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第26話 春風の魔法少女
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気を失っている山賊達の山を超えて、ルチルは穴から先に進んだ。
一歩踏み入れようものなら、そこには死と隣り合わせの戦場が広がっている。嵐によって天井の一部が大破していて、もはや意味を成さなくなっていた。
青い空の中心に突如現れた、黒い入道雲。どこまで広がっているのかは、この狭い空間から見上げただけでは予測できない。
(わたしにしかできないこと! わたしの魔法で、クレインを助けるんだ……!)
嵐で服が濡れるのもお構いなし。ルチルは広間に入って、クレインとアグナルの戦闘を見据えた。
依然として斧と魔法の攻防が繰り広げられている。クレインが防戦一方に追いやられているのも変わらずで、しかも速度が落ちていきている。霞が一部命中してしまっているのだ。
「ぐっ!! げほっ、があああっ……!!」
「雨に打たれて風邪でもひいたか? あんな啖呵を切っておいて、なんというザマだ!」
自分の肉体が傷ついているのもお構いなしに、クレインは斧を振るい続ける。その苦しみは想像を超えるものだろう。
だが彼は腕を止めない。自分を信じているからこそ、時間を稼いでくれているのだ。それに応えてやらねばならないが、のんびりしている暇もない――
(単純な威力じゃ負ける……確かにその通りだ。わたしはあいつに絶対に勝てない)
ルチルは杖を向ける。どんな魔法を使うのかは、その後で考えた。
(だから押し合いじゃない方向で、魔法を使う! 吹き飛ばし以外にできること……!)
身体から杖にルーンを送っていく。増幅されたルーンが、光り輝いて放たれる。
(風……空気の流れ。強い向かい風、優しい追い風。風に吹かれていると、とっても気持ちいい……)
『ずっと元気でね、ルチル。
春風のように優しい、私の娘――』
(そうだ……わたしは春風なんだ。お母さんだって、そう言ってくれた)
(気づかなかった……忘れていたんだ。思い出すと辛くなっちゃうから……)
(今はもう思い出しちゃったけど……辛いなんて言い訳はできない!)
ルーンが十分に増幅されたことを確認して、ルチルは両手で杖を握る――
「がはあっ!!!」
「はは、とうとうここまで追い詰めた!」
クレインは正面からの豪風に耐え切れず、飛ばされてしまった。
壁に叩きつけられ地面に落ちる。足に力が入らず立ち上がれない。
腕だけで起き上がろうとしている状態で、アグナルの肉体を見上げる――
「ま、ぼくは君に恨みがあるわけじゃないけど。雇った人からの命令でねえ」
「そ、それは……ウットガルか……?」
「そういうことになるねえ。もっとも、これ以上はどうでもいいことだ。君にとってはな!」
アグナルは瀕死のクレインに杖を向け、そこにありったけのルーンを込める。
凝縮されたルーンが一つの球体になり、甲高い音を立てて肥大化していく。
「肉片も残らず殺してやるよ!! くらえっ!!」
「――ッ!!!」
一応腕を顔の前に差し出し、防御の態勢は取った。だが心の中では、もう打つ手がないと感じていたクレインであった。
しかし――
「……ああっ? 何故だ、どういうことだ?」
「何でお前――このぼくの魔弾を受けて、生きていられてるんだ!?」
「……あ?」
「なんだ……これ」
「これは……ああ、これはとてもいい……!」
クレインは立ち上がることができた。傷口は塞がっていないが、痛みが軽くなっていたのだ。
それはきっと、和らげてくれているからだろうと確信した。自分の周囲を取り巻く、この心地良い風が――
「これがお前の風なんだな……ルチル!」
「ルチルだって!? あ、あの小娘……!!!」
アグナルはかなり取り乱している。それほどまでに自分の魔法に自信があったのだろう。
広間の隅に目を向けると、そこにルチルがいた。手にしていた杖からはルーンが滴り落ちており、魔法を使ったことを証明している。
その顔はやけに冷静で、してやったという表情だ。あれだけ大勢の山賊を前に怯えていたとは思えない。
「馬鹿な……ありえない!! ぼくの嵐にあんなそよ風が抵抗できるなんてえええええ……!!!」
「そよ風……だからこそだ」
アグナルが気配を感じて振り向くと、背後までクレインが迫ってきていた。
咄嗟に避けるアグナル。クレインは何もするつもりはなかったようで、肩をすくめた。
「な、なんだお前も!? いつの間にかそんな回復して……!?」
「調子に乗っているのもこれで終わりだ……」
クレインが天井を指差すので、アグナルがその方向を見ると。
嵐によって崩れ去った天井の穴から、膨れた月が顔を覗かせていた。
「月だと……!? まさかお前は、『月』の魔法か!? だとするとお前は……!!」
「あー、勝手に推測してろ。言っておくがおれはもう、お前と戦うつもりはないんだよ。疲れたからな~」
あえて生々しい傷跡を見せつけ、わざとらしく痛々しい表情をするクレイン。
「だから――逃げるぞ!! ルチル!!!」
「うん!」
ルチルはクレインの呼びかけに応え、壁際から走って合流しようとした。
「逃がすかよ……!! 『暴嵐』!!」
「……!」
アグナルはルチルの正面に風を吹かせ、その勢いで道を阻もうとするが――
「なっ……何故だ!? どうして立ち向かってくるんだよおおおおおおっ!?」
「わたしは、『春風』だから……! あなたのような人を傷つける風とは違う!」
「どんな嵐にも飲み込まれない、心地良い風! それがわたしなの!」
ルチルの周囲には明らかな暴風が吹いているのに、彼女はそれの影響を受けず、ひたすらに走ってきたのだ。
どれだけアグナルが魔法を強めても意味がない。彼はルチルが自分の隣まで到達したその時に、
彼女の身体を観察することができた――薄い空気の膜が彼女を覆っているのを。その膜の前で自分の風があらぬ方向に転換させられているのも。
「ふっ……ふざけるなあああああああーーーーーっ!!!」
「ふざけてんのは……そっちだろうがあっ!! おれのこと殺そうとしやがって!!」
「いいからクレイン! 逃げるんでしょ! 無駄な意地張らないで!」
「っと、そうだな! じゃーなスカタン! おれは絶対にお前らの思い通りにゃあならねえって、ボスに言っとけ!!!」
とうとうルチルはクレインと横並びになり、崩れかけの神殿から脱出しようとするが――
「ははははは!! そう簡単に逃がすとでも思ったか!? このぼくは、アグナル様は最強なんだよ!!」
「それをてめーらに……どこぞの高名な出自でもねえガキンチョに、馬鹿にされてたまるかあッ!!!」
流石は空気の流れを操る魔法の使い手といったところか。アグナルは瞬時に風を操り自分を押し出す。
あっという間にルチルとクレインを追い抜き、彼らの道を塞いだ。
「んもーっ、しつこい!!!」
「ぐええええっ!?!?」
勢いがついていたというのもあったが、ルチルは止まれなかった。
アグナルを直前にすると、ぴょんっと飛び上がり、そして彼の首元を足で踏みつけジャンプ。
「がはっ、この、クソアマ……!!!」
「じゃあねー! 二度と顔見せるな、ばーかっ!!」
飛び上がったのを最初の勢いにし、ルチルは風を操り空高く飛んでいく。普段から慣れていることなので、もはや誰も彼女を止められない。
「ガキに負けるのが屈辱なら、一層強めてやるよ! 『月影』!」
「ぎゃああああああっ!!」
クレインは走り去る前に一瞬止まり、アグナルの方を向いて魔法を使った。
月が落ちたような暗い影が、アグナルに覆い被さる。それは細い線となって彼の肉体を走り、拘束していった。
「はあはあ……ルチル! おれを置いていくなよー!」
「わかってる! そんなに怪我をしてるんじゃ、後押しが必要だよね――」
「『春風』!」
ルチルはクレインの隣までやってくると、杖先を彼に押し当て、魔法を使った。背中から心地良い風が吹いてきて、彼が走るのを後押ししてくれる。
「おおっ? なんだルチル、スキルとか考えるの面倒臭いって言ってたのによ!」
「面倒かなって思っていたけど、そんなことはなかった! 今は色んな魔法を考えたい気分なの!」
クレインは月の魔法の力も合わさり、馬と同等かそれ以上の速さで走っていた。その隣をルチルが、地面から2メートルほどの高さを飛んだ状態で並走する。
「なんならここまで低空飛行するの、実は初めてだったりするー!」
「それにしては結構慣れているように見えるぞ!? やっぱりルチル、すげえ魔法使えるんじゃねえか!」
楽しそうに会話をしているのも束の間――
「……っ! な、何このでっかい雷の音……!」
「あいつ、まだやるつもりか……後ろを見ろ!」
「……!」
速度を少しだけ落として後ろを振り向く。
するとそこには、星空の暗さといい勝負をしている、どす黒い雲が広がっていた。
「他の山賊と比べて、強さが段違いだと思っていたが……ここまでやるとはな!?」
「逃げて正解だったね! クレインはまだ回復し切っていないんだから!」
「ああ、襲撃が1日でも早かったら、正直危うかった……」
まだ戦闘は終わらなさそうだと確信してから、二人は正面を向く。
「行くぞルチル! とりあえず港まで戻ろう! 人多い所に逃げ込めりゃあ、流石にあいつも手を引くだろ!」
「うん……! ここが踏ん張りどころだよ、クレイン! わたし、絶対に負けないから!」
一歩踏み入れようものなら、そこには死と隣り合わせの戦場が広がっている。嵐によって天井の一部が大破していて、もはや意味を成さなくなっていた。
青い空の中心に突如現れた、黒い入道雲。どこまで広がっているのかは、この狭い空間から見上げただけでは予測できない。
(わたしにしかできないこと! わたしの魔法で、クレインを助けるんだ……!)
嵐で服が濡れるのもお構いなし。ルチルは広間に入って、クレインとアグナルの戦闘を見据えた。
依然として斧と魔法の攻防が繰り広げられている。クレインが防戦一方に追いやられているのも変わらずで、しかも速度が落ちていきている。霞が一部命中してしまっているのだ。
「ぐっ!! げほっ、があああっ……!!」
「雨に打たれて風邪でもひいたか? あんな啖呵を切っておいて、なんというザマだ!」
自分の肉体が傷ついているのもお構いなしに、クレインは斧を振るい続ける。その苦しみは想像を超えるものだろう。
だが彼は腕を止めない。自分を信じているからこそ、時間を稼いでくれているのだ。それに応えてやらねばならないが、のんびりしている暇もない――
(単純な威力じゃ負ける……確かにその通りだ。わたしはあいつに絶対に勝てない)
ルチルは杖を向ける。どんな魔法を使うのかは、その後で考えた。
(だから押し合いじゃない方向で、魔法を使う! 吹き飛ばし以外にできること……!)
身体から杖にルーンを送っていく。増幅されたルーンが、光り輝いて放たれる。
(風……空気の流れ。強い向かい風、優しい追い風。風に吹かれていると、とっても気持ちいい……)
『ずっと元気でね、ルチル。
春風のように優しい、私の娘――』
(そうだ……わたしは春風なんだ。お母さんだって、そう言ってくれた)
(気づかなかった……忘れていたんだ。思い出すと辛くなっちゃうから……)
(今はもう思い出しちゃったけど……辛いなんて言い訳はできない!)
ルーンが十分に増幅されたことを確認して、ルチルは両手で杖を握る――
「がはあっ!!!」
「はは、とうとうここまで追い詰めた!」
クレインは正面からの豪風に耐え切れず、飛ばされてしまった。
壁に叩きつけられ地面に落ちる。足に力が入らず立ち上がれない。
腕だけで起き上がろうとしている状態で、アグナルの肉体を見上げる――
「ま、ぼくは君に恨みがあるわけじゃないけど。雇った人からの命令でねえ」
「そ、それは……ウットガルか……?」
「そういうことになるねえ。もっとも、これ以上はどうでもいいことだ。君にとってはな!」
アグナルは瀕死のクレインに杖を向け、そこにありったけのルーンを込める。
凝縮されたルーンが一つの球体になり、甲高い音を立てて肥大化していく。
「肉片も残らず殺してやるよ!! くらえっ!!」
「――ッ!!!」
一応腕を顔の前に差し出し、防御の態勢は取った。だが心の中では、もう打つ手がないと感じていたクレインであった。
しかし――
「……ああっ? 何故だ、どういうことだ?」
「何でお前――このぼくの魔弾を受けて、生きていられてるんだ!?」
「……あ?」
「なんだ……これ」
「これは……ああ、これはとてもいい……!」
クレインは立ち上がることができた。傷口は塞がっていないが、痛みが軽くなっていたのだ。
それはきっと、和らげてくれているからだろうと確信した。自分の周囲を取り巻く、この心地良い風が――
「これがお前の風なんだな……ルチル!」
「ルチルだって!? あ、あの小娘……!!!」
アグナルはかなり取り乱している。それほどまでに自分の魔法に自信があったのだろう。
広間の隅に目を向けると、そこにルチルがいた。手にしていた杖からはルーンが滴り落ちており、魔法を使ったことを証明している。
その顔はやけに冷静で、してやったという表情だ。あれだけ大勢の山賊を前に怯えていたとは思えない。
「馬鹿な……ありえない!! ぼくの嵐にあんなそよ風が抵抗できるなんてえええええ……!!!」
「そよ風……だからこそだ」
アグナルが気配を感じて振り向くと、背後までクレインが迫ってきていた。
咄嗟に避けるアグナル。クレインは何もするつもりはなかったようで、肩をすくめた。
「な、なんだお前も!? いつの間にかそんな回復して……!?」
「調子に乗っているのもこれで終わりだ……」
クレインが天井を指差すので、アグナルがその方向を見ると。
嵐によって崩れ去った天井の穴から、膨れた月が顔を覗かせていた。
「月だと……!? まさかお前は、『月』の魔法か!? だとするとお前は……!!」
「あー、勝手に推測してろ。言っておくがおれはもう、お前と戦うつもりはないんだよ。疲れたからな~」
あえて生々しい傷跡を見せつけ、わざとらしく痛々しい表情をするクレイン。
「だから――逃げるぞ!! ルチル!!!」
「うん!」
ルチルはクレインの呼びかけに応え、壁際から走って合流しようとした。
「逃がすかよ……!! 『暴嵐』!!」
「……!」
アグナルはルチルの正面に風を吹かせ、その勢いで道を阻もうとするが――
「なっ……何故だ!? どうして立ち向かってくるんだよおおおおおおっ!?」
「わたしは、『春風』だから……! あなたのような人を傷つける風とは違う!」
「どんな嵐にも飲み込まれない、心地良い風! それがわたしなの!」
ルチルの周囲には明らかな暴風が吹いているのに、彼女はそれの影響を受けず、ひたすらに走ってきたのだ。
どれだけアグナルが魔法を強めても意味がない。彼はルチルが自分の隣まで到達したその時に、
彼女の身体を観察することができた――薄い空気の膜が彼女を覆っているのを。その膜の前で自分の風があらぬ方向に転換させられているのも。
「ふっ……ふざけるなあああああああーーーーーっ!!!」
「ふざけてんのは……そっちだろうがあっ!! おれのこと殺そうとしやがって!!」
「いいからクレイン! 逃げるんでしょ! 無駄な意地張らないで!」
「っと、そうだな! じゃーなスカタン! おれは絶対にお前らの思い通りにゃあならねえって、ボスに言っとけ!!!」
とうとうルチルはクレインと横並びになり、崩れかけの神殿から脱出しようとするが――
「ははははは!! そう簡単に逃がすとでも思ったか!? このぼくは、アグナル様は最強なんだよ!!」
「それをてめーらに……どこぞの高名な出自でもねえガキンチョに、馬鹿にされてたまるかあッ!!!」
流石は空気の流れを操る魔法の使い手といったところか。アグナルは瞬時に風を操り自分を押し出す。
あっという間にルチルとクレインを追い抜き、彼らの道を塞いだ。
「んもーっ、しつこい!!!」
「ぐええええっ!?!?」
勢いがついていたというのもあったが、ルチルは止まれなかった。
アグナルを直前にすると、ぴょんっと飛び上がり、そして彼の首元を足で踏みつけジャンプ。
「がはっ、この、クソアマ……!!!」
「じゃあねー! 二度と顔見せるな、ばーかっ!!」
飛び上がったのを最初の勢いにし、ルチルは風を操り空高く飛んでいく。普段から慣れていることなので、もはや誰も彼女を止められない。
「ガキに負けるのが屈辱なら、一層強めてやるよ! 『月影』!」
「ぎゃああああああっ!!」
クレインは走り去る前に一瞬止まり、アグナルの方を向いて魔法を使った。
月が落ちたような暗い影が、アグナルに覆い被さる。それは細い線となって彼の肉体を走り、拘束していった。
「はあはあ……ルチル! おれを置いていくなよー!」
「わかってる! そんなに怪我をしてるんじゃ、後押しが必要だよね――」
「『春風』!」
ルチルはクレインの隣までやってくると、杖先を彼に押し当て、魔法を使った。背中から心地良い風が吹いてきて、彼が走るのを後押ししてくれる。
「おおっ? なんだルチル、スキルとか考えるの面倒臭いって言ってたのによ!」
「面倒かなって思っていたけど、そんなことはなかった! 今は色んな魔法を考えたい気分なの!」
クレインは月の魔法の力も合わさり、馬と同等かそれ以上の速さで走っていた。その隣をルチルが、地面から2メートルほどの高さを飛んだ状態で並走する。
「なんならここまで低空飛行するの、実は初めてだったりするー!」
「それにしては結構慣れているように見えるぞ!? やっぱりルチル、すげえ魔法使えるんじゃねえか!」
楽しそうに会話をしているのも束の間――
「……っ! な、何このでっかい雷の音……!」
「あいつ、まだやるつもりか……後ろを見ろ!」
「……!」
速度を少しだけ落として後ろを振り向く。
するとそこには、星空の暗さといい勝負をしている、どす黒い雲が広がっていた。
「他の山賊と比べて、強さが段違いだと思っていたが……ここまでやるとはな!?」
「逃げて正解だったね! クレインはまだ回復し切っていないんだから!」
「ああ、襲撃が1日でも早かったら、正直危うかった……」
まだ戦闘は終わらなさそうだと確信してから、二人は正面を向く。
「行くぞルチル! とりあえず港まで戻ろう! 人多い所に逃げ込めりゃあ、流石にあいつも手を引くだろ!」
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