11 / 25
転生
8 ユリアス①
しおりを挟む
8 ユリアス
僕は夢見ていた。
誰からも愛されて、チヤホヤされて絶対に幸せになれる。
そんな主人公に………
◇ ◇ ◇
僕は生まれてから平凡以下だった。
父親は工場勤・母親は弁当屋のパートをしていて、住んでいるのはアパート。
大きくはない、家族3人が辛うじて暮らせる…そんな小さい家だ。
でも、衣食住に不便はなく学校も普通に通えていたので不自由はしたことがなかった。
でも、僕はパッとする顔でもないし勉強も平均的で名前もよくある苗字の鈴木だ。
学校では話す友達も少なく、そして話しかけて来る同級生はスクールカースチーム下位の人間で僕もその1人。
学校という集団にいる平凡な人間。
きっと、僕が今日事故で死んでも学校のみんな…いや、クラスメイトですら1年程で僕のことなんて忘れてしまうだろう……そんな存在。
僕はそんな生活を送りながら思っていたことがあった。
そんな人生で本当にいいのか?
学校を卒業して就職して、頑張って生活していてもきっと平凡な役職に就いて…平凡な生活を送る。
どんなに頑張って生きていても、事故で死んだらあっさりと忘れられる。
元から誰もが居なかったかのように…
そんなの生きてるっていうのか?
…ってね。
平凡な日常を送っていたある日、学校帰りに通る本屋に寄った時のことだ。
僕は出会ってしまったんだ、僕が思い描く理想の世界に!!
主人公視点で展開されるその物語は、本を読んでいるときだけ僕を主人公にしてくれた。
可愛くて誰からも愛されて、不幸もあったが最後は幸せに終えられた主人公。
そんな主人公に僕は憧れた。
その本のタイトルは「無垢な天使に花束を」。読んでいる時は気が付かなかったが、ボーイズラブというジャンルの本だった。
内容に男同士でえ…えっちなことをするシーンあって初めて気がついた……。
初めてみた時は、主人公が女の子だったのか?!
と焦って読み返したりしたなぁ~。
でも、僕には気持ち悪いとかそんな偏見はなく…むしろイケメンならいいじゃん!!
と思って読んでいた。
物語はこうだ……
主人公のユリアスは平民の出でありながら珍しい銀髪に同色の瞳、そして可愛らしい顔だった。
それこそ貴族の子供と取り違えたのかと思われるほどに。
しかし、そんなことはなくユリアスは平民の子だった。
平民として暮らしていたある日の夜、ユリアスは夢をみた。
『明日家の前で荷馬車の馬が興奮して事故を起こすだろう…。』
目が覚めてもその夢は忘れず、その日の夕暮れ時に本当に家の前で荷馬車の事故があった。
そんな予知夢をほぼ毎日見るようになった。それを両親に相談すると、すぐさまユリアスを神殿へと向かわせた。
ユリアスは神に愛される神子だったのだ。
そんなユリアスが神殿で暮らしている時に出会ったのが、シシエノークだ。
ユリアスに一目惚れしたシシエノークは、ユリアスを王城へと連れ帰り婚約した。王も神子との結婚は国にとっての栄誉だと考え、婚約を承諾した。
そのため、婚約者だったのでシシエノークは婚約破棄された。
そんなユリアスに嫉妬したスノードロップがユリアスに嫌がらせを始めた。
そんなある日、スノードロップからの嫌がらせが原因で階段から転落。
その怪我でユリアスは生死を彷徨うが、奇跡的に回復した。
スノードロップは断罪され、ユリアスとシシエノークは幸せに暮らし、国にはさらなる賑わいをもたらした……という内容だ。
どこにでもあるような物語だったが、初めて読んだ恋愛小説に僕はハマってしまい毎日読みまくった。
しかしそんな楽しみができたのも束の間、僕は学校帰り暴走した車に撥ねられて呆気なく死んだ。
ーーーーーーーーーーーーーー
誤字・脱字があったらすみません。
少し長いので前編・後編で分けます!
僕は夢見ていた。
誰からも愛されて、チヤホヤされて絶対に幸せになれる。
そんな主人公に………
◇ ◇ ◇
僕は生まれてから平凡以下だった。
父親は工場勤・母親は弁当屋のパートをしていて、住んでいるのはアパート。
大きくはない、家族3人が辛うじて暮らせる…そんな小さい家だ。
でも、衣食住に不便はなく学校も普通に通えていたので不自由はしたことがなかった。
でも、僕はパッとする顔でもないし勉強も平均的で名前もよくある苗字の鈴木だ。
学校では話す友達も少なく、そして話しかけて来る同級生はスクールカースチーム下位の人間で僕もその1人。
学校という集団にいる平凡な人間。
きっと、僕が今日事故で死んでも学校のみんな…いや、クラスメイトですら1年程で僕のことなんて忘れてしまうだろう……そんな存在。
僕はそんな生活を送りながら思っていたことがあった。
そんな人生で本当にいいのか?
学校を卒業して就職して、頑張って生活していてもきっと平凡な役職に就いて…平凡な生活を送る。
どんなに頑張って生きていても、事故で死んだらあっさりと忘れられる。
元から誰もが居なかったかのように…
そんなの生きてるっていうのか?
…ってね。
平凡な日常を送っていたある日、学校帰りに通る本屋に寄った時のことだ。
僕は出会ってしまったんだ、僕が思い描く理想の世界に!!
主人公視点で展開されるその物語は、本を読んでいるときだけ僕を主人公にしてくれた。
可愛くて誰からも愛されて、不幸もあったが最後は幸せに終えられた主人公。
そんな主人公に僕は憧れた。
その本のタイトルは「無垢な天使に花束を」。読んでいる時は気が付かなかったが、ボーイズラブというジャンルの本だった。
内容に男同士でえ…えっちなことをするシーンあって初めて気がついた……。
初めてみた時は、主人公が女の子だったのか?!
と焦って読み返したりしたなぁ~。
でも、僕には気持ち悪いとかそんな偏見はなく…むしろイケメンならいいじゃん!!
と思って読んでいた。
物語はこうだ……
主人公のユリアスは平民の出でありながら珍しい銀髪に同色の瞳、そして可愛らしい顔だった。
それこそ貴族の子供と取り違えたのかと思われるほどに。
しかし、そんなことはなくユリアスは平民の子だった。
平民として暮らしていたある日の夜、ユリアスは夢をみた。
『明日家の前で荷馬車の馬が興奮して事故を起こすだろう…。』
目が覚めてもその夢は忘れず、その日の夕暮れ時に本当に家の前で荷馬車の事故があった。
そんな予知夢をほぼ毎日見るようになった。それを両親に相談すると、すぐさまユリアスを神殿へと向かわせた。
ユリアスは神に愛される神子だったのだ。
そんなユリアスが神殿で暮らしている時に出会ったのが、シシエノークだ。
ユリアスに一目惚れしたシシエノークは、ユリアスを王城へと連れ帰り婚約した。王も神子との結婚は国にとっての栄誉だと考え、婚約を承諾した。
そのため、婚約者だったのでシシエノークは婚約破棄された。
そんなユリアスに嫉妬したスノードロップがユリアスに嫌がらせを始めた。
そんなある日、スノードロップからの嫌がらせが原因で階段から転落。
その怪我でユリアスは生死を彷徨うが、奇跡的に回復した。
スノードロップは断罪され、ユリアスとシシエノークは幸せに暮らし、国にはさらなる賑わいをもたらした……という内容だ。
どこにでもあるような物語だったが、初めて読んだ恋愛小説に僕はハマってしまい毎日読みまくった。
しかしそんな楽しみができたのも束の間、僕は学校帰り暴走した車に撥ねられて呆気なく死んだ。
ーーーーーーーーーーーーーー
誤字・脱字があったらすみません。
少し長いので前編・後編で分けます!
1
お気に入りに追加
317
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


【側妻になった男の僕。】【何故か正妻になった男の僕。】アナザーストーリー
selen
BL
【側妻になった男の僕。】【何故か正妻になった男の僕。】のアナザーストーリーです。
幸せなルイスとウィル、エリカちゃん。(⌒▽⌒)その他大勢の生活なんかが覗けますよ(⌒▽⌒)(⌒▽⌒)

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

○○に求婚されたおっさん、逃げる・・
相沢京
BL
小さな町でギルドに所属していた30過ぎのおっさんのオレに王都のギルマスから招集命令が下される。
といっても、何か罪を犯したからとかではなくてオレに会いたい人がいるらしい。そいつは事情があって王都から出れないとか、特に何の用事もなかったオレは承諾して王都へと向かうのだった。
しかし、そこに待ち受けていたのは―――・・

目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。


主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる