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第87話 神様、食べ物の怨みを晴らす。
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そこは――、『無』であった。
その『無』に神が生まれた。
神は本能からか、それとも孤独を恐れてか神を生み出した。
神が生み出されたために、神は全能神となった。
全能神を筆頭に、神々は世界を創った。
そして世界へと全能神は人を創り出した。
創り出された人々は数千年という年月を費やし、世界を作り上げた。
科学文明が発展した世界、剣と魔法のファンタジー世界、平々凡々としつつも人同士がいがみ合う憐れな世界、幸せしか感じられない世界を……。
そんな様々な世界を全能神は人々を温かく見守り、時には澱みが溜まって生まれた邪悪を排除していった。
そんな日々を見守り続けて行く中で、全能神はある想いを抱き始めていた……。
『自分にも子供が欲しい……』という想いだ。
子供にママと呼ばれ、母親らしい事をしてみたい。そう彼女は想い始めていた。
そして彼女は、全能神という立場を捨て……ある世界へと降り立った。
その世界に降り立った彼女は下準備として、この世界最大の澱みである魔王を討伐し……自らが魔王へとなった。
魔王となった彼女は自らの力を示し、力を認め傅く魔族達に向けて自分達から攻撃をする事をしないようにと命じ、姿を消した。
姿を消した魔王は赤子と森の中で暮らし始めた。
その生活で、彼女は――ママとなったのだった……。
●
「無事に旅立ったようじゃのう」
そう言いながら、ワシは馬車に乗って街道を移動するヨシュア達を視ておる。
今この場に居るのはワシだけじゃった。
魔マ王は、一頻り休むと元気になったようで自らの体へと分新達を戻していきおった。
……もちろん、お菓子は返してくれんかったぞ?
『ご馳走様~、美味しかったわよぉ♪』
そして去るときにはお菓子の味の感想を口にしていきおった。グヌヌヌ、オノレ……。
心にドロドロとした物が溜まるのを感じながら、ワシは歯を食い縛る。
くやしいのう、くやしいのう。
「じゃが、じゃが、やつは気づいておらんかったようじゃな。姉様が来る前にワシが配下に頼んでおいた苺大福のことはっ!!」
「あ、神様。苺大福ですが、あの御方に食べられて行きましたよ。いやー、美味しそうに食べて行きましたから何にも言えませんでしたよー」
ワシが吠えておると、使いを頼んでいた配下の天使が顔を出していきおった。
……は? まじ? マジなのか? 食べられたのか? あのぎゅうひ餅に包まれた白こし餡と大粒苺のベストマッチが?
「………………ガッデムッ!!」
ワシは嘆いた、嘆いたのじゃ。オノレ姉様! オノレ魔マ王!!
許さん、許さんのじゃーーーーっ!! 食い物の怨みは恐ろしいことを知るが良いのじゃ!!
まずはそうじゃな……、手始めにあの2人のヨシュアに対しての恋愛禁止を解除じゃ!
そうしたら、宿に止まって我慢出来なくなった時が来たら……分かるじゃろ?
それに恋愛なんぞワシらが知るもんじゃないんじゃ! 子供は子供の道を進むだけなのじゃ!
じゃから、済し崩し的に仲間内の恋愛が成り立っても、ワシは両手を万歳するだけじゃぞ! いやっほい!
そして今度は……そうじゃな、ヨシュアのラッキースケベ率を上げておくのじゃ!
こう、転びそうになった時に間違えて、どちらかの胸にダイブとか鷲掴みをしてしまうのは当たり前、一緒に転んで股間に顔を埋めてしまったりもする。
宿では着替えを見てしまったり、お風呂に間違えて遭遇したりもするのじゃ! そうして、色々と見えたらいけない物も見ちゃったりしてもう顔を真っ赤にしたり、大人の階段上ったりするのじゃ!
所謂RITOさんなレベルのラッキースケベを与えてやるのじゃーーーーっ!!
「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャーーーーッ!!」
楽しくって笑いが零れてしまうのじゃ。
部屋の外では、笑い声を聞いた下級神や天使達が憐れな視線を送っているが気づかないのじゃ。
「……神様、疲れてるのね…………」
「日頃ストレス溜まっていましたから……」
「姑のようにあの御方が最近良く来るようになりましたからね……」
…………あー、あー、聞こえない、聞こえ無いのじゃー!
まあ、兎に角。恋愛禁止の解除とラッキースケベ率を急上昇の準備じゃ!
素早く色々と中空に表示したパネルに項目を設定して行く、現代風にアレンジした機能じゃよ?
「…………よし、これで準備は完了なのじゃ! フフフフフフフフフフフっ、食い物の怨みを思い知るのじゃーーーーっ!!」
叫びながら、ワシは実行ボタンをポチっとなする。
その瞬間、ウィスドムとファンロンの2人の恋愛禁止は解除されて、もう既に惚れているヨシュアにあんなことやこんなことをしても魔マ王がKILLしにいけないはずなのじゃ!
じゃから、思う存分ラブコメかっ! ってぐらいにラッキースケベイベントを起こすのじゃ! それがワシの出来る魔マ王へのホーフクなのじゃーーーーっ!!
「って、ん? 何じゃ? 項目が真っ赤なのじゃ?!」
実行を行っていたはずのパネルが真っ赤になっていき、すべてが真っ赤になっていくと……プツンという感じに黒くなったのじゃ。
そして、カタカタと文字が表示されていく。
――キジモナカズバウタレマイ。
「ひょっ?!」
――オシオキ、カイシ~♪
ま、まさか、まさかこれはぁーーーーっ!!
そう思った瞬間、ワシは寛いでいたはずの部屋から見知らぬ空間へと飛ばされたのじゃ。
そして……その空間でワシは拘束されて、信者の脳内にお告げよろしくのような感じにこの光景が見せられる中で、お仕置きがされたのじゃった。
「り、理不尽じゃああああああああああーーーーーーっ!! ――あいたーーーーーーーーっっ!!」
その悲鳴が空間に木霊したのじゃが……、お仕置きのバシーンバシーンという音しか返事は無かったのじゃった。
うぅ、お尻が痛いのじゃ…………。
―――――
という事で、一時終了とさせて頂きます。
次に再開するときはフタツメーノ王国編となります。
読んで頂きありがとうございました。
その『無』に神が生まれた。
神は本能からか、それとも孤独を恐れてか神を生み出した。
神が生み出されたために、神は全能神となった。
全能神を筆頭に、神々は世界を創った。
そして世界へと全能神は人を創り出した。
創り出された人々は数千年という年月を費やし、世界を作り上げた。
科学文明が発展した世界、剣と魔法のファンタジー世界、平々凡々としつつも人同士がいがみ合う憐れな世界、幸せしか感じられない世界を……。
そんな様々な世界を全能神は人々を温かく見守り、時には澱みが溜まって生まれた邪悪を排除していった。
そんな日々を見守り続けて行く中で、全能神はある想いを抱き始めていた……。
『自分にも子供が欲しい……』という想いだ。
子供にママと呼ばれ、母親らしい事をしてみたい。そう彼女は想い始めていた。
そして彼女は、全能神という立場を捨て……ある世界へと降り立った。
その世界に降り立った彼女は下準備として、この世界最大の澱みである魔王を討伐し……自らが魔王へとなった。
魔王となった彼女は自らの力を示し、力を認め傅く魔族達に向けて自分達から攻撃をする事をしないようにと命じ、姿を消した。
姿を消した魔王は赤子と森の中で暮らし始めた。
その生活で、彼女は――ママとなったのだった……。
●
「無事に旅立ったようじゃのう」
そう言いながら、ワシは馬車に乗って街道を移動するヨシュア達を視ておる。
今この場に居るのはワシだけじゃった。
魔マ王は、一頻り休むと元気になったようで自らの体へと分新達を戻していきおった。
……もちろん、お菓子は返してくれんかったぞ?
『ご馳走様~、美味しかったわよぉ♪』
そして去るときにはお菓子の味の感想を口にしていきおった。グヌヌヌ、オノレ……。
心にドロドロとした物が溜まるのを感じながら、ワシは歯を食い縛る。
くやしいのう、くやしいのう。
「じゃが、じゃが、やつは気づいておらんかったようじゃな。姉様が来る前にワシが配下に頼んでおいた苺大福のことはっ!!」
「あ、神様。苺大福ですが、あの御方に食べられて行きましたよ。いやー、美味しそうに食べて行きましたから何にも言えませんでしたよー」
ワシが吠えておると、使いを頼んでいた配下の天使が顔を出していきおった。
……は? まじ? マジなのか? 食べられたのか? あのぎゅうひ餅に包まれた白こし餡と大粒苺のベストマッチが?
「………………ガッデムッ!!」
ワシは嘆いた、嘆いたのじゃ。オノレ姉様! オノレ魔マ王!!
許さん、許さんのじゃーーーーっ!! 食い物の怨みは恐ろしいことを知るが良いのじゃ!!
まずはそうじゃな……、手始めにあの2人のヨシュアに対しての恋愛禁止を解除じゃ!
そうしたら、宿に止まって我慢出来なくなった時が来たら……分かるじゃろ?
それに恋愛なんぞワシらが知るもんじゃないんじゃ! 子供は子供の道を進むだけなのじゃ!
じゃから、済し崩し的に仲間内の恋愛が成り立っても、ワシは両手を万歳するだけじゃぞ! いやっほい!
そして今度は……そうじゃな、ヨシュアのラッキースケベ率を上げておくのじゃ!
こう、転びそうになった時に間違えて、どちらかの胸にダイブとか鷲掴みをしてしまうのは当たり前、一緒に転んで股間に顔を埋めてしまったりもする。
宿では着替えを見てしまったり、お風呂に間違えて遭遇したりもするのじゃ! そうして、色々と見えたらいけない物も見ちゃったりしてもう顔を真っ赤にしたり、大人の階段上ったりするのじゃ!
所謂RITOさんなレベルのラッキースケベを与えてやるのじゃーーーーっ!!
「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャーーーーッ!!」
楽しくって笑いが零れてしまうのじゃ。
部屋の外では、笑い声を聞いた下級神や天使達が憐れな視線を送っているが気づかないのじゃ。
「……神様、疲れてるのね…………」
「日頃ストレス溜まっていましたから……」
「姑のようにあの御方が最近良く来るようになりましたからね……」
…………あー、あー、聞こえない、聞こえ無いのじゃー!
まあ、兎に角。恋愛禁止の解除とラッキースケベ率を急上昇の準備じゃ!
素早く色々と中空に表示したパネルに項目を設定して行く、現代風にアレンジした機能じゃよ?
「…………よし、これで準備は完了なのじゃ! フフフフフフフフフフフっ、食い物の怨みを思い知るのじゃーーーーっ!!」
叫びながら、ワシは実行ボタンをポチっとなする。
その瞬間、ウィスドムとファンロンの2人の恋愛禁止は解除されて、もう既に惚れているヨシュアにあんなことやこんなことをしても魔マ王がKILLしにいけないはずなのじゃ!
じゃから、思う存分ラブコメかっ! ってぐらいにラッキースケベイベントを起こすのじゃ! それがワシの出来る魔マ王へのホーフクなのじゃーーーーっ!!
「って、ん? 何じゃ? 項目が真っ赤なのじゃ?!」
実行を行っていたはずのパネルが真っ赤になっていき、すべてが真っ赤になっていくと……プツンという感じに黒くなったのじゃ。
そして、カタカタと文字が表示されていく。
――キジモナカズバウタレマイ。
「ひょっ?!」
――オシオキ、カイシ~♪
ま、まさか、まさかこれはぁーーーーっ!!
そう思った瞬間、ワシは寛いでいたはずの部屋から見知らぬ空間へと飛ばされたのじゃ。
そして……その空間でワシは拘束されて、信者の脳内にお告げよろしくのような感じにこの光景が見せられる中で、お仕置きがされたのじゃった。
「り、理不尽じゃああああああああああーーーーーーっ!! ――あいたーーーーーーーーっっ!!」
その悲鳴が空間に木霊したのじゃが……、お仕置きのバシーンバシーンという音しか返事は無かったのじゃった。
うぅ、お尻が痛いのじゃ…………。
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という事で、一時終了とさせて頂きます。
次に再開するときはフタツメーノ王国編となります。
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