誰かに愛されるなんて、あり得ないと思ってた

まる丸〜

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喜ぶ顔が見たいから

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(いい眺め……)


 なめらかで、触り心地の良いレイの肌が、しっとりと汗で濡れている。
 薄暗がりの中で俺にまたがり汗ばむ姿は、なまめかしく煽情的せんじょうてきだ。


「ん、んぅッ」


 始めは探り探り動いていたのが、自分の気持ちいい場所を見つけたようだ。一ヶ所を繰り返し擦るようにして腰を動かしいる。

「アッ…!」

 ぎゅーっと目を瞑って、ブルブルと痙攣する身体。レイにギッチリ握られている両腕に指が食い込んでくる。

 何度目の絶頂だろう。
 のけぞって、出し切った陰茎がダラリとうな垂れた。

 そしてレイは疲れ切った様子で、短く息を吐きながら、俺の腕から外した両手をベッドについた。



 もう眠れそうだと察した俺は、レイの身体を支えながら、ゆっくりと上下を入れ替える。
 そして、ナカで熱をもっている俺自身をずるりと引き抜いた。

「ッ……」

 びくん、と身体をすくめるレイを、なだめるようにやわく抱く。

 ゆっくりと背中をなでて、呼吸が落ち着くのを待つ。
 レイは甘えるように、汗で濡れた額を俺の胸に押しつけた。
 この男が、これ程に気を許すのは俺だけだ。
 やがて、身体から力が抜けて、ゆっくりとした寝息が聞こえ始める。

 俺はレイの額に張り付いていた前髪をかき上げて、そっと口付けた。

「おやすみ」




 レイの誕生日を祝ってからニ週間が経っていた。今日も今日とて、レイが眠る為の行為をこなして、俺はベッドを下りる。

 下半身が、憎々しいくらいに存在を主張させているが、お前をスッキリさせるのは、もう少し後だ。

 熱いシャワーで濡らしたタオルを絞り、レイの身体を手早く拭く。
 一緒に出掛けた時に、こっそり買い足した、俺セレクトのパンツとTシャツを着せて完成。

 我ながら素晴らしい手際の良さだ。



「さて」



 シャワールームの、明るいライトの下で見る男根はなかなかの凶悪さだ。

 いつだったかタイラーにネタにされたように、多分俺のちんこはデカい。
 他人のソレを見る事はあまり無いが、確実にレイのよりはデカいし、ジムに併設されているシャワールームで見かけた奴らのよりもデカい。


 そのイチモツを、自分より小柄なレイの身体に挿入するのだから、慎重にならざるを得ない。  

 レイが気持ちいいように。
 レイの緊張が解れるように。
 レイがグッスリ眠れるように。

 ……なるべく痛くないように。









 震えながら快楽にもだえるレイを思い起こしながら、陰茎をしごく。
 射精ギリギリで耐えていた俺のペニスは、あっと言う間に白濁を吐き出した。



 ふー。



 サッとシャワーを浴びて、洗面台の鏡でレイが残した跡を確認する。
 腕と、肩もか。
 あのレイが俺の身体にしがみついて残したあかい跡。
 嬉しいのと、誇らしいのが混じった、なんとも言えない幸せな気分だ。

 薄手の長袖に着替えて、一応跡が見えないようにする。

 レイとの関係は隠す気はないが、噂話のネタになる気もない。







 実は前々から、レイには秘密にしている、とある計画がある。


 今夜はこれから、その下準備の為に、二十四時間対応してくれる、基地内の事務室に行くのだ。


(実行できたらきっと喜ぶ)


 俺はレイの寝るベッドをカーテンで覆って、静かに部屋を出た。









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