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第58話 ファンロン、よしゅあを見るアル。
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うっぷ、まだ気持ち悪いアル……。
口元を押さえながら、ファンロン空っぽになっているお腹を擦るアル。
「えっと、大丈夫? ファンロンさん」
「だ、大丈夫アル。よしゅあ……」
心配そうにファンロンに声をかけてくれたよしゅあに、ファンロン笑顔で答えるアル。
……本当はお腹空いてるアル。なのに、何か口に入れたらそれだけで吐き気が増してくるアル。
いったい、ファンロンのお腹如何したアルか?
お腹空いてるはずなのに、お腹に食べ物詰まっている感じが収まらないアル……。
「あの、無理しないで……ウィスドムさんと同じように休んでても良いんですよ?」
「大丈夫アル……! それに、ファンロン、よしゅあといっしょに居たいアル」
「……わかりました。けど……本当に無理しないでくださいね?」
よしゅあにファンロンそう言うと、困った顔で折れてくれたアル。
悪いことをしたかも知れないアル。だけど、ファンロンよしゅあといっしょに居たいアル。
ファンロンのせいでよしゅあさらわれたの知ってるアル。だから、危ないときは護るアル……!
「勇者様、スライムを連れて来ましたので、お相手をお願いします」
「わ、わかりました……!」
そんな時、キシの人が桶を持ってきてそれを裏返したアル。
すると、バシャッと水が零れる……ことはなく、ベチャッとスライムが地面に落ちてきたアル。
まごうことなきスライムアル。
ファンロンとウィスはベッドで眠っていたけど、その間に少しでもよしゅあを強くしようって話が城の中で出たアル。
それでキシの人がスライムなどの弱いモンスターを捕まえて、それをよしゅあが居る場所に持っていって、戦う経験を積んでもらおうっていうことになったアル。
よしゅあも初めて聞かされたときは驚いたみたいだけど、僕も強くならなくちゃ。って拳握ってたアル。
そしてこれが初めての試みだったアル。
「い、行きます! て……てやあああああっ!!」
ギュッと剣を握り締め振り上げると、よしゅあはズルズルっと這い回るスライムへと斬り付けたアル。
けど、その振り下ろされた剣はこのままじゃスライム斬れないアルよ? だって、力とか足りていない感じアル。
だけどよしゅあの持っている剣が凄いみたいで、振り下ろした先のスライムはスッと斬られたアル。
そして斬られたスライムは、鳴き声のようなものを上げてからドロッと溶けたアル。
「うわっ!? あ、あ~~……びっくりした」
ドロッと溶けたスライムに驚いてよしゅあは腰を抜かしたけれど、無事に倒せたアル。
その様子を周りは驚きながら見ていたアル。
まあ、そうアルよね? だって、よしゅあの攻撃は……全然ダメージにならない攻撃だったはずアル。
それなのに、一撃でスライムが倒されたアルよ? だったら、驚くのは当たり前アル。
「あ、あんな振り方だと……、スライムは潰れたり、体液を撒き散らすだけだよな?」
「ああ……、オレも昔やった覚えがある。……と言うか、仲間内とつるんでひのきのぼうで叩いた覚えがあるぞ」
「オレもだ。……ただの剣にしか見えないのにな、あれ……」
キシの人が数名ほど話をしているのが聞こえるアル。
でも振り返らずにジッとよしゅあを見ているアル。
だって、頑張っているよしゅあが、凄くかっこよくファンロン思えるアル。
「勇者様、次のスライムを持って来ましたが……大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です! お願いしますっ」
「わかりました。では」
キシダンチョーがそう言うと、キシの人がバケツを裏返したアル。
すると、またスライムがベチャッて落ちて来たアル。
バケツから落ちたスライムはズルズルと這い回って地面を移動するアル。
そんなスライムへと、よしゅあは構えながら近づくアル。
「勇者様、そんなに力を込めなくても大丈夫です。力を込めるのは攻撃の一瞬のみ、それで十分です」
「は、はいっ」
「それとまだ力が無いようですので、あまり振り上げないほうが良いでしょう」
「わかりましたっ」
キシダンチョーが助言を言うと、よしゅあは頷きながら持ち方を変えて行くアル。
そして、今度はめいっぱい振り上げずに軽く持ち上げながらスライムに近づくと、素早く振り下ろしたアル。
今度はさっきみたいにベチャッてならなかったアル。
凄いアル、よしゅあ凄いアル!
少し興奮しながら、ファンロンよしゅあの活躍見てたアル。
見てて分かったけど、キシダンチョーの助言を聞いて行くに連れて、よしゅあの振り方が少しずつさまになってきたアル。
……そういえば、よしゅあが剣持ってるのを見るの、初めてかも知れないアル。
ウィスとファンロンでモンスター倒してたから、当たり前アルね。
そう思いながらよしゅあを見ていると、スライムを4匹倒したところだったアル。
「あ、あれ? 音が、聞こえる?」
「おめでとうございます、勇者様。それはひとつ強くなった……、勇者測定器によるとレヴが上がった状態です」
「そう、なのですか? あ、でも……なんだか力が、湧いてきます」
きょとんとしながらも、よしゅあは自分の手をぐっぱぐっぱと握って開くアル。
ファンロンも、強くなったら同じポーズやってみたいアル。
「ではスライムを追加しますが、よろしいでしょうか?」
「はいっ、お願いします!」
キシダンチョーからの言葉に、よしゅあ元気良く返事したアル。
それをファンロン、吐き気が治まったから笑顔で見てたアル。
この後、よしゅあはスライムを10匹倒して、もうひとつ強くなったアル。
「とりあえず、明日はゴブリンを追加しようと思いますが宜しいでしょうか?」
「は、はい、頑張りますっ!」
キシダンチョーの問い掛けに、よしゅあそう答えたアル。
そして、ファンロンよしゅあの隣で歩いて、お城に戻ったアル。
口元を押さえながら、ファンロン空っぽになっているお腹を擦るアル。
「えっと、大丈夫? ファンロンさん」
「だ、大丈夫アル。よしゅあ……」
心配そうにファンロンに声をかけてくれたよしゅあに、ファンロン笑顔で答えるアル。
……本当はお腹空いてるアル。なのに、何か口に入れたらそれだけで吐き気が増してくるアル。
いったい、ファンロンのお腹如何したアルか?
お腹空いてるはずなのに、お腹に食べ物詰まっている感じが収まらないアル……。
「あの、無理しないで……ウィスドムさんと同じように休んでても良いんですよ?」
「大丈夫アル……! それに、ファンロン、よしゅあといっしょに居たいアル」
「……わかりました。けど……本当に無理しないでくださいね?」
よしゅあにファンロンそう言うと、困った顔で折れてくれたアル。
悪いことをしたかも知れないアル。だけど、ファンロンよしゅあといっしょに居たいアル。
ファンロンのせいでよしゅあさらわれたの知ってるアル。だから、危ないときは護るアル……!
「勇者様、スライムを連れて来ましたので、お相手をお願いします」
「わ、わかりました……!」
そんな時、キシの人が桶を持ってきてそれを裏返したアル。
すると、バシャッと水が零れる……ことはなく、ベチャッとスライムが地面に落ちてきたアル。
まごうことなきスライムアル。
ファンロンとウィスはベッドで眠っていたけど、その間に少しでもよしゅあを強くしようって話が城の中で出たアル。
それでキシの人がスライムなどの弱いモンスターを捕まえて、それをよしゅあが居る場所に持っていって、戦う経験を積んでもらおうっていうことになったアル。
よしゅあも初めて聞かされたときは驚いたみたいだけど、僕も強くならなくちゃ。って拳握ってたアル。
そしてこれが初めての試みだったアル。
「い、行きます! て……てやあああああっ!!」
ギュッと剣を握り締め振り上げると、よしゅあはズルズルっと這い回るスライムへと斬り付けたアル。
けど、その振り下ろされた剣はこのままじゃスライム斬れないアルよ? だって、力とか足りていない感じアル。
だけどよしゅあの持っている剣が凄いみたいで、振り下ろした先のスライムはスッと斬られたアル。
そして斬られたスライムは、鳴き声のようなものを上げてからドロッと溶けたアル。
「うわっ!? あ、あ~~……びっくりした」
ドロッと溶けたスライムに驚いてよしゅあは腰を抜かしたけれど、無事に倒せたアル。
その様子を周りは驚きながら見ていたアル。
まあ、そうアルよね? だって、よしゅあの攻撃は……全然ダメージにならない攻撃だったはずアル。
それなのに、一撃でスライムが倒されたアルよ? だったら、驚くのは当たり前アル。
「あ、あんな振り方だと……、スライムは潰れたり、体液を撒き散らすだけだよな?」
「ああ……、オレも昔やった覚えがある。……と言うか、仲間内とつるんでひのきのぼうで叩いた覚えがあるぞ」
「オレもだ。……ただの剣にしか見えないのにな、あれ……」
キシの人が数名ほど話をしているのが聞こえるアル。
でも振り返らずにジッとよしゅあを見ているアル。
だって、頑張っているよしゅあが、凄くかっこよくファンロン思えるアル。
「勇者様、次のスライムを持って来ましたが……大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です! お願いしますっ」
「わかりました。では」
キシダンチョーがそう言うと、キシの人がバケツを裏返したアル。
すると、またスライムがベチャッて落ちて来たアル。
バケツから落ちたスライムはズルズルと這い回って地面を移動するアル。
そんなスライムへと、よしゅあは構えながら近づくアル。
「勇者様、そんなに力を込めなくても大丈夫です。力を込めるのは攻撃の一瞬のみ、それで十分です」
「は、はいっ」
「それとまだ力が無いようですので、あまり振り上げないほうが良いでしょう」
「わかりましたっ」
キシダンチョーが助言を言うと、よしゅあは頷きながら持ち方を変えて行くアル。
そして、今度はめいっぱい振り上げずに軽く持ち上げながらスライムに近づくと、素早く振り下ろしたアル。
今度はさっきみたいにベチャッてならなかったアル。
凄いアル、よしゅあ凄いアル!
少し興奮しながら、ファンロンよしゅあの活躍見てたアル。
見てて分かったけど、キシダンチョーの助言を聞いて行くに連れて、よしゅあの振り方が少しずつさまになってきたアル。
……そういえば、よしゅあが剣持ってるのを見るの、初めてかも知れないアル。
ウィスとファンロンでモンスター倒してたから、当たり前アルね。
そう思いながらよしゅあを見ていると、スライムを4匹倒したところだったアル。
「あ、あれ? 音が、聞こえる?」
「おめでとうございます、勇者様。それはひとつ強くなった……、勇者測定器によるとレヴが上がった状態です」
「そう、なのですか? あ、でも……なんだか力が、湧いてきます」
きょとんとしながらも、よしゅあは自分の手をぐっぱぐっぱと握って開くアル。
ファンロンも、強くなったら同じポーズやってみたいアル。
「ではスライムを追加しますが、よろしいでしょうか?」
「はいっ、お願いします!」
キシダンチョーからの言葉に、よしゅあ元気良く返事したアル。
それをファンロン、吐き気が治まったから笑顔で見てたアル。
この後、よしゅあはスライムを10匹倒して、もうひとつ強くなったアル。
「とりあえず、明日はゴブリンを追加しようと思いますが宜しいでしょうか?」
「は、はい、頑張りますっ!」
キシダンチョーの問い掛けに、よしゅあそう答えたアル。
そして、ファンロンよしゅあの隣で歩いて、お城に戻ったアル。
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