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過去編(三角関係・攻めが片想いで鬼畜なので注意)

最悪な誕生日①

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【千星那由多】

結局家で全員飯を食う事になった。
持って降りて来た食器類を流し場へと持っていく。

「あたし母さんと買い物行ってくるからー」

「おー」

リビングのドアから顔を覗かせた雪那へと返事を返した。
巽が隣に立つ。
さっさと食器洗って上戻るか。
また部屋荒らされてたら困るし。

しかし、スポンジを握ってふと気づいた。
……隣に巽がいるわけだけど…。いや、さすがにここでは何もしないか。
家だし、上にみんないるし。
一瞬止めた手を動かし、スポンジに洗剤を垂らした。

俺はこの時少し機嫌がよかった。
誕生日を祝われていることに、少なからず嬉しさと言うものがあったのだと思う。
口元が少し緩んでいる事にも気づかず、俺は巽と食器を洗い始めた。

【天夜巽】

那由多との食器洗いは俺が洗剤で洗って、那由多がすすぐと言うものだった。
那由多は俺がいるのにいつも通りだった。
こういう時にお誘いができるようになってくれれば俺も助かるんだけどな。

この前は少し調子がおかしかった。
それを挽回するためにも今日は盛大に祝ってあげたい。
いろんな意味でね。

まだ、すすいでいる那由多をよそに俺は手を拭き、机に置いてあった袋から那由多へのプレゼントを取り出した。

「はい、俺からのプレゼント。今、開けてね。」

いつも通りの笑顔で俺は那由多にプレゼントをあけた。


【千星那由多】

「え?プレゼント…?」

さっきケーキもらったのに。
他にも何か用意してくれてたのか。
普段通りの笑顔だったので、今日は本当にいつも通りでいてくれるのだと内心ほっとし、嬉しかった。
照れたような笑みを返すと、濡れた手を拭きそれを受け取った。

「な、なんかびびったけど、ありがと…」

そう言いながら袋の封を開けた。
先に出て来たのは少し大きめの木の箱だった。
袋の中にはまだ何か入ってるようだが、先にこっちを開けようとリビングの机へと移動し、それを置いた。
少し楽しみにしながら、金具を上げ蓋を開ける。

「なんか、厳重だな。なんだろ……――――ッ…」

しかし、その中に入っていたものを見た瞬間、俺の笑顔は消えた。
黄色い、男の逸物を模った物。
所謂……バイブだ。

ショックだった。
本当にちゃんとしたプレゼントをくれるんだと思っていた俺もバカだったが、さすがに今日、これは傷つく。
無言で蓋を閉めると、その箱と一緒にまだ袋に入っている物も巽へと突きかえした。

「ひっでぇな、お前……すっげ、なんか、ショック……。いらねーから持って返れ……」

俯き、掠れる声を喉に押し込みながら小さく声を漏らした。


【天夜巽】

「……。素直じゃないね、那由多は…。」

那由多の反応は俺が思っていたものとどれも違った。
可能性は低いが嬉しそうにしてくれる、もしくはもっと激しく拒否される。
そのどちらかだと俺は思っていた。

しかし、那由多はかなり意気消沈した様子でプレゼントを返してきて、正直俺も複雑な気分に陥った。

でも、これで那由多に謝っても俺には何も残らない。
もう、引き返すことなんて出来ないんだ。

くっきー先輩にお願いして作ってもらったバイブを袋ごと手に取ると同時に那由多を机に押し倒すように肩を押した。

「……もらったものはちゃんと付けなきゃ、那由多。
ここで付ける?トイレ?お風呂?それだけ選ばせてあげるよ。」

こう告げた時の俺の目はもう正気じゃないんだろうな。
自分のプレゼントごと那由多を机に押し付けながら、俺は上から見下ろした。


【千星那由多】

机に押し付けられると、巽の身体が近づく。
その視線は俺を見ているが、まるで光がなかった。
先ほどのショックと恐怖に目尻に涙が溜まって行く。
無理矢理でも拒否したい。でも力では絶対に勝てない。
それに、二階には皆がいる。
今は嫌だ、なんて拒否しても無理矢理やられるんだろうと思うだけで、身体が強張った。

「……っ、できれば、ここ以外がいい……トイレ、か風呂……」

震える声を絞り出すと、巽から視線を逸らした。


【天夜巽】

「分かったよ、那由多。じゃあ、プレゼント着け終わったら移動してあげる。」

元から那由多には選択肢は無いと言うかのように服を剥がしていく。
ベルトを引っ張りズボンを脱がし、シャツも捲り上げ、脱がせると下着も脱がした。
暴れるなら破れると言わんばかりに引っ張ることで抵抗を抑制させる。

「まずはこれ、僕のとおんなじサイズだよ、今日は使い方を教えてあげるね。」

最初にくっきーさんに特別に作って貰ったバイブを箱から取り出すと那由多に手渡した。
それから、俺は流し台に背中を預ける。
なにも手を出す気は無いのを示唆するように俺は腕を組んだ。


【千星那由多】

無理矢理服を脱がされるのを、身体を強張らせながら見ていることしかできなかった。
箱から取りだされた禍々しいバイブに息を飲む。
巽と同じサイズ、と言われると余計に嫌気がさした。

バイブを手渡されただけでそれ以上は何もしてこないが、「着け終わったら移動」と言われたので多分これを挿入しない事にはリビングから移動できないのだろう。
下唇を噛むと、そのバイブを見つめる。
バイブを挿入する前に、少しでも中を慣らしたいがローションなんかもない。
この状態ではかなりキツいし痛いだろうが、今はそんなことをしている時間もなかった。
後ろへ手を回し、アナルへとバイブの先端を当てる。

「……っ、ふ………ッう……」

大きく息を吸いなるべく力を抜きながら、バイブをグッと挿入させた。
身体が微かに震え、侵入してくる異物感に表情が歪む。
本当に巽の形か…と妙に冷めた自分がいるのがわかった。


【天夜巽】

「慣らさないの?おもしろくないな…、少しだけ手伝ってあげる。」

きっと今の僕では那由多が何をしても面白くない自信はある。
それだけ、冷めた視線で那由多を見つめている。
自分は那由多にどうなって欲しいのかも最近分からない。

いや、そう言うことを求める自体間違ってるんだ、一方的な行為で満足していた筈なのに。

アナルにバイブを押し込んでいる那由多にもう一つのプレゼントを持って近づく。
それは胸につける美乳マシン。
通販サイトで普通に買える物を少し改造しただけのものだ。

一つの胸に対し、円が二つあり、女性ならば乳房を囲う様に一つのリングを嵌めるが那由多は胸が無い為、真ん中の円に調度乳首が来るようにぴったり嵌め、背中でベルトを止めた。
青い色をしたそれは那由多に似合っており、エロいブラジャーをしてるようにも見える。

「うん、似合ってる。スイッチも入れてあげるね。」

そう言って僕は付属している電気スイッチのボタンを押した。


【千星那由多】

痛い、穴が裂けそうだ。
顔を顰めながら小刻みに息をしていると、巽が袋の中から何かを取りだした。
変な形のそれは、見ただけでは何に使用するかがわからない。
しかし、それを巽は俺の胸へと付け始める。
付けられてわかったが、まるで女のブラジャーの様なものだった。

乳首に小さな丸い円が擦れると、身体が微かに震える。
多分今の俺の姿はとてつもなく滑稽だろう。

「……んだよ……これ……?……――――ヒッ!!!!」

ピリッと乳首に電気の様な感覚が走った。
それは断続的に続き、その度にビクビクと身体が震える。
痛みではなく心地よい刺激で、自分が感じている事に気づいた途端に物凄く恥ずかしくなった。

「やっ、な……ッに、これ……ッ!ひあっ……!」

思わず胎内に挿入したバイブを締め付けてしまい、体勢が崩れる。
巽の腕を掴むと、感じている表情を見られないように頭を下げた。


【天夜巽】

「あれ、那由多。これで感じちゃうんだ。通販でも買えるやつなんだけどなー。」

那由多の羞恥を煽る様に態とらしくそう言ってやる。
少し改造を施しているが本当のことだ。
通販雑誌の切り抜きも入れてきた為、美乳マシンと書かれた紙を、ペラペラと揺らす様にして那由多に見せつけてやる。

それから抱きしめる様にして肩の向こうを見る様にアナルを覗く。
どうやらまだ、バイブは全て入り切って無い様だ。

「那由多、後ろがお留守だよ?ほら、早くしないと誰か降りてくるかも。
那由多のおばさんだって帰ってきちゃうよ?」

後ろは手を貸すつもりはない為、那由多の両乳首をマシンを押し付ける様にしてグッと押し付けてやった。


【千星那由多】

「ヒッ!!、やめ……ッ!」

乳首を抑えつけられると身体が跳ねた。
やばい、これだけで感じるとか俺本当にどうかしてる。
でも調度いい刺激が気持ち良いのは確かだった。

「はっ、…いれ、るから……ッ!」

大きく息をしながら、途中まで挿入したバイブを胎内に沈めて行った。
乳首の小さな刺激で少し下半身が反応し始めている。
さっさと終わらせたい、でないと皆にも怪しまれる。
痛みを我慢しながら、バイブを根元まで無理矢理挿入すると、巽を見上げた。

「挿れ、た……早く、移動……っ」
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