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過去編(三角関係・攻めが片想いで鬼畜なので注意)

始まり

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那由多が倒れた日の保健室での巽の自慰。





【天夜 巽】


那由多が倒れた。


副会長さんからそう聞いて俺は保健室へと急ぐ。
保健の先生からは「過労と睡眠不足」と、言われた。
やっぱり、俺の目に狂いは無かった。
那由多の事は毎日見てるから。

ベッドの横に丸イスを置き、そこに腰掛けながら那由多を見下ろす。
俺は那由多が大切だ。

ある意味、自分よりも大切かもしれない。
今の自分があるのは那由多のお陰だと思っているし、那由多以上の親友はこれから先、出来る事は無いだろう。

しかし、那由多はそうではないようだ。
日当瀬晴生という友人が出来た。
彼は那由多の事をよく思っているし良い奴だとも思う。

でも、心の中のもやもやしたものがなぜか最近は募るばかりだ。
色々考えていたが改めて那由多の顔をみると腰が疼いた。
駄目だと思ってるんだけど俺はこういう事は一度火が点いたら止められない。
今までも那由多の事を考えている時にこういう気持ちになったことは何度もある。


俺は那由多に庇護欲のようなものを抱いている。
それが満たされないと不安で仕方がないし、弱っている那由多を見るとどうしてか性欲が掻き立てられる。

俺は那由多が寝ているのをいいことに、ズボンからペニスを引き摺りだし自慰を始める。


「は……。那由多……もっと、頼って……ッ」


そうじゃないと、俺。
おかしくなってしまう。


寝ている那由多の広がる髪、伏せられた瞼、ちょっと開いている唇。
それがいとおしくて仕方がない。
今は何を言っても言葉は返って来ないけど、逆に嘘を吐くことも無い。
その曖昧な狭間に倒錯し酔い痴れる。


「那由多…那由多…那由多…那由多…那由多‥那由‥多‥な…那由多…な…ゆた…――――ッ!!」


みるみる間に俺の性器は硬く立ち上がり絶頂に達する。
それを自分の掌で受け止めると改めて自分がした行為に罪悪感を覚えた。


「………ッ、は……、駄目だ。こんなんじゃ。」


前を正し、手を洗いに行く前に那由多を触りたくなった。
親指で頬を触ると、そこに付いていた精液が付着してしまったので舐めるように口付ける。


「ごめんね。那由多…」


それだけ告げると、俺は一度那由多の傍を離れた。


那由多がうなされ始めたのはその後の事だった。 
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