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【第4章】困惑と変化

嘘をつく時は

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「──すみません、言わなくて。実は中学高校の同級生で」

「えっ」

「半年前に再会したら意気投合して、先月から一緒に暮らしてるんです」

「えええっ」

 嘘をつく時は、9割真実を混ぜるべき。そんなふうに言ったのは誰なのか。

 4ヵ月も前に、しかも結婚しているとはさすがに言いづらかったから、少しだけ脚色した。その説明は、三人三様の驚きで受け止められた。

「御曹司とそんなことになってたの!」

「え~元同級生と再会愛なんですか。なんかロマンチック~」

「水臭いな、早く言ってよ」

 平川さん、六旗さん、永森さんの順番で、反応が返される。

「すみません……なんか言いづらくて」

「まあ、気持ちはわかるけど」

 永森さんは苦笑いでそう言い添え、「結婚とかに話が進んだら、早く言ってよ」と続けた。その表情はちょっと複雑そうだ。

 無理もない。平川さんと六旗さんの結婚出産を危惧したからこそ新しいスタッフとして私を雇ったのに、その私までもが結婚するかもしれないとなれば、今後の仕事に影響が少なくないかもと心配になるだろう。

 しかも実際はすでに結婚しているわけだから、やっぱりなんか、後ろめたい。
「はい、気をつけます」と、今は返事をしておくしかないけど。
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