愛されたい。

いちご食べたい人

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15 アクィラ視点

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“治療”(という名のセックス)から2週間が経った。

あれから一度もリョウの部屋へ訪れていない。彼に合わせる顔がないからだ。嫌がっている彼を無理やり自分のモノにし、気絶させても止まれなかった。
最中の怯えきった顔は忘れられない。

そんな思いをさせた俺と会うのは怖いだろう距離をおいた方がいいと考えていた。

だが!!

俺の知らぬ間にリョウのことが有名になっていた。

誰だ、この短期間に彼の事を広めたのは!!

最近来たやつは…翡翠のやつか。

気づいたらリョウのことばかり考えているな、

「…はぁ、」

資料をめくる紙の音だけが響く書斎で静かなため息がでていた。

他の男に惚れていないだろうか…

俺以外に身体を許していないだろうか…

警備は万全のはずなのだが不安が拭えない。

彼に会っていないだけで色々な不安が浮かび上がってくる。

…様子だけ見に行こう。

俺と会うことで治療の事を思い出させてしまうのではないか。
あの時気づかないフリをしていたが…彼の小さな肩は微かに震えていた。

俺を見て拒否されたら…そんな不安な思いから彼の部屋へ行くことができなかった。

夜中に顔だけでもと彼の元へ向かったが…部屋の前で自分がしてしまった事を思い出した、顔向けすることができなかった。罪悪感が拭えなかったのだ。

いつかきちんと話し合いをしなければいけないということは分かっている。

それをいつにするのか決められないのは、俺に勇気がないからだった。

常に戦場の最前線で魔物と戦い続けてきた俺がこんなことに怯えているなんてな。

戦場で命を失うのを怖いとは思わない。…勿論、命を無下にしようとは思っていないが優先して守ろうとは思わなかった。

命を落として困ることは何もなかったからだ。

「…いい加減、行動しなくてはな。」

シーンと静まり返っている書斎部屋でポツリと呟いた。

まずは彼の部屋へ向かおう。

今日の分の仕事は終わらせた、もう遅い時間なので彼は眠っている時間だろう。

明日は話し合いをしよう。
決心を鈍らせないために彼の寝顔だけでも…見てから寝よう。

意味のわからない言い訳をぶつぶつ言い自分を言い聞かせた。

そうでもしないと、一向に彼の部屋へは行けなさそうだった。

「行くか」

俺は、静かな書斎部屋を後にした。

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