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第10話 それぞれの思い
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「ふうー……やっと眠れるな」
「テントでひと眠りだー!」
借りたテントは、二人用のこじんまりとしたもの。ベッドとランプと魔道空調がセットされており、最低限一夜を凌げるだけの設備は整っている。
「ご飯はさっきの広場の周囲に、露店が並んでいるからねー。お風呂も広場の近くにあるよ」
「本当に設備充実してるな~。やっぱアスカンブラは先を行ってるわ」
「国力だけならスヴァーダの方があるでしょ」
「国力だけだぜ~? あっちじゃ平野なんて貴重だからな。食いもん作る場所がそんなにねえ」
ぼやきながらクレインはベッドに横たわる。そしてポケットからナッツを取り出し、もぐもぐと食べる。
「ちょっと、外に出ないのかーい。わたしクレインと一緒にご飯食べたくて、お腹ぺこぺこなの我慢してたのに」
「なんだっておれを待つなんてこと……」
「一緒じゃないと不安なの。また山賊に襲われたら、嫌だから……」
言葉尻をすぼめるルチル。ここで場の雰囲気が、一気に気まずいものへと変わってしまった。
「……あのよ、ルチル」
「お前いつもさ、あんな感じで風の魔法操ってんのか……?」
昼間のことを思い出しながら、クレインはルチルに尋ねる。
「……森のあれは、相手が悪い奴でたくさんいたから、すっごく頑張っただけ。自分で飛び回る分にはあんな危ないことしないよ」
「……魔法を使う場合、ほとんどの奴が『技』とか『スキル』とか言って、事前に決めておいた名前を叫ぶんだ。そうすることで身体が記憶を思い出し、訓練した通りの魔法を繰り出す。お前は……」
「よくやってるよね、それさ。でも名前とか効果とか考えるのめんどくさいよ……それに、わたしには訓練はいらない」
ルチルもベッドの上に乗って、膝を抱えてクレインと話す。表情は膝に隠れて見えなくなってしまう。
「……どういう意味だそれ。訓練は必要だろ」
「クレインのように積極的に戦闘するなら、必要だと思う。でもわたしは今回が特別なだけだし……戻ったらまた運び屋の仕事だよ。それにわたしのお母さんは、もういなくなっちゃったから」
「先生なら、さっきのソフィアさんに頼めばいい。魔術師団長でお前と仲もいいんだろ?」
「でもお仕事忙しいから、中々捕まえられないよ……ローゼンにいないことなんてしょっちゅう。わたしみたいな子どもがちょっかい出しに行っても、迷惑するだけだ」
「……」
煮え切らない態度のクレイン。らちが明かないと感じた彼は、腰のポケットからある道具を取り出す。
「えっそれは……うげえ」
「何で嫌そうな声出すんだよ……基本を教えるのだけはおれもできるから、今すぐやれ」
それは拳で握れるサイズの石である。クレインは強引に握らせようと、ベッドから立ち上がってルチルに接近するが――
「やめてっ、いらないんだよわたしにはっ」
「うぐっ……」
顔面に痛烈なビンタをされて、明確に拒否されてしまう。
「……訓練なんてしなくても仕事はできてる。仕事さえできればわたしは十分。『精神石』なんて必要ないの」
「お前なぁ~……魔法を上手く扱えるようになれば、仕事がたくさんできるようになって、給金上がるかもしれねえんだぞ?」
精神石というのが、クレインが握らせようとした石の名称である。そして魔道具店に行きたいと言った理由は、この石を手に入れるためであった。
この石は握りしめると、自分の肉体にあるルーンの流れが、目に見えて身体で感じられるようになる。何度もそれを繰り返せば、無意識のうちに負担なくルーンの流れを意識することができるようになるのだ。
その『ルーンの流れ』を的確に操ることが、魔法の上達の基本でり最大の近道。レヴス・ラーシルに住まう魔法の使い手達全てが、この石にお世話になっていると言ってもいい。
「……そんな高みなんて望んでいない。わたしは今の生活が維持できればそれでいい……」
「……だったらどうしておれを助けた。生活の維持が目的なら、おれについていく必要なんてないはずだ」
「それは……えーと……」
何か変わるかもしれない、何かが待っているから――とは言えなかった。恥ずかしくて。
だからとっさにルチルはこう言うのだった。
「……なんとなく。なんとなく、あなたを助けた方がいいかなって……」
その言葉を聞いて、クレインの炎が一気に燃え上がる。ごおっと音を立てて、天幕全てを飲み込む勢いだった。
「えっ……?」
「……ルチル。『なんとなく』は駄目だ。『なんとなく』じゃ……お前死ぬぞ」
今まで一緒にいた中で、初めてみる目だった。炎も昂っている様子からして、彼が大きい感情を抱いているのは明らかだった。
「し、死ぬってそんな物騒な……!」
「物騒じゃねえ!! いいか、戦闘において勝敗を分けるのは実力じゃねえんだ!! 実力は2、3番目ぐらいにある――一番大事なのは信念なんだ!!」
「……!」
彼は真剣だった。真剣にルチルの身を案じ、こうして怒っているのだ。
「どれだけ場慣れしている奴でも、『なんとなく』で戦闘やってちゃあ、『絶対に生き延びてやる』と意気込む新米には敵わねえんだ。だって『なんとなく』で生きてりゃ、未来にやりたいことがない……ここでくたばっても後悔しねえってことだからな」
「だが信念っつーのは、未来に進む原動力だ。未来に進もうとする勢いが強い奴と弱い奴……どちらが押し負けるかなんて明白だろう」
「ルチルはやりたいこととかねえのかよ? 仕事して金貯めて、それでしてみたいことはねえのか? どんなに馬鹿げたことでもいい、何か目標はねえのかよ!!!」
『そんなことはないわ。
私はこの町を愛している。
もちろんこの町の皆もね』
『でも運命はどちらも愛さなかった。
だから私はここでお別れ……』
『ずっと元気でね、ルチル。
春風のように優しい、私の娘。
ブリュンヒルデのように……
美しく育ってちょうだい』
「――わたしのことっ!!! 何も知らないくせに、わたしを語ろうとしないでっ!!!」
クレインがあまりにも一方的にまくし立ててくるものだから、とうとうルチルも明確な怒りを示した。
それは怒りというより、自己防衛のための狂乱と呼んだ方が、正しかったかもしれない――
「ルチル……?」
「ていうかクレイン、さっきからずっと偉そうに言ってるけど、あなたも人のこと言えない!! 今日だってわたしがいなかったら死んでいたでしょ!!」
「……っ! それは……!!」
「そもそも最初から、山賊団をこらしめようとして乗り込んで……その結果あんな死にそうな目に遭ってたんでしょ!?」
「今日だって大人に任せておけばよかったのに……! 勝手に正義感振りかざして、それに振り回される周囲のことも考えないでさ!!」
「確かにあなたは立派な信念があるのかもしれない……でもそれに縛られているから、状況を省みないで突撃して、死ぬかどうかの危険な目に遭ってるんでしょ――!!!」
『クレイン、クレイン……!
ああ、私の可愛いクレイン……!』
『前から言っているけど、
もうこんな危険なことはやめて……
貴方が無事であることを、
何度祈っていることか……』
『貴方が国の役に立てなくても、
生きていてくれれば、
私はそれで十分なの……』
『国のことはお父様とお兄様方に任せて!
だからあなたはお城にいましょう?
お願い、お願いだから……!』
「……っ!!!」
言葉の行き所が無くなってしまったクレインは、壁を拳で叩く。鈍い音と共に痛みが走る。
「……怒鳴ったら目が回りそうになった。ご飯食べてくる」
「……ああ」
ルチルは矢継ぎ早に告げると、早足で天幕を出ていく。
「……あの~、大丈夫ですか……?」
直後に顔を覗かせたのは、魔術師の男性。
「……あ?」
「こちらの天幕から、大声と炎がうるさいので注意してきてほしいと、別の天幕の方から苦情がありまして……」
「……」
「ベースキャンプは他の方との共用になりますので……その辺り、お気をつけください」
「……悪かったよ」
魔術師に背を向けながら、クレインはぶっきらぼうに回答する。注意だけを行うと、魔術師は去っていった。
「……」
ペンダントを窓際に置きながら、クレインは何度も言葉を反芻する。それはルチルのものだけではなく、彼の母親のものも。
今日の空模様は曇りだ。月の光はあまり期待できないだろう。こういう心持ちの日に限って、空にはどんよりと雲が広がっている。
「くそ……おふくろといい、なんだって女はこんなにも面倒なんだよ……」
「いや……悪気があって面倒なんじゃ、ねえのか……」
少なくともルチルは、自分に何かしらの悪意があって、あんなことを言ったのではない。
死ぬような目に遭っている自分を、心の底から案じているのだ。それは母親も同様で――
「だが……これだけは譲れねえ。誰かの為に尽くすことが、おれの生まれた意味だ。それを果たして何が悪い?」
「そして『なんとなく』で人生やってちゃ、いつか絶対に死ぬぞ……」
「テントでひと眠りだー!」
借りたテントは、二人用のこじんまりとしたもの。ベッドとランプと魔道空調がセットされており、最低限一夜を凌げるだけの設備は整っている。
「ご飯はさっきの広場の周囲に、露店が並んでいるからねー。お風呂も広場の近くにあるよ」
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「……あのよ、ルチル」
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昼間のことを思い出しながら、クレインはルチルに尋ねる。
「……森のあれは、相手が悪い奴でたくさんいたから、すっごく頑張っただけ。自分で飛び回る分にはあんな危ないことしないよ」
「……魔法を使う場合、ほとんどの奴が『技』とか『スキル』とか言って、事前に決めておいた名前を叫ぶんだ。そうすることで身体が記憶を思い出し、訓練した通りの魔法を繰り出す。お前は……」
「よくやってるよね、それさ。でも名前とか効果とか考えるのめんどくさいよ……それに、わたしには訓練はいらない」
ルチルもベッドの上に乗って、膝を抱えてクレインと話す。表情は膝に隠れて見えなくなってしまう。
「……どういう意味だそれ。訓練は必要だろ」
「クレインのように積極的に戦闘するなら、必要だと思う。でもわたしは今回が特別なだけだし……戻ったらまた運び屋の仕事だよ。それにわたしのお母さんは、もういなくなっちゃったから」
「先生なら、さっきのソフィアさんに頼めばいい。魔術師団長でお前と仲もいいんだろ?」
「でもお仕事忙しいから、中々捕まえられないよ……ローゼンにいないことなんてしょっちゅう。わたしみたいな子どもがちょっかい出しに行っても、迷惑するだけだ」
「……」
煮え切らない態度のクレイン。らちが明かないと感じた彼は、腰のポケットからある道具を取り出す。
「えっそれは……うげえ」
「何で嫌そうな声出すんだよ……基本を教えるのだけはおれもできるから、今すぐやれ」
それは拳で握れるサイズの石である。クレインは強引に握らせようと、ベッドから立ち上がってルチルに接近するが――
「やめてっ、いらないんだよわたしにはっ」
「うぐっ……」
顔面に痛烈なビンタをされて、明確に拒否されてしまう。
「……訓練なんてしなくても仕事はできてる。仕事さえできればわたしは十分。『精神石』なんて必要ないの」
「お前なぁ~……魔法を上手く扱えるようになれば、仕事がたくさんできるようになって、給金上がるかもしれねえんだぞ?」
精神石というのが、クレインが握らせようとした石の名称である。そして魔道具店に行きたいと言った理由は、この石を手に入れるためであった。
この石は握りしめると、自分の肉体にあるルーンの流れが、目に見えて身体で感じられるようになる。何度もそれを繰り返せば、無意識のうちに負担なくルーンの流れを意識することができるようになるのだ。
その『ルーンの流れ』を的確に操ることが、魔法の上達の基本でり最大の近道。レヴス・ラーシルに住まう魔法の使い手達全てが、この石にお世話になっていると言ってもいい。
「……そんな高みなんて望んでいない。わたしは今の生活が維持できればそれでいい……」
「……だったらどうしておれを助けた。生活の維持が目的なら、おれについていく必要なんてないはずだ」
「それは……えーと……」
何か変わるかもしれない、何かが待っているから――とは言えなかった。恥ずかしくて。
だからとっさにルチルはこう言うのだった。
「……なんとなく。なんとなく、あなたを助けた方がいいかなって……」
その言葉を聞いて、クレインの炎が一気に燃え上がる。ごおっと音を立てて、天幕全てを飲み込む勢いだった。
「えっ……?」
「……ルチル。『なんとなく』は駄目だ。『なんとなく』じゃ……お前死ぬぞ」
今まで一緒にいた中で、初めてみる目だった。炎も昂っている様子からして、彼が大きい感情を抱いているのは明らかだった。
「し、死ぬってそんな物騒な……!」
「物騒じゃねえ!! いいか、戦闘において勝敗を分けるのは実力じゃねえんだ!! 実力は2、3番目ぐらいにある――一番大事なのは信念なんだ!!」
「……!」
彼は真剣だった。真剣にルチルの身を案じ、こうして怒っているのだ。
「どれだけ場慣れしている奴でも、『なんとなく』で戦闘やってちゃあ、『絶対に生き延びてやる』と意気込む新米には敵わねえんだ。だって『なんとなく』で生きてりゃ、未来にやりたいことがない……ここでくたばっても後悔しねえってことだからな」
「だが信念っつーのは、未来に進む原動力だ。未来に進もうとする勢いが強い奴と弱い奴……どちらが押し負けるかなんて明白だろう」
「ルチルはやりたいこととかねえのかよ? 仕事して金貯めて、それでしてみたいことはねえのか? どんなに馬鹿げたことでもいい、何か目標はねえのかよ!!!」
『そんなことはないわ。
私はこの町を愛している。
もちろんこの町の皆もね』
『でも運命はどちらも愛さなかった。
だから私はここでお別れ……』
『ずっと元気でね、ルチル。
春風のように優しい、私の娘。
ブリュンヒルデのように……
美しく育ってちょうだい』
「――わたしのことっ!!! 何も知らないくせに、わたしを語ろうとしないでっ!!!」
クレインがあまりにも一方的にまくし立ててくるものだから、とうとうルチルも明確な怒りを示した。
それは怒りというより、自己防衛のための狂乱と呼んだ方が、正しかったかもしれない――
「ルチル……?」
「ていうかクレイン、さっきからずっと偉そうに言ってるけど、あなたも人のこと言えない!! 今日だってわたしがいなかったら死んでいたでしょ!!」
「……っ! それは……!!」
「そもそも最初から、山賊団をこらしめようとして乗り込んで……その結果あんな死にそうな目に遭ってたんでしょ!?」
「今日だって大人に任せておけばよかったのに……! 勝手に正義感振りかざして、それに振り回される周囲のことも考えないでさ!!」
「確かにあなたは立派な信念があるのかもしれない……でもそれに縛られているから、状況を省みないで突撃して、死ぬかどうかの危険な目に遭ってるんでしょ――!!!」
『クレイン、クレイン……!
ああ、私の可愛いクレイン……!』
『前から言っているけど、
もうこんな危険なことはやめて……
貴方が無事であることを、
何度祈っていることか……』
『貴方が国の役に立てなくても、
生きていてくれれば、
私はそれで十分なの……』
『国のことはお父様とお兄様方に任せて!
だからあなたはお城にいましょう?
お願い、お願いだから……!』
「……っ!!!」
言葉の行き所が無くなってしまったクレインは、壁を拳で叩く。鈍い音と共に痛みが走る。
「……怒鳴ったら目が回りそうになった。ご飯食べてくる」
「……ああ」
ルチルは矢継ぎ早に告げると、早足で天幕を出ていく。
「……あの~、大丈夫ですか……?」
直後に顔を覗かせたのは、魔術師の男性。
「……あ?」
「こちらの天幕から、大声と炎がうるさいので注意してきてほしいと、別の天幕の方から苦情がありまして……」
「……」
「ベースキャンプは他の方との共用になりますので……その辺り、お気をつけください」
「……悪かったよ」
魔術師に背を向けながら、クレインはぶっきらぼうに回答する。注意だけを行うと、魔術師は去っていった。
「……」
ペンダントを窓際に置きながら、クレインは何度も言葉を反芻する。それはルチルのものだけではなく、彼の母親のものも。
今日の空模様は曇りだ。月の光はあまり期待できないだろう。こういう心持ちの日に限って、空にはどんよりと雲が広がっている。
「くそ……おふくろといい、なんだって女はこんなにも面倒なんだよ……」
「いや……悪気があって面倒なんじゃ、ねえのか……」
少なくともルチルは、自分に何かしらの悪意があって、あんなことを言ったのではない。
死ぬような目に遭っている自分を、心の底から案じているのだ。それは母親も同様で――
「だが……これだけは譲れねえ。誰かの為に尽くすことが、おれの生まれた意味だ。それを果たして何が悪い?」
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