愛されたい。

いちご食べたい人

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早朝、僕は洞窟の中で激しい頭痛と倦怠感に襲われた。

また熱をぶり返したようだ。

体調も悪い中、今日までよくもったものだ。屋敷からは体調の悪化で捨てられたというのに。

視界もぼやける中、水分だけは取ろう身体を引きずり滝水を掬い飲んだ。

その後は力尽き、気絶する様に眠りに落ちた。


◇ ◇ ◇


ここにきてからどれくらい時間が経ったんだろうか。

何時間かおきに目は覚めるが、不規則な時間に目が覚めるため何日経ったかはわからない。

意識が朦朧として、長く起きれないのも日の感覚が狂う原因でもあった。

しかし、助けが来ることも望めない。

理由は簡単だ。
こんな森のなかで、滝の裏の洞窟に瀕死の人間が居るなんて誰も思わないだろう。

もう、身体も心もズタズタだ。
…もう疲れた。

ーマイナスな考えだけが今の僕を支配していた。

だからと言って自殺する勇気もないし、どうやって死ぬか…そしてその行動を起こす体力すら残っていない。


◇ ◇ ◇


あれから多分数日が経ったと思う。

食事も水分もとっていないのに何故か僕は生きていた。

しかし、身体の倦怠感は治っておらず熱も下がってはいない。

多少の疑問はあるが、そんな思考を濁す程に僕の体調は悪かった。

助けは望めないのに、無駄に生きてしまっている。

苦しいのに楽になれない。

多分僕の目は死んでいたと思う。
悲しいという感情もなかったし、憎いとも思わない。

只々、楽になりたいという何の突起もない感情だけしかない。

そんな時、胸の辺りが温かく感じた。

「…コホッ ?!」

その瞬間、口から温かい液体が出てきた。

血だ…

病気に詳しくはないので、自分に何が起こっているかわからない。

しかし恐怖は無かった。

“やっと楽になれるのかな”

そう考えると少し気が楽になれた。

“誰にも愛されない望まれずに育った。僕は…誰かに愛されたかっただけなのに。違う世界でもそれは叶わないことだったんだなぁ。”

そう考えると、自然に笑いが込み上げてきた。

手に入らないものに執着して、苦しんで、絶望して…
始めから諦めていればこんな悲しむことはなかっただろう。

笑い声は出ない、
首輪がそれを制限しているからだ。

そんな狂った様に笑う僕の目には、涙が溜まっていた。

ーーーーーーーーーーーー

随分間隔が空いてしまいました。
すみません…

相変わらずストックは無いので気ままに更新していきます。

完結までは頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。
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