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第15話 隠し事と暗躍
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こうして美味しい物も食べて、ポプリも作って。ルチルとクレインは満足感と共に一日を終えるのだった。
「いや~すげ~な~……これがおれのポプリ……」
「うふふ。小石を入れるの、慎重すぎてちょっと面白かった」
「しょうがねえだろ、おれは初めてだったんだから」
互いに宿のベッドに転がり、自分が作ったポプリを眺めながら話をする。どちらも宿が用意している寝間着に身を包んでいた。
「ポプリに経験なんて関係ないよ。楽しんだもん勝ちの世界です」
「そういうもんか……奥が深いな」
「最近はルーンハーブなんて出回ってるし、ますます広がるばかりだよ。それこそ武器とか防具みたいに、こだわりだしたらキリがない」
「でもお前はこだわってんだろ? すげえなあ女子って……」
「ふふふ……♪」
ご機嫌なルチルは、手にしていたポプリをベッドテーブルに置く。隣には店で買ったポプリの材料が、袋に入った状態でどんっと鎮座していた。
そのままルチルは布団を被る。すっかり眠ろうとしている態勢だ。
「さっ、この村でやりたいことやったし。明日は港に行くルートを考えよう。これまた忙しくなるぞ~」
「そうだな……いつまでもここにいるわけにはいかないもんな」
「寂しい?」
「楽しかったから、そりゃあな。でもそういうのがあってこその旅行だろ」
「ふふ……確かに。それじゃ、おやすみ」
「ああ、おやすみ。また明日な」
(……)
(……いっけね。ルチルと話していたから、うっかりしていたぜ)
ふっと目が覚めたクレイン。彼は首に下げていたペンダントを外し、窓際に置く。
(月齢は相変わらずだが……雲一つないな。今日で戦闘が起こっても大丈夫な分には溜まるか……)
(……ん?)
違和感を感じて隣のベッドを見る。ルチルが寝ているはずだが、彼女の姿がなかった。
(トイレにでも行ったか? いや……)
ベッドの奥にあるサイドテーブルにも目を向けると、そこからは袋がなくなっていた。材料だけを入れていた大袋である。
(そういや聞いていなかったな……かさばるだけだろうに、どうしてあんなにも大量の材料を買ったのか)
(……)
少しばかり興味が勝ったクレイン。
夜の探検開始と思ったが、それは数十秒で終わった。
「……はい。これがマーガレットだよ。今が咲き頃なんだ」
泊まっている部屋は、ベッドルームの他に自由に使えるリビングが設置されているのだが――
「あとは『インフェルノソルト』、少しだけ買えたんだ。これはドライタイプだから、入れられないけどね」
ルチルはそこのソファーに座って、作業をしていたのだ。
(……なんだあれ、ポプリか? でも、一緒に作ったのとは違うやつだな)
(うわっ……)
部屋にはベッドルームから覗ける窓が設置されており、入らずとも中がうかがえる構造となっている。
クレインはそこから見ていたのだが、急にルチルが顔を上げたので、慌ててしゃがんで身を隠す。
(こ、ここは悪いが魔法を使わせてもらう。『新月』……)
クレインが静かに念じると、一瞬だけ黒い影が彼を覆う。その後は普通に戻った。
(本当は影打ちする魔法だが……今の状況なら、雑に使った所で気配はバレないだろ。さて……)
念を入れ窓からなるべく身を乗り出さないようにしつつ、クレインは観察を続ける。
「……あのね。もう知っていると思うけど、わたし男の子と出会ったんだよ」
「クレインってお名前で……皇子様なんだって……」
ルチルは宝石に向かって話しかけているようだった。人の手はおろか、自然物でさえも生み出せないような、白い宝石である。
そしてあらゆる職人が切り出せないような、複雑な形をしている。幾何学模様の紋章のように見えるのだ。
そんな不思議な物体に向かって、まるで親しい友達にでも伝えるかのような雰囲気で、ルチルはこれまでの出来事をずっと語っている。
「それでね、とっても強いんだよ。山賊にも恐れず立ち向かっていくの。もうわたしなんて必要ないんじゃないかって思うぐらい……わたしなんかとは大違い」
「でもね、一緒にポプリ作ってくれたんだよ。最初は興味なさげだったけど、結局ノリノリになってさ。わたし……男の子と一緒にポプリ作るの、初めてで……」
宝石に語りかけながら、ルチルは瓶の中に花や小物を入れていく。それこそが余分に買っていた材料だったのだ。
何度も行っているのだろう、その動作は滑らか。慎重に時々大胆に中身を入れ、時々鼻に近づけて香りを確認している。
その行為の隅々から、ルチルは宝石を本当の友達のように思っており、楽しんでもらうための工夫を精いっぱい凝らしているのが伝わってくる。
「そういえば、ソフィアさんが言ってくれたの。こうして外に出れているってだけで、わたしは変われてるって」
「あなた達の目から見て、わたしはどう見えてる? わたし、変われているかな……?」
ポプリを作っている隣には、透明な貝殻も置いてあった。ポシェットから見えたのと同じ物である。
ルチルは話を進めながらも、時々貝殻のことも気にかけ、手元に寄せていた。まるで別の友達に気を遣って、輪に加えるように。
(……別に言ってくれりゃあいいのによ。おれはこんなの気にしねえから)
(でも、おれにすら言いたくないってことは……それだけ大切なんだろうな)
クレインは数分もすると、窓から離れベッドに戻っていった。何も言わず静かに、少しだけ相手のことを知れた喜びを噛みしめて。
一方その頃、ホッドミーミルのある場所にて。
「はぁ……食料もいよいよ心もとなくなってきたな……」
「これじゃあのガキ殺す前に餓死しちまう! 撤退も視野に入れねえと……」
「んでも……ボスはどうしても殺したいみたいだしよぉ……金が……」
周辺にはぼろぼろに崩れ、誰も寄り付かなくなった家屋の数々が並んでいる。ガンドの暴走によって滅ぼされた村の一つだ。
そういった打ち捨てられた村の跡というのは、山賊達が身を隠すにはちょうどいい。
「おいおい、よく言うだろ! 命あっての物種って! 俺はもうあいつを相手にするの嫌だよぉ……ダチだって死んじまった……」
「てめえら撤退する雰囲気にさせてんじゃねーよ!! 成功させりゃあ、今までの報酬の5倍ぐらいは貰えるんだ。そうしたら酒だって死ぬ程飲める!」
「その前に斧の一撃で死にかけてるじゃねーか!! なあ~もういいだろ~帰ろうぜ~……」
赤い布切れの山賊達が、だらだらと今後について話し合っていると――
「はは、無様だな。いや、無様だからこそ寄せ集められたんだろうが」
「力の差を思い知って撤退だと? ちっぽけな根性だなあ。実に山賊らしい」
彼らの尊厳を破壊する者が現れる。
「……あ?」
「おいてめえ……口の利き方に気をつけろよ」
「ふうん、それはそっちの台詞だね」
やってきたのは20代後半と思われる青年。整った灰色のツーブロックヘアーに、吊り上がった黒の瞳。無地のシャツに裾の広いズボンを履き、豪華に装飾された杖を持っていなかったら普通の村人と間違われそうだ。
だが高所から山賊達を見下ろし、侮蔑の視線を送る様からは、彼が只者でないことが否応なしに伝わってくる。
突如現れた青年は、懐から細長い布を取り出し、山賊達に見せつけた。一見すると赤いだけの布に見えるが、よく目を凝らすと紋章が刻まれているのが確認できる。
「げっ! その布は……山賊団の中でも幹部に与えられる……!」
「ぼ、ボスはこんな行け好かねえ野郎を仲間にしたってのか!?」
「信じられねえ……育ちのいい奴は仲間にしねえって、言ってたのによぉ!! しかもよりによってこの待遇……!!」
山賊達から非難の声が起こる。揃いも揃ってこの青年に嫌悪感を示していた。
しかし青年はどこ吹く風の態度。むしろその非難を愉しんでいるようにも見える。
「そうさ、ぼくは君達の仲間になった。金で雇われたんだよ」
「金だと!? そ、それほどまでにお前は……」
「……あっ!? そういやお前の顔、新聞で見たことあるぞ! 名前は……」
「『巌嵐の魔術師』アグナルだ。これで皆ぼくのことは覚えたかな?」
アグナルは瞬時に、名前を先に言おうとした山賊に接近し、腹部に拳を入れていた。
とても強い力だったようで、殴られた山賊は目を見開いて倒れてしまう。
「ひいいいっ……!」
「そんな、恐れないでほしいな。だって仲間だよ? 君達の目的を果たすべく、『ボス』から直に送り込まれたんじゃないか」
「あのガキはそれほどまでに……一体何者なんだ?」
「さあ? ぼくはそんなことに興味ないね。とにかく雇われたからには動かせてもらう。文句があるなら聞いてあげるよ、実行するかは別問題だけど」
「こ、こいつ……」
ボスが雇ったからには仕方ないと、山賊達は沸き立つ怒りを理屈で静めていく。
「んじゃ早速取りかかろうか。ターゲットの居場所はわかってる?」
「さあ……ローゼンの南部で見失ってからは、何とも……」
「はぁー、無能だなあ。そんなに殺されるのが怖い? まずはそこから調べないといけないじゃないか……面倒臭いなあ、もう」
「いや~すげ~な~……これがおれのポプリ……」
「うふふ。小石を入れるの、慎重すぎてちょっと面白かった」
「しょうがねえだろ、おれは初めてだったんだから」
互いに宿のベッドに転がり、自分が作ったポプリを眺めながら話をする。どちらも宿が用意している寝間着に身を包んでいた。
「ポプリに経験なんて関係ないよ。楽しんだもん勝ちの世界です」
「そういうもんか……奥が深いな」
「最近はルーンハーブなんて出回ってるし、ますます広がるばかりだよ。それこそ武器とか防具みたいに、こだわりだしたらキリがない」
「でもお前はこだわってんだろ? すげえなあ女子って……」
「ふふふ……♪」
ご機嫌なルチルは、手にしていたポプリをベッドテーブルに置く。隣には店で買ったポプリの材料が、袋に入った状態でどんっと鎮座していた。
そのままルチルは布団を被る。すっかり眠ろうとしている態勢だ。
「さっ、この村でやりたいことやったし。明日は港に行くルートを考えよう。これまた忙しくなるぞ~」
「そうだな……いつまでもここにいるわけにはいかないもんな」
「寂しい?」
「楽しかったから、そりゃあな。でもそういうのがあってこその旅行だろ」
「ふふ……確かに。それじゃ、おやすみ」
「ああ、おやすみ。また明日な」
(……)
(……いっけね。ルチルと話していたから、うっかりしていたぜ)
ふっと目が覚めたクレイン。彼は首に下げていたペンダントを外し、窓際に置く。
(月齢は相変わらずだが……雲一つないな。今日で戦闘が起こっても大丈夫な分には溜まるか……)
(……ん?)
違和感を感じて隣のベッドを見る。ルチルが寝ているはずだが、彼女の姿がなかった。
(トイレにでも行ったか? いや……)
ベッドの奥にあるサイドテーブルにも目を向けると、そこからは袋がなくなっていた。材料だけを入れていた大袋である。
(そういや聞いていなかったな……かさばるだけだろうに、どうしてあんなにも大量の材料を買ったのか)
(……)
少しばかり興味が勝ったクレイン。
夜の探検開始と思ったが、それは数十秒で終わった。
「……はい。これがマーガレットだよ。今が咲き頃なんだ」
泊まっている部屋は、ベッドルームの他に自由に使えるリビングが設置されているのだが――
「あとは『インフェルノソルト』、少しだけ買えたんだ。これはドライタイプだから、入れられないけどね」
ルチルはそこのソファーに座って、作業をしていたのだ。
(……なんだあれ、ポプリか? でも、一緒に作ったのとは違うやつだな)
(うわっ……)
部屋にはベッドルームから覗ける窓が設置されており、入らずとも中がうかがえる構造となっている。
クレインはそこから見ていたのだが、急にルチルが顔を上げたので、慌ててしゃがんで身を隠す。
(こ、ここは悪いが魔法を使わせてもらう。『新月』……)
クレインが静かに念じると、一瞬だけ黒い影が彼を覆う。その後は普通に戻った。
(本当は影打ちする魔法だが……今の状況なら、雑に使った所で気配はバレないだろ。さて……)
念を入れ窓からなるべく身を乗り出さないようにしつつ、クレインは観察を続ける。
「……あのね。もう知っていると思うけど、わたし男の子と出会ったんだよ」
「クレインってお名前で……皇子様なんだって……」
ルチルは宝石に向かって話しかけているようだった。人の手はおろか、自然物でさえも生み出せないような、白い宝石である。
そしてあらゆる職人が切り出せないような、複雑な形をしている。幾何学模様の紋章のように見えるのだ。
そんな不思議な物体に向かって、まるで親しい友達にでも伝えるかのような雰囲気で、ルチルはこれまでの出来事をずっと語っている。
「それでね、とっても強いんだよ。山賊にも恐れず立ち向かっていくの。もうわたしなんて必要ないんじゃないかって思うぐらい……わたしなんかとは大違い」
「でもね、一緒にポプリ作ってくれたんだよ。最初は興味なさげだったけど、結局ノリノリになってさ。わたし……男の子と一緒にポプリ作るの、初めてで……」
宝石に語りかけながら、ルチルは瓶の中に花や小物を入れていく。それこそが余分に買っていた材料だったのだ。
何度も行っているのだろう、その動作は滑らか。慎重に時々大胆に中身を入れ、時々鼻に近づけて香りを確認している。
その行為の隅々から、ルチルは宝石を本当の友達のように思っており、楽しんでもらうための工夫を精いっぱい凝らしているのが伝わってくる。
「そういえば、ソフィアさんが言ってくれたの。こうして外に出れているってだけで、わたしは変われてるって」
「あなた達の目から見て、わたしはどう見えてる? わたし、変われているかな……?」
ポプリを作っている隣には、透明な貝殻も置いてあった。ポシェットから見えたのと同じ物である。
ルチルは話を進めながらも、時々貝殻のことも気にかけ、手元に寄せていた。まるで別の友達に気を遣って、輪に加えるように。
(……別に言ってくれりゃあいいのによ。おれはこんなの気にしねえから)
(でも、おれにすら言いたくないってことは……それだけ大切なんだろうな)
クレインは数分もすると、窓から離れベッドに戻っていった。何も言わず静かに、少しだけ相手のことを知れた喜びを噛みしめて。
一方その頃、ホッドミーミルのある場所にて。
「はぁ……食料もいよいよ心もとなくなってきたな……」
「これじゃあのガキ殺す前に餓死しちまう! 撤退も視野に入れねえと……」
「んでも……ボスはどうしても殺したいみたいだしよぉ……金が……」
周辺にはぼろぼろに崩れ、誰も寄り付かなくなった家屋の数々が並んでいる。ガンドの暴走によって滅ぼされた村の一つだ。
そういった打ち捨てられた村の跡というのは、山賊達が身を隠すにはちょうどいい。
「おいおい、よく言うだろ! 命あっての物種って! 俺はもうあいつを相手にするの嫌だよぉ……ダチだって死んじまった……」
「てめえら撤退する雰囲気にさせてんじゃねーよ!! 成功させりゃあ、今までの報酬の5倍ぐらいは貰えるんだ。そうしたら酒だって死ぬ程飲める!」
「その前に斧の一撃で死にかけてるじゃねーか!! なあ~もういいだろ~帰ろうぜ~……」
赤い布切れの山賊達が、だらだらと今後について話し合っていると――
「はは、無様だな。いや、無様だからこそ寄せ集められたんだろうが」
「力の差を思い知って撤退だと? ちっぽけな根性だなあ。実に山賊らしい」
彼らの尊厳を破壊する者が現れる。
「……あ?」
「おいてめえ……口の利き方に気をつけろよ」
「ふうん、それはそっちの台詞だね」
やってきたのは20代後半と思われる青年。整った灰色のツーブロックヘアーに、吊り上がった黒の瞳。無地のシャツに裾の広いズボンを履き、豪華に装飾された杖を持っていなかったら普通の村人と間違われそうだ。
だが高所から山賊達を見下ろし、侮蔑の視線を送る様からは、彼が只者でないことが否応なしに伝わってくる。
突如現れた青年は、懐から細長い布を取り出し、山賊達に見せつけた。一見すると赤いだけの布に見えるが、よく目を凝らすと紋章が刻まれているのが確認できる。
「げっ! その布は……山賊団の中でも幹部に与えられる……!」
「ぼ、ボスはこんな行け好かねえ野郎を仲間にしたってのか!?」
「信じられねえ……育ちのいい奴は仲間にしねえって、言ってたのによぉ!! しかもよりによってこの待遇……!!」
山賊達から非難の声が起こる。揃いも揃ってこの青年に嫌悪感を示していた。
しかし青年はどこ吹く風の態度。むしろその非難を愉しんでいるようにも見える。
「そうさ、ぼくは君達の仲間になった。金で雇われたんだよ」
「金だと!? そ、それほどまでにお前は……」
「……あっ!? そういやお前の顔、新聞で見たことあるぞ! 名前は……」
「『巌嵐の魔術師』アグナルだ。これで皆ぼくのことは覚えたかな?」
アグナルは瞬時に、名前を先に言おうとした山賊に接近し、腹部に拳を入れていた。
とても強い力だったようで、殴られた山賊は目を見開いて倒れてしまう。
「ひいいいっ……!」
「そんな、恐れないでほしいな。だって仲間だよ? 君達の目的を果たすべく、『ボス』から直に送り込まれたんじゃないか」
「あのガキはそれほどまでに……一体何者なんだ?」
「さあ? ぼくはそんなことに興味ないね。とにかく雇われたからには動かせてもらう。文句があるなら聞いてあげるよ、実行するかは別問題だけど」
「こ、こいつ……」
ボスが雇ったからには仕方ないと、山賊達は沸き立つ怒りを理屈で静めていく。
「んじゃ早速取りかかろうか。ターゲットの居場所はわかってる?」
「さあ……ローゼンの南部で見失ってからは、何とも……」
「はぁー、無能だなあ。そんなに殺されるのが怖い? まずはそこから調べないといけないじゃないか……面倒臭いなあ、もう」
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