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第20話・盗賊を討伐しました!
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盗賊のアジトに馬車で二日の距離を【飛行魔法】で三時間で着いたリヒャルトは、【気配遮断】【魔力遮断】【臭気遮断】に【隠密】を重ね掛けし、【千里眼】を使って様子を探る。
「見張りは二人か」
洞窟の入り口に見張りの盗賊が二人いた。
リヒャルトは投擲用のナイフを両手に持って、投げ打った。
ナイフは見張りの盗賊の額に深々と突き刺さって、頭を洞窟の壁に縫い付けた。
「良し!」
リヒャルトは木の枝にロープを絡ませて飛び乗ると、枝から枝へと飛び移って洞窟へ近付く。
ここまで来ると、洞窟の中から声が聞こえてくる。
【気配察知】で洞窟の中にいる盗賊と魔獣の位置を探る。
結果。
奥に三人いて酒盛りをしている。残りの五人は一塊りになって動かない。寝ているのだろう。囚われている人がいるかどうか…フム。八人か。魔獣の四腕熊は…チッ。気付かれたか。
洞窟の中にいた四腕熊がのそりと動いて出てこようとしている。
「なら、【パラライズ】【スリープ】【ポイズン】でどうだ!」
洞窟の中に向かって、麻痺、睡眠、毒の状態異常魔法攻撃をすると、三人の盗賊の気配が薄くなった。
しかし、残りの盗賊と七頭の四腕熊には効かなかったようだ。
ぞろぞろと出てくる。
洞窟を出てきた瞬間を狙って、
【フラッシュ】
【ライト】の上位魔法の閃光魔法で、盗賊達の目を焼く。
咄嗟の事に、二人が悲鳴をあげて、のたうち回っている。
残るは三人と七頭。
反撃の隙は与えない。
【サンダーレイン】
【サンダートルネード】
【サンダーバレット】
雷魔法の大盤振る舞いだ。
降り注ぐ雷の粒に打たれ、雷の渦に飲み込まれ、雷の弾丸に撃たれて、盗賊と四腕熊は何も…本当に何も出来ないままに一方的な攻撃を受けて死んでしまった。
四腕熊の首を斬り落とすと、死んだ盗賊をアイテムボックスに収納する。
洞窟の中の盗賊も動けないでいるうちに首を斬り落とすと同時に盗賊が溜め込んだお宝(金銀銅貨に宝石、アクセサリー、武器、防具、魔導具、衣類、酒などの飲食料)を収納するのを忘れない。
しかし、肝心なのは囚われている人達だ。
洞窟の中の小部屋に入ると、八人の女性全員が倒れ伏していた。
麻痺と睡眠と毒のせいだろう。
リヒャルトは慌てて、
【状態異常回復】
をかけた。
「「「『う、う~ん…んぅ?』」」」
危ない危ない。
八人の女性は、のそのそと起き上がると、リヒャルトを見て悲鳴をあげた。
「あ~…大丈夫だ。俺はギルドから盗賊の討伐を依頼された冒険者だ。盗賊と魔獣は残らず倒した。貴女方を保護する」
囚われていた女性達は、まだ年若いリヒャルトが盗賊を討伐したと聞いて驚いていたが、アイテムボックスから殺した盗賊を取り出して見せると信じてくれた。そして、
「私達は助かったんですか?」
一番年嵩の女性が訊ねるのを笑顔で頷き、【エクストラヒール】と【クリーン】
をかけると、殴られた傷や鞭で打たれた傷も癒えて、汚れも消えたので、女性達は揃って歓喜の涙を流し、嗚咽した。
リヒャルトは女性達にアイテムボックスから取り出した毛布と靴を配り、ゆっくりと洞窟から出るように誘導する…と。
「「「『きゃあっ!!』」」」
女性達は何かに弾かれるように倒れた。
どうやら首の『隷属の首輪』のせいで洞窟から出られなくなっているのだろう。
リヒャルトは無属性魔法の【アポート】を使って、隷属の首輪を外すと、アイテムボックスに収納して、
「これでもう大丈夫。外に出られます」
女性達は恐る恐るといった感じで洞窟を…、
「で、出られた…」
呆然と立ち尽くす女性達に、リヒャルトは言った。
「帰りましょうか。皆さんの家に」
「見張りは二人か」
洞窟の入り口に見張りの盗賊が二人いた。
リヒャルトは投擲用のナイフを両手に持って、投げ打った。
ナイフは見張りの盗賊の額に深々と突き刺さって、頭を洞窟の壁に縫い付けた。
「良し!」
リヒャルトは木の枝にロープを絡ませて飛び乗ると、枝から枝へと飛び移って洞窟へ近付く。
ここまで来ると、洞窟の中から声が聞こえてくる。
【気配察知】で洞窟の中にいる盗賊と魔獣の位置を探る。
結果。
奥に三人いて酒盛りをしている。残りの五人は一塊りになって動かない。寝ているのだろう。囚われている人がいるかどうか…フム。八人か。魔獣の四腕熊は…チッ。気付かれたか。
洞窟の中にいた四腕熊がのそりと動いて出てこようとしている。
「なら、【パラライズ】【スリープ】【ポイズン】でどうだ!」
洞窟の中に向かって、麻痺、睡眠、毒の状態異常魔法攻撃をすると、三人の盗賊の気配が薄くなった。
しかし、残りの盗賊と七頭の四腕熊には効かなかったようだ。
ぞろぞろと出てくる。
洞窟を出てきた瞬間を狙って、
【フラッシュ】
【ライト】の上位魔法の閃光魔法で、盗賊達の目を焼く。
咄嗟の事に、二人が悲鳴をあげて、のたうち回っている。
残るは三人と七頭。
反撃の隙は与えない。
【サンダーレイン】
【サンダートルネード】
【サンダーバレット】
雷魔法の大盤振る舞いだ。
降り注ぐ雷の粒に打たれ、雷の渦に飲み込まれ、雷の弾丸に撃たれて、盗賊と四腕熊は何も…本当に何も出来ないままに一方的な攻撃を受けて死んでしまった。
四腕熊の首を斬り落とすと、死んだ盗賊をアイテムボックスに収納する。
洞窟の中の盗賊も動けないでいるうちに首を斬り落とすと同時に盗賊が溜め込んだお宝(金銀銅貨に宝石、アクセサリー、武器、防具、魔導具、衣類、酒などの飲食料)を収納するのを忘れない。
しかし、肝心なのは囚われている人達だ。
洞窟の中の小部屋に入ると、八人の女性全員が倒れ伏していた。
麻痺と睡眠と毒のせいだろう。
リヒャルトは慌てて、
【状態異常回復】
をかけた。
「「「『う、う~ん…んぅ?』」」」
危ない危ない。
八人の女性は、のそのそと起き上がると、リヒャルトを見て悲鳴をあげた。
「あ~…大丈夫だ。俺はギルドから盗賊の討伐を依頼された冒険者だ。盗賊と魔獣は残らず倒した。貴女方を保護する」
囚われていた女性達は、まだ年若いリヒャルトが盗賊を討伐したと聞いて驚いていたが、アイテムボックスから殺した盗賊を取り出して見せると信じてくれた。そして、
「私達は助かったんですか?」
一番年嵩の女性が訊ねるのを笑顔で頷き、【エクストラヒール】と【クリーン】
をかけると、殴られた傷や鞭で打たれた傷も癒えて、汚れも消えたので、女性達は揃って歓喜の涙を流し、嗚咽した。
リヒャルトは女性達にアイテムボックスから取り出した毛布と靴を配り、ゆっくりと洞窟から出るように誘導する…と。
「「「『きゃあっ!!』」」」
女性達は何かに弾かれるように倒れた。
どうやら首の『隷属の首輪』のせいで洞窟から出られなくなっているのだろう。
リヒャルトは無属性魔法の【アポート】を使って、隷属の首輪を外すと、アイテムボックスに収納して、
「これでもう大丈夫。外に出られます」
女性達は恐る恐るといった感じで洞窟を…、
「で、出られた…」
呆然と立ち尽くす女性達に、リヒャルトは言った。
「帰りましょうか。皆さんの家に」
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