49 / 76
49 万策つきて
しおりを挟む
「リリー、悪いが任せて良いか?」
「分かったわ、アラン、存分にやりなさい、貴方の背中は私が守るわ」
お父さんとお母さんが言葉を交わす、そして。
「アラン、こいつを使え」
錬金術師のお姉さんがどこからともなくダガーを取り出しお父さんに投げ渡す。
「サンキューアイリス!20年経ってもかわらねえ、流石だ」
そういって右手にミドルソード、左手にダガーを持ち盾や鎧を地面に落としながらお父さんは前傾姿勢をとる。
「それじゃあいつはいないが、いっちょやりますか」
その言葉と共に3人はデルクに向けて駆け出す。
「上等だ!蹴散らしてやる!」
その言葉と共にデルクも走り出し。
「ちょっとまちなさいって!?」
アルベはデルクの援護をしようとするがその手を止めてあらぬ方向に腕を振る。
「ちょっと~奇襲なんて私のお肌が傷ついたらどうするの~?」
その手の鞭は後ろから飛来した矢を叩いていた。
「邪魔はさせません!」
アンジェはその一言と共に再度弓を放ち、足止めをかける。
それに乗じてリンちゃんもアルベに猛攻をかける。
「あら、いきのいい子ね?でも、おいたする子にはおしおきよ?」
そう言ってもう一つの戦いも始まる。
お父さん達に私の補助魔法は毒にもなってしまうから、私はこっちに魔力を注ぐ。
リンちゃんにバフをかけ、動きを制限する為に聖なる光線を放ち、体力の消耗にあわせて継続回復をかける。
それでも鞭と体術を駆使して巧みに立ち回るアルベを追い詰めるのは愚か、足止めが精一杯。
そして足止めしている間にもう一つの戦局も進んでいく。
お父さんと錬金術師のお姉さん、アイリスさんが超接近戦をかけているのだ。
デルクの初動を見切り、左のダガーを合わせて攻撃を受け流し、攻撃に使った四肢を右のミドルソードで切りつけていく。
その傷はそう大きいものではない為、通常は致命傷になることはない。
しかしそこにアイリスさんの動きが合わさるとその傷もバカにはできない。
傷口に山葵を塗りこむように謎の薬品をかけているのだ。
それは肉の溶けるような煙と臭いを上げて、その再生を阻害していく。
大きくない傷とはいえ、徐々に切り刻まれていくその状況にデルクはいらだたしげに大振りを放とうとする。
しかしそこでお母さんの存在が活きてくる。
初動を見切り盾を前に身体ごと突撃を敢行するのだ。
動作の出に対して全体重を叩きつける事でその攻撃を崩し、バランスを崩していく。
そしてバランスを崩したところにお父さんの攻撃とアイリスさんの薬品が襲い掛かる。
それはデルクの右胸を刺し貫き、焼いていく。
そして追撃に薬瓶を口に押し込み掌底で打撃を加えて砕いていく。
その攻撃に口から悲鳴と煙を上げるダルク。
このまま押し切れる!?そう思ったところで気持ちが挫かれる。
「うごあああああああああああああ!!」
デルクの切れたような怒声が響き渡り、3人が弾き飛ばされたのだ。
いや、何か爆発に巻き込まれたような、そんな飛び方だった。
そしてそれがなにかはすぐに分かる事になる。
「あらあら、デルクったら、そんなところでそれを使っちゃって、まぁ、あの子は弱いから仕方ないわね」
そう言って余裕の表情で攻撃を捌いていたと思ったらリンちゃんの腕を掴みとる。
「でも、少しオイタがすぎるわ、よ!っと」
その瞬間にリンちゃんがこちらに向けて投げ飛ばされる。
そのコースは私達に直撃するコースだった。
リンちゃんも必死に背中の翼で勢いを殺すが、殺しきれない。
押しつぶされる!?そう思ったところでクウちゃんが私達の前に飛び出てくる。
魔力を使い精一杯大きくした体でリンちゃんを受け止める。
鈍い音が響く。
何とか受け止めきったが、リンちゃんとクウちゃんがぶつかった衝撃は小さいわけがない。
恐らく骨が何本折れている。
ぶつかったままのもつれた姿から起き上がれない二人に駆け寄るが、顔色は悪い。
そしてそれ以上に私達の状況は拙い。
お父さん達はデルクの衝撃波を受けた後は少し動きが鈍くなっていて、反対にデルクは暴走状態のような感じで更に速く出鱈目な動きになっている。
おかげで3人ともそれに対応して致命傷を避ける事が精一杯でこちらに加勢など望むべくもない。
そしてこちらはもっと悪い。
前衛を張れる二人が戦闘不能。
私も魔力が底を尽き掛けてきている上にアンジェも投げられたリンちゃんが右腕を掠ったのか、肩が上がらなくなっている。
それでも仲間を庇おうと私達の前に立つ。
そしてそこに歩み寄る2メートルを越える巨体のアルベ。
恐ろしい笑みを浮かべ、鞭を鳴らしながら歩み寄る。
「さーて、殺しちゃダメとは言われているけど、怪我させるなとまでは言われていないから、これからお楽しみタイムよ、良い声で鳴いてね?」
そう言って鞭を振り上げ、その醜悪な笑みを深くして更に続ける。
「だるまにしてから可愛がってア・ゲ・ル♪」
そしてその手が振り下ろされる。
その先端は音速を越え、私達の肌を裂き、肉を抉り、骨を砕く。
それでもせめてもの抵抗と絶対に負けまいと睨みつけながら痛みに備える。
そしてその鞭は空気を切り裂き、その先が私達を打つ……はずだった。
「吹き飛べ!!!」
「んべらばああああああああああ!?!?!?!?」
アルベが鞠のように吹き飛び墓所の十字架を数本突き刺しながら崖の向こうに落ちて見えなくなる。
「おにい、ちゃん?」
盾を振り切った体勢のその姿を見て、力が抜ける。
ずっと頼りたくて、ずっと待っていた、その姿がそこにある。
「すまない、遅くなった」
その声に目頭が熱くなる。
「こんなにボロボロになって、すまなかった」
謝る姿に視界が滲む、でも、きてくれて嬉しくて。
「頑張ったな」
そういって私とアンジェの頭を撫でてくれた。
「後は任せてくれ」
そういって私達の前に立つ姿は、何よりも頼りに出来て、誰よりも何よりも、いとおしく感じた。
「分かったわ、アラン、存分にやりなさい、貴方の背中は私が守るわ」
お父さんとお母さんが言葉を交わす、そして。
「アラン、こいつを使え」
錬金術師のお姉さんがどこからともなくダガーを取り出しお父さんに投げ渡す。
「サンキューアイリス!20年経ってもかわらねえ、流石だ」
そういって右手にミドルソード、左手にダガーを持ち盾や鎧を地面に落としながらお父さんは前傾姿勢をとる。
「それじゃあいつはいないが、いっちょやりますか」
その言葉と共に3人はデルクに向けて駆け出す。
「上等だ!蹴散らしてやる!」
その言葉と共にデルクも走り出し。
「ちょっとまちなさいって!?」
アルベはデルクの援護をしようとするがその手を止めてあらぬ方向に腕を振る。
「ちょっと~奇襲なんて私のお肌が傷ついたらどうするの~?」
その手の鞭は後ろから飛来した矢を叩いていた。
「邪魔はさせません!」
アンジェはその一言と共に再度弓を放ち、足止めをかける。
それに乗じてリンちゃんもアルベに猛攻をかける。
「あら、いきのいい子ね?でも、おいたする子にはおしおきよ?」
そう言ってもう一つの戦いも始まる。
お父さん達に私の補助魔法は毒にもなってしまうから、私はこっちに魔力を注ぐ。
リンちゃんにバフをかけ、動きを制限する為に聖なる光線を放ち、体力の消耗にあわせて継続回復をかける。
それでも鞭と体術を駆使して巧みに立ち回るアルベを追い詰めるのは愚か、足止めが精一杯。
そして足止めしている間にもう一つの戦局も進んでいく。
お父さんと錬金術師のお姉さん、アイリスさんが超接近戦をかけているのだ。
デルクの初動を見切り、左のダガーを合わせて攻撃を受け流し、攻撃に使った四肢を右のミドルソードで切りつけていく。
その傷はそう大きいものではない為、通常は致命傷になることはない。
しかしそこにアイリスさんの動きが合わさるとその傷もバカにはできない。
傷口に山葵を塗りこむように謎の薬品をかけているのだ。
それは肉の溶けるような煙と臭いを上げて、その再生を阻害していく。
大きくない傷とはいえ、徐々に切り刻まれていくその状況にデルクはいらだたしげに大振りを放とうとする。
しかしそこでお母さんの存在が活きてくる。
初動を見切り盾を前に身体ごと突撃を敢行するのだ。
動作の出に対して全体重を叩きつける事でその攻撃を崩し、バランスを崩していく。
そしてバランスを崩したところにお父さんの攻撃とアイリスさんの薬品が襲い掛かる。
それはデルクの右胸を刺し貫き、焼いていく。
そして追撃に薬瓶を口に押し込み掌底で打撃を加えて砕いていく。
その攻撃に口から悲鳴と煙を上げるダルク。
このまま押し切れる!?そう思ったところで気持ちが挫かれる。
「うごあああああああああああああ!!」
デルクの切れたような怒声が響き渡り、3人が弾き飛ばされたのだ。
いや、何か爆発に巻き込まれたような、そんな飛び方だった。
そしてそれがなにかはすぐに分かる事になる。
「あらあら、デルクったら、そんなところでそれを使っちゃって、まぁ、あの子は弱いから仕方ないわね」
そう言って余裕の表情で攻撃を捌いていたと思ったらリンちゃんの腕を掴みとる。
「でも、少しオイタがすぎるわ、よ!っと」
その瞬間にリンちゃんがこちらに向けて投げ飛ばされる。
そのコースは私達に直撃するコースだった。
リンちゃんも必死に背中の翼で勢いを殺すが、殺しきれない。
押しつぶされる!?そう思ったところでクウちゃんが私達の前に飛び出てくる。
魔力を使い精一杯大きくした体でリンちゃんを受け止める。
鈍い音が響く。
何とか受け止めきったが、リンちゃんとクウちゃんがぶつかった衝撃は小さいわけがない。
恐らく骨が何本折れている。
ぶつかったままのもつれた姿から起き上がれない二人に駆け寄るが、顔色は悪い。
そしてそれ以上に私達の状況は拙い。
お父さん達はデルクの衝撃波を受けた後は少し動きが鈍くなっていて、反対にデルクは暴走状態のような感じで更に速く出鱈目な動きになっている。
おかげで3人ともそれに対応して致命傷を避ける事が精一杯でこちらに加勢など望むべくもない。
そしてこちらはもっと悪い。
前衛を張れる二人が戦闘不能。
私も魔力が底を尽き掛けてきている上にアンジェも投げられたリンちゃんが右腕を掠ったのか、肩が上がらなくなっている。
それでも仲間を庇おうと私達の前に立つ。
そしてそこに歩み寄る2メートルを越える巨体のアルベ。
恐ろしい笑みを浮かべ、鞭を鳴らしながら歩み寄る。
「さーて、殺しちゃダメとは言われているけど、怪我させるなとまでは言われていないから、これからお楽しみタイムよ、良い声で鳴いてね?」
そう言って鞭を振り上げ、その醜悪な笑みを深くして更に続ける。
「だるまにしてから可愛がってア・ゲ・ル♪」
そしてその手が振り下ろされる。
その先端は音速を越え、私達の肌を裂き、肉を抉り、骨を砕く。
それでもせめてもの抵抗と絶対に負けまいと睨みつけながら痛みに備える。
そしてその鞭は空気を切り裂き、その先が私達を打つ……はずだった。
「吹き飛べ!!!」
「んべらばああああああああああ!?!?!?!?」
アルベが鞠のように吹き飛び墓所の十字架を数本突き刺しながら崖の向こうに落ちて見えなくなる。
「おにい、ちゃん?」
盾を振り切った体勢のその姿を見て、力が抜ける。
ずっと頼りたくて、ずっと待っていた、その姿がそこにある。
「すまない、遅くなった」
その声に目頭が熱くなる。
「こんなにボロボロになって、すまなかった」
謝る姿に視界が滲む、でも、きてくれて嬉しくて。
「頑張ったな」
そういって私とアンジェの頭を撫でてくれた。
「後は任せてくれ」
そういって私達の前に立つ姿は、何よりも頼りに出来て、誰よりも何よりも、いとおしく感じた。
1
お気に入りに追加
820
あなたにおすすめの小説
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
落ちこぼれ“占い師”が造る 最強ギルド! ~個性豊かな仲間や年下王女に頼られる“ 立派なギルマス”になってました~
薄味メロン
ファンタジー
神に与えられる力は、平等じゃない。
合格率99%と言われる冒険者の試験を受けた俺は、“占い師”の力を持つ事を理由に、不合格を言い渡されていた。
金はない。
金を得る手段もない。
そんな日々の中で【禁忌】を成功させた俺は、
・素早さを奪われた獣人の少女
・金属が持てない鍛冶師
・平民を母に持つ第4王女
…………。
そんな仲間たちと出会い、
誰からも尊敬される“ギルマス”に成り上がる。
旅の道連れ、さようなら【短編】
キョウキョウ
ファンタジー
突然、パーティーからの除名処分を言い渡された。しかし俺には、その言葉がよく理解できなかった。
いつの間に、俺はパーティーの一員に加えられていたのか。
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!
俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる