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【第2章】結婚と約束
保険メルカート
しおりを挟む「どんな仕事ですか?」
「オフィスの改装。具体的には保険代理店の店内改装だね。駅前にあるの知ってるかな、『保険メルカート』」
「はい、見たことあります」
「あそこの改装を今年の初めにやったんだよ。その評判がよかったみたいで、この辺一円の営業店もやってほしいって言われててね」
『保険メルカート』はその名の通り、様々な保険会社の紹介や、加入手続きを取り扱っている代理店。全国展開していて、CMも流れていたはずだ。
……あれ、そういえば『保険メルカート』って……
思い出しかけた私の思考を、永森さんが続けた言葉にさえぎられる。
「1時過ぎには担当者が来ると思うから、心づもりしといてくれる?」
「わかりました」
というわけで、手元にあった仕事をできるだけ午前中に片付けて、その時間を待った。
昼ごはんも早めに食べ終えて、歯磨きと化粧直しをして、迎えた午後1時過ぎ。
やって来たのは、ある意味予想内で、でもやっぱり予想外の人物。
「失礼します。永森さん、こんにちは」
「樹山さん、ようこそ。こちらはアシスタントの穐本です」
「……あ、穐本と申します。はじめまして」
「はじめまして、樹山です」
「彼女は最近うちに入ったばかりですが、優秀でして。今回のご依頼では補佐を務めてもらうつもりです」
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