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フィロソファーズ・ストーン
回想⑥ 愚者の決断
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喪服に身を包んだ高瀬くんは、まるで血の気が引いたように真っ白な顔をしていた。ぼうっと何処かを見つめ、中空に彷徨う何かを探しているようだ。
彼女の左手には、小さな女の子の手がしっかりと握られていた。ショートカットで、眉が悲しげに下がったその女の子は、時折、高瀬くんを見上げては、俯いている。女の子は、その手を決して離さないように、必死に繋ぎ止めているかのようだった。
葬式には、高瀬くんの親戚や、湊さんの実家である西寺家、友人、そしてプロジェクトARIAの一部関係者が参列していた。
湊さんは友人が多かったらしく、湊さんと同年代くらいの見知らぬ男女も次々と焼香に訪れていた。
しかし、焼香の間も、高瀬くんはただ流れ作業のように頭を下げるばかり。お悔やみの言葉も、お経も、そして手を握る小さな女の子の声さえも、彼女には届いていなかったのかもしれない。
葬儀の間、彼女の心はここではなく、どこか遠くに置いてきたようだった。
こんなとき、どんな言葉をかければいいのか、私には分からなかった。
自分の母親が亡くなった時も、友人が自殺した時も、湊さんの訃報を聞いた時も、何も感じなかった。
きっと、私の心には何かが欠けているのだろう。
一緒に参列していた武田も、まるでこの世のものではないかのように、真っ青な顔をしていた。
武田は、湊さんが自動車に轢かれる瞬間を目の前で見てしまったのだ。
スポンサーへの進捗報告の帰り道、ノーブレーキで歩道に突っ込んできた自動車に、湊さんは轢かれたそうだ。
武田は湊さんの少し後ろを歩いていたため、かろうじて難を逃れた。だが、湊さんの遺体はひどく損壊していて、まともに直視できる状態ではなかったという。
彼は葬儀の間、終始、小さく震えていた。
これが、普通の反応なのだろうな。
葬儀が一通り終わり、日常が再び戻ってきた──
***
湊さんが亡くなったことで、私はプロジェクトARIAの統括責任者に昇格した。
ただ、どうしても、湊さんの座っていた席に座る気にはなれず、席は今もそのままにしてある。
虚ろな瞳の武田は無心に仕事をしていた。彼が湊さんの死にここまで動揺するとは思っていなかったので、正直、驚いている。
仕事をしていると気が紛れるのだろう。彼のことは、好きにさせることにした。
高瀬くんにはしばらく休むように伝えた。……伝えはしたが、彼女もまた会社に出勤し、黙々と作業を続けていた。
「高瀬くん、少し休んだらどうだ。まだ、その……無理をしなくていい」
「お気遣いありがとうございます。でも、大丈夫です」
彼女は、徐々に自分の能力の範疇を超え、無理をし始めていた。
何をしているのか当初は分からなかったが、彼女は湊さんが研究を進めていた脳オルガノイドを利用した完全自律型ARIAの開発を続けていたのだ。
だが、完全に専門外の分野であるため、思うように開発は進んでいないことはすぐに分かった。
来る日も、来る日も、進捗は芳しくなかった。
しかし、仮想空間で桔梗と話すことで、気が紛れているのだろうか。以前よりも少し会話ができるようになってきていた。
だから、今なら止められるのではないかと思い、声をかけてしまった。
「高瀬くん、湊さんの研究は一旦、ペンディングしたらどうだ? 君は優れたエンジニアだが、AI開発は明らかに専門外だろ」
「いえ……大丈夫です。このまま続けさせてください」
彼女の瞳は暗く濁っていたが、それでも真っ直ぐに私を見つめ、「止めないでくれ」と訴えているようだった。
まだ、声をかけるには早かったのか?
だが、彼女の頬はこけ、身体は日に日に細くなり、今にも倒れてしまいそうなほど弱っている。
湊さん、こういうとき、彼女をどうやって止めればいいんですか?
ふと、湊さんと話した過去の雑談が頭をよぎった。
***
「──京香は人当たりが良くて、面倒見もいいし、我慢強い。基本的に善人だ。だけどな、そんな京香でも激怒することがある」
「分かりましたよ。湊さんが浮気でもしたんでしょ」
「アホか、それは違う意味でヤバいだろ。冗談でも言うなよ。お前は特にやらかしそうだから、こうやって話してるんだ」
「で、結局、高瀬くんが激怒するって何ですか?」
「それはな──」
***
──ああ、その手があったか。気は進まないが、これが今できる最善手だろう。
「高瀬くん、これは業務命令だ。今すぐ、湊さんの研究を中止しなさい」
高瀬くんがキッとこちらを睨みつける。
「なんでですか? 他の業務に支障は出ていませんし、何の問題もないはずです」
「いや、問題しかない」
君がこのままだと、倒れてしまう。
「端的に言うと、今の君はただ足を引っ張っているだけだ」
心の中で謝った。実際には、君がいなければ、このプロジェクトはとっくに崩壊していたかもしれない。
「……なんですって?」
そうだ、怒れ。もっと怒って、俺を憎め。
「AI開発には専門知識と経験が不可欠だ。君にはそのどちらも圧倒的に欠けている。才能もないのに素人が足を突っ込むんじゃない」
「…………」
高瀬くんが私のことを睨めつける。怒りが具現化して、見えるのではないかと思った。
まだだ、まだ、足りない。
私は自分の席をたち、つかつかと歩いて、湊さんの席の椅子を引いた。これ見よがしに、ドカッと椅子に座った。
彼女は鬼のような形相でこちらに詰め寄ってきた。
「湊の席に座らないで! 私から湊を奪わないで! 」
「君は勘違いしているが、私がこのプロジェクトの統括責任者だ。私はここに座るのは当然だ」
「ふざけないでっ」
高瀬くんが手を振り上げたのを見て、私は覚悟した。ああ、これで憎まれる敵になってしまうのだな。
頬も心もジンジンと痛んだ。
「気はすんだか? 君は本来の業務に戻れ。それと、明日から、隔日勤務とテレワークを命ずる」
「……何の権限があって、そんなこと……」
「統括責任者の権限を持って、だ。不満かね? 君は気がついていないようだが、提出する資料に不備が増えている。訂正する身にもなってほしいものだね」
その後は怒り狂う高瀬くんを所員が止めに入るほどの騒ぎにはなった。
勿論、それなりの処罰はあった。だが、そんなことはどうでもいい。高瀬くんを湊さんの研究から遠ざけられればそれでいい。
彼女はありもしない賢者の石を作ろうとしていたのだ。
私はさらに一計を案じた。
中島コーポレーションに西寺家の管轄する不動産屋に高瀬くんを異動させた。
高瀬くんには不動産業の仕事の合間にプロジェクトARIAの研究を行う事を条件に了承させた。
そしてアパートにARIA専用サーバーと環境を構築して、そこの運営、監視をさせることにした。
一見すると普通のアパートに見えるが、高度な監視機能を備えた鉄壁の城塞を築いた。
スポンサーにも情報漏えいを防ぐための措置であると無理矢理説得をした。骨は折れたが、これでいい。
***
「──それはな、彼女が超えられそうもない壁を越えようとして努力していることを否定することだ」
「……ピンときませんね。どういう状況ですか、それ」
「京香は絶望的に料理の才能がくてな、あーだこーだーと料理の作業手順を指摘してたら、怒っちゃってな。それ以来、全然料理してくれなくなっちゃってな」
「……よく、別れ話にならなかったですね」
「なるわけないだろ」
「なんでですか? 」
「その時点では付き合ってなかったんだからな──」
彼女の左手には、小さな女の子の手がしっかりと握られていた。ショートカットで、眉が悲しげに下がったその女の子は、時折、高瀬くんを見上げては、俯いている。女の子は、その手を決して離さないように、必死に繋ぎ止めているかのようだった。
葬式には、高瀬くんの親戚や、湊さんの実家である西寺家、友人、そしてプロジェクトARIAの一部関係者が参列していた。
湊さんは友人が多かったらしく、湊さんと同年代くらいの見知らぬ男女も次々と焼香に訪れていた。
しかし、焼香の間も、高瀬くんはただ流れ作業のように頭を下げるばかり。お悔やみの言葉も、お経も、そして手を握る小さな女の子の声さえも、彼女には届いていなかったのかもしれない。
葬儀の間、彼女の心はここではなく、どこか遠くに置いてきたようだった。
こんなとき、どんな言葉をかければいいのか、私には分からなかった。
自分の母親が亡くなった時も、友人が自殺した時も、湊さんの訃報を聞いた時も、何も感じなかった。
きっと、私の心には何かが欠けているのだろう。
一緒に参列していた武田も、まるでこの世のものではないかのように、真っ青な顔をしていた。
武田は、湊さんが自動車に轢かれる瞬間を目の前で見てしまったのだ。
スポンサーへの進捗報告の帰り道、ノーブレーキで歩道に突っ込んできた自動車に、湊さんは轢かれたそうだ。
武田は湊さんの少し後ろを歩いていたため、かろうじて難を逃れた。だが、湊さんの遺体はひどく損壊していて、まともに直視できる状態ではなかったという。
彼は葬儀の間、終始、小さく震えていた。
これが、普通の反応なのだろうな。
葬儀が一通り終わり、日常が再び戻ってきた──
***
湊さんが亡くなったことで、私はプロジェクトARIAの統括責任者に昇格した。
ただ、どうしても、湊さんの座っていた席に座る気にはなれず、席は今もそのままにしてある。
虚ろな瞳の武田は無心に仕事をしていた。彼が湊さんの死にここまで動揺するとは思っていなかったので、正直、驚いている。
仕事をしていると気が紛れるのだろう。彼のことは、好きにさせることにした。
高瀬くんにはしばらく休むように伝えた。……伝えはしたが、彼女もまた会社に出勤し、黙々と作業を続けていた。
「高瀬くん、少し休んだらどうだ。まだ、その……無理をしなくていい」
「お気遣いありがとうございます。でも、大丈夫です」
彼女は、徐々に自分の能力の範疇を超え、無理をし始めていた。
何をしているのか当初は分からなかったが、彼女は湊さんが研究を進めていた脳オルガノイドを利用した完全自律型ARIAの開発を続けていたのだ。
だが、完全に専門外の分野であるため、思うように開発は進んでいないことはすぐに分かった。
来る日も、来る日も、進捗は芳しくなかった。
しかし、仮想空間で桔梗と話すことで、気が紛れているのだろうか。以前よりも少し会話ができるようになってきていた。
だから、今なら止められるのではないかと思い、声をかけてしまった。
「高瀬くん、湊さんの研究は一旦、ペンディングしたらどうだ? 君は優れたエンジニアだが、AI開発は明らかに専門外だろ」
「いえ……大丈夫です。このまま続けさせてください」
彼女の瞳は暗く濁っていたが、それでも真っ直ぐに私を見つめ、「止めないでくれ」と訴えているようだった。
まだ、声をかけるには早かったのか?
だが、彼女の頬はこけ、身体は日に日に細くなり、今にも倒れてしまいそうなほど弱っている。
湊さん、こういうとき、彼女をどうやって止めればいいんですか?
ふと、湊さんと話した過去の雑談が頭をよぎった。
***
「──京香は人当たりが良くて、面倒見もいいし、我慢強い。基本的に善人だ。だけどな、そんな京香でも激怒することがある」
「分かりましたよ。湊さんが浮気でもしたんでしょ」
「アホか、それは違う意味でヤバいだろ。冗談でも言うなよ。お前は特にやらかしそうだから、こうやって話してるんだ」
「で、結局、高瀬くんが激怒するって何ですか?」
「それはな──」
***
──ああ、その手があったか。気は進まないが、これが今できる最善手だろう。
「高瀬くん、これは業務命令だ。今すぐ、湊さんの研究を中止しなさい」
高瀬くんがキッとこちらを睨みつける。
「なんでですか? 他の業務に支障は出ていませんし、何の問題もないはずです」
「いや、問題しかない」
君がこのままだと、倒れてしまう。
「端的に言うと、今の君はただ足を引っ張っているだけだ」
心の中で謝った。実際には、君がいなければ、このプロジェクトはとっくに崩壊していたかもしれない。
「……なんですって?」
そうだ、怒れ。もっと怒って、俺を憎め。
「AI開発には専門知識と経験が不可欠だ。君にはそのどちらも圧倒的に欠けている。才能もないのに素人が足を突っ込むんじゃない」
「…………」
高瀬くんが私のことを睨めつける。怒りが具現化して、見えるのではないかと思った。
まだだ、まだ、足りない。
私は自分の席をたち、つかつかと歩いて、湊さんの席の椅子を引いた。これ見よがしに、ドカッと椅子に座った。
彼女は鬼のような形相でこちらに詰め寄ってきた。
「湊の席に座らないで! 私から湊を奪わないで! 」
「君は勘違いしているが、私がこのプロジェクトの統括責任者だ。私はここに座るのは当然だ」
「ふざけないでっ」
高瀬くんが手を振り上げたのを見て、私は覚悟した。ああ、これで憎まれる敵になってしまうのだな。
頬も心もジンジンと痛んだ。
「気はすんだか? 君は本来の業務に戻れ。それと、明日から、隔日勤務とテレワークを命ずる」
「……何の権限があって、そんなこと……」
「統括責任者の権限を持って、だ。不満かね? 君は気がついていないようだが、提出する資料に不備が増えている。訂正する身にもなってほしいものだね」
その後は怒り狂う高瀬くんを所員が止めに入るほどの騒ぎにはなった。
勿論、それなりの処罰はあった。だが、そんなことはどうでもいい。高瀬くんを湊さんの研究から遠ざけられればそれでいい。
彼女はありもしない賢者の石を作ろうとしていたのだ。
私はさらに一計を案じた。
中島コーポレーションに西寺家の管轄する不動産屋に高瀬くんを異動させた。
高瀬くんには不動産業の仕事の合間にプロジェクトARIAの研究を行う事を条件に了承させた。
そしてアパートにARIA専用サーバーと環境を構築して、そこの運営、監視をさせることにした。
一見すると普通のアパートに見えるが、高度な監視機能を備えた鉄壁の城塞を築いた。
スポンサーにも情報漏えいを防ぐための措置であると無理矢理説得をした。骨は折れたが、これでいい。
***
「──それはな、彼女が超えられそうもない壁を越えようとして努力していることを否定することだ」
「……ピンときませんね。どういう状況ですか、それ」
「京香は絶望的に料理の才能がくてな、あーだこーだーと料理の作業手順を指摘してたら、怒っちゃってな。それ以来、全然料理してくれなくなっちゃってな」
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