錆びた指先。~大人なあんたとガキの俺の二重奏~
「もう、歌えない────」
奈義(なぎ)と鳴海(なるみ)はジゼルというバンドでメジャーデビューしたものの、泣かず飛ばずの三年目を迎えていた。
崖っぷちジゼルの勝負の四枚目の曲を二人の憧れの人である土屋真幸が書くことになり、事務所に呼び出された鳴海は戸惑いを隠せない。おまけに奈義はなんだか、不機嫌になるし、二人の仲は最高に絶不調。このままだとジゼル解散も秒読みで────。
奈義(なぎ)と鳴海(なるみ)はジゼルというバンドでメジャーデビューしたものの、泣かず飛ばずの三年目を迎えていた。
崖っぷちジゼルの勝負の四枚目の曲を二人の憧れの人である土屋真幸が書くことになり、事務所に呼び出された鳴海は戸惑いを隠せない。おまけに奈義はなんだか、不機嫌になるし、二人の仲は最高に絶不調。このままだとジゼル解散も秒読みで────。
崖っぷち、あるいは悪足掻きする大人とガキ。
電話、または留守電の用件を無視する大人とガキ。
奈義、つまりはガキが好きになった大人。
四枚目、これが大人とガキに与えられたラストチャンス。
アリタユズル、あるいは大人とガキの間に居座るタブー。
君のための歌、ここはこどもたちの国。
覚めぬ夢、
贖罪と現実、
約束の果て、
ジゼル、大人とガキの二重奏
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