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因果応報編
神聖国家の暗部
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致命傷を受けていた2人を回復が無事に済んだのでララメリアを戻す。
「うう……」
俺と話したゼスという男が先に目を覚ました。ゼスは首をハネられた僧侶を見て固まっている。
「気分はどうだ?」
「貴様が助けてくれたのか?」
「ああ」
「そこのザライの事だな?」
「そうだ。その為にここに来た」
「ボイドは?」
「別の所で生きている」
「……そうか。そいつは神聖国家の者だ」
「神聖……ソレイユ神聖国家か?」
「そうだ」
「神聖国家がなぜフレアを狙う?」
「理由までは判らん。話からするとお嬢ちゃんは神聖国家の出身だろう。それもかなり重要な位置にいたか、ヤバイ秘密を知っているのだろうな」
「神聖国家にどんな秘密が有るんだ?」
「裏の世界で実しやかに囁かれているのは世界統一」
「はっ?」
「奴らはラクーザの神しか認めないのさ」
狂信的だな。
「お前達はなぜ手を貸してる?」
「裏の世界での権力と金と地位の保証さ。手を貸しているのは我らの組織だけではないぞ」
「……お前達は今後どうするつもりだ?」
「思案のしどころだ。ここだけでなく他のアジトの仲間も恐らく殺られているだろうからな。取り合えず仲間の確認だ」
「そうか……」
ーーーー
「ウィル様、フレアさんにはこの話はするのですか?」
「どうしたものか」
ーーーーーー
フレアに言うか、言うまいか、悩んでいる内に戻って来てしまった。
「おかえりなさい。ウィル、サユリカ」
「「ただいま」」
「ん、何かあった?」
「そんな事はないよ」
「本当?サユリカ」
「は、はい」
「怪しい」
「後でちゃんと話すよ」
「そうね、帰ったばかりだものね」
ーー
「何か判りましたか?ウィル」
アリスもフレアも勘がいいから誤魔化しきれないよね。きっと。
「はい。フレアが狙われる理由らしき物は」
「何です?」
「先ずフレアを狙っている相手ですが……」
ーー
「そんな……」
「そうでしたか」
「神聖国家が絡んでいるのか」
「そうらしい」
「全く記憶が無いです」
「無理に思い出さなくても言いよ」
「今度は他の組織も動いて来るんだね」
「ああ、得体の知れない僧侶も注意だ。暫くはアーサーに警護を頼もう」
「それが良いわね」
「下に居るボイドさんになんて言うの」
「可哀想だけど正直に言うしかないな」
ーーーー
俺達が戻って、いつも通りアナサマとの行き来している間に1か月が経ったが、今の所は問題は起こっていない。
「諦めたのかしら?」
「まさか。結構偉そうな奴を倒したから多少は警戒してるんじゃないかな」
「そうね」
「ウィル、お客さんだよ」
「えっ、誰だろう」
「ゼスって言ってたな」
「……ゼス」
「ボイドさんを連れに来たんですね」
「それも有るが、少し話がしたい」
「解りました。タクト、客間にボイドさんを呼んで来てくれ」
「分かった」
ーー
「それで、話とは?」
「貴様ら、……君達は奴らとやり合うつもり何だろ?」
「本来の目的とは違うけど、降りかかる火の粉は払らうでしょ、普通」
「我ら生き残った者達の思いは1つ。同胞の弔いの為に奴らを潰したい。しかし力不足な事は解っている。だが、ザライを倒した君達ならやれる筈だ。君達に協力したい」
「……」
「ゼスさん」
「ボイドか、下手を打っちまったよ」
「皆は?」
「残ったのは10名だ」
「くっ」
「虫の良い話しなのは解っている。もうすぐ他の組織も動いて来るだろう、そいつらの対応は我らがやる、それでどうだ?」
「皆と相談してみるよ」
ーー
「どう思う?」
「良いのではないかしら。フレアさんの為にも倒さなければいけない者達でしょう?」
「そうですね。仲間は多い方がいい」
「私の命を狙ってきたのは引っかかるけど、自業自得と言って斬って捨てるのもちょっとね」
「よし、じゃ共闘という事でいいね」
「「「異議なし」」」
「この話し受ける事にしました」
「助かる」
「ウィルさん宜しくお願いします」
「それでゼスさん達に俺の師匠を紹介しようと思うんです」
「師匠?」
「仲間になるのだから、簡単に死んでもらっては困る。鍛えてもらいます」
ーー
「今頃ボイドさん達、蒼くなっているよ」
「でしょうね」
ーーーー
リベレルの葉のポーションの売れ行きも好調、あれ以来、城からも何も言ってこない。アナマサに対する帝国の攻撃もない。バレタ公爵一派の攻略を始めたいが、そろそろ神聖国家が動きそうだ。
「今日ゼスさん達、地獄の特訓から戻って来るのででしょう?」
「もう2週間経ったか。そうだね」
「ボイドさんに教えてもらった魔道具の対応策も出来たし丁度いいね」
「噂をすれば影ね、来たみたい」
「やぁ、おかえり」
「ウィルさん……あんたは酷い人だ。しかし御礼を言いわせてもらう。ありがとう」
「ああ、我らは強くなった」
「良かったですね」
「そうそう、師匠が後で1人で来るようにと」
「1人で?解りました」
何だろう?
打ち合わせの結果、情報収集はゼスさん達がやってくれる事になった。俺達はいつも通りに生活し振る舞う。
相手が仕掛けて来るのを待つだけだ。暇をみつけて師匠の所へ行く事にした。
「来たか」
「何です、師匠?」
師匠の話しで、俺の歴史観が大きく変わることになる。
「うう……」
俺と話したゼスという男が先に目を覚ました。ゼスは首をハネられた僧侶を見て固まっている。
「気分はどうだ?」
「貴様が助けてくれたのか?」
「ああ」
「そこのザライの事だな?」
「そうだ。その為にここに来た」
「ボイドは?」
「別の所で生きている」
「……そうか。そいつは神聖国家の者だ」
「神聖……ソレイユ神聖国家か?」
「そうだ」
「神聖国家がなぜフレアを狙う?」
「理由までは判らん。話からするとお嬢ちゃんは神聖国家の出身だろう。それもかなり重要な位置にいたか、ヤバイ秘密を知っているのだろうな」
「神聖国家にどんな秘密が有るんだ?」
「裏の世界で実しやかに囁かれているのは世界統一」
「はっ?」
「奴らはラクーザの神しか認めないのさ」
狂信的だな。
「お前達はなぜ手を貸してる?」
「裏の世界での権力と金と地位の保証さ。手を貸しているのは我らの組織だけではないぞ」
「……お前達は今後どうするつもりだ?」
「思案のしどころだ。ここだけでなく他のアジトの仲間も恐らく殺られているだろうからな。取り合えず仲間の確認だ」
「そうか……」
ーーーー
「ウィル様、フレアさんにはこの話はするのですか?」
「どうしたものか」
ーーーーーー
フレアに言うか、言うまいか、悩んでいる内に戻って来てしまった。
「おかえりなさい。ウィル、サユリカ」
「「ただいま」」
「ん、何かあった?」
「そんな事はないよ」
「本当?サユリカ」
「は、はい」
「怪しい」
「後でちゃんと話すよ」
「そうね、帰ったばかりだものね」
ーー
「何か判りましたか?ウィル」
アリスもフレアも勘がいいから誤魔化しきれないよね。きっと。
「はい。フレアが狙われる理由らしき物は」
「何です?」
「先ずフレアを狙っている相手ですが……」
ーー
「そんな……」
「そうでしたか」
「神聖国家が絡んでいるのか」
「そうらしい」
「全く記憶が無いです」
「無理に思い出さなくても言いよ」
「今度は他の組織も動いて来るんだね」
「ああ、得体の知れない僧侶も注意だ。暫くはアーサーに警護を頼もう」
「それが良いわね」
「下に居るボイドさんになんて言うの」
「可哀想だけど正直に言うしかないな」
ーーーー
俺達が戻って、いつも通りアナサマとの行き来している間に1か月が経ったが、今の所は問題は起こっていない。
「諦めたのかしら?」
「まさか。結構偉そうな奴を倒したから多少は警戒してるんじゃないかな」
「そうね」
「ウィル、お客さんだよ」
「えっ、誰だろう」
「ゼスって言ってたな」
「……ゼス」
「ボイドさんを連れに来たんですね」
「それも有るが、少し話がしたい」
「解りました。タクト、客間にボイドさんを呼んで来てくれ」
「分かった」
ーー
「それで、話とは?」
「貴様ら、……君達は奴らとやり合うつもり何だろ?」
「本来の目的とは違うけど、降りかかる火の粉は払らうでしょ、普通」
「我ら生き残った者達の思いは1つ。同胞の弔いの為に奴らを潰したい。しかし力不足な事は解っている。だが、ザライを倒した君達ならやれる筈だ。君達に協力したい」
「……」
「ゼスさん」
「ボイドか、下手を打っちまったよ」
「皆は?」
「残ったのは10名だ」
「くっ」
「虫の良い話しなのは解っている。もうすぐ他の組織も動いて来るだろう、そいつらの対応は我らがやる、それでどうだ?」
「皆と相談してみるよ」
ーー
「どう思う?」
「良いのではないかしら。フレアさんの為にも倒さなければいけない者達でしょう?」
「そうですね。仲間は多い方がいい」
「私の命を狙ってきたのは引っかかるけど、自業自得と言って斬って捨てるのもちょっとね」
「よし、じゃ共闘という事でいいね」
「「「異議なし」」」
「この話し受ける事にしました」
「助かる」
「ウィルさん宜しくお願いします」
「それでゼスさん達に俺の師匠を紹介しようと思うんです」
「師匠?」
「仲間になるのだから、簡単に死んでもらっては困る。鍛えてもらいます」
ーー
「今頃ボイドさん達、蒼くなっているよ」
「でしょうね」
ーーーー
リベレルの葉のポーションの売れ行きも好調、あれ以来、城からも何も言ってこない。アナマサに対する帝国の攻撃もない。バレタ公爵一派の攻略を始めたいが、そろそろ神聖国家が動きそうだ。
「今日ゼスさん達、地獄の特訓から戻って来るのででしょう?」
「もう2週間経ったか。そうだね」
「ボイドさんに教えてもらった魔道具の対応策も出来たし丁度いいね」
「噂をすれば影ね、来たみたい」
「やぁ、おかえり」
「ウィルさん……あんたは酷い人だ。しかし御礼を言いわせてもらう。ありがとう」
「ああ、我らは強くなった」
「良かったですね」
「そうそう、師匠が後で1人で来るようにと」
「1人で?解りました」
何だろう?
打ち合わせの結果、情報収集はゼスさん達がやってくれる事になった。俺達はいつも通りに生活し振る舞う。
相手が仕掛けて来るのを待つだけだ。暇をみつけて師匠の所へ行く事にした。
「来たか」
「何です、師匠?」
師匠の話しで、俺の歴史観が大きく変わることになる。
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