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第五章 五国統一
第80話 裏で出番待ちしてる?
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パティの出生の秘密も判明した所で、更にメルクが疑問を投げかける。
「なるほど、パティさんの事情も分かりました。でも僕、あとひとつ気になってた事があるんです」
「気になってた事?」
「ヤマトさんの事です。単に性別が変わるだけなら、前例はありませんが、まああり得るのかな? とは思います」
「あり得るんだ」
「でもヤマトさんの場合は、口調や性格がユーキさんと余りに変わり過ぎてて、完全に別人みたいじゃないですか? まるでカオスみたいに……」
「そういえばそうよね。どうなの? ユーキ」
「ああ、うん……ヤマトっていうのは……」
「俺の事か?」
そう言いながら部屋に入って来た人物。
何と、その人物はヤマトであった。
「ええええっ!?」
「ヤマト、君!?」
「いや、だってユーキさんはちゃんと居ますよ!?」
驚きながら、ユーキとヤマトを交互に見るBL隊の面々。
その正体を猫師匠が告げる。
「そいつはカオスの真の姿ニャ」
「カオス!?」
カオスと聞き、一斉に戦闘態勢に入るBL隊。
「まあ待て! 今日は戦いに来た訳じゃない」
警戒したままパティが問い詰める。
「ど、どういう事よ!? 何であんたがカオスなのよ!?」
「猫の言った事を聞いて無かったのか? これが俺の本当の姿だって言っただろう?」
「それは聞いたわよ! だから、何でカオスがヤマト君の姿をしてるのかって言ってるのよ! それが本当にカオスの真の姿だって言うなら、ユーキが変身するヤマト君は一体何なのよ!? ただのそっくりさんだって言うの!?」
「そっくりも何も、ユーキが変身するヤマトの肉体が、俺の肉体そのものだったんだよ。その証拠に変身させてみな!? もう出来なくなっているだろうからな」
「ほ、本当なの? ユーキ」
「うん、もうヤマトには変身出来なくなってる」
「本当、なんだ……」
「準決勝で、依り代にしていたトトの肉体から強制的に剥がされたからな。アイリスは、自分が完全に目覚めたら返すと言っていたが、もうほとんど目覚めたようなもんだからな。アイリスとの再戦に備えて、試合が終わった後に返してもらったという訳だ」
「返してって、いやそもそも何でユーキがカオスの体を持ってたのよ?」
「アイリスがそこのジジイに異世界送りにされる時に、貸し与えたんだよ。向こうでくだらない事故や病気で死なないようにな」
「神の肉体を宿していれば、並大抵の事じゃ傷1つ付かないからニャ」
「あっ! だから生身でサイクロプスの一撃を食らっても無傷だった訳!?」
「え!? でもそれって、ユーキさんの事を想って?」
「勘違いするな! 俺の目的は、あくまで完全覚醒したアイリスと戦う事! もしも刑期を終える前に途中で死んじまったら元も子もないからな。保険だ保険」
「ところが、アイリス姉様が不完全な覚醒状態で戻って来た事を知ったカオスの馬鹿が、ユーキを揺さぶって無理矢理アイリス姉様を起こそうとしたニャ」
「そのとばっちりを受けてぇ、私が殺されちゃった訳ですねぇ」
「自分が殺されたってのもおかしな言葉ね」
「えと、じゃあユーキさんがヤマトさんに変身した時、口調や性格が変わってたのって……」
「カオスが憑依した肉体によって口調が変わるみたいなものニャ。ユーキの中にもネクロマンサーの血が混ざっているだろうからニャ」
「え!? ちょっとそれどういう事よ?」
「マルスの血がフィーの中に入ったって事は、その逆もまた然りニャ。ネクロマンサーであるフィーの血がマルスの中に入った事によって、その娘であるマナに神の力が宿ったニャ」
それを聞いて驚くマルス国王。
「そ、そうか! だからマナちゃんは生まれながらにして、エターナルマジックのようなとんでも能力を持っていたのか!? ん? だが、直接神の血を受けた私はいたって普通だが?」
「それは単に、マルスが神の力を受け止められる器じゃ無かっただけニャ」
「がああああん!!」
「コラッ! 父様に何てこと言うの!? テト!」
激しく落ち込むマルス国王を慰めるユーキ。
「あ、ほら父様! あれだよ! 隔世遺伝とか言う奴! 血の影響が父様を飛び越えて僕に移ったんだよ!」
「そ、そうか!? うん、そうだな!!」
あっさり立ち直るマルス国王。
「マナに元々神の血が混ざっていた事もあって、アイリス姉様との融合が深くなってしまったニャ。おそらくは、もう2人を離す事は出来ないニャ。だからマナを殺すのは危険だって言ったのに、カオスの馬鹿が!」
「フンッ! アイリスはそんなヤワじゃないさ」
「お前にアイリス姉様の何が分かるニャ! アイリス姉様との付き合いはあたしの方が長いニャ!」
「付き合い? お前が一方的に付きまとっていただけだろう?」
「フニャッ!? ち、違うニャ! あたしと姉様は相思相愛ニャ! そうですニャ!? 姉様!」
「え!? そうだったの!?」
「フニャアッ!? 姉様ああ!!」
「ゴメン。冗談よ、テト。テトは私の1番の理解者だったわ」
「フフンッ! それ見ろニャ!」
「過去形じゃないか」
「現在進行形ニャアア!!」
「あの2人って、実は仲良いんでしょうか?」
ぼそりと呟くメルク。
「なるほど、パティさんの事情も分かりました。でも僕、あとひとつ気になってた事があるんです」
「気になってた事?」
「ヤマトさんの事です。単に性別が変わるだけなら、前例はありませんが、まああり得るのかな? とは思います」
「あり得るんだ」
「でもヤマトさんの場合は、口調や性格がユーキさんと余りに変わり過ぎてて、完全に別人みたいじゃないですか? まるでカオスみたいに……」
「そういえばそうよね。どうなの? ユーキ」
「ああ、うん……ヤマトっていうのは……」
「俺の事か?」
そう言いながら部屋に入って来た人物。
何と、その人物はヤマトであった。
「ええええっ!?」
「ヤマト、君!?」
「いや、だってユーキさんはちゃんと居ますよ!?」
驚きながら、ユーキとヤマトを交互に見るBL隊の面々。
その正体を猫師匠が告げる。
「そいつはカオスの真の姿ニャ」
「カオス!?」
カオスと聞き、一斉に戦闘態勢に入るBL隊。
「まあ待て! 今日は戦いに来た訳じゃない」
警戒したままパティが問い詰める。
「ど、どういう事よ!? 何であんたがカオスなのよ!?」
「猫の言った事を聞いて無かったのか? これが俺の本当の姿だって言っただろう?」
「それは聞いたわよ! だから、何でカオスがヤマト君の姿をしてるのかって言ってるのよ! それが本当にカオスの真の姿だって言うなら、ユーキが変身するヤマト君は一体何なのよ!? ただのそっくりさんだって言うの!?」
「そっくりも何も、ユーキが変身するヤマトの肉体が、俺の肉体そのものだったんだよ。その証拠に変身させてみな!? もう出来なくなっているだろうからな」
「ほ、本当なの? ユーキ」
「うん、もうヤマトには変身出来なくなってる」
「本当、なんだ……」
「準決勝で、依り代にしていたトトの肉体から強制的に剥がされたからな。アイリスは、自分が完全に目覚めたら返すと言っていたが、もうほとんど目覚めたようなもんだからな。アイリスとの再戦に備えて、試合が終わった後に返してもらったという訳だ」
「返してって、いやそもそも何でユーキがカオスの体を持ってたのよ?」
「アイリスがそこのジジイに異世界送りにされる時に、貸し与えたんだよ。向こうでくだらない事故や病気で死なないようにな」
「神の肉体を宿していれば、並大抵の事じゃ傷1つ付かないからニャ」
「あっ! だから生身でサイクロプスの一撃を食らっても無傷だった訳!?」
「え!? でもそれって、ユーキさんの事を想って?」
「勘違いするな! 俺の目的は、あくまで完全覚醒したアイリスと戦う事! もしも刑期を終える前に途中で死んじまったら元も子もないからな。保険だ保険」
「ところが、アイリス姉様が不完全な覚醒状態で戻って来た事を知ったカオスの馬鹿が、ユーキを揺さぶって無理矢理アイリス姉様を起こそうとしたニャ」
「そのとばっちりを受けてぇ、私が殺されちゃった訳ですねぇ」
「自分が殺されたってのもおかしな言葉ね」
「えと、じゃあユーキさんがヤマトさんに変身した時、口調や性格が変わってたのって……」
「カオスが憑依した肉体によって口調が変わるみたいなものニャ。ユーキの中にもネクロマンサーの血が混ざっているだろうからニャ」
「え!? ちょっとそれどういう事よ?」
「マルスの血がフィーの中に入ったって事は、その逆もまた然りニャ。ネクロマンサーであるフィーの血がマルスの中に入った事によって、その娘であるマナに神の力が宿ったニャ」
それを聞いて驚くマルス国王。
「そ、そうか! だからマナちゃんは生まれながらにして、エターナルマジックのようなとんでも能力を持っていたのか!? ん? だが、直接神の血を受けた私はいたって普通だが?」
「それは単に、マルスが神の力を受け止められる器じゃ無かっただけニャ」
「がああああん!!」
「コラッ! 父様に何てこと言うの!? テト!」
激しく落ち込むマルス国王を慰めるユーキ。
「あ、ほら父様! あれだよ! 隔世遺伝とか言う奴! 血の影響が父様を飛び越えて僕に移ったんだよ!」
「そ、そうか!? うん、そうだな!!」
あっさり立ち直るマルス国王。
「マナに元々神の血が混ざっていた事もあって、アイリス姉様との融合が深くなってしまったニャ。おそらくは、もう2人を離す事は出来ないニャ。だからマナを殺すのは危険だって言ったのに、カオスの馬鹿が!」
「フンッ! アイリスはそんなヤワじゃないさ」
「お前にアイリス姉様の何が分かるニャ! アイリス姉様との付き合いはあたしの方が長いニャ!」
「付き合い? お前が一方的に付きまとっていただけだろう?」
「フニャッ!? ち、違うニャ! あたしと姉様は相思相愛ニャ! そうですニャ!? 姉様!」
「え!? そうだったの!?」
「フニャアッ!? 姉様ああ!!」
「ゴメン。冗談よ、テト。テトは私の1番の理解者だったわ」
「フフンッ! それ見ろニャ!」
「過去形じゃないか」
「現在進行形ニャアア!!」
「あの2人って、実は仲良いんでしょうか?」
ぼそりと呟くメルク。
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