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過去編(三角関係・攻めが片想いで鬼畜なので注意)

大嫌い③

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【千星那由多】

可愛いと言われると嬉しかった。
皆に見せに行こうと言われ、恥ずかしかったが小さく頷く。
アナルに牛の尻尾のような物をさされると、快感に甘い声があがった。
こういうのも好きなのか、とゆるんだ表情で目の前にいる晴生を見つめた。

胸やペニスについた吸引器の刺激はもう快感でしかなかった。
気持ちよくてまたイってしまいそうだったが、ここからまず出ないとご褒美は貰えないらしい。

「は、…う…あ゛ぁ…ッ、わ、わかった…」

ゆるんだ笑みを浮かべながらふらふら立ち上がると、そのまま俺は歩き出す。
動く度に尻尾が揺れ、吸引器の快感により何度もイきそうになるがぐっと堪えた。
ああ、もう気持ちよくて仕方がない。
早く晴生からのご褒美が欲しいなと思いながら、だらしなく口を開いたまま教室へと向かった。


【日当瀬晴生(天夜巽)】

口に含ませていた管だけ落ちないように吸引器に引っかけてやった。
そして、那由多の後を追うようにして教室へと向かった。
那由多の涎やら汗で廊下が汚れていったが当の本人は快楽に堕ちてしまっている様子だ。
俺を完全に日当瀬だと思っている。

快楽に堕ちているだけじゃなく、日当瀬だから従順なのかと思うと内心腸が煮えくりそうだった。
しかし、ここでいきなり俺に戻る訳にもいかない。

牛のしっぽをゆらゆらと揺らしながら歩く様は可愛い。
時折ふらつくのでその度に手加減無く尻を平手打ちしてやった。

「す、すいません…可愛い、お尻なので、叩きたくなってしまって…」

日当瀬には勉強会の時も尻を叩かれていたようなので、これくらいは違和感なく受け入れるだろう。


【千星那由多】

「ぁひッ!!!」

尻を叩かれると声が上がる。
可愛いお尻だと言われると恥ずかしくなってしまったが、もっともっと叩いて欲しかった。
晴生にならどれだけ叩かれても気持ちがいい。
もう少し欲しい、と言ったように尻を少し突き出すと、後ろにいる晴生をだらしない表情で見つめた。

「…もっと…たたいていーよ…」

そう言うと軽く尻を振りながらまたふらふらと歩き出した。
とんでもなく惨めな姿をしているのに、興奮はどんどん増していった。
自分の中の本能が恥ずかしげもなく溢れ出て来る。

自分が変態でも、今の晴生は許してくれる気がした。
俺にこんなことさせる晴生だって、変態だから。


【日当瀬晴生(天夜巽)】

もっと叩いていい?
俺の時は散々脅さないと強請ることなんてしないのに。

日当瀬に対して嫉妬が沸く。
俺はこの時我も忘れて、力いっぱい那由多の尻を叩いた。
パチン!と弾いたような音が廊下中に広がった。
それから、何発も那由多の尻を叩く。
悲鳴が上がっても全く耳に入って来なかった。
尻が真っ赤になったのを見てから我に返った。

「ごめ……すいません、千星さ…ん、千星さんが、…悪いんですよ、…俺を興奮させるから…」

なんとかごまかす様に言葉を掛ける。
そう告げるとチューブを引くようにして那由多より先に歩いていく。
多分俺は今酷い顔をしている。
それを那由多に見せたくなかったからだ。
感情に流されるなんて俺らしくもない、そう思い奥歯を噛みしめた。


【千星那由多】

「んあぁああッ!はるきッ…やッ…お尻ッ…きもち!きもちいぃ…!!イ、イく!!イっちゃう!!イっ、ちゃ……!!」

晴生は何度も何度も尻を叩いてくれた。
尻が熱を持ち、酷く熱い。
だけど嬉しくて、叩かれ続けてる間、泣き叫ぶように喘ぎ続ける。
痛い、痛いけれど快感だった。
吸引器の快感に新しい快感がプラスされると、俺は尻を叩かれながら射精していた。
チューブから出て来た精子に気づくと、吸い上げるように飲み込む。

「んぐ、は、ッ、あっ…ぅ……んーん……だいじょぶ…ッ」

息を荒げながら、謝ってくる晴生に微笑んだ。
謝らなくていいのに。俺が叩いてって言ったんだから。
晴生は優しい。優しくて大好きだ。
先に歩いて行く晴生について行くように、ふらふらと教室へと向かう。
吸引器を引っ張られるとまたイってしまいそうだった。
そして俺達の教室の前にやっとたどり着く。
早くご褒美が欲しい。そればかり俺は考えていた。


【日当瀬晴生(天夜巽)】

こんな那由多は知らない。
追い詰めた先なら分かるが、今日は俺はそこまで那由多を追い詰めていない。
日当瀬だからか?
日当瀬が相手だとこうなるのか?

俺の中の疑問が大きくなる。
冷静さが欠落してく。
駄目だ、駄目だと言い聞かせても俺の感情が言うことをきかない。
こうなったら、一番酷い方法で那由多を傷つけてやろう。

そう思うと心が少し落ち着いた。

俺達の教室まで来ると、迷いなく一番後ろの日当瀬の席へと向かう。
そして、制服を横に置き、バッテリーも他の生徒の机の上に置いた。

「千星さん…この、俺の、机を使って、一人で射精してみせて貰えますか?」

そう言うと俺はペニスの吸引器だけ、空気を入れる様に栓を回し取り外してやった。
そして、近くの机に尻を引っ掛ける様にして腰かけた。


【千星那由多】

教室の中に入ると、晴生の席に向かって行く。
いつも使用している教室に、こんな酷い姿で入るのは少し戸惑ってしまったが、晴生が入って行くのでちゃんとついて行った。
そして、晴生の席に向かうと、落とされた言葉に目を見開いた。
晴生の机を使って射精する?
そんな変態みたいなことできない…いや、今でも十分に変態だ。
でも晴生はお願いしてるんだ、机を使ってしてほしいんだ、俺に。

「ぅ、…へ…ッ…ぁ、あ……わ、……わかった…っ」

ペニスの吸引器が外され、外気に触れると痛みを感じたが、我慢する。
晴生が腰をかけたので、ちらりとそちらを向くと、俺を見ていた。
ゾクリと身体が震えると、興奮が高まって行く。

息を飲み爪先立ちで立つと、晴生の机の上にペニスを乗せた。
想像以上に恥ずかしかったが、それさえも促進剤となっていく。
そして、ゆっくり腰を振り始めた。

「あ、っは…はる…きの……ッつくえ……ッ」

晴生の机でこんなことをして、しかもそれを本人に見られているんだ。
ありえない程に脈が速くなると、徐にアナルに刺さっている尻尾を自分で抜き差しし始める。

「あッ…はるきッはるきッ…!イ、ぃ、気持ちッ…!イ、ィ、いっちゃ、イっちゃう…!」

ペニスを机に擦りつけるようにして激しく腰を振り乱しながら、身体を反らせる。
アナルの尻尾が前立腺を抉った瞬間に、吸引器の快感もペニスに集中すると、電気が流れたように身体が痙攣した。

「ひ、ぁ、あ、あぁあああぁッーーーーー!!」

俺と晴生しかいない教室に、自分の喘ぎ声が響く。
少ない体液が晴生の机に飛び散ると、いけない事をした気分になり少し心が痛んだ。


【日当瀬晴生(天夜巽)】

那由多の行動に嫌がると言う言葉は無かった。
進んで、俺に、いや、日当瀬に変態行為を見せつけている。
本当に那由多は日生瀬に言われたらなんでもやってしまうのだろう。

声を上げながら那由多が射精した。
日当瀬の机がべっとりと精液で汚れる。
それを見届けると俺は那由多の後ろに回った。
そして、那由多が動かしていた牛のしっぽを、那由多の手ごと握り締めると激しく動かしてやる。

「よくできました、千星さん。
そんな、変態な千星さんが、俺は大好きですよ…」

そこで一度言葉を切ってから、那由多の耳に唇を寄せた。
そして、アナルストッパーのついた牛のしっぽを一気に引き抜き、俺のペニスを奥まで突き入れていった。

「と、言うとでも思いました―――かっ…!」


【千星那由多】

ぐったりとしていると、持っていたしっぽを手の上から握りしめられる。
イった側から動かされると、身体がまた反り上がり声があがった。
そして、「変態な俺が大好き」と言われた事に、自然と涙がこぼれた。
嬉しかったのか、悲しかったのかはわからない。
ただ、「大好き」と言う言葉は、俺にとって一番晴生から欲しかった言葉だった。

「俺も……ッ大……――――あぅッ!!」

返事をしようと思った。俺も大好きだと。
しかし、そう告げる前に、無理矢理アナルへとペニスが挿入される。
いつもと違う、乱暴で無理矢理な挿入の仕方に、身体が震えた。
そしてその直後、耳元で告げられた言葉に、俺は一瞬にして目の前が暗くなった。

「はる……ッ…き…?」


【日当瀬晴生(天夜巽)】

「調子に…ッ、乗らないでください、千星さ…ッん、……こんな変態、好きになる訳ないでしょ?」

那由多の尻を引っ張る様にして机と距離を取らせ、顔を今、射精した精液の上へと埋める。
その間も奥をガツガツをついてやり、今の粗暴な気持ちのまま那由多の体を揺さぶった。

「はっ、舐めて…綺麗にしてください。こんな、きたない精液なんて、触りたくもないです。」

日当瀬の声で、口調で、那由多を傷つけていく。
そう、いつかこうなるんだと困惑させるように那由多を落としていく。
そうなれば俺から那由多は離れられないだろう?


【千星那由多】

乱暴に突き上げられながら落とされる言葉に、思考がうまく働かない。
ガンガンと机が壁にぶち当たる音が、教室に何度も響いた。

頭が混乱していく。
こんな変態好きになるわけないと言われた。
じゃあ、今までずっと抱いてくれていたのも、全部、全部、好きだとか、そーいうんじゃなくて。
無理矢理、嫌々やってたってことなのか?
机に顔を押し付けられると、俺の精子が顔についた。
力の無い眼差しでそれを見つめると、酷い悲しみが込み上げて来る。

そうだ、好きだったのは俺だけなんだ。
晴生は、こんな俺の事なんか好きなはずない。
巽とのセックスも切ることができない、こんな変態行為で喘ぐ、そんな俺を好きなわけないじゃないか。

「――ぅ、ッふ…ぐ…ッ……ぁ、アッ!ひっ……!!は、ッ……はる、き……ごめん…ごめんな、さぃ…!」

そう言うと机の上の精子を舐め取っていく。
絶望感と一緒に、快感も押し寄せてくると気が狂いそうだった。
顔中涙や鼻水でぐちゃぐちゃになりながら、震える舌でゆっくりと自分の精子を舐め取っていった。


【日当瀬晴生(天夜巽)】

謝罪をしながらも那由多は喘ぎ狂っていた。
日当瀬への罪悪感よりも快楽が優先されると言う変態だ。
それを見て興奮する俺も人のことを言えないだろう。
でも、これではっきりした。

那由多を縛り付ける為には快楽さえ与えておけばいい。
そうすれば何とか繋げて置くことができる。

ガツガツと奥を突き上げながら締まりの良いアナルを堪能していく。

「千星さん、…ッ、俺は貴方が、嫌いです、大嫌いです……は、それだけは、忘れないで…下さい。」

悪魔のように彼の耳元で囁く、それから耳たぶを甘く噛み、胸の吸引器を片方だけ無理矢理引き剥がした。


【千星那由多】

「ふ、あッ!…はるッ!はるきッ!ぅ、あ、んあッ!!」

酷く悲しい、なのに快感に負けてしまう。
いつもより激しい突き上げと吸引器の刺激、全ての快感が完全に俺を狂わせている。

一生懸命晴生の机を舐めているのに、激しすぎて舐め取ることができない。
それどころか、口から零れ落ちた唾液、涙や汗で、更に机が汚くなっていく。

晴生の口から大嫌いと言う言葉が漏れた。
胸の奥がぎゅぅっと締め付けられ、苦しくなる。
知っている。もうわかってる。
晴生は、こんな俺の事なんか大嫌いで、一生好きになってくれないことも。
俺は、大好きで、大好きで…。
そんな事など告げれるはずもなく、吸引器が引きはがされると叫び声が教室に響いた。

「いだいぃぃッ!ちぎれッ、ちぎれるっ、ぅうう!!!」

気を失ってしまいそうな痛みに目を剥きながら叫んだ。
もう限界だ、もうこのままだとイってしまう。

「ぅ、はるきッ…イぐ…いッ、いぎぞぉ…ッごめん、…ごめ、…なさ…ッ」

多分イけばまた嫌われるんだろう。でももう無理だ。
意味が分からないほどに気持ち良すぎて我慢ができない。


【日当瀬晴生(天夜巽)】

「……は、俺も、……イ、きます……しっかり、締め付けて、下さいねッ――ッ!!」

教室内に響き渡る悲鳴、水音。
慣れ親しんだ場所で不埒な行為を行うことが快楽へと変わる。
そして、那由多は俺のことを日当瀬だと思ったままだ。

このまま背徳と快楽を植え付けてやる。

俺は那由多の奥を突き上げながら最後の吸引器を引き剥がす。
体を撓る様に絶叫する那由多を見ながら、アナルからペニスを引き抜き、俺も日当瀬の机に精液を掛けた。
肩で呼吸を繰り返す程興奮してしまっていることに少し驚いた。

「ますます、汚れちゃいましたね、俺の机…。
聞いてます?千星さん…?」


【千星那由多】

「ん゛――――ッあ゛ぁあ゛ああああぁ!!!!!」

もう片方の吸引器を引き剥がされると、再び俺は痛みに叫んだ。
いや、痛くないんだ。ありえない程に気持ちがいい。

そして、絶叫とともに射精すると、身体が動かなくなり、声も上がらなくなった。
机の冷たい感触が無くなって行き、視界がどんどん暗くなっていく。
ゆっくり堕ちて行く意識の中で、晴生の声だけが響いていた。


「―――――ッ!!!」

目が覚めると仮眠室のベッドだった。
酷い汗だが服はちゃんと着ている。
しかし、胸の痛みは微かに残っており、イった後俺は意識を失ってしまったのだとわかった。
時刻はあれから3時間ほど経過している。
……夢ではない。

頭が覚醒していくと、さっきまでの行為が溢れ出て来るように思い出されてくる。
あれは晴生じゃなかった、巽だ。
だけど、だけどだけどだけど。

そう思うと突如嘔吐感が込み上げて来る。
まずいと思い仮眠室を出ると、急いでトイレへと駆け込んだ。

「うッ、――――おえぇえッ!!!」

精神的な物か肉体的な物かはわからなかったが、胃液が便器へと音を立てて落ちる。
震える手で口を拭うと、生理的ではない涙が頬を濡らしていくのがわかった。

自分の身体が、頭が、おかしいこと。
そして、偽物の晴生に言われた「大嫌い」と言う言葉。
全部がのしかかって頭の中が揺れる。
錯覚だ、嘘だ。と思っても、震えは止まらない。
巽とこれ以上酷い行為を続けていれば、あの言葉がいつか本当になるかもしれない。
本当に、大嫌いだと、言われる日がくるかもしれない。

「ぅ、ふ……ひぐッ…………はる、……き………ッごめん……ごめ………」

泣き咽び晴生の名前を呼ぶ声だけが、ただ悲しく反響していた。


END
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