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宿舎に来て二週間ほど経ち、体力も戻ってきた。
いよいよ魔法が見られる!
僕は内心ワクワクしていた。
回復魔法はポールさんがやってくれる。魔法を使うときに、アクィラさんも付き添ってくれるらしい。
なんだか安心できるな。
「怪我が治るのが楽しみなのか?」
どうやら顔に出てたみたい…
アクィラさんがクスクスと笑いながら僕を見ていた。
恥ずかしいけど何も言い返せない。
本当に楽しみだからだ。
怪我をして運び込まれて二週間が経ったが、その短い間でも会話ができないのはとても不便だった。ようやくその苦労から解放されると思い、ウキウキしていた。勿論、魔法を見てみたい気持ちもある。
「楽しそうなところすみませんね、そろそろ治療を始めてもよろしいですか?」
ポールさんの魔法を行う準備ができたみたい。回復魔法は他の魔法と違ってなにかと準備が必要らしい。
魔法が終わったらお礼言わなきゃ。
助けてくれたこともちゃんと…
そう考えていると、ポールさんが僕の寝ているベットの脇に座った。
「いいですか、これから回復魔法をかけます。気分が悪くなったり、身体に変なことが起きたら私にちゃんと知らせてくださいね!絶対ですよ!」
念入りに注意されたところで、ポールさんは僕の喉に手を添えた。
ポールさんの手の平から薄緑色の光が出ていた。さらに、光からはキラキラが出ていてとても綺麗だった。
光を見つめていると喉の辺りがぽかぽか暖かくなってきた。それと同時に、ズクリと喉から全身にかけて熱が巡り鳥肌が立った。
「っ、ぁ///」
突然の感覚に思わず声が出てしまった。
アクィラさんとポールさんは心配した顔をしてこちらを見ていた。
「大丈夫ですか?気持ち悪くないですか?回復魔法は便利なんですが魔力の波動が合わないと気分が悪くなったりする事もあるんです。ごく稀なんですけどね…。」
この二週間、なんの知識もない僕は魔法のこと、魔物のことなど色々を教えてもらっていた。その中でも魔法は、僕の厨二心をくすぐるものがあり熱心に聞いていた。
そのときに聞いたのだが、回復魔法などの聖属性魔法は適性があり、多くの魔力がないと使えないらしい。そんな特別な力を僕に説明しながら器用に使ってくれているのを見るとやはり凄い人なんだろうなと思った。
数分魔法をかけてもらったところでポールさんは喉から手を離した。
「これで喉は大丈夫だと思います。声出せますか?」
治療は終わったのに身体はまだぽかぽかしていて、ふわふわした気分になっていた。
返事しなきゃ…
「だいっ、じょ、う…ぶですっ」
多少つっかえたが、久々に声を出したので仕方がないだろう。
続けてお礼を言おうとした時だった。
先程感じたズクリとした熱いものが全身を支配した。先程とは違い身体の奥からその熱が湧き出ている。
「っ…なに、これっ…っはぁ///」
初めての感覚に戸惑い、無意識に助けを求めようとベット脇にいるポールへ手を向けたがグラッと視界が暗転してそのまま意識を失った。
いよいよ魔法が見られる!
僕は内心ワクワクしていた。
回復魔法はポールさんがやってくれる。魔法を使うときに、アクィラさんも付き添ってくれるらしい。
なんだか安心できるな。
「怪我が治るのが楽しみなのか?」
どうやら顔に出てたみたい…
アクィラさんがクスクスと笑いながら僕を見ていた。
恥ずかしいけど何も言い返せない。
本当に楽しみだからだ。
怪我をして運び込まれて二週間が経ったが、その短い間でも会話ができないのはとても不便だった。ようやくその苦労から解放されると思い、ウキウキしていた。勿論、魔法を見てみたい気持ちもある。
「楽しそうなところすみませんね、そろそろ治療を始めてもよろしいですか?」
ポールさんの魔法を行う準備ができたみたい。回復魔法は他の魔法と違ってなにかと準備が必要らしい。
魔法が終わったらお礼言わなきゃ。
助けてくれたこともちゃんと…
そう考えていると、ポールさんが僕の寝ているベットの脇に座った。
「いいですか、これから回復魔法をかけます。気分が悪くなったり、身体に変なことが起きたら私にちゃんと知らせてくださいね!絶対ですよ!」
念入りに注意されたところで、ポールさんは僕の喉に手を添えた。
ポールさんの手の平から薄緑色の光が出ていた。さらに、光からはキラキラが出ていてとても綺麗だった。
光を見つめていると喉の辺りがぽかぽか暖かくなってきた。それと同時に、ズクリと喉から全身にかけて熱が巡り鳥肌が立った。
「っ、ぁ///」
突然の感覚に思わず声が出てしまった。
アクィラさんとポールさんは心配した顔をしてこちらを見ていた。
「大丈夫ですか?気持ち悪くないですか?回復魔法は便利なんですが魔力の波動が合わないと気分が悪くなったりする事もあるんです。ごく稀なんですけどね…。」
この二週間、なんの知識もない僕は魔法のこと、魔物のことなど色々を教えてもらっていた。その中でも魔法は、僕の厨二心をくすぐるものがあり熱心に聞いていた。
そのときに聞いたのだが、回復魔法などの聖属性魔法は適性があり、多くの魔力がないと使えないらしい。そんな特別な力を僕に説明しながら器用に使ってくれているのを見るとやはり凄い人なんだろうなと思った。
数分魔法をかけてもらったところでポールさんは喉から手を離した。
「これで喉は大丈夫だと思います。声出せますか?」
治療は終わったのに身体はまだぽかぽかしていて、ふわふわした気分になっていた。
返事しなきゃ…
「だいっ、じょ、う…ぶですっ」
多少つっかえたが、久々に声を出したので仕方がないだろう。
続けてお礼を言おうとした時だった。
先程感じたズクリとした熱いものが全身を支配した。先程とは違い身体の奥からその熱が湧き出ている。
「っ…なに、これっ…っはぁ///」
初めての感覚に戸惑い、無意識に助けを求めようとベット脇にいるポールへ手を向けたがグラッと視界が暗転してそのまま意識を失った。
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