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過去編(三角関係・攻めが片想いで鬼畜なので注意)
赤ずきん①
しおりを挟む【天夜 巽】
今日は赤頭巾の日当瀬が来る。
こんなにごちそうを用意しても彼は食べないときが多いのだけれど、それなら持って帰ってもらえば済むことだからとテーブルに料理を並べる。
やっと、準備が出来て伸びをすると、窓から中を覗いているオオカミを見つけた。
その表情のだらしなさはなんとも言えなかった。
きっと、お腹が空いているのだろう。
見るからにひ弱そうなオオカミだ。
俺はこんな山の中で暮らしていることもあり、野生動物に食い殺されないだけの身体能力を備えている。
まぁ、彼にはそんな心配いらなそうだが。
僕は玄関を開いてオオカミを呼びいれることにした。
「おいでよ、オオカミさん。お腹すいてるんでしょ?
ちょっと、作りすぎちゃったんだ?
良かったら食べて貰えないかな?」
甘い誘いの言葉を向けるとオオカミはこちらに寄ってきた。
それにしても、こんな俺好みのオオカミなんて久しぶりだ。
そう思いながら、俺は扉を閉めた。
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【千星 那由多】
思わず周りのことも忘れて料理が並んだ光景を唾を飲み込みながら眺めていると、家の扉が開いた。
俺はその音で我に返り、逃げ出そうとしたが、家から出てきたのは優しそうなおばあさんだった。
そして、そのおばあさんは俺に料理を食べていかないかと促す。
「え…いや、で、でも…」
俺の腹は拒否する言葉とは真逆に大きな音を立てた。
恥ずかしくなって俯きながらボソボソと喋る。
「じゃ、じゃあ…少しだけ…」
おずおずと扉の方へと近づくと、おばあさんはにっこりと笑った。
今日は優しい人間によく会う日だ。
いつもなら追い払われるか、銃で殺されるかなんだけど。
少し警戒しつつも、俺は自分の死の心配よりも空腹に負け、おばあさんの言葉に甘えることにした。
家の中へと入ると、外では少ししか感じられなかった匂いがたっぷりと部屋中に漂っていた。
並べられた全ての料理がおいしそうだ。
中でも鶏の丸焼きは、俺の好物でもあった。
「ほ、本当に、食べて、いいのか?」
そう言っておばあさんにチラリと目をやった。
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【天夜 巽】
「いいよ、いいよ。また作ればいいし。
僕は巽。オオカミさんは何て言うの?
はい、ぶどうジュース。これも、美味しいから呑んでみて?」
そう言うと、オオカミが座る為に椅子を引いて上げた。
それから、グラスにジュースと見せかけてワインを注ぐ。
俺はすぐ隣の席に腰かけると、がっつく様に肉を食べ始めたオオカミを見つめる。
本当にこんなうまそうなオオカミは久しぶりだ。
そう思いながら、俺はグラスが空になる度にアルコール度数が高いワインを注いで行く。
オオカミはナユタと言う名前らしい。
どうやら、人間を食べれなくて植えていたみたいだ。
なるほど、こんな可愛らしいオオカミも居るんだなと思いながら食べている姿を見つめる。
赤頭巾の日当瀬の為に作った料理は殆ど無くなってしまったけど、どうせ彼は食べないからこれで良かったかな。
それより、御馳走のお礼をオオカミさんにして貰わないとね。
俺は口角を上げずにいられなかった。
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【千星 那由多】
おばあさんの名前はタツミと言うらしい。
俺の名前も一応告げると、着席を促されるようにイスを引いてくれた。
警戒しつつも座ると、おばあさんは親切にジュースもついでくれ、なんだかこっぱずかしくなる。
人間にもてなされるのは初めてだったので、少し気分がよくなった。
「じゃあ、いただき…ます」
俺はそう言うとがっつくように料理へと手を伸ばした。
そもそもフォークやナイフなどは使ったことがないので、汚くなってしまうのは仕方ない。
ジュースも無くなる度に注いでくれた。
空腹が満たされていき、やっと満足感を味わえたことに笑みが零れる。
それと同時に身体もふわふわと気分がよくなってきていた。
視界が軽く歪んでいることに少し楽しくなり、大体の料理を平らげた後、おばあさんに笑みを向けた。
「タツミは優しいんだな、ありがろー」
呂律がうまく回らず、全身が火照ってくる。
暖房でも利かせているのだろうか?
それにしても気分がいい。
こんなに気分がいいのは初めてだ。
俺はその「気分の良さ」の原因を深く考えずに、食事も終わったからと席を立とうとした。
「あ、れ」
足元がふらつき、タツミに支えられるように受け止められる。
なんだ、これ?
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【天夜 巽】
「ああ。座ってって、座ってって。
優しい?うんん。ちゃんと、お礼は貰うよ。
まぁ、リラックスしてて?すぐ終わるから。」
どうやらナユタは全く気付かずにワインを飲みほし、完全に酔っぱらってしまったようだ。
呂律も回って無いし、頬も紅潮してとってもうまそうだ。
立ちあがろうとしたナユタを再び椅子に座らせる。
それから手慣れた手つきで椅子の後ろで手を拘束し、椅子の前足に片方ずつ足を結びつける。
腰の部分も椅子の背にくくり付けたところで椅子の座っていた部分の板を取り除いてしまう。
「さ。これで、準備は整った。
今度は、俺が君を美味しく頂く番だよ?」
そう言って机の下に隠していたナイフを取り出す。
ナユタは恐怖に青ざめたが俺はこれでナユタを殺す気は無い。
そんなことをしたら勿体無い位今日のは上玉だ。
ナイフを毛皮のようなズボンに伸ばし肌との間に差し込むと、ザシュっと音を立てズボンを切り裂いた。
ナユタのペニスがあらわになり俺は口角を持ち上げた。
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【千星 那由多】
ふわふわした身体を再びイスに座らせられると、タツミはお礼をもらうと言った。
「ぅえ?」
間抜けな声が漏れると同時に、手早く手足を拘束されてしまう。
俺はその行為に思考が追いついていかずに、ぼやけた思考で追っていると、身体全体が椅子に括り付けられた状態になってしまった。
徐々に思考が恐怖に染まっていく。
タツミの言葉とナイフの登場に俺は目を見開き、声も出すことができない。
きっと殺されるんだ。
身動きの取れない身体をガタガタと揺らしたが、相変わらずふらつく頭が余計にクラクラしただけだった。
そして、タツミの持ったナイフが俺の身体を突き刺してくる。
…と思ったが、それは俺の下半身を覆っていた毛皮のズボンを切り裂いただけだった。
火照った下半身が外気に触れ、身震いを起こす。
次はどこを裂かれるのかといった恐怖に歯がガチガチと音を立てた。
「や、やめ………助けて…くれ」
大体こういう時は裂かれて肉にされるか毛皮を剥がれてしまうのがオチだった。
空腹に負けてこの家に足を踏み入れてしまったあの時の自分を恨んだ。
騙された俺がバカだったんだ…。
俺は死を覚悟した。
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【天夜 巽】
「ははっ。怖がってる顔も可愛いね。大丈夫、食べるって言っても殺しはしないから。」
恐怖に染まるナユタもそれはそれで可愛らしかったけど、それよりはお酒に酔って気持ちよさそうにしている方が良かった。
ナユタの前に膝を付く。
椅子の腰かけている部分の板を取ってしまっているので下から覗くとアナルまで丸見えだ。
先にここを解しておこうと、テーブルの上のバターをたっぷりと手に取ると、
それをアナルの回りからアナルの中まで塗り広げる様に何度も何度も人さし指で掬い上げながら塗り込んでいった。
初めてなのかとっても締まりが良くて、俺は思わず舌舐めずりをする。
ぐちゅぐちゅと音がするほど中までバターを塗り込むと、オオカミナユタのいいところを探す様に腸壁を押し上げる。
ちょうど、入口から少し入ったところにしこりを見つけると今度はそこばかりを押し上げていく。
「ココかな…?気持ち良くなってくれたら、それでいいからね?」
僕は目の前にある、ナユタのペニスにキスをして、彼の痴態を見る為に下から表情を見上げた。
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【千星 那由多】
殺さない…?ならこいつは一体何をするつもりなんだ?
激しい動悸が身体中に響き、熱が余計に昇っていく。
俺の前に跪いたタツミは、テーブルの上のバターを手に取った。
「…なに……――――ひッ!!!」
想像もしていなかった場所に指を突っ込まれている。
グリグリとバターを塗り込まれ、痛みに顔を歪めながら腰をくねらせて逃げようとするが、ガッチリと固定された身体はまったく動くことがなかった。
「う…、そん、なトコ………ぅぐッ!」
感じたことのない感覚に吐き気がしてくる。
けれど身体は熱く、音をたてられながら押し広げられていくと、その部分が熱くなっていくのがわかった。
指を押し出す様にアナルへ力を入れてみたが、無駄な抵抗だった。
そして、タツミの指先が中の一定の場所を刺激した。
「――――!!!!」
身体中に電気が走った気がした。
それが快感だと気づくのには時間はかからなかった。
押し上げられる度に声が漏れ、全身に鳥肌が立ち始める。
「ん!あっ、あッ…そこッ……やめろ…ぉ!」
ゆるんだ表情でだらしない声をあげると、身体が更に熱くなっていく。
耳は垂れ下がり、尻尾にも力が入らなかった。
痛みはもちろんあるが、それ以上に快感が勝っている。
どうしてだ?いつもより思考が自分の思う様に動いてくれない。
血液が全身を循環し、自ずとペニスも反応し始めていた。
殺されるよりはマシなのかもしれない…だけど…こんな恥ずかしいことされるのは嫌だ…。
俺はタツミを睨みつけるように見下ろした。
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