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第1章3節 学園生活/楽しい三学期
第148話 幕間:瘴気排除
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一方の傭兵達。彼らは伊達にも歴戦の戦士、酒を飲んだら切り替えるぐらいの能力は持っている。
そして今回も酒を飲み終え、身体が暖まってきた所で仕事に出るのだった。
「セオドア! 行くよ!」
「げひゃひゃひゃひゃ! 了解しましたご主人!」
モーニングスターを投げ飛ばして、黒い霧に命中させる。
すると黒い霧はたちどころに散開し、大気に溶けて無くなっていった。
「げひゃひゃひゃひゃ! ご主人、こっちにまだほんの少し残っていますぜ!!」
「あー!? いいよそんなの、無視だ無視!!」
「げひゃひゃひゃひゃ! ですがご主人、こういう所から更に瘴気は拡散していくんですぜ!?」
「あーーーうるせえ!!! やればいいんだろやれば!!」
エマは正面を向いたまま、気だるそうにナイフを数個後方に飛ばす。
それは的確に黒い霧に命中し、今度は跡形もなく消滅させた。
「……んで? 今度こそ終わりだろうな?」
周囲を見回し念を入れて黒い霧を探していた所に、マットとイーサンが武器を持ったまま近付いてくる。
「姐上、見事な武器捌きでした」
「おうともよ! そっちはどうだ? 終わったか?」
「俺と兄者の場所はどうにか。ジョシュ殿とアビゲイル殿の所は量が多かったみたいで、まだのようです」
「よし、じゃあ応援に行くぞ!」
「了解」
「おっしゃあ!」
小柄な体格で大股で走る女を筆頭に、三人は駆け出していく。
「うがああああっっっ!!」
「ぐしゃああああああ!!」
「はっはは! アビーとゾンディに負けてられないな!」
アビゲイルとくすんだ灰色のゾンビが、次々と黒い霧に向かって殴りかかっていく。
ジョシュはそれを横目に、クロスボウで霧を狙い撃ちしていった。
軽快に霧を消滅させていく、その最後。
「ふぅー……」
「ぐしゃぐしゃ!」
「ああ、最後まで気を抜かずに……」
「その瘴気、ちょっと待ったーーーーー!!!!」
アビゲイルは再三聞き慣れた叫声を聞いて、後ろを振り向く。
「ぬおおおおお!!!! 瘴気瘴気ィィィィーーーー!!」
そこには箱と伸縮する筒とが接続された形状の魔法具を抱えて、血気盛んに突撃してくるジャネットが。
「……」
「ぐしゃあ」 <おおおおおお!!!
アビゲイルとゾンディは狼狽えることなく、そっと数歩左に移動し道を開けてやる。そんな親切に気付かぬ様子のジャネットは、背負った謎の形状の魔法具を起動させ、
「んひっひっひっひっひぃ!!!」
残っていた瘴気を跡形もなく、その魔法具に吸い込んでいく。
「アビー、大丈夫か……!?」
「おや、何故だかもう片付いているようですね」
ちょうどエマ達が駆け付ける頃には、ジャネットが黒く変色した箱を満足そうに撫でている所だった。アビゲイルとジョシュはぼーっとしながらその隣に立っている。
「ああ姉さん、残った瘴気は全部こいつが片付けてしまったよ」
「何だと!? てめえ何様のつもりだ!?」
「何様だとー? 瘴気対策の魔法具を開発するのには新鮮な瘴気がいるから、材料として頂戴しただけなんですけどー?」
「だからそれが不味いんだよ!! それは本来私達が排除するはずだったものだ!! これがどういうことかわかってるんだろうなぁ!?」
「取り分が減るからキレてんでしょ? でぇーじょーぶ、僕ちゃんそんなの微塵も興味ないから。金は発明品売りつければいくらでも増えるが、瘴気は完全に運任せだからなァ……」
恍惚そうに箱を舐め回し見るその姿は、彼の言葉に説得力を持たせている。
「ぐぬぬ……アンタ、変な奴だな!」
「褒め言葉どぅーもぉ。さてと僕ちゃんはこれで」
「いや待て。まだ探知機……が、反応しているぞ」
「マジ?」
ジャネットは箱の天辺に付いている球体を見る。それは何かがあることを知らせるように、点滅を繰り返していた。
「何だそれ? まだ瘴気が残っているってことか?」
「その通りになるねぇ。でもそんなはずは……ないでしょ?」
「ええ。瘴気が近くにあると感じる、あのへばりつくような不快感。それは一切消滅しています」
「だよねえ。僕ちゃんだって感じないもん」
「ならば結論は一つしかないだろうな。魔法具の故障だろう」
「いや、それこそ百パーない! だって昨日メンテしたもん!」
ジャネットは立ち上がり、探知機が指す方向に向かって数歩程歩いていく。
「んっん~、この辺に何かあるっぽいねぇ。埋まってんのかなあ」
「……よし、これも何かの縁だ。掘り起こせばいいのだろう?」
「ならばよろしくぅ。ここ掘れアビーだ!」
「セオドア、アンタも手伝え!」
「げひゃひゃひゃひゃ! 了解いたしましたぁ!」
「ウキャーッ!」
「おやリズ、貴女もやる気ですね。ならばお願いしますよ」
アビゲイルとナイトメア数体が、ジャネットが指し示す地面を掘っていく。
そして――
「……っ」
「キャキャッ!?」
「おっ、見つけたかい?」
「……ああ……」
アビゲイルはその巨体で丁寧に物体を掘り起こし、待機している四人に見せる。
「……むぅ?」
「これは……」
「あー、強い闇属性の力を感じるねえ。空気中にあるのとは比べもんにならねえや。そりゃあ動作不良も起こすよ」
ジャネットが興味深そうに私見を述べるそれは、黄金の欠片だった。
それは平らな円状になっており、中央が少し盛り上がっている。端は抉られたような断面をしており、何かの衝撃でもげてしまったことが窺える。
「……」
エマは欠片から視線を外し、地平線の彼方を見遣る。薄い白霧に紛れて、家屋と思われる建物や深い色の木々がぼんやり見えた。
「……どうかしましたか、姐者」
「いや……闇属性で黄金だろ? それで昔聞いた噂をな……タンザナイア絡みでさ」
「え、何でタンザナイア……あー、闇の小聖杯?」
「そうだ。ぶっちゃけこの形ってさ、杯の持ち手に見えないか?」
「……確かに……」
六人は更に繁々と欠片を見つめる。欠片を両手に持つアビゲイルは、壊すことを恐れたのか身体強化の魔法を解除して、一般的な女性の風貌に戻っていた。
「……何だっけ? 三年前の制圧戦で、王族が無茶した影響で小聖杯が破壊されちゃったんだっけ?」
「私もそこにいたわけではないから、詳細は知らないけどな。そもそも噂だから真偽もわからない」
「ですがこれを見た限りですと、本当のように思えてきますが……」
「うーむ……仮にこれが小聖杯の欠片だとして。そんな凄いもん、俺達が持ってていいのだろうか?」
「だからといってお偉方にホイホイ渡すのは癪じゃないか?」
「十分にわかる。貰うだけ貰って、後は突き放される可能性もなくはないからな」
「むーう……」
傭兵五人は膠着してしまう。欠片は依然として、闇属性の魔力と荘厳な気配を放っている。
その様子を見て、ジャネットがゆっくりと口角を上げて笑った。
「だったらさあ……これ、僕ちゃんがもらってもいーい?」
「え……何だよ、材料にするつもりか?」
「するつもりはねーし、そもそも使えるかわからんし。ただまあ、有用な使い方はできると思うよ?」
「……」
エマは少し考え込んだ後、答えを出す。
「……うん、私はそれでいい。傭兵のような馬鹿やってる連中よりは、アンタのような頭が回る奴に託した方がいいと思う」
「姐上がそうおっしゃるのならば」
「俺も同じだ」
「んあ、俺もそれでいいぞ。そのヘンテコな魔法具を見れば、頭がいいってのは何となくわかる」
「確か貴様はルドミリア様と面識があるだろう。見てもらったらどうだ」
「そうするつもり~。強い魔力を放っているのは確かだけど、それで確証が得られたわけでもないし」
ジャネットは透明な袋を一枚取り出し、アビゲイルから欠片を貰ってそれに入れる。
「魔法繊維で作られた袋さ。これに入れれば手軽に触れてもだいじょーぶい……んでさ、この後どうしようか!!」
ジャネットはローブの中に仕舞い入れると、からっとした笑顔で向き直る。
「……そうだな! まあ仕事も無事に終わったし、酒でも飲もうか!!」
「……姐上? 先程も飲みませんでしたか?」
「ジャネットとか言ったな。テメエも一緒に来い!! アビーについて語ってやるぞ!!!」
「姉さん、そんなことしなくても……」
「これは敵情視察のチャンス!! 勿論お供させていただきます!! でも酒はそんなに強くないのでお手柔らかにッ!!!」
「諦めろ。姐者はそんなことができる程自由じゃない。それはさておき、ジャネットとやら。俺は今お前をどの酒で潰してやろうか考えているぞっ」
「この白ひげのおっさんは味方だと一瞬でも思った僕ちゃんがバカだったヨー!!!」
こうして六人の人間は、岩が転がる灰色の荒野を後にする。
空虚な大地を吹き荒ぶ風は、どこか紫煙を帯びて。
そして今回も酒を飲み終え、身体が暖まってきた所で仕事に出るのだった。
「セオドア! 行くよ!」
「げひゃひゃひゃひゃ! 了解しましたご主人!」
モーニングスターを投げ飛ばして、黒い霧に命中させる。
すると黒い霧はたちどころに散開し、大気に溶けて無くなっていった。
「げひゃひゃひゃひゃ! ご主人、こっちにまだほんの少し残っていますぜ!!」
「あー!? いいよそんなの、無視だ無視!!」
「げひゃひゃひゃひゃ! ですがご主人、こういう所から更に瘴気は拡散していくんですぜ!?」
「あーーーうるせえ!!! やればいいんだろやれば!!」
エマは正面を向いたまま、気だるそうにナイフを数個後方に飛ばす。
それは的確に黒い霧に命中し、今度は跡形もなく消滅させた。
「……んで? 今度こそ終わりだろうな?」
周囲を見回し念を入れて黒い霧を探していた所に、マットとイーサンが武器を持ったまま近付いてくる。
「姐上、見事な武器捌きでした」
「おうともよ! そっちはどうだ? 終わったか?」
「俺と兄者の場所はどうにか。ジョシュ殿とアビゲイル殿の所は量が多かったみたいで、まだのようです」
「よし、じゃあ応援に行くぞ!」
「了解」
「おっしゃあ!」
小柄な体格で大股で走る女を筆頭に、三人は駆け出していく。
「うがああああっっっ!!」
「ぐしゃああああああ!!」
「はっはは! アビーとゾンディに負けてられないな!」
アビゲイルとくすんだ灰色のゾンビが、次々と黒い霧に向かって殴りかかっていく。
ジョシュはそれを横目に、クロスボウで霧を狙い撃ちしていった。
軽快に霧を消滅させていく、その最後。
「ふぅー……」
「ぐしゃぐしゃ!」
「ああ、最後まで気を抜かずに……」
「その瘴気、ちょっと待ったーーーーー!!!!」
アビゲイルは再三聞き慣れた叫声を聞いて、後ろを振り向く。
「ぬおおおおお!!!! 瘴気瘴気ィィィィーーーー!!」
そこには箱と伸縮する筒とが接続された形状の魔法具を抱えて、血気盛んに突撃してくるジャネットが。
「……」
「ぐしゃあ」 <おおおおおお!!!
アビゲイルとゾンディは狼狽えることなく、そっと数歩左に移動し道を開けてやる。そんな親切に気付かぬ様子のジャネットは、背負った謎の形状の魔法具を起動させ、
「んひっひっひっひっひぃ!!!」
残っていた瘴気を跡形もなく、その魔法具に吸い込んでいく。
「アビー、大丈夫か……!?」
「おや、何故だかもう片付いているようですね」
ちょうどエマ達が駆け付ける頃には、ジャネットが黒く変色した箱を満足そうに撫でている所だった。アビゲイルとジョシュはぼーっとしながらその隣に立っている。
「ああ姉さん、残った瘴気は全部こいつが片付けてしまったよ」
「何だと!? てめえ何様のつもりだ!?」
「何様だとー? 瘴気対策の魔法具を開発するのには新鮮な瘴気がいるから、材料として頂戴しただけなんですけどー?」
「だからそれが不味いんだよ!! それは本来私達が排除するはずだったものだ!! これがどういうことかわかってるんだろうなぁ!?」
「取り分が減るからキレてんでしょ? でぇーじょーぶ、僕ちゃんそんなの微塵も興味ないから。金は発明品売りつければいくらでも増えるが、瘴気は完全に運任せだからなァ……」
恍惚そうに箱を舐め回し見るその姿は、彼の言葉に説得力を持たせている。
「ぐぬぬ……アンタ、変な奴だな!」
「褒め言葉どぅーもぉ。さてと僕ちゃんはこれで」
「いや待て。まだ探知機……が、反応しているぞ」
「マジ?」
ジャネットは箱の天辺に付いている球体を見る。それは何かがあることを知らせるように、点滅を繰り返していた。
「何だそれ? まだ瘴気が残っているってことか?」
「その通りになるねぇ。でもそんなはずは……ないでしょ?」
「ええ。瘴気が近くにあると感じる、あのへばりつくような不快感。それは一切消滅しています」
「だよねえ。僕ちゃんだって感じないもん」
「ならば結論は一つしかないだろうな。魔法具の故障だろう」
「いや、それこそ百パーない! だって昨日メンテしたもん!」
ジャネットは立ち上がり、探知機が指す方向に向かって数歩程歩いていく。
「んっん~、この辺に何かあるっぽいねぇ。埋まってんのかなあ」
「……よし、これも何かの縁だ。掘り起こせばいいのだろう?」
「ならばよろしくぅ。ここ掘れアビーだ!」
「セオドア、アンタも手伝え!」
「げひゃひゃひゃひゃ! 了解いたしましたぁ!」
「ウキャーッ!」
「おやリズ、貴女もやる気ですね。ならばお願いしますよ」
アビゲイルとナイトメア数体が、ジャネットが指し示す地面を掘っていく。
そして――
「……っ」
「キャキャッ!?」
「おっ、見つけたかい?」
「……ああ……」
アビゲイルはその巨体で丁寧に物体を掘り起こし、待機している四人に見せる。
「……むぅ?」
「これは……」
「あー、強い闇属性の力を感じるねえ。空気中にあるのとは比べもんにならねえや。そりゃあ動作不良も起こすよ」
ジャネットが興味深そうに私見を述べるそれは、黄金の欠片だった。
それは平らな円状になっており、中央が少し盛り上がっている。端は抉られたような断面をしており、何かの衝撃でもげてしまったことが窺える。
「……」
エマは欠片から視線を外し、地平線の彼方を見遣る。薄い白霧に紛れて、家屋と思われる建物や深い色の木々がぼんやり見えた。
「……どうかしましたか、姐者」
「いや……闇属性で黄金だろ? それで昔聞いた噂をな……タンザナイア絡みでさ」
「え、何でタンザナイア……あー、闇の小聖杯?」
「そうだ。ぶっちゃけこの形ってさ、杯の持ち手に見えないか?」
「……確かに……」
六人は更に繁々と欠片を見つめる。欠片を両手に持つアビゲイルは、壊すことを恐れたのか身体強化の魔法を解除して、一般的な女性の風貌に戻っていた。
「……何だっけ? 三年前の制圧戦で、王族が無茶した影響で小聖杯が破壊されちゃったんだっけ?」
「私もそこにいたわけではないから、詳細は知らないけどな。そもそも噂だから真偽もわからない」
「ですがこれを見た限りですと、本当のように思えてきますが……」
「うーむ……仮にこれが小聖杯の欠片だとして。そんな凄いもん、俺達が持ってていいのだろうか?」
「だからといってお偉方にホイホイ渡すのは癪じゃないか?」
「十分にわかる。貰うだけ貰って、後は突き放される可能性もなくはないからな」
「むーう……」
傭兵五人は膠着してしまう。欠片は依然として、闇属性の魔力と荘厳な気配を放っている。
その様子を見て、ジャネットがゆっくりと口角を上げて笑った。
「だったらさあ……これ、僕ちゃんがもらってもいーい?」
「え……何だよ、材料にするつもりか?」
「するつもりはねーし、そもそも使えるかわからんし。ただまあ、有用な使い方はできると思うよ?」
「……」
エマは少し考え込んだ後、答えを出す。
「……うん、私はそれでいい。傭兵のような馬鹿やってる連中よりは、アンタのような頭が回る奴に託した方がいいと思う」
「姐上がそうおっしゃるのならば」
「俺も同じだ」
「んあ、俺もそれでいいぞ。そのヘンテコな魔法具を見れば、頭がいいってのは何となくわかる」
「確か貴様はルドミリア様と面識があるだろう。見てもらったらどうだ」
「そうするつもり~。強い魔力を放っているのは確かだけど、それで確証が得られたわけでもないし」
ジャネットは透明な袋を一枚取り出し、アビゲイルから欠片を貰ってそれに入れる。
「魔法繊維で作られた袋さ。これに入れれば手軽に触れてもだいじょーぶい……んでさ、この後どうしようか!!」
ジャネットはローブの中に仕舞い入れると、からっとした笑顔で向き直る。
「……そうだな! まあ仕事も無事に終わったし、酒でも飲もうか!!」
「……姐上? 先程も飲みませんでしたか?」
「ジャネットとか言ったな。テメエも一緒に来い!! アビーについて語ってやるぞ!!!」
「姉さん、そんなことしなくても……」
「これは敵情視察のチャンス!! 勿論お供させていただきます!! でも酒はそんなに強くないのでお手柔らかにッ!!!」
「諦めろ。姐者はそんなことができる程自由じゃない。それはさておき、ジャネットとやら。俺は今お前をどの酒で潰してやろうか考えているぞっ」
「この白ひげのおっさんは味方だと一瞬でも思った僕ちゃんがバカだったヨー!!!」
こうして六人の人間は、岩が転がる灰色の荒野を後にする。
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