イケメン幼馴染の執着愛が重すぎる

さくらんこ

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過去編(三角関係・攻めが片想いで鬼畜なので注意)

悲しいキス①

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【千星 那由多】


会長のサプライズ誕生日を終え、テントへ戻ったものの、昼間に食べたカレーの辛さが舞い戻ってきたせいか中々寝付けなかった。
辛さはだいぶ引いて来たけれど、完全に目は覚めてしまっていた。

同じテントで寝ている巽は静かな寝息を立てていた。
料理はうまいくせにコイツは結構な味音痴だ。
遅効性の辛さでうなされる様子もまったくなかったようだ。

それにしても…この三日間一緒のテントなわけだが、珍しくなにも仕掛けては来ない。
さすがに巽でも、こんな場所で俺を襲ったりすることはないんだろう。
二人きりのテントになると聞いた時は恐ろしかったが、何事もなく林間学校を終えることができそうだった。 

寝返りを繰り返しながらモゾモゾとしていると、外でカチッカチッと音が聞こえた。
小さな音だったので、何の音かわからなかったが、その音と共にぼんやりと灯りが灯っている。
テントの小窓を捲り上げ覗くと、煙草の煙と小さな火が見えた。
そしてその煙草を咥えている人物は晴生だった。

「晴生…」

ぽつりと呟いたその声でも俺だと気づいたのか、煙草を吸っている晴生がバッとこちらを向いた。

「千星さん、起きてたんですか」

一瞬にして彼は優しい笑顔になった。
それにつられて俺も思わず頬が緩む。
辺りは真っ暗だったので、晴生の顔は煙草の火で微かに見える程度だった。
慌てて煙草を消そうとしてたが、「見えなくなるからいい」と制止させる。

暗がりで晴生の顔を見ると、なんだかこの間の行為を思い出してしまいそうになった。
少し距離を開けて晴生が近くのイスへと腰をかける。
夜中だったのであまり声を出すと先生にバレてしまうかもしれないので、暫く無言の時間が続いた。 


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【天夜 巽】


横で那由多が動く気配がした。
テントから顔を出して誰かと話しているようだ。
と、言っても那由多がこんな時間に顔だけだして会話する人物なんて限られている。
テント越しに小さな光が見えたのでそれが日当瀬だと直ぐ分った。

会話と言っても、お互い、ぽつりぽつりと話す程度でまるで、付き合いたてのカップルのようだった。
それが気に食わなかった俺はいいことを思いついた。

そろそろ、那由多を犯してあげなきゃと、思ってたので調度良い。
那由多も破廉恥なので誰かの前で犯される方が萌えるだろう。

俺は頭のところに置いていた歯ブラシを手に持つ。
これは、風呂で入れ違いになった日当瀬の歯ブラシ。
朝返そうと思ってたんだけど、ありがたく使わせて貰うことにする。
那由多は外に必死なのかこちらに気づいてない。
俺は、寝袋から静かにでると歯ブラシに歯磨き粉を付けて那由多の直ぐ後ろまで這うように近づく。
そして、ジャージに手を掛けると一気に膝の辺りまでずりおろし、片手で双丘を割り開くようにして、
歯磨き粉の付いた歯ブラシでアナル付近をごしごしと磨き始める。

たぶん、何も言わなくても、逆らったらどうなるかはもう分かっているだろう。
突きだす様にして外に押し出してやる。

「千星さんも辛くて眠れなかったんですね、俺も一緒です。」

控え目な日当瀬の声が外から響いた。 


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【千星 那由多】


顔を外に出して煙草を吹かす晴生の横顔を見ていた。
そう言えばこいつは俺の前であまり煙草を吸わない。
気を使ってるのだろうか。

何を喋っていいかわからずに、そんなことをつらつらと考えていると、背後で気配がした。
その気配と同時に下半身が寒くなる。

一気に恐怖と共に心臓が跳ね上がった。

巽だ。
ズボンを脱がされている。
調度俺は四つん這いになっている状態だったので、この後何が起きるか安易に想像できてしまった。
表情が歪んだが、晴生には見えていないのが幸いだった。

震えが起き、目が泳ぎだす。
抵抗すればいいのに、今この状況で下手に抵抗したら晴生にバレてしまう。
冷や汗が伝ったと同時に、アナルに付近に何か硬いものを宛てられた。

「ッ!!!」

大きさや硬さからしてペニスや指ではない、それはアナルの周りを擦るように動かされていく。
更に窓の外へ軽く押し出されると、「抵抗しないで続けろ」という意味だと瞬時にわかってしまった。

「千星さんも辛くて眠れなかったんですね、俺も一緒です。」

「ッ…ん、……そ、だな…っ」

晴生の言葉に違和感のある声をあげてしまう。
堪えるように地面に着いている両手をぐっと握りしめた。

擦られている部分がどんどん冷たくなってくる。
その感覚でなんとなくわかってしまった。
多分、歯磨き粉か何かを付けられて歯ブラシで擦られているんだ。
ザリザリと容赦なく擦ってくるそれに眉を顰めながら俯いていると、晴生が異変に気付いたのか心配そうに声をかけた。

「どうしました?まだ辛いですか?」

その言葉を今の状況と照らし合わせて泣きそうになってしまうが、無理な笑顔を晴生へと向けた。

「い、いや…あ……うん…ッちょっと…まだ…から、い……ッ」

強弱をつけて擦られていると、アナルが無意識にひくついてしまう。
喉から漏れてしまいそうになる痛みの声を必死で我慢した。
どうにかしなければならない、けれどここで晴生を無理に帰したら巽はこの行為をバラすだろう。

晴生が煙草を吸い終わるまで我慢…するしかない。 


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【天夜 巽】


俺の意図を汲んでくれたようで那由多は日当瀬を帰したりしなかった。
周りはあらかた泡立て終わった。
次は中か、と、思ったがいきなり歯ブラシを突っ込むのは芸が無い。
俺は暫く、那由多のアナル近辺を満遍なく泡立てながら何をしようかと考える。

不意に歯磨き粉のチューブが目に入った。
まずはこれからと思い、勢いよく蓋を開けたままのチューブを真ん中辺りまで押し込む。
ぎゅっと根元の方を押しこむと中に歯磨き粉が挿入されたようだ。
そのまま、馴染ませるようにチューブを抜き差しする。
有る程度馴染むと、全て隠れるくらいまで押し込んで行った。
アナルから少しだけ歯磨き粉が見えるくらいまで押し込むと手を離す。

そして、俺は自分の塩粒入りの歯磨き粉を取り出すと、また歯ブラシに付け、今度は陰嚢や蟻のとわたり、裏筋の辺りを擦り上げていく。
勿論序盤なのでなるべく穏やかな手つきで擦り上げた。
最後は敏感な先端部も満遍なく磨いていっている。
尿道に歯先を押し込むようにしてぐるりと回してやった。

「大丈夫ですか?水でも持ってきましょうか…?」

日当瀬の心配そうな声がする。
こんな声は那由多にしか出さない。
それが、今は疎ましく感じた。 


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【千星 那由多】


「っ…は……」

つい息が漏れてしまう。
晴生は心配そうに俺を見ていた。
あまりこちらを見ないで欲しかったが、晴生は辛さで俺が苦しみ始めたとしか思っていないだろう。
アナル付近は歯ブラシと歯磨き粉のせいで、泣きそうなぐらいにヒリヒリし始めていた。

「ほんと…っあのカレー……か、ら…っ!!!」

何かを喋っていた方が気がまぎれるかと思い、喋り始めた途端に何かを突っ込まれた。
ヒヤリとした感触に声が詰まり、無理矢理ねじ込まれたそれがなんなのかわからない。
腸壁が酷く痛み、思わず口を押さえこんでしまった。

「っぐ…ぅ……」

肩で息をしながら必死で冷静さを保つ。
喘ぎのような叫び声をあげてしまいそうだ。

「ごめ…ちょっと、はッ………ぶり返してきた……だけ…だからっ」

辛さで苦しんでいる風を装ったが、自分の胸中は罪悪感でいっぱいで気分が悪くなってくる。
巽の手はそれでも止まらずに、次はペニスへとイタズラを仕掛けてきたようだ。
弱く刺激されていたが、歯磨き粉のせいで嫌な爽快感が下半身を刺激していた。
どんどんと痛く熱くなっていくせいなのか、ペニスは俺の意に反して硬くなりはじめている。

「大丈夫ですか?水でも持ってきましょうか…?」

そう言われたが、ここで晴生を一旦離しても意味がない。
ペニスへの異常な刺激に耐えながら、弱く首を横に振った。

「はッ…いけ、る……い、けるから…ッ」

本当なら晴生がいれば嬉しいはずなのに、今は一刻も早くこの場所から立ち去って欲しかった。
目尻に涙が溜まりだし、嗚咽を吐きそうになるのをぐっと我慢する。 


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【日当瀬 晴生】


煙草を吸いに出たら千星さんがテントから顔を出してくれた。
九鬼の作ったカレーにはどうやらかなりのスパイスが仕込まれてたようだ。
まだ、俺の舌もひりひり言ってやがるし、ところどこでうめき声が聞こえる。

千星さんの調子もおかしそうだったので心配そうに見つめる。
折角会えたのだから、俺はもう少しここに居たいのだけど、彼は見るからにつらそうだ。
そして、壮絶な色っぽさまで感じる。

殆ど見えないが、カレーのせいか少し瞳が潤んでいる様な気がするし、薄く開いている唇にキスしたい。


「キスしていいですか?」


と、思っていたら思わず言ってしまって、慌てて口を塞ぐ。
場所とか、ムードとか色々あるだろ、俺!!

そうして、千星さんをみると彼は困った顔をしていた。
そうだよな…、こんな誰に見られるか分からない場所で。 


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【天夜 巽】


「キスしていいですか?」

外からそんな声が聞こえて思わず手が止まる。

ああ、やっぱり、そんな関係なんだ。
この時俺の中で半信半疑だった事柄が核心へと変わった。
どうやら、俺にはもう、体で那由多を繋ぎ止めるしか方法は残ってないようだ。
自分は今、酷く冷めた顔をしているだろう。
柔らかくペニスを愛撫していた歯ブラシを一度離すと、徐にまだ歯磨き粉が入っているアナルに突っ込んだ。
腸壁を割る様にして取っ手の辺りまで挿入させる。


「やっぱり、そう言う関係だったんだね。」


独白に近い呟きを落とす。
勿論日当瀬には聞こえない程度に。

日当瀬のポーチの中をみると更に面白いモノが入っていた。
電動歯ブラシだ。

那由多の下半身に毛布を被せると電動歯ブラシにたっぷりと歯磨き粉を付ける。
静かを売りにしている電動歯ブラシのようなので、毛布の中なら音は漏れないだろう。
そう思ってスイッチを入れる。

思っていた通り、くぐもったモーター音は殆ど聞こえなかった。
そのままそれで更に那由多のペニス、特に裏筋と尿道を愛撫していってやる。

那由多がこちら見てないからか、俺はいつもの様な笑みは浮かべておらず。
まるで事務作業の様に淡々と追い詰めていった。 


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【千星 那由多】


早く時間が過ぎないかと唇を噛みしめていると、晴生から思わぬ言葉が降りかかる。

「キスしていいですか?」

その言葉に身体が硬直した。
心臓の音が更に早くなる。
きっと後ろがこんなことになっていなければ、この言葉は幸せに感じられていたのだろうか。
でも今の俺にそんな余裕はなかった。
どう返事をしていいかわからずに眉を顰めたまま黙り込む。

しかし後ろの巽は容赦なく、晴生の言葉の後に再びアナルに何かを入れ込み始めた。

「っ…!!!」

どこまで俺を追い詰めれば気が済むんだ。
幸せな時間は悪魔のような巽の行為に乗っ取られていく。
どうして、どうしてあいつはいつもこんな酷いことをしてくるんだ。

巽が小さく呟いた言葉が酷く冷たかった。
怒っているのか、悲しんでいるのか、どちらとも言えないその言葉に何故か俺の心が痛んだ。


そうだ、俺と晴生はそういう関係なんだ。
巽には…巽には関係ない。


晴生は俺の返事を待っているのか、何も喋らなかった。
下半身が熱を持って痛かったが、俺は涙目で晴生を見つめる。

「ん…し、よ……したい…」

そう小さく呟くと晴生は驚いた顔をしたが、照れくさそうにゆっくりと俺に近づいてきた。
バレるかもしれない…けど、俺は巽に見せつけてやりたかった。
これは小さな抵抗だ。

晴生の柔らかい唇が触れる。
軽く啄むと、煙草の苦い味がした。
それと同時に罪悪感が込み上げる。

「ん…っ………ッ!!!!!」

苦いキスを交わしている途中、ペニスが振動しているもので擦られたのがわかった。
歯磨き粉のせいでペニス全体が痛いのに、更に刺激が加わると晴生と唇を重ねたまま声にならない声が喉から漏れる。
ビクビクと腰が震えたが、その反応を隠す様に舌を無理矢理絡めた。

「…っは…ぁ……ごめ…やり、すぎ……たっ…」

勢い良く唇から離れると表情がバレないように俯く。
晴生も同じように照れていたのか何も言いかえしてこなかった。

「じ、じゃあ、俺、行きます」

そう言って額に軽くキスを落とされると、晴生は小走りで帰っていった。
途端に我慢していた涙が頬を伝う。
晴生がいなくなったのを確認すると、急いでテントの中へと顔を戻し、四つん這いのまま顔だけを巽へと向ける。
テントの中は歯磨き粉の香りが充満していて鼻が痛くなった。

「っ…なに、やってんだよぉ……」

顔が痛みと怒りで酷く歪む。
我慢していた分、身体の震えが尋常じゃなかった。
ペニスに宛てられている物を手で掴み取り上げると、それは電動歯ブラシだった。
しかもこれは見たことがある……晴生のだ。

俺は怒りで頭がおかしくなりそうだった。
我を忘れ、尻を向けていた体勢をひっくり返し正面に巽を見据えると、奥へと突き飛ばすように肩を押した。

「…これっ…なんだよ……!なんで…ひぐッ……こんなッ…」

しゃっくり上げながら泣く俺を見て、巽は冷めた瞳で笑っていた。
自分のアナルの中に入ったものも取り出そうと、手を後ろへと回す。 


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