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過去編(三角関係・攻めが片想いで鬼畜なので注意)
隠蔽①
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乳首責め 吸引機 陰嚢責め 全身タイツ
【千星那由多】
三木さんの誕生日パーティが終わり、窮屈な星の仮装から着替えようと仮眠室へと向かった。
とんでもなく変な格好をさせられたが、三木さんが喜んでくれたから良しとしよう。
本当に副会長はこういう用意はいつでもバッチリだ。
今日は大変だったなと思い返しながら頭に被った星の被り物を脱ぐ。
そう言えばあの彦星が晴生だったとは気づかなかった。
髪色も黒で長い前髪もあげてたし、目の色も違うとあんなにわからないものか。
確かにあいつなら見た目だけでも優勝するだろうな。
ネクタイも誰にとられたかわからず終いにならずによかった。
借り物競争の時の光景が頭に浮かびあがる。
あの時の借り物が、「好きな人の私物を借りる」だったことがずっと引っ掛かっていた。
多分あいつの事だから、尊敬=好き、という考えなんだろうけど、それでも「好きな人」が俺だと言うことを考えると、顔が熱くなってしまう。
思わずにやける顔を叩きながら頭を振った。
こう言う事は期待しちゃダメだ。すぐ調子に乗ってしまう。
けれど考えるだけで胸が高鳴り、体中がくすぐったい。
そんな事を考えていると、誰かがドアを開けたのがわかった。
まさかこのタイミングで晴生が来たか?
俺はゆるんでいる頬を両手で抑えながら、そちらへと目をやる。
そこに居たのは晴生ではなく、巽だった。
思わず息が引き攣り、視線を背けた。
【天夜巽】
「なに、にやにやしてたの。那由多。」
俺が仮眠室に入った瞬間に那由多は視線を逸らした。
と、言うことは何か俺に対してでは無いことで浮かれていたと言うことだ。
最近二人きりになると那由多はこんな雰囲気になる。
本当は、俺と二人きりになりたくて仕方ないくせに。
そう、自分に言い聞かせると俺はゆっくりといつもの笑みを浮かべて那由多に近づいた。
更に那由多は後ろに下がって行ったので、溜息を吐いた。
「もしかして、日当瀬のこと?借り物競走の事とか?」
どうやら俺が言った言葉は間違えなかったようで那由多の肩がぴくっと動いた。
ますます面白くない。
その時後ろから足音が聞こえたので俺は那由多を奥のベッドに引っ張り込んだ。
そしてカーテンを閉める。
「千星さん。居ますか?」
律儀に仮眠室の外から声を掛けてきたのは日当瀬だった。
「那由多、ちゃんと応答しなよ。勿論、俺が居るのは秘密ね。」
そう言って、俺は那由多を後ろから抱きしめると首筋を舐めた。
全身タイツの為舐めれる部分は少なかったけど。
那由多が声を掛けたので日当瀬が入ってきた。
そのまま手を股間の位置に伸ばし、タイツの上から軽く揉んで行く。
那由多の体が硬直していくのは楽しかった。
「すいません、ネクタイ返しそびれていて。今、お着換え中ですか?」
カーテン越しに日当瀬が話しかけてきたので俺は、そのネクタイを取る様に促した。
【千星那由多】
このタイミングで巽とか、本当に俺は運が無い。
そもそもなんで入ってくるんだよ。
別に男同士だから見られてもかまわないが…巽だと別だ。
寄ってくる巽から逃げるように室内の奥へと入っていく。
どうやら俺がにやついていた件もバレバレみたいだった。
「…どーでもいいだろ、お前には関係――」
その瞬間にベッドへと引っ張られ、カーテンを閉められた。
やめろと言おうとした瞬間、室外から声が聞こえる。
「千星さん。居ますか?」
その声は晴生だった。背筋が凍っていくのがわかる。
ちゃんと応答しろと言われ首筋を舐められると、身動きが取れなくなった。
今ここに巽がいるだなんてもちろん言えるわけがない。
股間を触られると身体が小さく跳ねる。
押しのけてしまえば、もっと酷いことをされるだろう。
力無い声で晴生に返事をすると、静かに室内に入ってきたのがわかった。
カーテンの向こうに晴生の影が映るのが、居た堪れない。
「すいません、ネクタイ返しそびれていて。今、お着換え中ですか?」
このタイミングでネクタイか…。
巽が弄っている手を軽く抑え込みながら、小さく返答した。
「う、うん…今入らないで…くれ。そこに置いと…」
適当な場所に置いといてくれと言おうとした瞬間に、巽がぎゅっとペニスを掴んだ。
「――――ッ!!!…あ、えと…カーテンの、隙間から…渡し、て」
こういう事を望んでいることはわかってる。
息を詰まらせながらそう言うと、晴生のネクタイを掴んだ手が入ってきた。
そのまま軽く手に触れると、思わずビクリと反応してしまったが、掴みとるようにネクタイを受け取った。
「ごめん…」
なんで謝っているのかは晴生はわからないだろう。
しかし中々晴生は部屋から出ていこうとしない。
できれば早く出ていってほしいのに。
「…す、好きな人とか迷惑でしたよね!」
暫くお互い押し黙っていたが、突然晴生が声をあげた。
「せ、千星さんしか思いつかなくて…すいません!!」
その言葉にこんな状況でも胸が高鳴ってしまう。
顔が熱くなっていき、自然と口角があがってしまうのを片手で抑え込んだ。
巽はその間も股間を弄る手を止めなかった。
何か晴生に言い返さなければと思ったが、また変なことを言うと巽の反感を買ってしまうだろうと思い、そのままじっと押し黙っておく。
本心はとてつもなく嬉しいんだ。
今すぐ、カーテンの向こうにいる晴生を抱きしめたい。
「えっと……ご、ご協力ありがとうございました!!じ、じゃあゆっくり着替えてください!!!」
俺が何も言わないのがわかったのか、そのまま晴生は走る様に部屋を出て行った。
口元を抑えていた手を離すと、安堵なのか寂しさなのかわからないため息が漏れた。
今ここで浮かれていてはだめだ。
「っ……晴生出てったし…もういいだろ」
後ろにいる巽を剥がす様に肘で押しやった。
【天夜巽】
日当瀬が入ってきてからの那由多は口角が緩みっぱなしだった。
俺が居る緊張も、日当瀬が居るだけで弱まってしまうようだ。
本当に面白くない。
優しいセックスじゃ満足できない癖に。
「っ……晴生出てったし…もういいだろ」
那由多の言葉とともに肘で追いやられる。
この素直にならない態度は本当にどうにかして欲しいな。
俺はそのまま那由多の自由を奪うように体を後ろから抱きしめた。
「ねぇ、日当瀬とのセックスで満足できてるの?」
冷たさを含む声で言い放ちながら那由多をこちらに向かせるようにしてベットへと倒す。
那由多の背中をベッドに押さえ付ける様にしながら枕もとに置いてある小箱へと手を伸ばした。
ここには救急道具しか入ってない筈なのだが開けると色々なモノが入っていた。
なんとなくこれを仕込んだ人物は分かる。
と、言うか「ご自由」にと張り紙までされていた。
「へぇ。那由多、今日も愉しいこといっぱいできそうだよ。」
ベッドヘッドに長めの鎖を巻き付けて、それに付いている手錠を那由多の手首に嵌める。
そして中からハサミを取り出してアナルの部分だけ切り裂いていく。
「動いちゃ駄目だよ…危ないから、切れたら怖いでしょ?ほら?」
そのままハサミをタイツの中へと忍ばせ刃とは反対側でペニスをなぞる。
そして、陰毛を挟み毟る様にしてハサミを引っ張り抜いた。
刃に陰毛を絡みつけたまま那由多の視界の前に晒す。
その間にも親指でアナルの入口をぐるっと円を描くように押してやった。
【千星那由多】
俺が拒むと巽は逆に抱きしめてきた。
もう…逃げれないだろう。
こいつが部屋に入って来た時点で半ば諦めている。
それでも抗いたい気持ちは抜けきらない。
「ねぇ、日当瀬とのセックスで満足できてるの?」
冷たく落とされる声に身体が硬直した。
どうしてこいつはいつも俺の心を抉るようなことを言ってくるんだろうか。
見透かされているようなそんな感覚に、気分が悪くなってくる。
その間にベッドに押し倒されると、力無く巽を睨んだ。
「…もう……終わ……ッ!」
言いかけた瞬間に、巽が救急箱から手錠のようなものを取りだした。
なぜこんなものがあそこに入っているかはわからない。
そう言えば晴生も良くあの中から何かを出していたのを思い出す。
…同じ場所で巽に犯されるなんて、滑稽すぎるな俺。
身体や言葉で抵抗しても、何故だか今日はどこか冷静な自分がいた。
何をしても同じなんだ。巽には勝てやしない。
巽はハサミで全身タイツのアナルの部分を切り裂き始めた。
冷たい刃が触れると、身体が震え、陰毛を毟られるように引きちぎられると、痛みに顔が歪んだ。
「――――ッ…!!」
晒されるハサミの向こう側の巽を見据える。
抵抗しても、キレても、こいつは行為をやめてくれなかった。
でも、俺は晴生が好きなんだ。
本当にやめてもらわないと、いつか絶対に後悔する日が来るはずだ。
「…巽っ……もう…こ、今回で…終わりにしてくれ…俺がお前に、力でも言葉でも逆らえないのわかってんだろ?
もう嫌なんだよ俺……お前にこんなことされんの……ちゃんとした親友に戻ろう…お願いだ…」
身体は強張り声は微かに震えていたが、巽を落ち着かせるように言葉を落としていった。
【天夜巽】
今、なんて言った。
今回で終わり?
親友に戻りたい?
的外れな那由多の言葉に俺は大きく首を傾げた。
「んー。意味が分からないな…那由多。
こんな関係でも俺はちゃんとした親友だと思ってるけど?」
アナルだけ切り開いたのでペニスはまだタイツの中に隠れたままだ。
また、タイツの中にハサミを忍ばせ陰毛を毟っていく。
那由多が暴れないように足の間に入り片方の内腿を開かせるようにしてぐっと上から押し付けた。
「逆にさ。那由多のちゃんとした親友って何?一緒に学校言って、一緒に昼飯食べて?
それじゃあ、今と変わらない。
今はそれにセックスもついてるんだから、良い親友になれてると思うよ。」
既に俺には那由多の意見を聞く耳なんて無い。
これが最後なんて聞き入れられる筈もない。
那由多を手放すなんて俺には考えられなかった。
たとえ那由多の気持ちが日当瀬に向いているとしても俺には関係ない。
ペタペタとハサミの刃を那由多のペニスに当てて俺は言葉をつづった。
「変なこと言ってごめんなさい、って謝ってよ、那由多。」
まずは謝罪。
その後はどうしようか。
それよりもまず、ちゃんと謝れるかどうかを見ないといけない。
俺はジッと那由多を見下ろしながら笑みを浮かべた。
【千星那由多】
巽は不思議そうな顔で返答してくる。
俺の言っている意味をわかろうとしていないと言うより、本当にこの関係が正しいと思っているみたいだった。
その間も陰毛もハサミで毟られると、痛みで顔が歪む。
「…ッ……ぅ、…セックスしてる親友が…おかしい、…ッて言ってるんだよ……」
まったく聞く耳を持ってくれないのはわかってはいたが、どうすれば巽から逃れられるのだろうか。
もう道は無いのか?
ずっとこの関係を続けていくつもりなのか?
いつもいつもそうやって考えても、身体や力では抗えない自分が嫌だ。
ペニスに触れるハサミの刃に身体が強張り、息を飲んだ。
容赦なく綴られた謝罪を要求する言葉に視線を伏せる。
「…変…な………のはお前だろ…」
唇を噛みしめながら小さく呟いた。
「お願いだからっ…!本当に、もう、終わろう……身体も、…心も、辛くて痛いのは、もう嫌だ…」
怖かったが、巽の顔へと視線を向ける。
俺の心の底からの叫びだ。
もう本当に嫌なんだ。
身体も心も傷つけられて、何を言っても伝わらないこの関係が。
こんなの、おかしすぎるんだよ。
【天夜巽】
「お願いだからっ…!本当に、もう、終わろう……身体も、…心も、辛くて痛いのは、もう嫌だ…」
そう聞いた瞬間俺の中で何かが崩れた。
俺は既に分かっていたんだ、この関係がおかしいことを。
この関係を続けてはいけないことを。
でも、もう戻れない。
ここまで白を切って、那由多を自分に染めたのに、はいそうですか、と手を引くことは俺には出来なかった。
そうするときはきっと友達にも戻れないだろう。
その覚悟も俺には無いんだ。
「……本当に、酷いことをおねだりするのが那由多は上手だね。」
狂気染みた笑いを浮かべた俺はそのままアナルにハサミを突っ込んだ。
先端が丸まっている上、そんなに大きなものではないので意外と簡単に那由多のアナルは呑みこんで行った。
「今度余計なこと言ったら、中でハサミ開くからね?」
そう言って俺はハサミを奥まで突っ込んだまま救急箱から吸引器を取り出す。
詳しくは知らないがきっと乳首を吸引するものだろう。
タイツを破ろうかとも思ったが生憎ハサミは那由多の中だ。
仕方が無いのでタイツの上から乳首にその吸引器を当てた。
「今日はこれで、遊ぼうか、那由多」
そう言うと俺はポンプの部分を何度も押し、中の空気をどんどん抜いて行った。
自然に恐怖の色に染まる那由多の表情から感じるのは興奮だけ。
いや、興奮以外は感じないようにしていた。
もう、ここまで来たら引き返せない。
俺は那由多を手放したくは無かったからだ。
【千星那由多】
三木さんの誕生日パーティが終わり、窮屈な星の仮装から着替えようと仮眠室へと向かった。
とんでもなく変な格好をさせられたが、三木さんが喜んでくれたから良しとしよう。
本当に副会長はこういう用意はいつでもバッチリだ。
今日は大変だったなと思い返しながら頭に被った星の被り物を脱ぐ。
そう言えばあの彦星が晴生だったとは気づかなかった。
髪色も黒で長い前髪もあげてたし、目の色も違うとあんなにわからないものか。
確かにあいつなら見た目だけでも優勝するだろうな。
ネクタイも誰にとられたかわからず終いにならずによかった。
借り物競争の時の光景が頭に浮かびあがる。
あの時の借り物が、「好きな人の私物を借りる」だったことがずっと引っ掛かっていた。
多分あいつの事だから、尊敬=好き、という考えなんだろうけど、それでも「好きな人」が俺だと言うことを考えると、顔が熱くなってしまう。
思わずにやける顔を叩きながら頭を振った。
こう言う事は期待しちゃダメだ。すぐ調子に乗ってしまう。
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そんな事を考えていると、誰かがドアを開けたのがわかった。
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俺はゆるんでいる頬を両手で抑えながら、そちらへと目をやる。
そこに居たのは晴生ではなく、巽だった。
思わず息が引き攣り、視線を背けた。
【天夜巽】
「なに、にやにやしてたの。那由多。」
俺が仮眠室に入った瞬間に那由多は視線を逸らした。
と、言うことは何か俺に対してでは無いことで浮かれていたと言うことだ。
最近二人きりになると那由多はこんな雰囲気になる。
本当は、俺と二人きりになりたくて仕方ないくせに。
そう、自分に言い聞かせると俺はゆっくりといつもの笑みを浮かべて那由多に近づいた。
更に那由多は後ろに下がって行ったので、溜息を吐いた。
「もしかして、日当瀬のこと?借り物競走の事とか?」
どうやら俺が言った言葉は間違えなかったようで那由多の肩がぴくっと動いた。
ますます面白くない。
その時後ろから足音が聞こえたので俺は那由多を奥のベッドに引っ張り込んだ。
そしてカーテンを閉める。
「千星さん。居ますか?」
律儀に仮眠室の外から声を掛けてきたのは日当瀬だった。
「那由多、ちゃんと応答しなよ。勿論、俺が居るのは秘密ね。」
そう言って、俺は那由多を後ろから抱きしめると首筋を舐めた。
全身タイツの為舐めれる部分は少なかったけど。
那由多が声を掛けたので日当瀬が入ってきた。
そのまま手を股間の位置に伸ばし、タイツの上から軽く揉んで行く。
那由多の体が硬直していくのは楽しかった。
「すいません、ネクタイ返しそびれていて。今、お着換え中ですか?」
カーテン越しに日当瀬が話しかけてきたので俺は、そのネクタイを取る様に促した。
【千星那由多】
このタイミングで巽とか、本当に俺は運が無い。
そもそもなんで入ってくるんだよ。
別に男同士だから見られてもかまわないが…巽だと別だ。
寄ってくる巽から逃げるように室内の奥へと入っていく。
どうやら俺がにやついていた件もバレバレみたいだった。
「…どーでもいいだろ、お前には関係――」
その瞬間にベッドへと引っ張られ、カーテンを閉められた。
やめろと言おうとした瞬間、室外から声が聞こえる。
「千星さん。居ますか?」
その声は晴生だった。背筋が凍っていくのがわかる。
ちゃんと応答しろと言われ首筋を舐められると、身動きが取れなくなった。
今ここに巽がいるだなんてもちろん言えるわけがない。
股間を触られると身体が小さく跳ねる。
押しのけてしまえば、もっと酷いことをされるだろう。
力無い声で晴生に返事をすると、静かに室内に入ってきたのがわかった。
カーテンの向こうに晴生の影が映るのが、居た堪れない。
「すいません、ネクタイ返しそびれていて。今、お着換え中ですか?」
このタイミングでネクタイか…。
巽が弄っている手を軽く抑え込みながら、小さく返答した。
「う、うん…今入らないで…くれ。そこに置いと…」
適当な場所に置いといてくれと言おうとした瞬間に、巽がぎゅっとペニスを掴んだ。
「――――ッ!!!…あ、えと…カーテンの、隙間から…渡し、て」
こういう事を望んでいることはわかってる。
息を詰まらせながらそう言うと、晴生のネクタイを掴んだ手が入ってきた。
そのまま軽く手に触れると、思わずビクリと反応してしまったが、掴みとるようにネクタイを受け取った。
「ごめん…」
なんで謝っているのかは晴生はわからないだろう。
しかし中々晴生は部屋から出ていこうとしない。
できれば早く出ていってほしいのに。
「…す、好きな人とか迷惑でしたよね!」
暫くお互い押し黙っていたが、突然晴生が声をあげた。
「せ、千星さんしか思いつかなくて…すいません!!」
その言葉にこんな状況でも胸が高鳴ってしまう。
顔が熱くなっていき、自然と口角があがってしまうのを片手で抑え込んだ。
巽はその間も股間を弄る手を止めなかった。
何か晴生に言い返さなければと思ったが、また変なことを言うと巽の反感を買ってしまうだろうと思い、そのままじっと押し黙っておく。
本心はとてつもなく嬉しいんだ。
今すぐ、カーテンの向こうにいる晴生を抱きしめたい。
「えっと……ご、ご協力ありがとうございました!!じ、じゃあゆっくり着替えてください!!!」
俺が何も言わないのがわかったのか、そのまま晴生は走る様に部屋を出て行った。
口元を抑えていた手を離すと、安堵なのか寂しさなのかわからないため息が漏れた。
今ここで浮かれていてはだめだ。
「っ……晴生出てったし…もういいだろ」
後ろにいる巽を剥がす様に肘で押しやった。
【天夜巽】
日当瀬が入ってきてからの那由多は口角が緩みっぱなしだった。
俺が居る緊張も、日当瀬が居るだけで弱まってしまうようだ。
本当に面白くない。
優しいセックスじゃ満足できない癖に。
「っ……晴生出てったし…もういいだろ」
那由多の言葉とともに肘で追いやられる。
この素直にならない態度は本当にどうにかして欲しいな。
俺はそのまま那由多の自由を奪うように体を後ろから抱きしめた。
「ねぇ、日当瀬とのセックスで満足できてるの?」
冷たさを含む声で言い放ちながら那由多をこちらに向かせるようにしてベットへと倒す。
那由多の背中をベッドに押さえ付ける様にしながら枕もとに置いてある小箱へと手を伸ばした。
ここには救急道具しか入ってない筈なのだが開けると色々なモノが入っていた。
なんとなくこれを仕込んだ人物は分かる。
と、言うか「ご自由」にと張り紙までされていた。
「へぇ。那由多、今日も愉しいこといっぱいできそうだよ。」
ベッドヘッドに長めの鎖を巻き付けて、それに付いている手錠を那由多の手首に嵌める。
そして中からハサミを取り出してアナルの部分だけ切り裂いていく。
「動いちゃ駄目だよ…危ないから、切れたら怖いでしょ?ほら?」
そのままハサミをタイツの中へと忍ばせ刃とは反対側でペニスをなぞる。
そして、陰毛を挟み毟る様にしてハサミを引っ張り抜いた。
刃に陰毛を絡みつけたまま那由多の視界の前に晒す。
その間にも親指でアナルの入口をぐるっと円を描くように押してやった。
【千星那由多】
俺が拒むと巽は逆に抱きしめてきた。
もう…逃げれないだろう。
こいつが部屋に入って来た時点で半ば諦めている。
それでも抗いたい気持ちは抜けきらない。
「ねぇ、日当瀬とのセックスで満足できてるの?」
冷たく落とされる声に身体が硬直した。
どうしてこいつはいつも俺の心を抉るようなことを言ってくるんだろうか。
見透かされているようなそんな感覚に、気分が悪くなってくる。
その間にベッドに押し倒されると、力無く巽を睨んだ。
「…もう……終わ……ッ!」
言いかけた瞬間に、巽が救急箱から手錠のようなものを取りだした。
なぜこんなものがあそこに入っているかはわからない。
そう言えば晴生も良くあの中から何かを出していたのを思い出す。
…同じ場所で巽に犯されるなんて、滑稽すぎるな俺。
身体や言葉で抵抗しても、何故だか今日はどこか冷静な自分がいた。
何をしても同じなんだ。巽には勝てやしない。
巽はハサミで全身タイツのアナルの部分を切り裂き始めた。
冷たい刃が触れると、身体が震え、陰毛を毟られるように引きちぎられると、痛みに顔が歪んだ。
「――――ッ…!!」
晒されるハサミの向こう側の巽を見据える。
抵抗しても、キレても、こいつは行為をやめてくれなかった。
でも、俺は晴生が好きなんだ。
本当にやめてもらわないと、いつか絶対に後悔する日が来るはずだ。
「…巽っ……もう…こ、今回で…終わりにしてくれ…俺がお前に、力でも言葉でも逆らえないのわかってんだろ?
もう嫌なんだよ俺……お前にこんなことされんの……ちゃんとした親友に戻ろう…お願いだ…」
身体は強張り声は微かに震えていたが、巽を落ち着かせるように言葉を落としていった。
【天夜巽】
今、なんて言った。
今回で終わり?
親友に戻りたい?
的外れな那由多の言葉に俺は大きく首を傾げた。
「んー。意味が分からないな…那由多。
こんな関係でも俺はちゃんとした親友だと思ってるけど?」
アナルだけ切り開いたのでペニスはまだタイツの中に隠れたままだ。
また、タイツの中にハサミを忍ばせ陰毛を毟っていく。
那由多が暴れないように足の間に入り片方の内腿を開かせるようにしてぐっと上から押し付けた。
「逆にさ。那由多のちゃんとした親友って何?一緒に学校言って、一緒に昼飯食べて?
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既に俺には那由多の意見を聞く耳なんて無い。
これが最後なんて聞き入れられる筈もない。
那由多を手放すなんて俺には考えられなかった。
たとえ那由多の気持ちが日当瀬に向いているとしても俺には関係ない。
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「変なこと言ってごめんなさい、って謝ってよ、那由多。」
まずは謝罪。
その後はどうしようか。
それよりもまず、ちゃんと謝れるかどうかを見ないといけない。
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【千星那由多】
巽は不思議そうな顔で返答してくる。
俺の言っている意味をわかろうとしていないと言うより、本当にこの関係が正しいと思っているみたいだった。
その間も陰毛もハサミで毟られると、痛みで顔が歪む。
「…ッ……ぅ、…セックスしてる親友が…おかしい、…ッて言ってるんだよ……」
まったく聞く耳を持ってくれないのはわかってはいたが、どうすれば巽から逃れられるのだろうか。
もう道は無いのか?
ずっとこの関係を続けていくつもりなのか?
いつもいつもそうやって考えても、身体や力では抗えない自分が嫌だ。
ペニスに触れるハサミの刃に身体が強張り、息を飲んだ。
容赦なく綴られた謝罪を要求する言葉に視線を伏せる。
「…変…な………のはお前だろ…」
唇を噛みしめながら小さく呟いた。
「お願いだからっ…!本当に、もう、終わろう……身体も、…心も、辛くて痛いのは、もう嫌だ…」
怖かったが、巽の顔へと視線を向ける。
俺の心の底からの叫びだ。
もう本当に嫌なんだ。
身体も心も傷つけられて、何を言っても伝わらないこの関係が。
こんなの、おかしすぎるんだよ。
【天夜巽】
「お願いだからっ…!本当に、もう、終わろう……身体も、…心も、辛くて痛いのは、もう嫌だ…」
そう聞いた瞬間俺の中で何かが崩れた。
俺は既に分かっていたんだ、この関係がおかしいことを。
この関係を続けてはいけないことを。
でも、もう戻れない。
ここまで白を切って、那由多を自分に染めたのに、はいそうですか、と手を引くことは俺には出来なかった。
そうするときはきっと友達にも戻れないだろう。
その覚悟も俺には無いんだ。
「……本当に、酷いことをおねだりするのが那由多は上手だね。」
狂気染みた笑いを浮かべた俺はそのままアナルにハサミを突っ込んだ。
先端が丸まっている上、そんなに大きなものではないので意外と簡単に那由多のアナルは呑みこんで行った。
「今度余計なこと言ったら、中でハサミ開くからね?」
そう言って俺はハサミを奥まで突っ込んだまま救急箱から吸引器を取り出す。
詳しくは知らないがきっと乳首を吸引するものだろう。
タイツを破ろうかとも思ったが生憎ハサミは那由多の中だ。
仕方が無いのでタイツの上から乳首にその吸引器を当てた。
「今日はこれで、遊ぼうか、那由多」
そう言うと俺はポンプの部分を何度も押し、中の空気をどんどん抜いて行った。
自然に恐怖の色に染まる那由多の表情から感じるのは興奮だけ。
いや、興奮以外は感じないようにしていた。
もう、ここまで来たら引き返せない。
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