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え、夢で…射精した
しおりを挟む真っ暗な空に吸い込まれるみたいに、機体は見えなくなった。
ハロルドに言われた通り、真っ直ぐ部屋に帰る。
シャワーを浴びて、面倒くさいけど髪も乾かした。
クローゼットを漁って、ハロルドのデカイ服を引っ張りだす。
素肌の上に着ると、何だかむずかゆいような、恥ずかしいような気分になった。
でも、一度着てみたかったんだ。
それから、ハロルドのベッドに入る。
帰って来るまで何日掛かるんだろう、なんて。
考えてもしょうがない事を考える。
ただの一般兵である俺に、そこまで詳しい情報は伝えられないんだから。
ハロルドのマクラに顔を埋めると、嗅ぎ慣れたハロルドの匂いがした。
「……あ」
条件反射みたいなモノなんだろうか、下半身が疼く…。
いつもなら、この身体を受け止めてくれるハロルドがいるのに……。
俺の身体を包むハロルドのでかい手を想う。
熱く吸い付いてくる、ハロルドの唇を想う。
『レイ、寝てたのか?』
ーハロルド。
『帰って来たから、キス』
ーんぅ。
絡め合う舌が熱くて気持ちいい。
俺の身体をハロルドの手が撫でていく。
もう充分に立ち上がっているモノをハロルドの手が握り込む。
緩く上下に扱かれて、息が上がる。
あぁ、ハロルド……。
俺よりずっとデカイ身体に抱きつこうとしてー
目に入ったのは明るい部屋の天井だった。
ーあ。
俺いま、寝てた、のか?
眠って、ハロルドの夢を見た?
ベッドで仰向けになったまま唖然としていると、内股がひんやりしてくるのを感じた。
起き上がって、白濁に汚れた体を見て言葉が出なかった。
射精してる……。
ノロノロと起き出して、もういっかいシャワーを浴びる。
勝手に着たハロルドの服はベタベタに汚れてしまった。お湯とボディーソープで洗ってから、ランドリーバッグに入れた。
俺はいつも寝落ちしてるのに、朝起きて身体がベタつく事はなかったし、服もいつの間にか着ていた。
そうか……いつもはハロルドが綺麗にしてくれてたんだ。服も着せてくれてたんだ。
俺は今更そんな事に気づいた。
シャワールームを出て、何気なくデスクの上にある時計を確認する。
さっきベッドに入ってから、一時間も経っていない。
眠れたと思ったのは一瞬の事で、その瞬きの間にハロルドを夢に見たのか。
ベッドに倒れ込んで、裸のまま毛布にくるまる。
「早く帰って来い」
俺はいつのまにか、こんなにハロルドに依存していたんだ。
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