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第27話 月空にさよなら
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「どこだ!? どこにいらっしゃる!? クレイン殿下っ!!」
「アレス様落ち着いて!! そんなに立たれては、馬車の走行に影響が出ます!!」
スヴァーダからやってきた馬車達は、アンドヴァリ港からの周辺をしらみ潰しに当たっていた。
偵察係からの情報はあれど、やはり見知らぬ大地ホッドミーミル。熟練の使用人であるアレスでさえ、どこから手をつければいいのかわからなかったのである。
「悪かった……くそっ!! 何かあればいいのだが……!! こう、目立つような何かが!! きっとそれを発生させているのが、クレイン殿下であるに違いないのだから……!!」
「だからアレス様、殿下を信用されているのかされていないのかどちらなんですか……!!」
「……!! アレス様、あちらを!!」
「なんだ……っ!?」
そうして彼らも目撃した。通常の自然現象ではまず発生しない、空を埋め尽くさんばかりの黒雲を。
「誰かが魔法を用いて戦闘をしているものかと!! ですが……」
「殿下とは関係ない全くの別人、という可能性もあるが!! 今は藁にでも縋りたい気分だ――馬車を回せッ!!」
「了解!!」
「……ガ、キ、ふ、ぜ、い、がぁぁぁぁぁぁ……」
「許さん……許さん……ぼくを誰だと思っている……」
「『厳嵐の魔術師』アグナル様だ……てめえらとは積んできた量も!! 質も!! 時間も!!」
「何もかもが違うんだよーーーッ!!!」
黒雲から放たれた嵐は、瞬く間に自分達の上空に覆い被さった。
そしてアグナルの感情を代弁するように、雷が、雨が、霞が、風が降り注ぐ。
「くうっ……!」
「目の前にゴールは見えてるってのに……!」
雲を超えた先には満天の星空が広がっている。しかし一瞬にして、背後から追いついた黒雲が飲み込んでしまう。
「まずい、月が覆われて……!」
「ほーう? つまり君は月がなければ何にもできないクソ雑魚と!!」
「こいつっ!!」
先ほどやってみせたのと同様に、アグナルは追い風を受けて一気にルチル達を追い抜き、そして前に立ち塞がった。
しかしその顔には皺のようなものが入っていて、心なしか髪色が薄くなっている。息も絶え絶えで戦闘を続行できるかどうかも怪しい。
「ルーン欠乏症か? そこまでしておれ達を殺そうとするなんて、人気者は辛いねぇ!」
「黙れ……ガキには一生わからねえよ、ぼくのプライドなんて……!!」
「そのプライドにしがみつくぐらいなら、命を大事にしろってんだ!」
煽ってはみたものの、クレインもきつい状況なのは確か。月が覆われてしまうと光が弱まってしまうから。
普段なら雲による光量の変化は誤差なのだが、今は普段ではなく緊急事態。少しでも魔法の威力が落ちるのは避けたい。
油断をしてしまえば、目の前の獰猛な魔術師に、本当に命を奪われてしまうのだから。
アグナルは立ち塞がるだけで、一切動かない。こちらの出方をうかがっているのか、攻撃に出る体力すらないのか――
「クレイン……月が見えればいいんだよね?」
睨み合いが続く中、ルチルはクレインに切り出した。
「え? ああ……そうすれば、あとは根性で、嵐の範囲から一気に抜け出せる……」
「そっか。うん、わたしは大丈夫だよ」
ルチルは嵐の向こう、星空に照らされた先を見遣る。
その方角には、炎と剣を象った紋章が刻まれた、とても質の高い馬車が数台走ってきていた。
「アレス達の馬車だ!」
「そうでしょ? だったらすることは一つだけ。クレインはあの馬車に乗り込めばいい」
「ルチル……」
雨も霞も肉体に当たらない。雷も避けてくれる。あらゆる向かい風が、今の二人の前では意味を成さない。
突然、どちらも何も言い出せず止まってしまった。あの馬車に乗り込むということは、つまり――
「楽しかった。クレインとの旅。わたし、色んなものを見つけることができたよ」
「……おれもだよ。始まりこそ最悪だったが……楽しかった」
終わりを目の前にして、二人だけの静寂が世界を包み込む。
「わたし、いつかライヴァンに行くね。今度はクレインに案内してもらいたいな」
「おれもそのうちルチルを呼んでやるよ。城の連中に言いつけて、豪華なおもてなしをしてやる」
「ふふ……じゃあどっちが早いか競争だ!」
「競争なら負けねえぜ! 男はそういう生き物だからな!」
最悪な天候の下最高の笑顔を見せる若者に、アグナルは遂に堪忍袋の緒が切れる。
「てめえら……ッ!!! ぼくがこんなにも命懸けてんのに、堂々といちゃついてんじゃねーよカーーーーースッ!!!」
「もう怒った!!! 絶対に容赦しねえ!!! 肉体の破片すら残さずホッドミーミルの大地に還してやるわーっ!!!」
震える手で杖を振りかざし、アグナルはありったけのルーンを込める――
「いくよ――『春風』!」
アグナルが魔弾を放つより前に、ルチルは三方向に風を放った。
一つは空に。どこまでも飛んでいって、黒雲に穴を開ける。ちょうど月が覗けるぐらいの大きさだった。
もう一つは前に。走り出したクレインの背中を押すように、勇気づけるようなとっておきの風を。
最後は下に。自分は空に飛び上がって、去り行く彼を見送れる高さまで移動する。
「クレインーっ! さようならーっ!」
最後まで醜悪な嵐は、優しい春風の加護を打ち破ることができなかった。
自分が生み出した魔法の力に守られながら、ルチルは大きく手を振る。
必死で走らないといけないから、この声に応えてくれるわけないだろう。そう思い至っても、見送ることはやめない。
しかしクレインは、目的の馬車を前にして、くるっと後ろを振り向いた。そして歯を出して笑いながら、こちらも精いっぱい叫んだ。
「ルチルーっ!! じゃあなーっ!! また会おおおおおーーーっ!?!?」
変に行動を加えたせいで意識が逸れてしまい、上手く勢いを落とせなかったクレイン。
そのまま馬車に突っ込む。彼が気がつくと、従者のアレスをクッションのようにして座っていた。
「……殿下!! 殿下ぁー!?!?」
「悪いなアレス! へへっ、心配かけた!」
「へへっじゃないんですよこの馬鹿皇子は……!!!」
態勢を立て直そうにも、馬車はものすごい勢いで走っているので、簡単に動くわけにもいかない。
主人のためなら別にクッションのままでもいいかな――アレスはそんなことを考えていた。それだけクレインが戻ってきたことが嬉しかったのである。
「最後の最後にルチルに助けられたんだ! あいつがいなかったら無理だった!」
「そうでしたか……つまり命の恩人ということですね!?」
「ああそうだ! だからいつか城に呼んで、恩返ししねえとな!」
クレインは窓から顔を出した。その時、傷口が少し疼き頭痛がした。痛みを和らげてくれていた、ルチルの魔法が切れつつあるのだ。
今にも治療が必要な傷口をよそに、クレインは後ろを見る。それは馬車がとっくに過ぎ去ってしまった道。
その道の果てには、黒雲が徐々に小さくなっていくのが見えた。空中に滞在してくれたおかげで、手を振ってくれているのがよく見える――
「ルチルーっ!! じゃあなーっ!! いつか絶対に、絶対に、ぜーったいに会おうなーっ!!!」
ようやく馬車が視界から姿を消した時、ルチルは手を下ろした。笑顔だけを浮かべながら。
ふと空を見ると、黒雲が小さくなっていく。とうとう彼も体力が尽きたのだろう。
「ぜぇ……ぜぇ……何故だ……何故ぼくの『嵐』に飲み込まれない……?」
「答えろ……さてはお前の魔法、『風』じゃないな? 何か小細工でも仕込んでんだろ……!!」
地面に降り立つと、アグナルはすぐにそのように問いを投げかけた。
あれだけ恐ろしい力を持った魔術師だったが、今は哀れみしか感じない。
「自分が負けたからって、その原因を力だけに求めるの、よくないと思うなあ」
「いい? あなたはきっと自分のプライドのために戦っていたんでしょ。どこまでも自分のことしか考えない、ちっぽけな理由で!」
「わたしはそうじゃないもの――わたしはクレインの役に立ちたかった。力になりたかったから、とても頑張れたの。だってわたしが頑張らないと、とても困っちゃう人がいるんだから」
「これが自分のためだったら、上手くいかなくても気にしないもの。人のために命を懸けられるか――それが、あなたとわたしの違い!」
ルチルは軽く風を飛ばすと、アグナルの背後まで瞬時に移動する。
あろうことに彼はルチルにこっそり忍び寄り、隠し持っていたナイフで首を切ろうとしていたのだ。
「へあっ……!?」
「しつこい男は嫌われろー! おりゃあー!!」
まず一発、盛大にビンタ。その勢いを乗せて、もう一発ビンタ。
気が済むまで何度も何度も、ルチルはアグナルにビンタを繰り返す――
「……ふう! すっきり!」
気がつくとアグナルの顔は、赤く腫れてしまい原型を留めていなかった。殺そうとしたのだからこれぐらいいいよねと、ルチルはタガを外したのである。
「よし……それじゃあ」
「わたしも帰ろう!」
崩壊しかけの神殿跡も、山賊達の死体や気絶しているやつも。
何もかもに知らんぷりを決め込む。そしていつもやっているように、ルチルは風を操り空を飛ぶ。
「今ならどこまでも飛んでいけそうな気分! そーれっ!」
すっかり春も更けた夜空に、満面の春風が舞う。
「アレス様落ち着いて!! そんなに立たれては、馬車の走行に影響が出ます!!」
スヴァーダからやってきた馬車達は、アンドヴァリ港からの周辺をしらみ潰しに当たっていた。
偵察係からの情報はあれど、やはり見知らぬ大地ホッドミーミル。熟練の使用人であるアレスでさえ、どこから手をつければいいのかわからなかったのである。
「悪かった……くそっ!! 何かあればいいのだが……!! こう、目立つような何かが!! きっとそれを発生させているのが、クレイン殿下であるに違いないのだから……!!」
「だからアレス様、殿下を信用されているのかされていないのかどちらなんですか……!!」
「……!! アレス様、あちらを!!」
「なんだ……っ!?」
そうして彼らも目撃した。通常の自然現象ではまず発生しない、空を埋め尽くさんばかりの黒雲を。
「誰かが魔法を用いて戦闘をしているものかと!! ですが……」
「殿下とは関係ない全くの別人、という可能性もあるが!! 今は藁にでも縋りたい気分だ――馬車を回せッ!!」
「了解!!」
「……ガ、キ、ふ、ぜ、い、がぁぁぁぁぁぁ……」
「許さん……許さん……ぼくを誰だと思っている……」
「『厳嵐の魔術師』アグナル様だ……てめえらとは積んできた量も!! 質も!! 時間も!!」
「何もかもが違うんだよーーーッ!!!」
黒雲から放たれた嵐は、瞬く間に自分達の上空に覆い被さった。
そしてアグナルの感情を代弁するように、雷が、雨が、霞が、風が降り注ぐ。
「くうっ……!」
「目の前にゴールは見えてるってのに……!」
雲を超えた先には満天の星空が広がっている。しかし一瞬にして、背後から追いついた黒雲が飲み込んでしまう。
「まずい、月が覆われて……!」
「ほーう? つまり君は月がなければ何にもできないクソ雑魚と!!」
「こいつっ!!」
先ほどやってみせたのと同様に、アグナルは追い風を受けて一気にルチル達を追い抜き、そして前に立ち塞がった。
しかしその顔には皺のようなものが入っていて、心なしか髪色が薄くなっている。息も絶え絶えで戦闘を続行できるかどうかも怪しい。
「ルーン欠乏症か? そこまでしておれ達を殺そうとするなんて、人気者は辛いねぇ!」
「黙れ……ガキには一生わからねえよ、ぼくのプライドなんて……!!」
「そのプライドにしがみつくぐらいなら、命を大事にしろってんだ!」
煽ってはみたものの、クレインもきつい状況なのは確か。月が覆われてしまうと光が弱まってしまうから。
普段なら雲による光量の変化は誤差なのだが、今は普段ではなく緊急事態。少しでも魔法の威力が落ちるのは避けたい。
油断をしてしまえば、目の前の獰猛な魔術師に、本当に命を奪われてしまうのだから。
アグナルは立ち塞がるだけで、一切動かない。こちらの出方をうかがっているのか、攻撃に出る体力すらないのか――
「クレイン……月が見えればいいんだよね?」
睨み合いが続く中、ルチルはクレインに切り出した。
「え? ああ……そうすれば、あとは根性で、嵐の範囲から一気に抜け出せる……」
「そっか。うん、わたしは大丈夫だよ」
ルチルは嵐の向こう、星空に照らされた先を見遣る。
その方角には、炎と剣を象った紋章が刻まれた、とても質の高い馬車が数台走ってきていた。
「アレス達の馬車だ!」
「そうでしょ? だったらすることは一つだけ。クレインはあの馬車に乗り込めばいい」
「ルチル……」
雨も霞も肉体に当たらない。雷も避けてくれる。あらゆる向かい風が、今の二人の前では意味を成さない。
突然、どちらも何も言い出せず止まってしまった。あの馬車に乗り込むということは、つまり――
「楽しかった。クレインとの旅。わたし、色んなものを見つけることができたよ」
「……おれもだよ。始まりこそ最悪だったが……楽しかった」
終わりを目の前にして、二人だけの静寂が世界を包み込む。
「わたし、いつかライヴァンに行くね。今度はクレインに案内してもらいたいな」
「おれもそのうちルチルを呼んでやるよ。城の連中に言いつけて、豪華なおもてなしをしてやる」
「ふふ……じゃあどっちが早いか競争だ!」
「競争なら負けねえぜ! 男はそういう生き物だからな!」
最悪な天候の下最高の笑顔を見せる若者に、アグナルは遂に堪忍袋の緒が切れる。
「てめえら……ッ!!! ぼくがこんなにも命懸けてんのに、堂々といちゃついてんじゃねーよカーーーーースッ!!!」
「もう怒った!!! 絶対に容赦しねえ!!! 肉体の破片すら残さずホッドミーミルの大地に還してやるわーっ!!!」
震える手で杖を振りかざし、アグナルはありったけのルーンを込める――
「いくよ――『春風』!」
アグナルが魔弾を放つより前に、ルチルは三方向に風を放った。
一つは空に。どこまでも飛んでいって、黒雲に穴を開ける。ちょうど月が覗けるぐらいの大きさだった。
もう一つは前に。走り出したクレインの背中を押すように、勇気づけるようなとっておきの風を。
最後は下に。自分は空に飛び上がって、去り行く彼を見送れる高さまで移動する。
「クレインーっ! さようならーっ!」
最後まで醜悪な嵐は、優しい春風の加護を打ち破ることができなかった。
自分が生み出した魔法の力に守られながら、ルチルは大きく手を振る。
必死で走らないといけないから、この声に応えてくれるわけないだろう。そう思い至っても、見送ることはやめない。
しかしクレインは、目的の馬車を前にして、くるっと後ろを振り向いた。そして歯を出して笑いながら、こちらも精いっぱい叫んだ。
「ルチルーっ!! じゃあなーっ!! また会おおおおおーーーっ!?!?」
変に行動を加えたせいで意識が逸れてしまい、上手く勢いを落とせなかったクレイン。
そのまま馬車に突っ込む。彼が気がつくと、従者のアレスをクッションのようにして座っていた。
「……殿下!! 殿下ぁー!?!?」
「悪いなアレス! へへっ、心配かけた!」
「へへっじゃないんですよこの馬鹿皇子は……!!!」
態勢を立て直そうにも、馬車はものすごい勢いで走っているので、簡単に動くわけにもいかない。
主人のためなら別にクッションのままでもいいかな――アレスはそんなことを考えていた。それだけクレインが戻ってきたことが嬉しかったのである。
「最後の最後にルチルに助けられたんだ! あいつがいなかったら無理だった!」
「そうでしたか……つまり命の恩人ということですね!?」
「ああそうだ! だからいつか城に呼んで、恩返ししねえとな!」
クレインは窓から顔を出した。その時、傷口が少し疼き頭痛がした。痛みを和らげてくれていた、ルチルの魔法が切れつつあるのだ。
今にも治療が必要な傷口をよそに、クレインは後ろを見る。それは馬車がとっくに過ぎ去ってしまった道。
その道の果てには、黒雲が徐々に小さくなっていくのが見えた。空中に滞在してくれたおかげで、手を振ってくれているのがよく見える――
「ルチルーっ!! じゃあなーっ!! いつか絶対に、絶対に、ぜーったいに会おうなーっ!!!」
ようやく馬車が視界から姿を消した時、ルチルは手を下ろした。笑顔だけを浮かべながら。
ふと空を見ると、黒雲が小さくなっていく。とうとう彼も体力が尽きたのだろう。
「ぜぇ……ぜぇ……何故だ……何故ぼくの『嵐』に飲み込まれない……?」
「答えろ……さてはお前の魔法、『風』じゃないな? 何か小細工でも仕込んでんだろ……!!」
地面に降り立つと、アグナルはすぐにそのように問いを投げかけた。
あれだけ恐ろしい力を持った魔術師だったが、今は哀れみしか感じない。
「自分が負けたからって、その原因を力だけに求めるの、よくないと思うなあ」
「いい? あなたはきっと自分のプライドのために戦っていたんでしょ。どこまでも自分のことしか考えない、ちっぽけな理由で!」
「わたしはそうじゃないもの――わたしはクレインの役に立ちたかった。力になりたかったから、とても頑張れたの。だってわたしが頑張らないと、とても困っちゃう人がいるんだから」
「これが自分のためだったら、上手くいかなくても気にしないもの。人のために命を懸けられるか――それが、あなたとわたしの違い!」
ルチルは軽く風を飛ばすと、アグナルの背後まで瞬時に移動する。
あろうことに彼はルチルにこっそり忍び寄り、隠し持っていたナイフで首を切ろうとしていたのだ。
「へあっ……!?」
「しつこい男は嫌われろー! おりゃあー!!」
まず一発、盛大にビンタ。その勢いを乗せて、もう一発ビンタ。
気が済むまで何度も何度も、ルチルはアグナルにビンタを繰り返す――
「……ふう! すっきり!」
気がつくとアグナルの顔は、赤く腫れてしまい原型を留めていなかった。殺そうとしたのだからこれぐらいいいよねと、ルチルはタガを外したのである。
「よし……それじゃあ」
「わたしも帰ろう!」
崩壊しかけの神殿跡も、山賊達の死体や気絶しているやつも。
何もかもに知らんぷりを決め込む。そしていつもやっているように、ルチルは風を操り空を飛ぶ。
「今ならどこまでも飛んでいけそうな気分! そーれっ!」
すっかり春も更けた夜空に、満面の春風が舞う。
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