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前世
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“ **さん? おーい”
“ **さん、聞こえますか~?”
「誰ですか? **さんって。といか、 なんで生きてるんですか僕……」
頭に直接響くような不思議な感覚に、少し気持ち悪さを感じ目が覚めると草木が生い茂る綺麗なそして大きい湖の前に寝かされていた。
外にいた記憶も全くないし、日本にここまで綺麗な湖があっただろうか?
声に反応せず、しばらく考え込んでいるとまたもや頭に声が響いた。
“ **さんってば! 無視しないで欲しいんですけど”
” またもや無視?! なんでそんな意地悪するのですか…まぁ、私がちゃんと世界を管理していなかったから悲しい思いをする人が出るんですよべ
ね……あなたがここにいるのも私のせいなのですし?…ブツブツ “
僕が返事をしなかったら、ついに一人で話し始めてブツブツと言い始めてしまった…。
「あの、さっきから話は聞こえていました…」
” あぁ、聞こえててよかったです…あのぉ、すみませんでした。“
僕が返事を返すととても嬉しそうな反応が返ってきた。そして、少しシュンとした雰囲気で謝罪の言葉が聞こえた。
「あなたは…誰なんですか?」
僕のことを何か知っているのだろうか?最近では誰とも会話をしないので家の事情なんて誰も知らないはずだし。
それに、他人に謝られることをされてもいない。なぜ見ず知らずの声(?)に謝られているのか僕はわからなかった。
”不思議そうな顔をしてますね、なんの謝罪なのか?ということでしょうか…。“
”始めに言っておくべきでしたが私は、地球の神様です!!“
「神様…ですか?」
“信じてないですよね?! でも本当なんですよ。だからあなたの一生がどのようなものかも…知っています。”
「僕の一生ですか。 神様、貴方がなぜ謝ったのかわかりませんが…僕の一生を見ていたならなぜ僕を生かしているんです?」
ただ楽になることを望んでいた。
それなのに今ここで僕は生きている。
「楽になりたい…ただそれだけを願っていたのにそれすらも叶えてくれないんですね…。」
”そんな悲しいことおっしゃらないでください…。 あと、貴方は死んでいます。ここは死者が住む場所なのですから”
「死者が、住む場所ですか。 たしかに身体が軽いし指先が少し透けているような…気がします。」
そうか、死ぬことができたなら…今度こそ自由になれたのかな?
“そして輪廻転生をする場所を決める場でもあるのです!!”
神様(自称)が大きく声を張り上げた。
ビクッとなった僕を見て少し憐れむように見てきた。
神様は、僕が大声を苦手にしていることを知ってるようだ。
本当に神様なのかもしれない…
母さんの機嫌が悪い時は僕に怒鳴って、殴られてたからな。
「僕は誰にも同情なんてされたくないです。……それに、輪廻転生は僕には必要ありません。」
淡々と言葉を返すと、目の前の泉から金色の光が飛び出して大きく光を放った。
何が起きたのか分からず、呆然としていたがそこには美しい金色の髪と髪と同じ色の瞳をもつ男性が立っていた。
テレビでもこんな綺麗な人は見たことはない…。
唖然として男性を見ていると、フフッと少し笑った。
『私ですよ、見た目はこんな感じなんですよ? 神様なのですから、見目もそれなりにいいんです。』
男性の声は先ほどまで聞こえていた声の主だった。そして僕は神様に撫でられた。
哀れだと思ったのだろうか?
そう思われているのは嫌だなぁと思ったけど、久々に感じる人の温かな体温と優しさが感じられて…少し嬉しかった。
完全に頭を預けている僕を見て微笑みながら神様は話し始めた。
『君は今まで苦労したんだ…このまま生を終わらせるにはとても悲しい。 君には幸せになって欲しいんだよ。
君の日々の頑張りは見ていた。でも、神は世界に干渉してはならないという掟があって見ていることしかできなかった。……』
それから神様は僕に生きて欲しいと何度も何度も説得された。
『…守れなかった分、次の生では誰からも愛されていて幸せな生活ができるよう約束するよ。』
「わかり…ました……。次の生では、苦労せずに生きることができるんですよね?」
『はい、そうなるよう努力します。』
「わかりました。神様に言葉を信じて…もう一度、もう一度だけ頑張ってみます。」
僕の言葉を聞いた神様は、僕を見てほっとしたような顔で微笑んだ。
『ありがとう、本当に…ありがとう。
じゃあ、早速ですけど転生させてもらってもいいですか?』
転生??
輪廻転生みたいなことかな…
初めて聞くワードに戸惑った僕を見た神様は優しく説明してくれた。
『そうですね、転生とは言葉の通り、新しく生まれ変わることです。
でも、ここでのルールなんですけど…生きていた場所で、記憶を持ったまま転生することはできないんです。
それはここのルールを違反することになりますからね…。
ですので、地球ではない場所で今の記憶を持ったまま転生するということです!
でも、生まれてからすぐに記憶があると色々と不便なことがあるので…。
そうですね、向こうで生まれてから12年後に記憶が戻るようにしましょう!』
「わかりました。
色々とありがとうございます、そして…よろしくお願いします。」
新しく生まれ変わることには不安があるけど…それでも、また生きることを頑張ろうという気持ちにさせてくれた神様には感謝しないといけない。
『お礼なんていいんですよ? これは私にとっても罪滅ぼしようなものなのです。 次こそは幸せになってください…』
「はい…」
『じゃあ時間もないので早速いきますよ!!」
その言葉と同時に、僕が立っている場所を軸にして円状に光はじめた。
「うわっ?!」
その光が消え、地面に穴が空いたと同時に、僕は真っ逆さまに落ちていった。
◇ ◇ ◇
そして現在…
「スノードロップ、お前との婚約は無効だ。殺人を犯そうとしたお前が私との婚約を続けられると思っていたのか。」
神様…新しい生で幸せになれるんじゃなかったんですか?!
ーーーーーーーーーーーーー
語彙力がないせいで毎回プロローグが長くなってしまいます…。
誤字・脱字があったらすみません。
“ **さん? おーい”
“ **さん、聞こえますか~?”
「誰ですか? **さんって。といか、 なんで生きてるんですか僕……」
頭に直接響くような不思議な感覚に、少し気持ち悪さを感じ目が覚めると草木が生い茂る綺麗なそして大きい湖の前に寝かされていた。
外にいた記憶も全くないし、日本にここまで綺麗な湖があっただろうか?
声に反応せず、しばらく考え込んでいるとまたもや頭に声が響いた。
“ **さんってば! 無視しないで欲しいんですけど”
” またもや無視?! なんでそんな意地悪するのですか…まぁ、私がちゃんと世界を管理していなかったから悲しい思いをする人が出るんですよべ
ね……あなたがここにいるのも私のせいなのですし?…ブツブツ “
僕が返事をしなかったら、ついに一人で話し始めてブツブツと言い始めてしまった…。
「あの、さっきから話は聞こえていました…」
” あぁ、聞こえててよかったです…あのぉ、すみませんでした。“
僕が返事を返すととても嬉しそうな反応が返ってきた。そして、少しシュンとした雰囲気で謝罪の言葉が聞こえた。
「あなたは…誰なんですか?」
僕のことを何か知っているのだろうか?最近では誰とも会話をしないので家の事情なんて誰も知らないはずだし。
それに、他人に謝られることをされてもいない。なぜ見ず知らずの声(?)に謝られているのか僕はわからなかった。
”不思議そうな顔をしてますね、なんの謝罪なのか?ということでしょうか…。“
”始めに言っておくべきでしたが私は、地球の神様です!!“
「神様…ですか?」
“信じてないですよね?! でも本当なんですよ。だからあなたの一生がどのようなものかも…知っています。”
「僕の一生ですか。 神様、貴方がなぜ謝ったのかわかりませんが…僕の一生を見ていたならなぜ僕を生かしているんです?」
ただ楽になることを望んでいた。
それなのに今ここで僕は生きている。
「楽になりたい…ただそれだけを願っていたのにそれすらも叶えてくれないんですね…。」
”そんな悲しいことおっしゃらないでください…。 あと、貴方は死んでいます。ここは死者が住む場所なのですから”
「死者が、住む場所ですか。 たしかに身体が軽いし指先が少し透けているような…気がします。」
そうか、死ぬことができたなら…今度こそ自由になれたのかな?
“そして輪廻転生をする場所を決める場でもあるのです!!”
神様(自称)が大きく声を張り上げた。
ビクッとなった僕を見て少し憐れむように見てきた。
神様は、僕が大声を苦手にしていることを知ってるようだ。
本当に神様なのかもしれない…
母さんの機嫌が悪い時は僕に怒鳴って、殴られてたからな。
「僕は誰にも同情なんてされたくないです。……それに、輪廻転生は僕には必要ありません。」
淡々と言葉を返すと、目の前の泉から金色の光が飛び出して大きく光を放った。
何が起きたのか分からず、呆然としていたがそこには美しい金色の髪と髪と同じ色の瞳をもつ男性が立っていた。
テレビでもこんな綺麗な人は見たことはない…。
唖然として男性を見ていると、フフッと少し笑った。
『私ですよ、見た目はこんな感じなんですよ? 神様なのですから、見目もそれなりにいいんです。』
男性の声は先ほどまで聞こえていた声の主だった。そして僕は神様に撫でられた。
哀れだと思ったのだろうか?
そう思われているのは嫌だなぁと思ったけど、久々に感じる人の温かな体温と優しさが感じられて…少し嬉しかった。
完全に頭を預けている僕を見て微笑みながら神様は話し始めた。
『君は今まで苦労したんだ…このまま生を終わらせるにはとても悲しい。 君には幸せになって欲しいんだよ。
君の日々の頑張りは見ていた。でも、神は世界に干渉してはならないという掟があって見ていることしかできなかった。……』
それから神様は僕に生きて欲しいと何度も何度も説得された。
『…守れなかった分、次の生では誰からも愛されていて幸せな生活ができるよう約束するよ。』
「わかり…ました……。次の生では、苦労せずに生きることができるんですよね?」
『はい、そうなるよう努力します。』
「わかりました。神様に言葉を信じて…もう一度、もう一度だけ頑張ってみます。」
僕の言葉を聞いた神様は、僕を見てほっとしたような顔で微笑んだ。
『ありがとう、本当に…ありがとう。
じゃあ、早速ですけど転生させてもらってもいいですか?』
転生??
輪廻転生みたいなことかな…
初めて聞くワードに戸惑った僕を見た神様は優しく説明してくれた。
『そうですね、転生とは言葉の通り、新しく生まれ変わることです。
でも、ここでのルールなんですけど…生きていた場所で、記憶を持ったまま転生することはできないんです。
それはここのルールを違反することになりますからね…。
ですので、地球ではない場所で今の記憶を持ったまま転生するということです!
でも、生まれてからすぐに記憶があると色々と不便なことがあるので…。
そうですね、向こうで生まれてから12年後に記憶が戻るようにしましょう!』
「わかりました。
色々とありがとうございます、そして…よろしくお願いします。」
新しく生まれ変わることには不安があるけど…それでも、また生きることを頑張ろうという気持ちにさせてくれた神様には感謝しないといけない。
『お礼なんていいんですよ? これは私にとっても罪滅ぼしようなものなのです。 次こそは幸せになってください…』
「はい…」
『じゃあ時間もないので早速いきますよ!!」
その言葉と同時に、僕が立っている場所を軸にして円状に光はじめた。
「うわっ?!」
その光が消え、地面に穴が空いたと同時に、僕は真っ逆さまに落ちていった。
◇ ◇ ◇
そして現在…
「スノードロップ、お前との婚約は無効だ。殺人を犯そうとしたお前が私との婚約を続けられると思っていたのか。」
神様…新しい生で幸せになれるんじゃなかったんですか?!
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語彙力がないせいで毎回プロローグが長くなってしまいます…。
誤字・脱字があったらすみません。
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