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転生
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まぶたに感じる日の光が懐かしい。
僕は、チカチカとなる目に顔を顰めながら目を覚ました。
身体を起こすと、僕の上には白く清潔なシーツがかけられていた。
寝かされているベッドもとても清潔そうだ。薬草などのツンとする匂いもする。
ここは…医務室かどこかか。
チリチリと痛む首元に手を当てると丁寧に包帯が巻かれていた。
その痛みは僕が生きていることを実感させた。
「…やっぱりまだ生きてる。」
ぽつりとこぼした声はまだ枯れていた。
何日地下牢に入れられていたか分からないが、陽光が懐かしく感じる。
そんな陽光と爽やかな風が流れてくる窓を時間の流れを忘れるほどじっと眺めていた。すると、なんの躊躇もなく部屋の扉がガチャリと開いた。
そこにいたのは、茶髪の短髪に重そうなメガネをかけた細身の男性だった。
その男性のことは記憶を辿っても思い出せない…多分、初めて会う人だ。
「あぁ、目が覚めたのか…。 そうとも知らずにノックも無く開けてしまった、どうしよう! 怒られるかなぁ……。」
「…お世話になったようで、すみません。貴方のお名前を聞いても?」
「え、えっと。名乗ってもいいんでしょうか…いやいや、名乗ったら名前を覚えられてしまう。うーん、名前は言わなくてもいいですか? あとが怖いので……。」
「はぁ、別に大丈夫ですけど。」
男性は、僕に酷く怯えていた。…オドオドしていて何を言っているのかわからない。
男性は白衣を羽織っていることからこの部屋を管理している者で、怪我の手当もこの人がやったんだろうということがわかった。
お礼だけは言っておこうと思い、「ありがとうございました」と言うとその言葉にも怯えていた。
酷く怯えられてるな。
まぁ、人を殺そうとした男だし当然か…冤罪だけど。
しかし、仕事のためだと言い僕に様々な質問を問いかけた。(オドオドしてだけど)
まず、なぜ自殺をしようとしたか。
僕はただ楽になりたかったからだと答えた。
本当のことだし、嘘はない。
その後も、なぜ楽になりたかったのか・そんなことをしても罪は変わらないのになぜそんな行動を?などの質問をされたが全て“楽になりたかった”と答えた。
本当にそうだから仕方がない。
しかし、彼は僕の精神状態が安定していないから地下牢に閉じ込めるのは危ないと判断し、清潔でストレスを感じないような部屋に通された。
今度は見張り付きで、だ。
新しい部屋は、ベッドと机・椅子しかなかったが牢屋より清潔で日の光も当たる綺麗な部屋だった。
しかし、その監視役はウルスだったことからストレスは倍増だったが…。
それが彼にも言えることので僕は何も言えなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誤字・脱字があったらすみません。
まぶたに感じる日の光が懐かしい。
僕は、チカチカとなる目に顔を顰めながら目を覚ました。
身体を起こすと、僕の上には白く清潔なシーツがかけられていた。
寝かされているベッドもとても清潔そうだ。薬草などのツンとする匂いもする。
ここは…医務室かどこかか。
チリチリと痛む首元に手を当てると丁寧に包帯が巻かれていた。
その痛みは僕が生きていることを実感させた。
「…やっぱりまだ生きてる。」
ぽつりとこぼした声はまだ枯れていた。
何日地下牢に入れられていたか分からないが、陽光が懐かしく感じる。
そんな陽光と爽やかな風が流れてくる窓を時間の流れを忘れるほどじっと眺めていた。すると、なんの躊躇もなく部屋の扉がガチャリと開いた。
そこにいたのは、茶髪の短髪に重そうなメガネをかけた細身の男性だった。
その男性のことは記憶を辿っても思い出せない…多分、初めて会う人だ。
「あぁ、目が覚めたのか…。 そうとも知らずにノックも無く開けてしまった、どうしよう! 怒られるかなぁ……。」
「…お世話になったようで、すみません。貴方のお名前を聞いても?」
「え、えっと。名乗ってもいいんでしょうか…いやいや、名乗ったら名前を覚えられてしまう。うーん、名前は言わなくてもいいですか? あとが怖いので……。」
「はぁ、別に大丈夫ですけど。」
男性は、僕に酷く怯えていた。…オドオドしていて何を言っているのかわからない。
男性は白衣を羽織っていることからこの部屋を管理している者で、怪我の手当もこの人がやったんだろうということがわかった。
お礼だけは言っておこうと思い、「ありがとうございました」と言うとその言葉にも怯えていた。
酷く怯えられてるな。
まぁ、人を殺そうとした男だし当然か…冤罪だけど。
しかし、仕事のためだと言い僕に様々な質問を問いかけた。(オドオドしてだけど)
まず、なぜ自殺をしようとしたか。
僕はただ楽になりたかったからだと答えた。
本当のことだし、嘘はない。
その後も、なぜ楽になりたかったのか・そんなことをしても罪は変わらないのになぜそんな行動を?などの質問をされたが全て“楽になりたかった”と答えた。
本当にそうだから仕方がない。
しかし、彼は僕の精神状態が安定していないから地下牢に閉じ込めるのは危ないと判断し、清潔でストレスを感じないような部屋に通された。
今度は見張り付きで、だ。
新しい部屋は、ベッドと机・椅子しかなかったが牢屋より清潔で日の光も当たる綺麗な部屋だった。
しかし、その監視役はウルスだったことからストレスは倍増だったが…。
それが彼にも言えることので僕は何も言えなかった。
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誤字・脱字があったらすみません。
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