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転生

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※自殺の表現があります。

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静かな地下牢で内心落ち着いてくると、興奮していた時になかった痛みが出てきた。

左脇腹、右足、そして強く握られた右肩手首。

罪人が着るような質素な服をめくって左脇腹を見ると青紫色の肌が露わになった。

「痛っ…。」

骨が折れているのではないか、と思うほど痛々しい色をしている。
そしてかなり痛い…。

右足も予想通り赤く腫れ上がり、握られた手首には紫色の手後がついていた。

「これは痛いわけだ、」

周りにはトイレと質素なベッドが置かれているだけだ。
怪我の治療はできない…。

日の光も入らないこの部屋でこの痛みと共に過ごさなければならないと思うと急に今後のことはどうでも良くなってしまった。

「こんな怪我をして…周りの人間には使えないという理由だけで馬鹿にされている。家族にも、嫌われて。
幸せになれるならと思って生きようと思ったけど、こんな生活なら死んでも神様は許してくれるだろ。」

誰も僕の名前は呼んでくれない。
誰もが死を望んでいる…そんな僕を皆はスノードロップと呼ぶ。

本当の名前は…なんだっけ?
自分でも思い出せないほど長く呼ばれていない。
生きてきた16年間記憶のある限り誰にも呼ばれていない僕の名前…

今までの記憶を思い返していると、僕は日本にいた時よりも酷な扱いをされているようだった。

もう疲れちゃった。

もういいよね?

「そうだな、もう疲れたよな…」

頭の中で1人の自分の声が聞こえた。

ここでも幸せになれないならもういいや。

質素なベッドのシーツを捻り牢の出っ張りにくくりつけた。

腕は未だに拘束されたままだったので苦しくてもがいても自分ではこの輪は外れないだろう。

日本の時は騒がしかったからなぁ、今度は静かでいいかもしれない。

ーギュウッ

静かな空間に縄が絞まる音がする。

その輪に静かに首をかけ、体重をかけた。

ーグググッ

「っ…かっ、ぅう……!!」

息ができない。

水で死ぬ時と同じくらい辛い…今度死ぬ時はもっと楽な方法が、いい…な……ぁ。

『ーーーーーぁ!!』

誰かの声が聞こえたような気がしたが、そのまま僕の視界は真っ黒に染まった。

ーーーーーーーーーーーーーー

誤字・脱字があったらすみません。
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