戦慄の機甲兵(メタルアーミー)

狩村 花蓮

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第1部 process of valkyrie (プロセス オブ ヴァルキリー)

第1節 AAA(トリプルエー) 前編

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西暦2035年 アメリカ率いる連合国軍とロシア率いるアイゼンシュタイン国立騎兵団との間で戦争が勃発。
第三次世界大戦の始まりである。
連合国軍側は 次々と新型戦闘機や戦艦など、持てる技術の全てを戦力として使用した。
しかしロシアの圧倒的な物量により、連合国軍側に不利な状況が続いた。
その頃、連合国軍側だった日本は、既存のどの兵器よりも高性能で、なおかつ、量産性に優れた、戦闘用マシンである
歩兵用拡張身体 通称、AMA(アームメタルアーミー)を開発。
これにより連合国軍側は一気に戦線を拡大していった。そして西暦2037年連合国軍側の勝利によって第三次世界大戦は幕を下ろした。

戦争後も日本で開発を進めているAMは、物流、 警備 、運搬、 護送、 国防など、様々な分野で活躍している。
それと同時に、AMを使う犯罪も増加している。
この事態に国会は、超法規的措置として、
日本国直属特別非公式作戦部隊 通称 AAA (アンチ  アームメタルアーミー アタッカー)を設立。
常にAMAによる犯罪を監視している。

---西暦2037年 東京 沿岸部 港町 第八倉庫区画---

「住所的にはここで合ってるんだがな.....。」
彼のの名前は、加藤 卓也。18歳 元 学生。
防衛大学の一生徒だったのだが..... なんと防衛省からスカウトが来てしまったのである 。
彼の手には、地図と住所が書かれた紙が握られていた。
彼がしばらく歩いていると、彼の携帯に電話がかかってきた。
 
(誰だろ...)「もしもし、こちら卓也。」

[君か。新しく配属が決まった隊員とは。]

「あの、失礼ですが、お名前と階級をお願いします。」

[私か?私は、AAA 東京総司令部 司令 猫ノ宮 華連。階級は大佐である。]

「失礼しました、司令。自分は、加藤 卓也。階級は一等陸尉です。」

[了解した。それでは、早速で悪いがこちらにきてくれ。]

「申し訳ありません、司令。自分はまだ 入り口を見つけておりません。」

[はぁー。了解した。では、その位置から88番倉庫が見えるか?]

「目の前にあります。」

[では、そこに入れ]

「了解。」

扉は結構錆び付いていて、動かすたびに キー と音がする。
卓也はその扉を開け、中へ入った。

[中に入ったようだな。では、扉のそばにあるカードリーダーに地図に同梱したカードを使ってくれ。]

「了解。」

卓也がカードを使うと、床が一瞬揺れ、アナウンスが鳴り始めた。

-認証......完了。
加藤 卓也一等陸尉を確認。
リフトダウンプロトコル作動。
リフト作動。
隊員は衝撃に注意せよ-

すると床がガコンという音と共にゆっくり降下していった。
目的の場所に 着いたのは、約2分後だった。
リフトが止まり、ドアが重そうな音を立てて開くとそこには驚くような光景が写っていた。

「これは、潜水艦?どうしてこんなものが........」

「加藤 卓也一等陸尉!」

「はっ、はい!」  

「よく来たな。ここが君がこれから配属となる場所だ。」

「ですが、自分の目には、超弩級潜水艦しか映ってないのですが。」

「そもそも我々は、AAA本部が潜水艦ではないと言った覚えはないがね」

「ではこれが........」

「そう!我々の基地にして母艦。戦闘用超弩級潜水艦 伊号501。
   AAA技術部が総力を挙げて開発した最新型の潜水艦だ。」

「凄い!これが伊 501...... カッコいい!」

「どうだ?気に入ったか?」

「はいっ!とっても!」

「そうか。では中に入ってくれ。君の機体が待っている。」

「了解しました」
卓也はその潜水艦の中へと足を踏み入れた。

----伊 501 艦内 第1ドック----

「着いたぞ。ここが第1ドックだ」

「うわぁー、広ーい。」

「こっちだ。陸尉。」

「大佐殿、これは.....?」

「この機体は、我々AAA技術部が総力を挙げて開発した最新型AMA 機体名 ヴァルキリークレイレスト。
これから君に乗ってもらう機体だ。」

「そして君には現場での作戦指揮を任せたい。既に作戦指揮のために昇格手続きは済ませてある。階級は少佐だ。
どうだ?頼めるか?」

「はいっ!加藤 卓也少佐。謹んでお受けいたします。」

「ようこそAAAへ。我々は君を歓迎する。」
卓也達は、簡単に挨拶を交わした後、ブリーフィングルームへと向かった。

--伊 501 艦内 ブリーフィングルーム--

「みんな!今日から配属となる加藤 卓也少佐だ。君達の隊長となる。よろしく頼む!...少佐 挨拶を」

「はい。えぇー、皆さん。今日から配属となりました、加藤 卓也少佐であります。よろしく。」

「僕は、副リーダーの内山 俊です。階級は大尉。よろしく、隊長。」

「よう、隊長!俺は立神 力也だ。階級は中尉だ。よろしく頼むぜ!」

「こんにちは、隊長。私は 柴田 奈々です。階級は大尉です。よろしくお願いします。」

「頼んだよ少佐。こいつらを守ってやってくれ」

「はい。必ず。」
すると突然 警報音が鳴り響いた。

「今のは、国民保護サイレン!?」

「そのようですね。」

「私、ちょっと怖いです。」

「大丈夫だ。奈々。別に死ぬわけじゃない。」

「そうですよね。ありがとう 力也さん。」

「.......はい。.....はい、なっ!確かなのですか?....了解です。すぐに準備を。では。」

「司令、一体何が?」

「日本に対するミサイル攻撃だ。場所は、ロシア領 旧北朝鮮領沿岸部。
先程、日本政府に脅迫メールが届いたらしい。
AAA緊急出動。敵ミサイルの迎撃及び領内の敵AMAの殲滅。各員持ち場につけ!」

「「「「了解!」」」」

--伊501 艦橋---

「機関始動。微速前進。」

「アイサー。機関始動。微速前進。」

「前方側魚雷発射管、拡散型対空迎撃ミサイルセット。」

「アイ.マム ミサイルセット完了。」

「固定アーム解除。伊号 501抜錨 発進!」 

「抜錨。伊号 501 発進!」
今、地下ドックから伊501が発進した。

--日本近海 敵弾道ミサイル通過予想地点直下--

「艦長。敵ミサイルの反応を捉えました。後1分ほどで本艦直上を通過する模様です。」

「了解。前方部魚雷発射管。発射管扉解放。目標、敵ミサイル。1番 2番 撃てぇ!」

「1番 2番 撃てぇ!」
艦前方から魚雷が発射された。

「..本艦のsm-4。マークインターセプト......スタンバイ。」

「本艦のsm-4。ターゲットアルファを撃墜。取りこぼしは確認できない」

「了解。機関最大 全速前進。このまま領内へと向かう!」

「アイアイ.マム。」


-つづく-
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