族は強かったし、私は努力を続けていた、だから成功続きだった
でも
私は失敗して瀕死になった、相手は蟷螂族だった
私は死ぬのか…両親を殺した鬼蜻蜓族に復讐すらできずに…
悔しかったが視界はどんどん暗くなっていく…
「なあ、しんでるかな?」
「死んでたら食えるけどな」
「俺は食わないぞ」
「知ってるよ」
…誰だ?
「うおっ目開けた、生きてたか…残念」
目の前の男が涎を拭きながら話しかけてくる
「お前どうしたんだ?血ダラダラ流して路地裏に倒れてて、思わず介抱しちゃったよ」
「………誰だお前ら」
「んあ?俺ら?」
「そうだ」
「俺たちは…う~んなんというかな…まあ一応裏社会で色々やってるやつって認識でいいよ」
「名前は?」
「え?ああ、吏部綺語だよ」
「吏部綺語…」
「まあ俺らは別に名乗らなくてもいいだろ、で?あんたは?」
「私は…千早目鈴…」
「ふ~ん」
「で?なんで血だらけで倒れてたんだよ」
「蟷螂族の暗殺に失敗して…」
「うわっお前暗殺者かよ!」
「そうだ」
「にしてもまあ瀕死になったとはいえよく生きて帰れたな」
「あいつの体を噛みちぎって脱出した」
「顎の力どうなってんだよ!ってまさかお前雀蜂族か?」
「ああ、そうだ」
「なるほど…そりゃ強いな」
「で?どうするよ目鈴ちゃん」
「気安く呼ぶな…どうするとはなんだ」
「だってあんた「暗殺失敗しました~」って帰ろうもんなら殺されるぞ?」
「…」
「何も考えてなかったのか…?ま、俺には関係ないけど」
「…」
「ふむ…どうだ?俺たちのところで働いてみるか?」
「なに…?」
「どうする?」
「…頼む」
「オッケー…じゃ、よろしくね?目鈴ちゃん」
「だから気安く呼ぶな」
生まれてから訓練をして鍛えていた、私たち一族は役に立たなくてはいけない。
もちろん私たち一族には怠け者もいるが、ああはなるなと常々言われてきた
私は幸せだった
「おはよう、母さん父さん」
「ああ、おはよう」
「そろそろ仕事の時間ね」
親も無愛想ではあったが愛してくれていた
この生活が好きだった
だが…
親は殺された
鬼蜻蜓族に襲われた
私より強かった両親でも鬼蜻蜓の速さにはついていけていなかった
私は逃げた
逃げろと言われたから?生きたかったから?わからない
私は街に逃げ込んだ、私は暗殺者になった
私たち一族は強かったし、私は努力を続けていた、だから成功続きだった
でも
私は失敗して瀕死になった、相手は蟷螂族だった
私は死ぬのか…両親を殺した鬼蜻蜓族に復讐すらできずに…
悔しかったが視界はどんどん暗くなっていく…
「なあ、しんでるかな?」
「死んでたら食えるけどな」
「俺は食わないぞ」
「知ってるよ」
…誰だ?
「うおっ目開けた、生きてたか…残念」
目の前の男が涎を拭きながら話しかけてくる
「お前どうしたんだ?血ダラダラ流して路地裏に倒れてて、思わず介抱しちゃったよ」
「………誰だお前ら」
「んあ?俺ら?」
「そうだ」
「俺たちは…う~んなんというかな…まあ一応裏社会で色々やってるやつって認識でいいよ」
「名前は?」
「え?ああ、吏部綺語だよ」
「吏部綺語…」
「まあ俺らは別に名乗らなくてもいいだろ、で?あんたは?」
「私は…千早目鈴…」
「ふ~ん」
「で?なんで血だらけで倒れてたんだよ」
「蟷螂族の暗殺に失敗して…」
「うわっお前暗殺者かよ!」
「そうだ」
「にしてもまあ瀕死になったとはいえよく生きて帰れたな」
「あいつの体を噛みちぎって脱出した」
「顎の力どうなってんだよ!ってまさかお前雀蜂族か?」
「ああ、そうだ」
「なるほど…そりゃ強いな」
「で?どうするよ目鈴ちゃん」
「気安く呼ぶな…どうするとはなんだ」
「だってあんた「暗殺失敗しました~」って帰ろうもんなら殺されるぞ?」
「…」
「何も考えてなかったのか…?ま、俺には関係ないけど」
「…」
「ふむ…どうだ?俺たちのところで働いてみるか?」
「なに…?」
「どうする?」
「…頼む」
「オッケー…じゃ、よろしくね?目鈴ちゃん」
「だから気安く呼ぶな」
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
甲虫転生〜only oneなんて最硬じゃねぇか!〜
Mr,Queen
ファンタジー
クラス集団異世界転生(転移じゃないの!?)が起きて、巻き込まれた主人公こと、【兜宮 境虫】(こうみや けいちゅう)は、なんとなんとなんと!
モブ中のモブ!凡人を具現化したかのような人物だった。
名前にはインパクトがあり、おぉ!これは人気者になりそうだなと最初の先生方は皆そう思う………そんなのこいつではあり得ない!
圧倒的なモブ!救いようのないモブ!もはや、モブであることこそが個性!
の主人公が自分だけの物語を繰り広げるのか?て言うか、繰り広げられるのか?ま、そう言うわけで、はじまる異世界生活!!
異世界の大賢者が僕に取り憑いた件
黄昏人
ファンタジー
中学1年生の僕の頭に、異世界の大賢者と自称する霊?が住み着いてしまった。彼は魔法文明が栄える世界で最も尊敬されていた人物だという。しかし、考えを共有する形になった僕は、深く広い知識は認めるけど彼がそんな高尚な人物には思えない。とは言え、偉人と言われた人々もそんなものかもしれないけどね。
僕は彼に鍛えられて、ぽっちゃりだった体は引き締まったし、勉強も含めて能力は上がっていったし、そして魔法を使えるようになった。だけど、重要なのはそこでなくて、魔法に目覚めるための“処方”であり、異世界で使っている魔道具なんだよ。
“処方”によって、人は賢くなる。そして、魔道具によって機械はずっと効率が良くなるんだ。例えば、発電所は電子を引き出す魔道具でいわば永久機関として働く。自動車は電気を動力として回転の魔道具で動くのだ。これを、賢くなった人々が作り、使うわけだから、地球上の温暖化とエネルギーの問題も解決するよね。
そして、日本がさらに世界の仕組みがどんどん変わっていくのだけど、その中心に大賢者が取り憑いた僕がいるんだよ。僕はもう少しのんびりしたいのだけどね。
【完結】王子は聖女と結婚するらしい。私が聖女であることは一生知らないままで
雪野原よる
恋愛
「聖女と結婚するんだ」──私の婚約者だった王子は、そう言って私を追い払った。でも、その「聖女」、私のことなのだけど。
※王国は滅びます。
引退した元生産職のトッププレイヤーが、また生産を始めるようです
こばやん2号
ファンタジー
とあるVRMMOで生産職最高峰の称号であるグランドマスター【神匠】を手に入れた七五三俊介(なごみしゅんすけ)は、やることはすべてやりつくしたと満足しそのまま引退する。
大学を卒業後、内定をもらっている会社から呼び出しがあり行ってみると「我が社で配信予定のVRMMOを、プレイヤー兼チェック係としてプレイしてくれないか?」と言われた。
生産職のトップまで上り詰めた男が、再び生産職でトップを目指す!
更新頻度は不定期です。
思いついた内容を書き殴っているだけの垂れ流しですのでその点をご理解ご了承いただければ幸いです。
※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
オネェな王弟はおっとり悪役令嬢を溺愛する
みなと
恋愛
ライラック・シェリアスルーツ。
それは、所謂通り名。
彼女の本名を知る人は限りなく少ない。
「結婚するなら、わたくしよりも強くて、迷うことなく本名をすらすら言ってくれる人が良いわ」
ライラック、もとい、本名「フローリア・レネ・シェリアスルーツ」のささやかな願いは、叶うことなく一方的な婚約を結んだ相手から婚約破棄されてしまった。
婚約破棄の舞台は、卒業パーティーの予行演習の場所にて。
まぁそれならそれで良いか、とあっけらかんとしつつシェリアスルーツ侯爵家、次期侯爵となるために日々励んでたある日、いきなり王宮へと召集されてしまう。
「シェリアスルーツ家次期当主ともあろうものが、婚約破棄されたからと新たな我が婚約者を虐めるとはなにごとか!」と怒鳴りつけられるが身に覚えがない。
「はて、おかしなことだ。彼女はずっと次期当主としてあちこち駆けずり回っていたが」
――助けを出してくれたのは、「鮮血の悪魔」と呼ばれている王弟殿下!?
婚約破棄され、次期当主として立つべく奮闘していたおっとり令嬢、マイペースに頑張ります!!
※カクヨム様でも掲載始めました
6/1~ 小説家になろう、でも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる