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プロローグ
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蝉の音がうるさい夏、僕は死んだ。
僕は家で家政夫だった。
掃除・洗濯・買い物など、生活していく上で必要な家事は僕がしていた。
汚い僕が料理をしたら不味くなると言われ、料理はさせられかったが僕のを作ってくれる人はいないので自分の食べる分は自分で作っていた。
僕は家族に嫌われている。
僕の家は優秀な家系らしい。
父さんはとある大企業の社長、母さんは僕を産んですぐに亡くなったと聞いているが、優秀な医者だったそうだ。
兄は母さんが通っていた名門大学の医学部にはいり、医者を目指している。
そこに次男の僕がいて、
その下に今年3歳を迎える弟がいる。
弟は、父さんが新しく連れてきた女の人との子供だ。
女の人は僕が母さんと似ているのが嫌なんだと思う。僕が母さんと呼んだら頬を叩かれた。それに、なにかと「やっぱりあの女の子供ね」などと言われた。
言い返すと酷い仕打ちをされるので従った。
父さんは母さんのことが好きだったのになんでこんな人と結婚したんだろうか…そんな疑問があった。
女の人が来る前から、父も兄も僕とは関わろうとしなかった。
母さんに似ている顔が嫌なのか、勉強も運動もできない僕をいらないものだと思っているのかわからない。しかし、僕の分の料理は出るし家事も家政婦の人がやってくれていた。
学校にも行かせてもらえた。
それだけでも幸せだった。
女の人が来るまでは…。
女の人はそれも気に入らなかったらしい。家に新しい弟と共にきた月に家政婦の人は解雇されていた。その日から女の人に指示され、家政婦の人の仕事は僕の仕事になった。
学校に通っている僕は、当たり前だが広い家の掃除や必要な買い物、洗濯は完璧にはこなせなかった。
なんせ、僕は手際が良くない。それに、家事なんてやったこともなかった僕は容量よくできず余計に時間がかかってしまう。
女の人は、家事ができないなら学校を辞めさせるといい通っている高校を中退させられた。
父も反対しなかったと聞いた。
兄は知っているのか知らないのかは不明だが、今までのことを考えると反対はしないだろう。
2人とも僕に対しては
無関心なのだから。
それからは僕は家の家政夫になった。
その日は、買い忘れのものを買いに行った帰りの夕方だった。
じっとりと暑い空気とうるさい蝉の音に気が滅入っていた。暗くなる前に帰らないともっと怒られる…
僕は足速に家へ向かっていた。
帰り道の大きい道路を渡ろうとしたとき、大きい音と共に僕は宙に浮き
“ドカッ”という大きな音で地面に叩きつけられた。
車に轢かれたんだとすぐに分かった。
僕を轢いた車は、パニックになったのか一瞬止まってそのまますぐにいなくなってしまった。
人通りの少ないこの道は誰もない。
助けもない。
僕の動かない身体からどろどろと赤い液体が流れているのをただ見つめるしかなかった。
じとじととしていた暑い空気が暖かいと感じるようになってきた。
あんなに煩かった蝉の音も遠くなっていく。
あぁ、僕は死んじゃうのか。
結局誰にも愛されず、必要とされずに終わっちゃうのか。
そんな自分が虚しくてつい笑ってしまうが、笑う声も出ない。
何も感じない、何も聞こえない。
夕日と自分の血で染められた地面も暗くて何も見えない。
あぁ、僕は死んでしまったんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後の話も後々書こうと思っています。
文章で気になる点がありましたらご指摘お願いします!
不遇からの幸せが好きなので異世界で甘やかしてもらいましょう(。ˇ艸ˇ)
僕は家で家政夫だった。
掃除・洗濯・買い物など、生活していく上で必要な家事は僕がしていた。
汚い僕が料理をしたら不味くなると言われ、料理はさせられかったが僕のを作ってくれる人はいないので自分の食べる分は自分で作っていた。
僕は家族に嫌われている。
僕の家は優秀な家系らしい。
父さんはとある大企業の社長、母さんは僕を産んですぐに亡くなったと聞いているが、優秀な医者だったそうだ。
兄は母さんが通っていた名門大学の医学部にはいり、医者を目指している。
そこに次男の僕がいて、
その下に今年3歳を迎える弟がいる。
弟は、父さんが新しく連れてきた女の人との子供だ。
女の人は僕が母さんと似ているのが嫌なんだと思う。僕が母さんと呼んだら頬を叩かれた。それに、なにかと「やっぱりあの女の子供ね」などと言われた。
言い返すと酷い仕打ちをされるので従った。
父さんは母さんのことが好きだったのになんでこんな人と結婚したんだろうか…そんな疑問があった。
女の人が来る前から、父も兄も僕とは関わろうとしなかった。
母さんに似ている顔が嫌なのか、勉強も運動もできない僕をいらないものだと思っているのかわからない。しかし、僕の分の料理は出るし家事も家政婦の人がやってくれていた。
学校にも行かせてもらえた。
それだけでも幸せだった。
女の人が来るまでは…。
女の人はそれも気に入らなかったらしい。家に新しい弟と共にきた月に家政婦の人は解雇されていた。その日から女の人に指示され、家政婦の人の仕事は僕の仕事になった。
学校に通っている僕は、当たり前だが広い家の掃除や必要な買い物、洗濯は完璧にはこなせなかった。
なんせ、僕は手際が良くない。それに、家事なんてやったこともなかった僕は容量よくできず余計に時間がかかってしまう。
女の人は、家事ができないなら学校を辞めさせるといい通っている高校を中退させられた。
父も反対しなかったと聞いた。
兄は知っているのか知らないのかは不明だが、今までのことを考えると反対はしないだろう。
2人とも僕に対しては
無関心なのだから。
それからは僕は家の家政夫になった。
その日は、買い忘れのものを買いに行った帰りの夕方だった。
じっとりと暑い空気とうるさい蝉の音に気が滅入っていた。暗くなる前に帰らないともっと怒られる…
僕は足速に家へ向かっていた。
帰り道の大きい道路を渡ろうとしたとき、大きい音と共に僕は宙に浮き
“ドカッ”という大きな音で地面に叩きつけられた。
車に轢かれたんだとすぐに分かった。
僕を轢いた車は、パニックになったのか一瞬止まってそのまますぐにいなくなってしまった。
人通りの少ないこの道は誰もない。
助けもない。
僕の動かない身体からどろどろと赤い液体が流れているのをただ見つめるしかなかった。
じとじととしていた暑い空気が暖かいと感じるようになってきた。
あんなに煩かった蝉の音も遠くなっていく。
あぁ、僕は死んじゃうのか。
結局誰にも愛されず、必要とされずに終わっちゃうのか。
そんな自分が虚しくてつい笑ってしまうが、笑う声も出ない。
何も感じない、何も聞こえない。
夕日と自分の血で染められた地面も暗くて何も見えない。
あぁ、僕は死んでしまったんだ。
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その後の話も後々書こうと思っています。
文章で気になる点がありましたらご指摘お願いします!
不遇からの幸せが好きなので異世界で甘やかしてもらいましょう(。ˇ艸ˇ)
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