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転生
10 ユリアス③ 【修正済み】
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ユリアス
王城へ迎え入れられてから一週間ほど経ったが、スノードロップからの嫌がらせは一切ない。
小説の内容と全然違うじゃん!!
シシエノークは僕を一番に愛してくれてるからいいけど…
スノードロップが何もしないんじゃ、断罪もない。
僕の婚約話も白紙になるかもしれない。
それは阻止しないと!!
シシエノークに相談すると、いい方法があると言った。
それが、スノードロップを陥れることだった。
「あいつは自分から他人に話しかけることもできないし、行動力もない。
そんなやつが、本当のことを証言することなどできないだろう?
あいつは、公爵家からも捨てられてるようなやつだ。
…俺の婚約者になれたのも妊娠ができる身体であったことと、地位が高い家柄の人間で妊娠できる人間がスノードロップしかいなかったからだ。
体は細く棒のようで、顔も作りが良いせいで人形のように見えて気持ち悪いとすら思っている。」
シシエノークがここまでスノードロップを嫌っているとは思わなかったので僕は驚いた。
いつも、笑顔…とまではいかないが普通に接していてエスコートもしっかりしていたし。
それに、日本人だった僕から見れば痩せすぎではあるもののかなりの美人だ。
でも、嫌っているなら好都合だ!
その日から、僕はスノードロップを陥れるための行動を開始した。
もちろんシシエノークが立てた策だ。
まず、人が多いところで会話をして周りにスノードロップが僕を罵っているように見えるよう仕向けた。
婚約者候補筆頭だったスノードロップが、新しく候補に入ったユリアスが気に入らない為いじめている……
周りからはそう見えているだろう。
その他にも、わざとお茶をドレスにかけて必死に謝ってる僕の姿をわざと周りに見せたり…
横を通るときにわざと転んで僕を転ばせたように見せたり……
僕は、さまざまな方法で嫌がらせをした。
でも、スノードロップは僕に対して怒ったりもしない…というか何も感じていないように対処する。
ムカつく!!
澄ました顔しやがって、全部僕がやってることなのに全てスノードロップが悪いことになっている。
それなのに、なんで何も反応しないんだよ。
みんな今の僕には興味持ったり何かしら反応するのにあいつは……なんでなの?
あいつと話してると昔の僕に戻ったように感じる。
もうあの頃には戻りたくない……。
◇ ◇ ◇
僕がスノードロップに嫌がらせを始めて1ヶ月が経った。
僕とシシエノークで考えた方法の嫌がらせはやはり効果があったようだ。
元からスノードロップに近づく人は少なかったが、今は少しもいない。
遠目から見られてひそひそと陰口を言われているほどだ…かなりの嫌われようで少し可哀想に思ってしまった。
そんな僕を見てシシエノークが言った。
「大丈夫だよ、こんな事ではあいつは何も感じていない筈だ。……家ではもっと酷い目に遭ってるんだからな。」
「えっ?最後のところ周りの音で何も聞こえなかった…なんて言ったの?」
「いや、なんでもないよ。じゃあ、最終段階に入ろうか!」
「…そう、だね。」
最後の方は聞こえなかったが、少し闇を含んだ笑みが怖くて僕はそれ以上何も聞けなかった。
嫌がらせの最終段階は、小説にあった悪役が断罪される前の事件だった。
主人公が大怪我をしてしまうシーン…
怒ったスノードロップがユリアスを階段から突き落とすんだ。
それを僕がやるって事は、自分で階段から落ちるということ…。
本当の幸せのためにはそうするしかいんだ!!
覚悟を決めてシシエノークの作戦に同意した僕は、スノードロップを王城の中央階段に呼び出して自分から階段を転げ落ちた。
身体のどこかは傷めるだろうけど…その日のために受け身の練習をしてよかった!
そうしてスノードロップを殺人未遂犯に仕立て上げ、牢屋に入れられることになった。
当然婚約も破棄だ!
僕は階段から転げ落ちたせいで右の手首と足首を痛める怪我をした。怪我なんてしたことがなかった僕には耐えがたい痛みだ……
「痛いよ~…。
でも、これで小説通り。
僕が一番愛されて、幸せになるんだ~!」
今後の生活を考えてニマニマしている僕は、今後起こる騒動のことなんて一切考えていなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
誤字・脱字があったらすみません。
* * * * * * * * *
ーちょっとした説明ですー
小説内のユリアスは白に近い銀髪でしたが今は黒色です。
ユリアスの“ユリ”は百合の花から取ってます。
白い百合は花言葉で「無垢・純粋」という意味があります。
黒い百合の花言葉は「呪い・復讐・恋」という意味があります。
花言葉が関係していたらかっこいいなと思い、設定に使わせていただきました!!
王城へ迎え入れられてから一週間ほど経ったが、スノードロップからの嫌がらせは一切ない。
小説の内容と全然違うじゃん!!
シシエノークは僕を一番に愛してくれてるからいいけど…
スノードロップが何もしないんじゃ、断罪もない。
僕の婚約話も白紙になるかもしれない。
それは阻止しないと!!
シシエノークに相談すると、いい方法があると言った。
それが、スノードロップを陥れることだった。
「あいつは自分から他人に話しかけることもできないし、行動力もない。
そんなやつが、本当のことを証言することなどできないだろう?
あいつは、公爵家からも捨てられてるようなやつだ。
…俺の婚約者になれたのも妊娠ができる身体であったことと、地位が高い家柄の人間で妊娠できる人間がスノードロップしかいなかったからだ。
体は細く棒のようで、顔も作りが良いせいで人形のように見えて気持ち悪いとすら思っている。」
シシエノークがここまでスノードロップを嫌っているとは思わなかったので僕は驚いた。
いつも、笑顔…とまではいかないが普通に接していてエスコートもしっかりしていたし。
それに、日本人だった僕から見れば痩せすぎではあるもののかなりの美人だ。
でも、嫌っているなら好都合だ!
その日から、僕はスノードロップを陥れるための行動を開始した。
もちろんシシエノークが立てた策だ。
まず、人が多いところで会話をして周りにスノードロップが僕を罵っているように見えるよう仕向けた。
婚約者候補筆頭だったスノードロップが、新しく候補に入ったユリアスが気に入らない為いじめている……
周りからはそう見えているだろう。
その他にも、わざとお茶をドレスにかけて必死に謝ってる僕の姿をわざと周りに見せたり…
横を通るときにわざと転んで僕を転ばせたように見せたり……
僕は、さまざまな方法で嫌がらせをした。
でも、スノードロップは僕に対して怒ったりもしない…というか何も感じていないように対処する。
ムカつく!!
澄ました顔しやがって、全部僕がやってることなのに全てスノードロップが悪いことになっている。
それなのに、なんで何も反応しないんだよ。
みんな今の僕には興味持ったり何かしら反応するのにあいつは……なんでなの?
あいつと話してると昔の僕に戻ったように感じる。
もうあの頃には戻りたくない……。
◇ ◇ ◇
僕がスノードロップに嫌がらせを始めて1ヶ月が経った。
僕とシシエノークで考えた方法の嫌がらせはやはり効果があったようだ。
元からスノードロップに近づく人は少なかったが、今は少しもいない。
遠目から見られてひそひそと陰口を言われているほどだ…かなりの嫌われようで少し可哀想に思ってしまった。
そんな僕を見てシシエノークが言った。
「大丈夫だよ、こんな事ではあいつは何も感じていない筈だ。……家ではもっと酷い目に遭ってるんだからな。」
「えっ?最後のところ周りの音で何も聞こえなかった…なんて言ったの?」
「いや、なんでもないよ。じゃあ、最終段階に入ろうか!」
「…そう、だね。」
最後の方は聞こえなかったが、少し闇を含んだ笑みが怖くて僕はそれ以上何も聞けなかった。
嫌がらせの最終段階は、小説にあった悪役が断罪される前の事件だった。
主人公が大怪我をしてしまうシーン…
怒ったスノードロップがユリアスを階段から突き落とすんだ。
それを僕がやるって事は、自分で階段から落ちるということ…。
本当の幸せのためにはそうするしかいんだ!!
覚悟を決めてシシエノークの作戦に同意した僕は、スノードロップを王城の中央階段に呼び出して自分から階段を転げ落ちた。
身体のどこかは傷めるだろうけど…その日のために受け身の練習をしてよかった!
そうしてスノードロップを殺人未遂犯に仕立て上げ、牢屋に入れられることになった。
当然婚約も破棄だ!
僕は階段から転げ落ちたせいで右の手首と足首を痛める怪我をした。怪我なんてしたことがなかった僕には耐えがたい痛みだ……
「痛いよ~…。
でも、これで小説通り。
僕が一番愛されて、幸せになるんだ~!」
今後の生活を考えてニマニマしている僕は、今後起こる騒動のことなんて一切考えていなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
誤字・脱字があったらすみません。
* * * * * * * * *
ーちょっとした説明ですー
小説内のユリアスは白に近い銀髪でしたが今は黒色です。
ユリアスの“ユリ”は百合の花から取ってます。
白い百合は花言葉で「無垢・純粋」という意味があります。
黒い百合の花言葉は「呪い・復讐・恋」という意味があります。
花言葉が関係していたらかっこいいなと思い、設定に使わせていただきました!!
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