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第15話 ヨシュア、救助される。
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――DoGOOOOON!!
「う、うわぁ!? な、なにっ!? うわわ~~~~っ!?」
大きな爆発音が聞こえ、僕はキョロキョロと周囲を見渡した。
だけど、キョロキョロとしてしまったのがいけなかったのか、逆さに吊られた僕の体はグルグルと回り始めた。
うわぁ~~、グルグルするよぉ~~!?
そしてそんな僕の様子が面白いのか、僕を捕まえたと思う……歩くブタさんがブヒブヒと笑っている。
うぅ、酷いよぉ!
『『ブヒャヒャヒャヒャーーーー!!』』
「わわ、笑ってないで、たしゅけてよぉ~~!!」
『イヤだブー、捕まったお前が悪いんだブー!』
『そうだブーそうだブー。捕まったやつの命令なんて聞くつもり無いブー!』
助けてと言ってるのに、ぐるぐる回る僕を見てブタさんたちは笑うだけだった。
うぅ、これって僕が悪いの? 言葉が分かったら良いんだけど……、難しいなぁ。
それに……何だかこのブタさんたち、時々僕を変な目で見てるんだよなぁ……。
うぅん……どうにかして、下ろして貰わないと……って、うわっ!?
――DoGOGOGOGOOOOOOON!!
なんとか下りれないかと考えていると、さっきよりも凄い爆発音が森の中に響き渡った。
そして少ししてから、熱い風がこっちに届いた。
熱い風が頬に当たって、熱さからかピリピリと顔が痛くなる。
「あ、熱っ。熱いよっ!? それに痛いっ!!」
『ブヒッ!? さ、さっきからいったい何が起きてるブー!?』
『わ、わからないブー。だけど、とっても嫌な予感がするブー!』
熱い風が顔に当たり、手を顔に当てているとブタさんたちがブーブー、ブヒブヒと深刻そうに話している。
だけど何を言ってるのか本当に分からない……。
あと、何かポリポリクチャクチャって音がちょっと耳に届くけど……何の音だろう?
それに……何だかその音が近づいている? こっち、かな?
耳に届く音が気になり、僕はそっちの方向に視線を移す。すると、煌々と光る金色の眼を持つ真っ赤な何かが……お肉(?)だと思う物を食べながら立っていた。
「ひっ!? な、なにあれぇっ!?」
『『ブヒ? って、何だブーーーーっ!?』』
「もぐもぐ……、うーん、やっぱりオーク不味いアル。ファンロン、グルメになってたアルね」
驚く僕とブタさんたち、だけど真っ赤な何かはお肉と思う物をパクパクと食べ終えると、見た目とは違って女の人のような声で喋り始めた。
……って、も、もしかして……女の人?
でも、角があるし……、真っ赤だし……。
けどそうなのかなぁ、って思いながら真っ赤な何かを見ていると視線に気づいたのか女の人かも知れない真っ赤な何かが僕を見た。
「あ、またオークがいたアル。……んん? 吊るされてる人間もいるアル? …………ああ、もしかしてザッコさんが言ってたゆうしゃアルかっ!?」
「え、あ……は、はい? たぶん、ですけどー……?」
『ゆ、勇者!? 勇者と言ったブー!?』
『まさか、こんなガキが勇者っていうことかブー!?』
女の人が僕を勇者と言った途端、ブタさんたちは驚いた風に鳴き始めた。どうしたんだろう?
それに、ザッコさん? うーん、どこかで聞いたような気がするけど何処で聞いたんだっけ?
思い出そうとするけれど、そろそろ吊るされ続けているからか……頭がボーっとし始めて考えることが出来なかった。
そーいえば、ママがず~~っとさかさになってると、あぶないっていってたっけー……。
だんだんとかおがあつくなっていくのと、あしさきがつめたくなっていくようなきがしてきたなー……。あれ? これってもしかして、きけんなんじゃ――
「氷よ、鏃となりて、撃ち放て――アイスアロー!」
「へ? ――へぶっ?! い、いたた……え?」
とつぜんのふわっとしたかんかく、そのちょくご――ぼくはかおをおおきくぶつけた。
いっしゅんなにがおきたのかわからなかったぼくだったけれど、あしがじめんに付いているからか、だんだんと頭の中がはっきりと、してきた。
頭を軽く振りながら、ゆっくりと周囲を見渡して……何が起きたのかを調べてみると、僕が吊るされていたロープを結んでいた木が倒れていた。
そして、倒れた木の奥の地面に大きな氷が突き刺さっていた。
「こ、氷……? え、え?」
「はあ~……、情けない。あんた、それでも勇者なのっ?」
大きな氷に目をまん丸にしていた僕、そんな僕へと誰かが近づいてきて……溜息と一緒に苛立った声がかけられた。
声がしたほうを見ると、ママよりもずっと怖そうな目つきで、ママよりも胸も身長も大きく無い女の人が立っていた。
え、だ……誰?? それに、僕……悪いことしたのかな?
ギロッてした目つきに睨まれると、怖くて謝りたくなってきた。
「あ、あの……、ご……ごめんなさい……」
「はあっ!? 何で、あんたわたしに謝るのっ!?」
怒鳴り声にビクッとして、僕は縮こまってしまった。
う、うぅ……、何で僕、怒られてるのぉ……?
「う、うわぁ!? な、なにっ!? うわわ~~~~っ!?」
大きな爆発音が聞こえ、僕はキョロキョロと周囲を見渡した。
だけど、キョロキョロとしてしまったのがいけなかったのか、逆さに吊られた僕の体はグルグルと回り始めた。
うわぁ~~、グルグルするよぉ~~!?
そしてそんな僕の様子が面白いのか、僕を捕まえたと思う……歩くブタさんがブヒブヒと笑っている。
うぅ、酷いよぉ!
『『ブヒャヒャヒャヒャーーーー!!』』
「わわ、笑ってないで、たしゅけてよぉ~~!!」
『イヤだブー、捕まったお前が悪いんだブー!』
『そうだブーそうだブー。捕まったやつの命令なんて聞くつもり無いブー!』
助けてと言ってるのに、ぐるぐる回る僕を見てブタさんたちは笑うだけだった。
うぅ、これって僕が悪いの? 言葉が分かったら良いんだけど……、難しいなぁ。
それに……何だかこのブタさんたち、時々僕を変な目で見てるんだよなぁ……。
うぅん……どうにかして、下ろして貰わないと……って、うわっ!?
――DoGOGOGOGOOOOOOON!!
なんとか下りれないかと考えていると、さっきよりも凄い爆発音が森の中に響き渡った。
そして少ししてから、熱い風がこっちに届いた。
熱い風が頬に当たって、熱さからかピリピリと顔が痛くなる。
「あ、熱っ。熱いよっ!? それに痛いっ!!」
『ブヒッ!? さ、さっきからいったい何が起きてるブー!?』
『わ、わからないブー。だけど、とっても嫌な予感がするブー!』
熱い風が顔に当たり、手を顔に当てているとブタさんたちがブーブー、ブヒブヒと深刻そうに話している。
だけど何を言ってるのか本当に分からない……。
あと、何かポリポリクチャクチャって音がちょっと耳に届くけど……何の音だろう?
それに……何だかその音が近づいている? こっち、かな?
耳に届く音が気になり、僕はそっちの方向に視線を移す。すると、煌々と光る金色の眼を持つ真っ赤な何かが……お肉(?)だと思う物を食べながら立っていた。
「ひっ!? な、なにあれぇっ!?」
『『ブヒ? って、何だブーーーーっ!?』』
「もぐもぐ……、うーん、やっぱりオーク不味いアル。ファンロン、グルメになってたアルね」
驚く僕とブタさんたち、だけど真っ赤な何かはお肉と思う物をパクパクと食べ終えると、見た目とは違って女の人のような声で喋り始めた。
……って、も、もしかして……女の人?
でも、角があるし……、真っ赤だし……。
けどそうなのかなぁ、って思いながら真っ赤な何かを見ていると視線に気づいたのか女の人かも知れない真っ赤な何かが僕を見た。
「あ、またオークがいたアル。……んん? 吊るされてる人間もいるアル? …………ああ、もしかしてザッコさんが言ってたゆうしゃアルかっ!?」
「え、あ……は、はい? たぶん、ですけどー……?」
『ゆ、勇者!? 勇者と言ったブー!?』
『まさか、こんなガキが勇者っていうことかブー!?』
女の人が僕を勇者と言った途端、ブタさんたちは驚いた風に鳴き始めた。どうしたんだろう?
それに、ザッコさん? うーん、どこかで聞いたような気がするけど何処で聞いたんだっけ?
思い出そうとするけれど、そろそろ吊るされ続けているからか……頭がボーっとし始めて考えることが出来なかった。
そーいえば、ママがず~~っとさかさになってると、あぶないっていってたっけー……。
だんだんとかおがあつくなっていくのと、あしさきがつめたくなっていくようなきがしてきたなー……。あれ? これってもしかして、きけんなんじゃ――
「氷よ、鏃となりて、撃ち放て――アイスアロー!」
「へ? ――へぶっ?! い、いたた……え?」
とつぜんのふわっとしたかんかく、そのちょくご――ぼくはかおをおおきくぶつけた。
いっしゅんなにがおきたのかわからなかったぼくだったけれど、あしがじめんに付いているからか、だんだんと頭の中がはっきりと、してきた。
頭を軽く振りながら、ゆっくりと周囲を見渡して……何が起きたのかを調べてみると、僕が吊るされていたロープを結んでいた木が倒れていた。
そして、倒れた木の奥の地面に大きな氷が突き刺さっていた。
「こ、氷……? え、え?」
「はあ~……、情けない。あんた、それでも勇者なのっ?」
大きな氷に目をまん丸にしていた僕、そんな僕へと誰かが近づいてきて……溜息と一緒に苛立った声がかけられた。
声がしたほうを見ると、ママよりもずっと怖そうな目つきで、ママよりも胸も身長も大きく無い女の人が立っていた。
え、だ……誰?? それに、僕……悪いことしたのかな?
ギロッてした目つきに睨まれると、怖くて謝りたくなってきた。
「あ、あの……、ご……ごめんなさい……」
「はあっ!? 何で、あんたわたしに謝るのっ!?」
怒鳴り声にビクッとして、僕は縮こまってしまった。
う、うぅ……、何で僕、怒られてるのぉ……?
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