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終章 いつも楽しく面白く
第5話 キャラ付けって大変
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ユーキの脱走劇はあったものの、どうにか研修期間を終える事が出来たユーキがようやく外出許可を貰って、王都トゥマールの街に出かける事になった。
だがその前に、先に国に帰るマルス国王とレナ王妃を見送るユーキ達。
「ではマナよ! 私達は防衛態勢を整える為、一足先にリーゼルに帰るが、決戦開始前には戻って来るんだぞ!?」
「うん、分かってるよ。父様」
「マナちゃん! 渡したお金でちゃんと良い魔装具を買うんですよ!? 余った分はお小遣いにしてもいいですけど、お金を余らせる為に魔装具のランクを落としたりしちゃダメですよ~?」
「わ、分かってるよ~! ちゃんと最高ランクの物を買うから! それに、最高級の魔装具買っても、充分過ぎる程お金余るんだから、わざわざランク落としたりしないよ、母様」
ユーキと言葉を交わしたマルスとレナが、気まずそうにしているパティに声をかける。
「パティ、正直に言うとまだ実感は無いんだが、私はお前を実の娘として迎え入れるつもりだ。だから、その気になったらいつでもリーゼルにおいで」
「そうですよ~、パティちゃん。経緯はどうあれ、娘が増えるのは大歓迎ですからね~」
2人の言葉に照れ臭そうに答えるパティ。
「ま、まあ、あなた達の娘というのはあたしも実感無いけど、どの道ユーキと結婚すれば娘になる訳だから、その時は改めてお願いするわ」
図々しいパティに、物申すセラ。
「ユウちゃんと姉妹な上に、更に結婚までしようなんてぇ、パティちゃん欲張り過ぎですぅ。ことわざにもあるでしょぉ? 二兎を追う者は一兎からってぇ」
「微妙に違うわよ!」
マルス国王達を見送った後、改めてトゥマールの城下町に出かける、ユーキ、ネム、ロロの3人に、護衛として付いて行くメルク。
その道中、今回のイベントでの興行収入の話になった。
「ねえメル君」
「ハイ! 何でしょうか? ユーキさん」
「そういえばさ、僕は父様にお小遣いを貰っただけだから分からないけど、結局、一国あたりの分け前ってどれぐらいあったの?」
「あ、ハイ! 今回は予想以上に大盛況だったので、一国あたり約150億ジェルはあったと聞いてます」
「ひゃ、150億!? ネ、ネムはもう貰ったの!?」
ユーキに聞かれたネムが無言のままニヤケ顔になり、預金通帳らしき物を開いてユーキに見せる。
ユーキが見たその通帳の残高部分には、無数のゼロが横に並んでいた。
「す、凄い……僕こんな桁、見た事無いよ……」
「ユーキ姉様。この通り、一生遊んで暮らせるだけのお金はあるよ。だからネムと結婚しよ!? そしたら毎日好きなだけゲーム買っていいよ」
「好きなだけ……」
ネムの言葉に、一瞬沈黙したユーキがブンブンと首を振る。
「こ、子供がそんな事言うもんじゃありません! ほら、早く通帳しまって! あまり見せびらかしちゃダメだからね!?」
「一瞬考えたのです」
「考えてない! 大体そのお金は、シェーレ国を復興させるのに必要なんでしょ!? 簡単に使っちゃダメだよ!?」
ユーキの言葉に、チッチッチという感じで人差し指を振るネム。
「分かってないわね、姉様。確かに150億は大金だけど、これだけで滅んだ国を復興させるのは無理があるよ」
「え!? じゃあどうするの?」
「このお金を元手に色々事業を起こして、この何十倍に資金を増やすの」
「いや、そりゃ理屈は分かるけど、そう簡単には行かないでしょ? 何かアテはあるの?」
「勿論色々考えてるよ。前にも話したけど、ラーメン屋のチェーン店を全国に展開するとか……」
「そりゃ、美味しければ可能性はあるけど……」
「巨大なテーマパークを作るとか」
「う~ん、でもそういうのは何か後ろ盾があってこそだしな~」
「じゃあ1番可能性の高い奴!」
「へえ~、どんなの?」
「これにはユーキ姉様の協力が絶対不可欠なの」
「ん? そりゃ勿論ネムの国を復興させる為なら、僕に出来る事だったら何だって協力させてもらうよ!? どんなの?」
「えとね……アイドル事務所を立ち上げて、ユーキ姉様を筆頭に芸能界に進出し……」
「却下っ!!」
ネムが色々企んでいた頃、パラス城ではカオスの元にサーティーンナンバーズが集結していた。
巨大な縦長のテーブルに着いているナンバーズの前に現れるカオス。
「よく集まってくれた、お前達」
「フッ、その姿を見るのは久しぶりだな」
「やっぱりカオス様はそのお姿が一番カッコいいですわ!」
ナンバーズを見渡したカオスがポツリと呟く。
「何か、人数少なくね?」
「何人かは先走ったようじゃのう」
「私は止めたのですが……」
しかしカオスは怒るでもなく、納得という表情で笑う。
「フッ、まあいいさ。決戦を前にしてじっとしていられない気持ちは、俺もよく分かるからな」
「何やて!? カオスはんに怒られる思て行くんやめたのに~! かめへんのやったらワイも行ったらよかったな~! いや、今からでもええよな!? ほなワイ、ちょっと行ってくるわ~!?」
そう言って飛び出して行く、エセ関西弁の男。
「いや、だからといってこれから話し合いをしようという時に……」
しかし既に、関西弁の男は飛び出した後だった。
カオスが前に出した腕をゆっくりと戻す。
「ま、まあいい。この決戦を盛り上げてくれさえすれば、何だって好きにやるがいいさ。ただ、お前達にこれだけは言っておく!!」
緊張した空気が張り詰める。
「キャラが固まってない内におかしな喋り方をしていると、後で苦労する事になるぞ!!」
「いや、何の話ですかっ!?」
だがその前に、先に国に帰るマルス国王とレナ王妃を見送るユーキ達。
「ではマナよ! 私達は防衛態勢を整える為、一足先にリーゼルに帰るが、決戦開始前には戻って来るんだぞ!?」
「うん、分かってるよ。父様」
「マナちゃん! 渡したお金でちゃんと良い魔装具を買うんですよ!? 余った分はお小遣いにしてもいいですけど、お金を余らせる為に魔装具のランクを落としたりしちゃダメですよ~?」
「わ、分かってるよ~! ちゃんと最高ランクの物を買うから! それに、最高級の魔装具買っても、充分過ぎる程お金余るんだから、わざわざランク落としたりしないよ、母様」
ユーキと言葉を交わしたマルスとレナが、気まずそうにしているパティに声をかける。
「パティ、正直に言うとまだ実感は無いんだが、私はお前を実の娘として迎え入れるつもりだ。だから、その気になったらいつでもリーゼルにおいで」
「そうですよ~、パティちゃん。経緯はどうあれ、娘が増えるのは大歓迎ですからね~」
2人の言葉に照れ臭そうに答えるパティ。
「ま、まあ、あなた達の娘というのはあたしも実感無いけど、どの道ユーキと結婚すれば娘になる訳だから、その時は改めてお願いするわ」
図々しいパティに、物申すセラ。
「ユウちゃんと姉妹な上に、更に結婚までしようなんてぇ、パティちゃん欲張り過ぎですぅ。ことわざにもあるでしょぉ? 二兎を追う者は一兎からってぇ」
「微妙に違うわよ!」
マルス国王達を見送った後、改めてトゥマールの城下町に出かける、ユーキ、ネム、ロロの3人に、護衛として付いて行くメルク。
その道中、今回のイベントでの興行収入の話になった。
「ねえメル君」
「ハイ! 何でしょうか? ユーキさん」
「そういえばさ、僕は父様にお小遣いを貰っただけだから分からないけど、結局、一国あたりの分け前ってどれぐらいあったの?」
「あ、ハイ! 今回は予想以上に大盛況だったので、一国あたり約150億ジェルはあったと聞いてます」
「ひゃ、150億!? ネ、ネムはもう貰ったの!?」
ユーキに聞かれたネムが無言のままニヤケ顔になり、預金通帳らしき物を開いてユーキに見せる。
ユーキが見たその通帳の残高部分には、無数のゼロが横に並んでいた。
「す、凄い……僕こんな桁、見た事無いよ……」
「ユーキ姉様。この通り、一生遊んで暮らせるだけのお金はあるよ。だからネムと結婚しよ!? そしたら毎日好きなだけゲーム買っていいよ」
「好きなだけ……」
ネムの言葉に、一瞬沈黙したユーキがブンブンと首を振る。
「こ、子供がそんな事言うもんじゃありません! ほら、早く通帳しまって! あまり見せびらかしちゃダメだからね!?」
「一瞬考えたのです」
「考えてない! 大体そのお金は、シェーレ国を復興させるのに必要なんでしょ!? 簡単に使っちゃダメだよ!?」
ユーキの言葉に、チッチッチという感じで人差し指を振るネム。
「分かってないわね、姉様。確かに150億は大金だけど、これだけで滅んだ国を復興させるのは無理があるよ」
「え!? じゃあどうするの?」
「このお金を元手に色々事業を起こして、この何十倍に資金を増やすの」
「いや、そりゃ理屈は分かるけど、そう簡単には行かないでしょ? 何かアテはあるの?」
「勿論色々考えてるよ。前にも話したけど、ラーメン屋のチェーン店を全国に展開するとか……」
「そりゃ、美味しければ可能性はあるけど……」
「巨大なテーマパークを作るとか」
「う~ん、でもそういうのは何か後ろ盾があってこそだしな~」
「じゃあ1番可能性の高い奴!」
「へえ~、どんなの?」
「これにはユーキ姉様の協力が絶対不可欠なの」
「ん? そりゃ勿論ネムの国を復興させる為なら、僕に出来る事だったら何だって協力させてもらうよ!? どんなの?」
「えとね……アイドル事務所を立ち上げて、ユーキ姉様を筆頭に芸能界に進出し……」
「却下っ!!」
ネムが色々企んでいた頃、パラス城ではカオスの元にサーティーンナンバーズが集結していた。
巨大な縦長のテーブルに着いているナンバーズの前に現れるカオス。
「よく集まってくれた、お前達」
「フッ、その姿を見るのは久しぶりだな」
「やっぱりカオス様はそのお姿が一番カッコいいですわ!」
ナンバーズを見渡したカオスがポツリと呟く。
「何か、人数少なくね?」
「何人かは先走ったようじゃのう」
「私は止めたのですが……」
しかしカオスは怒るでもなく、納得という表情で笑う。
「フッ、まあいいさ。決戦を前にしてじっとしていられない気持ちは、俺もよく分かるからな」
「何やて!? カオスはんに怒られる思て行くんやめたのに~! かめへんのやったらワイも行ったらよかったな~! いや、今からでもええよな!? ほなワイ、ちょっと行ってくるわ~!?」
そう言って飛び出して行く、エセ関西弁の男。
「いや、だからといってこれから話し合いをしようという時に……」
しかし既に、関西弁の男は飛び出した後だった。
カオスが前に出した腕をゆっくりと戻す。
「ま、まあいい。この決戦を盛り上げてくれさえすれば、何だって好きにやるがいいさ。ただ、お前達にこれだけは言っておく!!」
緊張した空気が張り詰める。
「キャラが固まってない内におかしな喋り方をしていると、後で苦労する事になるぞ!!」
「いや、何の話ですかっ!?」
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